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登山で使うGPSアプリは何がいい?GPSアプリの選び方と使い方

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登山で使うGPSアプリは何がいい?GPSアプリの選び方と使い方

日帰り登山やハイキングの人気が高まる一方、山での遭難事故は増え続けています。「高い山じゃないから道しるべに沿って登れば大丈夫」「GPSまで使う必要はない」と考えている方も少なくありません。しかし、その油断が遭難への第一歩となってしまうこともあります。

「備えあれば憂いなし」ということで遭難防止に役立つスマホで簡単に使える登山用のGPSアプリをご紹介いたします。

登山の道迷い防止に役立つGPSアプリとは

登山で使うGPSアプリは何がいい?GPSアプリの選び方と使い方

スマホの登山用GPSアプリで遭難防止

登山の遭難防止といえば地図とコンパスを連想しますね。しかし、地図で現在地を把握し正しくコンパスを使うには訓練が必要です。山のお仕事をしている方や山岳部出身の人ではない限り、教えてくれる人に出会う機会がありません。

そこで助けてくれるのがスマホで使える登山用GPSアプリです。荷物が増えるわけでもなく、無料アプリであれば費用もかかりませんので気軽に使用することができます。

GPSアプリといっても種類は様々。移動経路の記録を残す機能が付いているアプリ、事前登録したコースから外れたらアラームを鳴らす機能がついているアプリ、SNSで他のパーティーと連絡し合える機能を持つアプリ、家族や友人への緊急通知がスムーズにできるアプリなど遭難を防止するための機能が豊富に揃っています。

ほとんどの人がGPS内臓のスマホを持っているのに、使わなかったがために道に迷ってしまった!なんてことがないようどんどん活用していきましょう。

スマホの電池切れや圏外になるのが心配…

山の中でGPSを使うのは良いけれど、不安なこともありますね。

1)山の中では圏外になるけど大丈夫?

山では圏外だからスマホは使えないのではと思っている方もいるかもしれませんが、安心してください!スマホのGPSは携帯圏外でも使えます。GPS衛星の信号をキャッチさえできれば地球上どこにいても使えるようになっています。

2)スマホの電池切れが不安

GPSを使うと電池がすぐに切れてしまうのではないかと心配ですね。スマホは本来通信機器なので常に電波を探しています。山は基地局が少なく電波が入りにくいことから、普段以上にバッテリーの消費が早くなってしまうのも事実。

その電池切れ対策には「機内モード」がおすすめです。機内モードにしておけば、スマホは電波を探さないのでバッテリーを温存できます。もちろん、機内モードでもGPSは使えます。

登山開始前にオンライン状態で現在地を取得し、オフラインに切り替えれば電池切れの心配をせずに、GPSの機能を安心して使うことができます。

写真をたくさん撮ったり、何泊もされたりする方は別でモバイルバッテリーを準備しておくと安心ですよ。

ここまで便利!人気の登山用GPSアプリ

自動で登山記録もできる「YAMAP」

自動で登山記録もできる「YAMAP」

YAMAPは登山されている方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。Android、iPhoneでも無料でダウンロードできるアプリです。現在地を示すだけではなく、歩いたコースの記録ができたり、YAMAPのコミュニティと連動したりするこができる機能満載のアプリです。

使い方は簡単。インストールしてログインが済んだら、登る予定の山を検索し、地図をダウンロードします。(この準備はオンラインで事前に済ませておきましょう)

登山開始時、アプリを起動し、ダウンロードしておいた地図を開き、スタートボタンをタップするだけで自動で記録が開始されます。活動終了後には「終了」「保存」をタップするだけで完了です。

実際の登山ルートを赤い線で示しているのでコースが違うかも?と疑問に思ったらアプリを開いて現在地を確認し、コースから外れていないかチェックしてみましょう。

ルートや距離の確認のほか、実際の活動時間や山で撮影した写真の保存ができます。YAMAPのコミュニティを通して自分が登った山の記録を山仲間と共有できるのも特徴的な機能です。

登山用に開発された「ジオグラフィカ」

登山用に開発された「ジオグラフィカ」

ジオグラフィカはAndroidでもiPhoneでも無料でダウンロードでき、高性能な登山用GPSとして登山愛好家から親しまれています。なんと国土地理院の1/25000の詳細な地形図も無料で使うことができる優れものです。

GPSログ、コースの登録や表示、ルート案内など登山に必要な機能が搭載されています。これから行く山を検索し、スマホに地図を保存して使います。

足跡マークをタップすれば、高度や経路を確認・記録することができます。登山途中の高度を知ることで、山頂まであとどれくらい登るのかが分かるので安心ですね。また、距離や速度、消費カロリーなどの記録機能もあります。

ジオグラフィカはGPSの精度もよく、自分でルートを制作できるので複雑なコースにチャレンジしたい登山上級者におすすめしたいアプリです。

紙の地図でもお馴染み「山と高原地図」

紙の地図でもお馴染み「「山と高原地図」

山と高原地図と言えば紙の地図を連想されますが、Android、iPhoneともにダウンロード可能なアプリ版もあります。さすがシェアNo.1ということもあり、50年以上の実績を誇る実踏調査に基づいた見やすい地図が特徴的です。

コースを設定するのに一手間かかりますが、山と高原地図アプリは最適ルートと工程表を自動計算して選んでくれる優れもの。出発時間、休憩、ランチなど無理のない登山計画ができます。

アプリをダウンロードしたら、これから行く山の地図を選びます。地図は各エリア500円と有料なのでご注意ください。有料な分、最新の情報を手に入れることができるのでお泊り登山の時の山小屋、避難場所などの最新情報は無料アプリではない価値があります。

地図には花や高山植物が観賞できるポイントや景観の良い場所なども記載されているので、登山の楽しみをサポートしてくれるわかりやすいアプリです。

万が一に備えて地図とコンパスも忘れずに

万が一に備えて地図とコンパスも忘れずに

GPSアプリと紙の地図はどちらがいいの?

結論的にはGPSアプリも紙の地図もどちらも必要です。GPS機能は便利ですが、現在地が分かるだけでどこをどう進むのかを知るためには読図するスキルはやっぱり必要だからです。

GPSに頼りすぎてしまい、地図読みのレベルが上がらないのは一つのデメリットといえます。救助がなかなか来れない本格的に遭難した場合、スマホの電池も切れてしまうので紙の地図とコンパスを持参しておくことで安全な場所へ移動することができる可能性が出てきます。

紙の地図で正確な現在地を知るには知識や経験が必要なのは間違いないですが、「紙の地図 VS GPSアプリ」ではなく「紙の地図&GPSアプリ」として上手に組み合わせて使えるようになることが安全登山といえます。

まとめ

GPS機能をもつアプリは登山以外のサービスでも多く広まっています。近年急激に伸びてきたとても素晴らしいテクノロジーですね。自分のスマホを持っているだけで荷物もかさばらずに持ち運べるのもお手頃なものです。

その反面、電池切れや端末の故障などのトラブルが発生するというリスクもありますので、アプリと紙の両方備えておくのが一番安心です。地図を読む技術は迷わないためだけではなく、進む道がどれくらいの急な登りなのか、山小屋や頂上までの距離はどれくらいなのかを地図から読むことができるので、紙やアプリ関係なしに覚えておいた方がいいスキルです。

GPSアプリは今回ご紹介したもの以外にもありますので、まずは試してみてからご自身がしっくりくるものを見つけてみてはいかでしょうか。

▼読図するために役立つ本

▼地図とセットで必要なコンパス

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。

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