【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

日本百名山のひとつ「八甲田山」は、岩木山とともに青森県を代表する山です。八甲田山という単独峰はなく複数火山の総称で、八甲田山というと主峰大岳(八甲田大岳)を目指す方が多いです。その魅力はなんといっても広大な湿原で、春〜夏は高山植物、秋は一面の草紅葉を楽しむことができます。

この記事では、紅葉シーズンの八甲田山を実際に歩いたときの様子や行程、難易度、アクセスなどを紹介します。

八甲田山(はっこうださん)とは

八甲田山は、青森県青森市の南側にそびえる大岳(標高1,585m)を主峰とする18の山々からなる複数火山の総称で、日本百名山の一つです。「八甲田山」と名がつく単独峰が存在するわけではなく、複数の火山や溶岩円頂丘で構成される火山群を総じて八甲田山と呼んでいます。

八甲田山の基本情報

【山名】
八甲田山(はっこうださん)、八甲田連峰
【主峰】
大岳(おおだけ)※高田大岳と区別し「八甲田大岳」とも呼ばれる
【地域】
青森県、十和田八幡平国立公園十和田八甲田地域
【標高】
1,585m(大岳)
【選定】
日本百名山、新・花の百名山
【紅葉シーズン】
9月下旬~10月頃

木道歩きと眼下に広がる草紅葉を楽しむコース

八甲田大岳を目指す場合、八甲田ロープウェーを使って縦走するか、酸ヶ湯温泉を起点に周回するルートが人気です。

紹介するのは、酸ヶ湯温泉を起点に八甲田大岳に登る周回ルート。5時間程度の行程で、大岳の大展望や毛無岱の紅葉、地獄湯の沢といった八甲田山の魅力が満載の、初心者向きのコースです。また、下山後には、酸ヶ湯温泉で疲れを癒す楽しみもあります。

【往路】酸ヶ湯温泉 → 毛無岱 → 八甲田大岳山頂

酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)

スタートとなる「酸ヶ湯温泉」周辺には、酸ヶ湯公共駐車場、酸ヶ湯インフォメーションセンター、公衆トイレがあります。

登山口は、酸ヶ湯温泉を挟んで2つあります。右回りで周回する場合は、バス停からすぐの酸ヶ湯温泉脇の登山口から、逆に左回りで周回する場合は、酸ヶ湯温泉から少し離れた酸ヶ湯公共駐車場や酸ヶ湯インフォメーションセンター近くの登山口からスタートします。ほとんどの登山客は左回りでしたが、今回は、右回りの行程で進みます。

登山口からは、しばらく樹林帯を登っていきます。途中、後ろを振り返ると、酸ヶ湯温泉と駐車場が小さく見え、高度を上げているのを感じます。しばらく歩くと、やがて平坦な道になり、樹林帯を抜けると景色が開けた湿地帯「毛無岱(けなしたい)」にでます。

毛無岱(けなしたい)

「毛無岱」は、標高の低い「下毛無岱」と標高の高い「上毛無岱」の2段になっていて、その間に木道階段が設置されています。

まずは「下毛無岱」を進みます。草紅葉の広がる平坦な木道歩きです。右手には八甲田大岳、後ろを振り向けば岩木山が見えます。途中、見晴らしのよい「下毛無岱展望所」があり、多くの登山客で賑わっています。

展望所を進むと、「錦の屏風」といわれる秋の八甲田山を象徴する景色が迫ってきます。

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

「錦の屏風」に飛び込み、上毛無岱へ続く280段の階段を上って行きます。そして、この階段上部から見下ろす「下毛無岱」の景色が圧巻!極彩色の大パノラマに思わず足を止めてしまいます。

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

階段を上りきると「上毛無岱」に入り、景色のよい「上毛無岱展望所」を通過していきます。写真正面は、赤倉岳、井戸岳、八甲田大岳です。

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大岳避難小屋

やがて、井戸岳と八甲田大岳の鞍部に立つ無人小屋「大岳避難小屋」に到着します。トイレはありますが、水場はありません。八甲田ロープウェーから登るコースとの分岐となっているため、ここから人が増えてきます。

井戸岳噴火口

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山頂まではあと一息。山頂の手前から見た井戸岳噴火口は、ハート型に見えます。縁起がよさそうなので写真におさめておきましょう!

八甲田大岳山頂

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

山頂は、広々としていて、周囲はロープで囲われています。

360度の大パノラマで、東北の山々から下北半島、北海道にいたるまで北の大地を堪能できます。写真は山頂直下から撮ったもので、手前に毛無岱全貌と田茂萢岳(たもやちだけ)にあるロープウェー乗り場、奥に青森市街と陸奥湾方面、右に岩木山がうっすら見えます。

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【復路】八甲田大岳山頂 → 仙人岱 → 地獄湯の沢 → 酸ヶ湯温泉

山頂から仙人岱方面に下ります。目の前には、南八甲田連峰の雄大な風景が広がります。

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

仙人岱(せんにんたい)

毛無岱と比較すると規模の小さな湿原です。途中、「八甲田清水(辰五郎清水)」という湧き水と、「仙人岱避難小屋」への分岐があります。

地獄湯の沢

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

「仙人岱」を過ぎると一気に雰囲気が変わります。硫黄のにおいの立ち込めるガレ場の沢は、先ほどまでの穏やかな景色とは対照的です。有毒ガスへの注意喚起を促す看板もあり、八甲田山が火山であることを実感します。

紅葉のトンネル

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

地獄湯の沢を過ぎると再び樹林帯へ。カラフルな紅葉のトンネルを抜けていきます。

ハウチワカエデが、燃えるように赤く染まっています。

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

途中、有毒ガスで樹木が立ち枯れた一帯があり、異様な雰囲気です。さまざまな顔を持つ八甲田山は、樹林帯歩きでも登山客を飽きさせません。

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

下山

【八甲田山・青森】紅葉が綺麗な山へ!温泉とトレッキングが楽しめる東北の名山

やがて登山口の鳥居が現れます。鳥居から、そのまま舗装道路を少し下り、右手に入ると「酸ヶ湯温泉」の公衆トイレ横にでます。下山後は、名湯「酸ヶ湯温泉」で汗を流しましょう!

八甲田山のコース概要・アクセス情報

【コース概要】酸ヶ湯温泉周回コース 右回り

【行程】
酸ヶ湯温泉 → 毛無岱 → 八甲田大岳 → 仙人岱 → 地獄湯の沢 → 酸ヶ湯温泉
【単純標高差】
約700m
【歩行時間】
約5時間
【歩行距離】
約9km
【トイレ】
酸ヶ湯温泉、大岳避難小屋、仙人岱避難小屋

【アクセス情報】酸ヶ湯温泉

自家用車

■酸ヶ湯公共駐車場

【台数】
約150台
【料金】
無料

公共交通機関

■JRバス東北 みずうみ号

【経路】
青森駅~酸ヶ湯温泉
【料金】
片道1,360円
【補足】
・期間限定(例年、11月から翌年の4月まで運休。ただし、2021年11月から2022年4月は本数を限定して青森駅〜酸ヶ湯温泉間はバスの運行あり。最新の情報についてはJRバス東北の公式ホームページをご確認ください。)
・予約不要
・交通系ICカード使用可能
【URL】
https://www.jrbustohoku.co.jp/route/

八甲田ロープウェー

八甲田ロープウェーを使ったコースもおすすめ。標高1,300mまで一気に上がることができます。

【住所】
青森県青森市荒川寒水沢1-12
【時間】
9:00~16:20(冬季15:40)
【料金】
大人 片道1,250円(往復2,000円)/子ども 片道450円(往復700円)/小学校入学前無料
【補足】
・天候や整備により運休します。当日の公式ホームページをご確認ください。
・ホームページには八甲田山の紅葉情報も載っています。
【URL】
八甲田ロープウェー

酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)

東北屈指の名湯で、160畳もある総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」が有名です。千人風呂は混浴ですが、男女別の浴場もあります。バス待ちの時間調整にも最適です。

【住所】
青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
【時間】
7:00~21:00
【料金】
大人1,000円/子ども500円 ※タオル付
【URL】
国民保養温泉地 酸ヶ湯温泉

※情報が古くなっている可能性があります。必ずホームページをチェックしてください。

変化に富んだ歩きやすい山

八甲田山は、山頂の大展望、眼下に広がる草紅葉、ハート型の噴火口、地獄湯の沢など、非常に変化に富んだ山でありながら、歩きやすいことが魅力の山です。

一足早く訪れる紅葉や、夏とは違った山の雰囲気を味わいに八甲田山へでかけてみてはいかがでしょうか。

▼登山やハイキングの体作りの参考に

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【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

双六岳(すごろくだけ)は、北アルプスの裏銀座縦走コースの主稜線で、槍ヶ岳方面や三俣蓮華岳方面、笠ヶ岳方面など北アルプスの稜線が合わさる場所にあります。穏やかな山容と、その上に浮かぶような槍ヶ岳の展望が美しいとSNSなどで話題。また、花の百名山にも選出されており、山頂直下のカールにはお花畑が広がっています。

この記事では、初心者でも双六岳を目指せる「新穂高温泉往復1泊2日コース」の行程やアクセス情報、撮影スポットなどを紹介します。

双六岳とは

双六岳(すごろくだけ)は、長野県大町市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈の裏銀座の主稜線に位置する標高2,860mの山です。山名の由来は、神通川水系最上流部の双六谷にすごろくの碁盤に似た盤の石があることや「四五六谷」が転化して双六谷になったとする説など諸説は様々です。
(引用:wikipedia)

【山名】
双六岳(すごろくたけ)
【山域】
飛騨山脈/北アルプス/裏銀座
【標高】
2,860m
【選定】
花の百名山、ぎふ百名山、新高山市100景

槍ヶ岳の展望とお花いっぱいの登山道を歩く

今回紹介する「新穂高温泉から双六岳を目指すコース」は、利用者が多く特に危険箇所もないため、初心者でも楽しめるコースとなっています。距離の長いコースですが、コースの途中には山小屋や水場が点在しているので安心です。本行程では、1日目に双六小屋まで登る1泊2日コースを紹介しますが、体力に自信がない方や遅い時間にスタートする場合は、途中の山小屋に宿泊して日数をかけて登るのがおすすめです。

【1日目】新穂高温泉 → わさび平小屋 → 鏡平 → 双六小屋(泊)

新穂高温泉(標高1,090m)

スタートとなる新穂高温泉の「新穂高センター」には、奥飛騨温泉郷観光案内所、新穂高登山指導センターが併設され、登山ポスト、トイレ(24H)、自動販売機があります。双六岳方面だけでなく、新穂高ロープウェイや槍・穂高方面への登山口でもあり、多くの登山客で賑わっています。

新穂高温泉からは、左俣林道と右俣林道にわかれていて、双六岳方面は「左俣林道」なので間違わないようにしましょう。左俣林道は、舗装された道で歩きやすいです。途中、「笹新道登山口」の分岐を通過していきます。

左俣林道を1時間ほどで「わさび平小屋」に到着です。

わさび平小屋(標高1,400m)

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

わさび平小屋の前には、野菜やスイカ、ドリンクなどが流水で冷やされています。水は無料でわけてもらえますし、外トイレはとても綺麗です。お風呂もあるらしく、魅力的な山小屋です。

夏場に訪れたらぜひ食べたいそうめん!自然のなかで食べるそうめんは格別ですよ。

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

小池新道

わさび平小屋から少し進むと、奥丸山分岐があり「小池新道」に入っていきます。ここから本格的な登山道の始まりです。

しばらく進むと、岩場が多くなり「秩父沢」にでます。秩父沢は、雪解け水の流れる涼スポットで、無雪期は木橋がかけられています。その後、岩に「チボ岩」と書かれたガレ場、「イタドリヶ原」を通過すると「シシウドヶ原」に到着します。シシウドヶ原は、開けた場所にベンチがあり休憩に最適です。

シシウドヶ原からは木道が現れ、1時間ほどで次のポイントである「鏡平」に到着します。

鏡平(標高2,300m)

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

鏡平付近には木道が敷かれていて、手前に「鏡池」、その先に「鏡平山荘」があります。

「鏡池」は、槍・穂高連峰が水面に映る「逆さ槍」の絶景ポイントです。池畔に広めのベンチがあり、「逆さ槍」を眺めながらゆっくり休憩ができます。「鏡平山荘」には、名物のかき氷があり、テラスは一息つく登山客で賑わっています。

そして、鏡平から弓折乗越までが、本ルート一番の急登!休憩しながらマイペースで登りましょう。周りの登山者を追い越し、また追い抜かれ、を繰り返して顔見知りになっちゃう「登山あるある」を楽しんでみるのも良いかもしれません。

急登を登った先で鏡平小屋と鏡池を見下ろすと、かなり登ってきたことを実感するでしょう。

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

弓折乗越(ゆみおりのっこし)

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

弓折岳、笠ヶ岳方面との分岐です。ここからは、森林限界に達して稜線沿いを歩く天空ロード。槍ヶ岳を横目に、お花畑が点在します。なかでも「花見平」のお花畑は規模が大きく、馬の背のような形をした双六岳とのコラボレーションは、双六岳を象徴する景観のひとつです。

お花の盛りは過ぎてしまっていますが、最盛期はお花でいっぱいの花見平。

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

花見平を過ぎるとハイマツ帯になります。運が良ければ雷鳥にも出会えるかも!?

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

双六小屋(標高2,550m)

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

ハイマツ帯を抜けると、双六池とテント場が見えてきて、その先に、宿泊する「双六小屋」が立っています。双六小屋は、双六岳と樅沢岳(もみさわだけ)の鞍部に位置し、小屋からは日本百名山である「鷲羽岳」がよく見え、絶好のロケーションです。

山小屋で鷲羽岳を見ながら生ビール!

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

【2日目】双六小屋 → 双六岳 → 鏡平 → わさび平小屋 → 新穂高温泉

2日目の行程は、双六岳に登り、その後往路と同じ道を下山します。

双六小屋(標高2,550m)

双六小屋に大きな荷物をデポして、身軽に双六岳へ向かいます!

登っている途中からのご来光。眼下に赤い屋根の双六小屋と奥に樅沢岳。双六小屋が鞍部に位置しているのがよくわかります。

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

登り始めは岩場の急登ですが、やがて広くてなだらかな砂礫地帯に到達します。背の低いハイマツや草が点々としていて、山の上とは思えない独特な雰囲気です。

そして、後ろを振り返ると…

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

広い台地状に一本だけのびる稜線、その先に北アルプスのシンボル・槍ヶ岳の雄姿。穏やかな双六岳と対照的な、荒々しい岩稜帯に目を奪われ、なかなか前に進むことができません。たくさんの人がこの風景を見るために双六岳へ登るのも納得の景色です。

双六岳(標高2,860m)

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

絶景に魅了されていると、あっさり山頂に。山頂からは、槍ヶ岳はもちろん、笠ヶ岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳など裏銀座の名峰が360度見渡せます。

下山

下山は、双六岳山頂の少し先にある分岐から「中道」を通って双六小屋まで下りるルートでも良いでしょう。夏場はお花畑が広がっています。双六小屋で荷物をピックアップして、往路と同じ道を下ります。

双六岳のコース概要・アクセス情報

【コース概要】新穂高温泉往復1泊2日

【双六岳】稜線から望む槍ヶ岳が絶景!フォトジェニックな山旅へ

【行程】
1日目:新穂高温泉 → わさび平小屋 → 小池新道 → 鏡平 → 弓折乗越 → 双六小屋
2日目:双六小屋 → 双六岳 → 弓折乗越 → 鏡平 → 小池新道 → わさび平小屋 → 新穂高温泉
【単純標高差】
約1,770m
【歩行時間】
1日目:7時間20分 2日目:7時間10分
【歩行距離】
約30km
【トイレ】
新穂高温泉登山口、わさび平小屋、鏡平小屋、双六小屋

双六小屋

標高2,550m、双六岳と樅沢岳の鞍部に位置する山小屋です。

【料金】
1泊2食13,000円/素泊まり9,000円(※他、個室あり)
【TEL】
0577-34-6268/現地090-3480-0434
【収容人数】
150名
【ポイント】
・水が豊富、コンセントあり、ご飯が美味しくて快適な山小屋です。
・宿泊者は、縦走している人が多く、情報交換ができるかも!?
【ホームページ】
双六小屋 | 北アルプス 双六小屋グループ

※情報が古くなっている可能性があります。必ずホームページをチェックください。

【アクセス情報】新穂高温泉

自家用車

登山者専用の無料駐車場と有料駐車場があります。

■市営「新穂高第3駐車場」 無料
登山指導センターの500m~1kmほど手前/仮設トイレあり

■市営「県有公共駐車場」 協力金1,000円/泊
登山指導センター近く

※その他の駐車場や詳細は、駐車場マップよりご確認ください。

公共交通機関

松本バスターミナルと平湯温泉、都心からも直通バスがあり、比較的アクセスしやすいです。

■濃飛バス

■アルピコ交通

立ち寄り温泉

■奥飛騨温泉郷 平湯温泉「ひらゆの森」
源泉かけ流しの16の露天風呂が自慢で、食事処、土産処も充実している総合温泉施設。公共交通機関を利用する場合、高速バス乗換時の時間調整にも便利です。

カメラを持ってでかけたい山

双六岳の稜線は、山雑誌やSNSなどで一度は目にしたことのある風景ではないでしょうか。初心者にとっては、距離が長く感じるかもしれませんが、槍ヶ岳や北アルプスの美しさを堪能できる山です。また、双六岳から雲ノ平や槍ヶ岳、黒部五郎岳など、縦走したいルートや行きたい山を見つけるキッカケになるかもしれません。

双六岳でしか出会えない絶景を求めて、フォトジェニックな山旅にでかけてみてはいかがでしょうか。

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【茅ヶ岳登山・登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

山梨県北杜市と甲斐市にまたがる「茅ヶ岳」(かやがたけ)は、日本百名山を選定した深田久弥氏の終焉の地として有名です。手軽なハイキングコースでありながら、富士山や南アルプス、奥秩父連峰へと連なる抜群の眺望も魅力です。隣接する「金ヶ岳」(かながたけ)も含め、山容が八ヶ岳に似ていることから「ニセ八ツ」という俗称もあります。

この記事では、【深田記念公園をスタートし、深田久弥終焉の地を経て、茅ヶ岳山頂を目指すコース】を実際に歩いてみた行程や魅力を紹介します。

茅ヶ岳とは

茅ヶ岳は山梨県の北杜市と甲斐市にある奥秩父山地の南側にある山です。日本百名山を選定した深田久弥氏が茅ヶ岳の登山中に脳卒中で死去した山でもあり、「深田久弥終焉の地」と呼ばれています。

その遺徳を偲び、韮崎市と韮崎市観光協会、地元山岳会が建てた記念碑がある深田記念公園が麓にあります。茅ヶ岳は、手頃なハイキングコースとして人気があり、山頂からは富士山、北アルプス、南アルプスなど、数々の日本百名山の絶景を堪能できます。

【山名】
茅ヶ岳(かやがたけ)
【山域】
奥秩父山系前衛
【標高】
1,704m
【選定】
山梨百名山、日本二百名山

深田ファン必見!深田記念公園コースを歩く

複数ある茅ヶ岳の登山ルートのなかで深田記念公園からスタートするコースは、登山道入口までのアプローチがよく、深田氏の足跡をたどれるため、深田ファンおすすめのコースです。利用者が多く、山頂までの標準コースタイムが2時間半と程よいため、初心者でも安心して登山を楽しめます。

現在、新型コロナウイルス感染症対策のため、深田記念公園を起点に「登りは女岩ルートで 下りは尾根ルートで」という周り方が推奨されています。

深田記念公園~女岩

深田記念公園駐車場の奥に、深田記念公園と登山道入口があります。深田記念公園は下山後に寄ることにして、山頂を目指します。

しばらくは、道幅の広い緩やかな坂を進みます。緑に囲まれた気持ちの良いハイキングコースです。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

途中、舗装された林道(前山大明神線)を横断します。その後もなだらかな登山道が続きます。駐車場と山頂の標高差が約750mあるのになだらかな道がこんなに続いているので、後半が心配になります。(この後、不安は的中します。)

女岩~茅ヶ岳山頂

スタート地点と山頂の中間くらいのポイントに「女岩」があります。座れるスペースがあるので休憩をとりましょう。

女岩付近は落石で立入禁止のため、迂回ルートで山頂を目指します。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

ここからは、いきなり急登になります。岩がゴロゴロしていたり、足元が滑りやすくなっているため、少し注意が必要です。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

岩場ゾーンが終わると、途中からつづら折りになり歩きやすくなります。ただし、傾斜は相変わらずきついため、自分のペースで登りましょう。やがて、「女岩のコル」といわれる尾根に出ます。

尾根沿いに少し進むと、登山道右手に深田久弥氏の慰霊碑が立っています。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

慰霊碑には、「深田久弥先生終焉之地 1971年3月21日11時23分」と亡くなられた日時が刻まれています。深田記念公園にある案内板によると、深田氏は、親しい山仲間と山頂に向かっている途中、突然脳溢血(のういっけつ)で倒れたそうです。山中の緑に囲まれた穏やかな場所でした。

しばらく故人を偲んだのち、山頂へ向かいます。山頂直下は、手を使って登るような岩場です。途中、木々の隙間から富士山が望めました。

慰霊碑から10分ほどで山頂に到着です。実際に登ってみると、深田氏が本当に山頂までわずかの地点で倒れたということを実感するでしょう。

茅ヶ岳山頂

山頂には、これまでの疲れが吹き飛ぶ360度の大パノラマが広がっています。2つの山頂標識と立体展望盤があります。休憩スペースは充分ありますが、開けている分日陰がないため、熱中症には注意が必要です。

【南東方向】
まず目に飛び込んでくるのが富士山。甲府盆地の先にどっしりと構えています。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

【西方面】
南アルプスの眺めが抜群です!悪沢岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳、鳳凰三山、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳が確認できました。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

拡大:鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)の後ろに、間ノ岳、北岳が頭を出しています。地蔵岳のオベリスクが目立ちます。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

拡大:雄々しい山容の甲斐駒ヶ岳。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

【北方向】
隣接する金ヶ岳、その後ろに八ヶ岳連峰が見えます。金ヶ岳は、茅ヶ岳と一緒に縦走する人も多いです。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

【北東方面】
金ヶ岳の東方向には瑞牆山、金峰山といった奥秩父連峰が広がります。地蔵岳のオベリスク同様、金峰山の五丈石も特徴があるので判別しやすい山です。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

拡大:金峰山の五丈石。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

正直言って、この景色は想像以上でした。夏場でもこれほど眺めが抜群なので、空気の澄んだ季節はどれほど素晴らしいのか、と期待しないではいられません。

茅ヶ岳山頂~深田記念公園

下山道は、防火帯の「尾根ルート」を下ります。途中、千本桜公園方面に下るルートとの分岐があるので見逃さないように。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

人が少なく静かですが、尾根ルートも急峻な下りです。そして、下りに飽きてきたころ、林道交点に出ます。往路(女岩ルート)の林道交点よりも100mほど上部の地点で、林道を下り、往路の登山道と合流します。

深田記念公園

深田氏が茅ヶ岳登山中に逝去された後、その功績を称えて造られた公園です。記念碑、案内板、東屋、ベンチがあります。「深田久弥と茅ヶ岳」という案内板には、茅ヶ岳での最期の様子などが細かく記されています。また、記念碑には「百の頂に百の喜びあり」と深田氏の残した名言が刻まれています。

深田氏の没後50余年という歳月を経ても色褪せない「日本百名山」。深田氏の聖地をめぐり、また一つ「喜び」を求めて「頂」に登ろう、という励みになるのではないでしょうか。

【茅ヶ岳登山】日本百名山の生みの親・深田久弥終焉の地を歩く

茅ヶ岳 コース概要・アクセス情報

深田記念公園コース

【コース】
深田記念公園〜女岩〜深田久弥終焉の地〜茅ヶ岳~深田記念公園
(往路:女岩ルート/復路:尾根ルート)
【コースタイム】
4:15(往路2:30/復路1:45)
【単純標高差】
約760m
【歩行距離】
約6.5km
【登山ポスト】
深田記念公園登山道入口
【トイレ】
深田記念公園駐車場のみ

深田記念公園登山口へのアクセス情報

自家用車

【駐車場名】
深田記念公園駐車場
【住所】
山梨県韮崎市穂坂町柳平2158-3
【アクセス】
中央自動車道「韮崎IC」から約15分。
【駐車台数】
約30台
【料金】
無料
【標高】
940m
【トイレ】
あり

公共交通機関

韮崎駅から、「茅ヶ岳みずがき田園バス 韮崎深田公園線」または「韮崎市民バス 穂坂線」で「深田記念公園」下車。

日帰り温泉

ハイジの村 クララ館内 クララの湯

内風呂から南アルプスが間近に見えます。施設の展望台からは、富士山、南アルプス、八ヶ岳、茅ヶ岳が一望できます。

【住所】
山梨県北杜市明野町浅尾5259-950
【アクセス】
深田記念公園から車で約20分。バスの場合、茅ヶ岳みずがき田園バス「クララ館」バス停。
【時間】
12:00~20:00(受付19:00まで)
【料金】
大人820円(JAF会員割引720円)
【アメニティ】
シャンプー・トリートメント・ボディソープ・ドライヤー
【URL】
ハイジの村 クララ館

※情報が古くなっている可能性があります。必ずホームページをチェックください。

参考サイト

【会津駒ヶ岳・登山】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

尾瀬国立公園に属する「会津駒ヶ岳」は、日本百名山に数えられる南会津の名峰です。なだらかな山容が特徴的で、山頂付近に広がる大湿原やお花畑は「天上の楽園」と称されるほど。また、山頂から北にのびる「中門岳」への稜線や「中門大池」の青空リフレクションも見逃せないポイントです。

この記事では、花で埋まる夏の会津駒ヶ岳を、滝沢登山口から会津駒ヶ岳、中門岳まで歩いた行程や、その魅力について紹介します。



会津駒ヶ岳(あいづこまがだけ)とは

会津駒ヶ岳は、福島県南会津郡檜枝岐村にある標高2,133mの山です。頂上周辺は高山植物が多く、草原のようになっています。木道が整備されているため、歩きやすくなっています。

【山名】
会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ)
【場所】
福島県南会津郡檜枝岐村(ひのえまたむら)
【標高】
2,133m
【選定】
日本百名山/新・花の百名山/東北百名山/会津百名山/うつくしま百名山
その他
尾瀬国立公園

滝沢登山口コースを歩く

滝沢登山口からのコースは、山頂まで最短距離で登れる、最も利用されているコースです。木道が整備されていて、全体を通して危険箇所や道の不明瞭箇所はありません。距離が長いため、日帰りの場合は早朝に出発するか、宿泊して「天上の楽園」を堪能するのも良いでしょう。

滝沢登山口~水場

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

滝沢登山口の階段をあがって登山スタートになります。ここから「水場」までは、樹林帯のなかをひたすら登る、本コース一番の急登です。登山道の途中には、山頂までの距離標識があり、目安になります。道迷いの心配もありません。

標高を上げていくと「水場」という、視界の開けた休憩ポイントに出ます。「水場」は、正確には登山道と水場との分岐のことで、実際の水場はそこから数分下ったところにあります。

水場~駒の小屋

坂が緩やかになり、森林限界に到達すると、2本の木道が現れます。

すぐに展望の良いベンチがあり、正面には目指す会津駒ヶ岳が望めます。写真左側のピークが会津駒ヶ岳で、右側が中門岳。間のなだらかな稜線を早く歩いてみたい、と心がはやりました。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

ベンチからは高層湿原帯の木道歩き。木道脇には高山植物と池塘が点在し、後ろを振り返れば山並みが広がっています。やがて、木道の先に三角屋根の「駒の小屋」が現れます。この辺りは「池ノ平」と呼ばれ、なんともメルヘンな雰囲気です。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

駒の小屋~会津駒ヶ岳 山頂

「駒の小屋」を右へ曲がり、山頂に向かいます。小屋の前には「駒ノ大池」があり、天気が良ければ池に映る「逆さ会津駒ヶ岳」が見られるので、見逃さないように。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

チングルマ、イワイチョウ、ハクサンコザクラなどが咲き乱れるお花畑の木道を進みます。高さのあるコバイケイソウの群生は圧巻です。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

「駒の小屋」から10分くらいで「中門岳」への巻き道との分岐になり、右に折れたらすぐに山頂です。

振り返ると、先ほどまでいた「駒の小屋」と燧ヶ岳、至仏山、日光連山などの山々が見渡せ、ダイナミックな景色が望めます。小屋近くに残る雪渓もよく見えました。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

会津駒ヶ岳 山頂

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

狭い山頂には、大きな山頂標識とパノラマガイド板、三角点があります。双耳峰の燧ヶ岳と山頂標識のコラボレーションをカメラに収めることができます。木々に囲まれているため、山頂直下のポイントの方が眺めが良いです。

会津駒ヶ岳山頂~中門岳

山頂から「中門岳」へ向かいます。中門岳まで、標準タイムで片道50分のため、時間と体力に余裕があれば行ってみましょう!

中門岳までは、お花畑と池塘を巻くように木道が敷かれています。ほんのりハートを描くような木道の曲線にときめきます。写真の左から3つめのピークが中門岳です。多少アップダウンはしますが、気にならないくらい平坦な稜線歩きです。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

どこまでも続く「コバイケイソウ」の群生。「駒の小屋」付近のものより規模が大きかったです。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

会津駒ヶ岳を代表する花、初夏に咲く「ハクサンコザクラ」の群生です。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

中門岳(ちゅうもんだけ)

ひときわ大きな池塘が「中門大池」で、池畔に「中門岳(この一帯を云う)檜枝岐村」というザックリとした山頂標識とベンチがあります。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

中門大池に映し出されるダイナミックな青空リフレクションは必見!自然の生み出した神秘的な風景に感動します。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

実はここで終わりではありません。中門大池の先には、中門岳の最高地点に続く木道があります。

中門岳最高地点の池塘です。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

終点のベンチの辺りはトンボがたくさん飛んでいて、のどかな雰囲気。ここまで来る人は少ないので、大自然を独り占めするような極上の気分を味わえます。

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

下山道

名残惜しい景色ですが、日帰り登山で時間に余裕がないため下山します。帰りは会津駒ヶ岳山頂をパスして巻き道を通るのも良いでしょう。下山道は、余裕もできて登りとはまた違った視点で風景を見られるのも登山の醍醐味ですよね。

会津駒ヶ岳 コース概要・アクセス情報

滝沢登山口コース ピストン

【会津駒ヶ岳】花と湿原広がる天上の楽園へ!滝沢コース日帰りピストン

【行程】
日帰り
【歩行時間】
7:35(往路4:10/復路3:25)
【単純標高差】
940m
【歩行距離】
約12km
【登山ポスト】
滝沢登山口
【トイレ】
駒の小屋
【コース】
滝沢登山口〜水場〜駒の小屋〜会津駒ヶ岳~中門岳 往復

駒の小屋

ゆるかわなTシャツやオリジナルグッズが人気の山小屋。トイレは小屋の奥にあります。(協力金100円)

アクセス情報

自家用車

滝沢登山口駐車場 約20台
・東京方面からの場合、東北自動車道「西那須野塩原IC」から約2時間。
・満車の場合は、沿道に駐車するか、国道沿いの「グラウンド駐車場」を利用。
・トイレはありません。国道沿いの駒ヶ岳登山口にあります。

公共交通機関

東武鉄道「会津高原尾瀬口」駅より会津バスで「駒ヶ岳登山口」バス停まで約1時間。

【料金】
1,790円

下山後の日帰り温泉情報

檜枝岐村は温泉地としても有名。日帰り温泉施設は3つあり、いずれも登山口に近くて便利です。

燧の湯(ひうちのゆ)

[公衆浴場] 源泉掛け流し。景色の良い露天風呂があります。

【住所】
福島県南会津郡檜枝岐村上ノ台208-1
【源泉】
単純硫黄泉(単独使用)
【料金】
大人700円/子供300円

駒の湯(こまのゆ)

公衆浴場は駒ヶ岳登山口から徒歩10分くらいです。

【住所】
福島県南会津郡檜枝岐村下ノ原839-1
【源泉】
アルカリ性単純泉
【料金】
大人600円/子供300円

アルザ尾瀬の郷(あるざおぜのさと)

[総合温泉スポーツ施設] 2022年春リニューアルオープン。別料金でプールも利用可能です。

【住所】
福島県南会津郡檜枝岐村字見通1156-1
【源泉】
アルカリ性単純泉
【料金】
風呂のみの場合:大人700円/子供300円


※情報が古くなっている可能性があります。必ずホームページをチェックください。

稜線好き、高層湿地好きにはたまらない穏やかな山

距離は長いですが、最初の急登を抜ければ花と湿原が広がる天空の稜線歩きです。岩場の山とは違う穏やかな山の雰囲気に癒されることでしょう。会津駒ヶ岳山頂から中門岳の間がハイライトなので、せっかく会津駒ヶ岳に登るのであれば中門岳までセットで行くことをおすすめします。

会津駒ヶ岳は、一面草紅葉になる秋の季節や残雪期も人気の山なので、また違う季節にも訪れてみたいと思いました。

参考サイト

▼登山やハイキングの体作りの参考に

▼登山をサポートしてくれるアイテム

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローされると喜びます。

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

「カッコソウ」という花をご存知でしょうか。世界中で鳴神山系にしか自生しない花で、国の絶滅危惧種に指定される希少なお花です。そんなカッコソウを見ることができる唯一の山「鳴神山」は、群馬県桐生市の里山。どんな山なのか? 初めて訪れてみました。



鳴神山とは? そこに咲くカッコソウとは?

鳴神山は、群馬県桐生市に位置する里山です。標高は980mで、東峰の「桐生岳」と西峰の「仁田山岳」から成る双耳峰です。

鳴神山を有名にしたのは、何といっても固有種である「カッコソウ」で、毎年4月下旬〜1ヶ月程度の開花時期には県内外から多くの登山者が訪れます。カッコソウは、サクラソウ科の多年草で、紫がかったピンク色をしています。高さ10cm程度と小さく、直径2〜3cmの花が5〜15輪リング状に多段に咲きます。

カッコソウは、かつては普通に見られたといわれていますが、自然環境の変化や人々による採取などが原因で、現在は鳴神山系の限られた場所でのみ自生しています。そのため、環境省のレッドリストで絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧IA類」に指定され、かつ、法律により「国内希少野生動植物種」として保護されています。

また、鳴神山は、カッコソウ以外にも、もう一つの固有種「ナルカミスミレ」や絶滅危惧種
「ヒイラギソウ」など多くの希少植物が生息し、山自体が国や県の保全地域となっています。

低山でありながら山頂からの眺望は素晴らしく、登山道もよく整備されているので、初心者も安心してハイキングが楽しめます。地元では古くから信仰の山として崇められていて、その歴史痕跡をめぐるのもおもしろいです。

鳴神山基本情報

山名・エリア
鳴神山(なるかみやま)-桐生岳・仁田山岳-/群馬県
別称
雷神山(なるかみさん)・雷神嶽(なるかみだけ)
標高
980m
百名山
関東百名山/関東百山/新・花の百名山/ぐんま百名山
その他
環境省生物多様性保全上重要な里地里山(重要里地里山)/群馬県自然環境保全地域

鳴神山の駒形登山口周回コースを歩く

今回、一番メジャーである【駒形登山口を起点に鳴神山山頂、カッコソウ移植地を周回するコース】を歩いてきたので紹介します。はたしてカッコソウには会えるのでしょうか!?

山行概要

日程
2022年4月30日(土) ゴールデンウィーク
天気
快晴
ルート
駒形登山口~鳴神山~カッコソウ移植地~駒形登山口

駒形登山口(スタート)~鳴神山 山頂

駒形登山口

9:00頃、駒形登山口の駐車場に到着。10台ほどの駐車場スペースはすでにいっぱいで、路肩にも車がビッシリと並んでいます。他県ナンバーの多さがこの山の人気を物語っています。登山ゲートには管理の方がいて、パンフレットを手渡し、コースの概要を教えてくれます。

登山道

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

登山開始からしばらく、沢沿いを歩いていきます。稜線上の「肩の広場」まではずっと登りですが、整備された歩きやすい登山道です。沢のせせらぎ、心地よい風、初夏の優しい光に癒されます。あちこちに植生保護柵が張られ、植物が保護されています。スタート時間が遅かったからなのか? 車の数にしては出会う人が少なく、のんびりとした山歩きを楽しめました。

肩の広場

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

広場には「雷神嶽神社(なるかみたけじんじゃ)」が鎮座し、社殿の他にオオカミの狛犬と鳥居があります。一気に山岳信仰を偲ばせるスピリチュアルな雰囲気に。

「肩の広場」から山頂まではすぐです。山頂付近には岩場も登場し、変化に富んだコースが楽しめます。

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

足元には、小さな「フイリフモトスミレ」が健気に咲いていました。葉っぱに美しい白斑が入っています。また、鳴神山の山頂付近には「アカヤシオ」が群生して咲くことでも有名ですが、アカヤシオは終盤をむかえ、代わって鮮やかな「ヤマツツジ」が咲き始めていました。

鳴神山 山頂

桐生岳

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

鳴神山の最高峰、「桐生岳」です。鳴神山には2つの山頂がありますが、一般的には桐生岳を山頂とするようで、山頂標識もあります。山頂には他に、鳥居と4基の石祠が祀られていますが、狭いので、登山客でいっぱいです。難易度がほどよい山なので、ご年配からご家族連れまで、幅広い世代の方が登っていました。

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

山頂からは360度見渡せるダイナミックな景色が広がっています。この日は空気が澄んでいて、上州の山々はもちろん、富士山や東京スカイツリーも見えて最高の登山日和! 1時間半くらいで登れて、この景色が見られるのはお得です♪

仁田山岳

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

もう一つの山頂である「仁田山岳」には、赤い鳥居と2基の石祠があります。桐生岳に比べるとだいぶひっそりとしています。

第一展望台

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

展望がよく、右側に赤城山がよく見えました。岩場に立つと大自然に溶け込んだ写真が撮れるので、撮影スポットとしてもおすすめです!

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

第一展望台から少し進むと「ヒメイワカガミ」が岩場に咲いています。手前に「ヒメイワカガミ 5m先 右岩上部」という標識があるので見つけやすいです。随所でお花たちが楽しませてくれます。

椚田峠

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

カッコソウは椚田(くぬぎだ)峠下の移植地に咲いています。「カッコソウ→3分」という標識が立っています。向かって右の「コツナギ橋登山口」方面に下ります。

カッコソウ移植地

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

カッコソウがたくさん咲いています!!! 小ぶりで可憐なお花です。

移植地は、杉林のなかの斜面です。登山者に踏みつけられないよう、またシカの食害から守るため柵とネットで施錠管理されています。近くには管理の方がいて案内をしてくれます。

柵のなかには、一方通行の遊歩道が整備され、カッコソウはロープで守られています。カッコソウに寄った写真が撮りたい場合はズームレンズがあると便利です。

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

よく見ると花びらの先が裂けていて、ちょうどピンクのハート型に見えるのがまたかわいいです。茎には産毛みたいなものも生えています。

鳴神山に自生するカッコソウは800個体程度(2012年時点)といわれています。保護されている方々の尽力でこうして可憐な姿を見ることができました。

椚田峠~駒形登山口(ゴール)

下山道

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

カッコソウを堪能したら「椚田峠」まで再び戻り、下山開始です。往路より距離は長いものの、坂が緩やかで歩きやすいです。「赤柴登山口」からは林道歩きになります。

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング

「赤柴登山口」付近には、絶滅危惧lB類の「ヒイラギソウ」が群生していて、堅牢な柵で保護されています。名前の由来どおり、葉っぱがヒイラギに似ています。さすがは新・花の百名山! 希少植物の宝庫です。

駒形登山口

登山開始から約3時間で、ゴールの「駒形登山口」駐車場に戻ってきました。午後には、桐生グルメや観光を楽しむ時間的な余裕もありました。

たくさんの人から愛され、低山ながら、沢や岩場、希少植物、眺望、歴史など見どころがギュッとつまった里山でした。また、「ここだけの花を求めて山を登る」というロマンのようなものを感じる山行になりました。

鳴神山 コース・アクセス情報

主要コース

【鳴神山】世界にここだけ! 希少種カッコソウを求めて初夏の里山ハイキング
鳴神山山頂とカッコソウの両方を堪能する2つの周回コースを紹介します。山頂のみ、カッコソウのみの場合は、ピストンが最短コースとなります。

駒形登山口 周回コース(西側)

※今回紹介したコースです。

コース
駒形登山口〜肩の広場〜鳴神山〜棚田峠~カッコソウ移植地~棚田峠~赤柴登山口~駒形登山口
標準コースタイム
3時間
単純標高差
550m
歩行距離
5.8km
トイレ
なし

大滝登山口 周回コース(東側)

コース
大滝登山口〜肩の広場〜鳴神山〜棚田峠~カッコソウ移植地~コツナギ橋登山口~大滝登山口
標準コースタイム
3時間20分
単純標高差
580m
歩行距離
5.2km
トイレ
なし

アクセス情報

自家用車

駒形登山口 駐車場/大滝登山口 駐車場/コツナギ橋登山口 駐車場
※どの駐車場も狭いため、混んでいる場合は路肩に駐車します。

公共交通機関

JR両毛線「桐生駅」からバス(桐生市「おりひめバス」)
【1】おりひめバス・川内線で「吹上」バス停下車→駒形登山口まで徒歩約30分
【2】おりひめバス・梅田線「梅田南小学校前」バス停下車→大滝登山口まで徒歩約90分

おりひめバス時刻表 | 桐生市
(大人200円/子ども市外100円/子ども市内無料)

参考サイト

▼登山やハイキングの体作りの参考に

▼登山をサポートしてくれるアイテム

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローされると喜びます。