HIKES > 全国の山情報 > 中国・四国・九州の登山情報 > 九重山(くじゅうさん/久住山)の登山情報
火の国と呼ばれる九州地方の山々には活火山が多く、九重山もその活火山の一つです。バスやタクシーでアクセスが可能な牧ノ戸峠(まきのととうげ)からのコースは、登山道がよく整備されており比較的登りやすいため、九州で最も人気な登山スポットとなっています。
初夏に咲くミヤマキリシマや秋の紅葉の時期は特に人気で多くの登山者で賑わいます。
山の場所や特徴、山で見られる植物など基本情報をご紹介します。
九州を代表する山である九重山(久住山)は大分県西部に広がる火山群の総称を指しています。呼び方が少し複雑なのですが、火山群の総称を九重山または九重連山と呼び、その九重連山の主峰となるのが久住山(くじゅうやま)となります。
近年では間違えられやすいため「くじゅう」とひらがな表記をしている場合もあります。また、標高1,791mである九重連山最高峰になるにのが中岳になります。
九重山の魅力はなんといっても雄大で美しい景色です。
噴火や地震が怖いところでもありますが、九州の大地に根付くカルデラや草原地帯は九州地方ならでは景色が見られます。
気になる登山コースは、九重連山を縦走する本格的なコースから日帰り可能な初級者向けコースなど、バリエーション豊かな登山コースがあります。
中でも人気を集めているのが冒頭でもご説明した牧ノ戸峠からのコースです。
牧ノ戸峠には車やタクシーでアクセス可能なため、スタートが標高1,300mからとなり登山初厩舎方にも人気な登山コースです。
そんな九重山登山にはもう一つ楽しめることがあります。
それは歩いてしか行けない秘湯と言われる「法華院温泉」です。
牧ノ戸峠から久住山をピストンしてそのまま日帰りすることも可能ですが、温泉好きならさらに足を運んで一泊してでも立ち寄りたいスポットです。
法華院温泉は、法華院温泉山荘にあり、九州最高所の温泉として知られています。
温泉は登山の旨みでもあるので九重山に訪れた際は、是非立ち寄りたい温泉です。
九重山は広大な草原地帯と四季の変化に富んだ、高山植物も多く自生しています。初夏に咲き乱れるミヤマキリシマの景色は人気です。
春(4~6月)フクジュソウ、マンサク、ツクシショウジョウバカマ など
夏(7~8月)ミヤマキリシマ、イワカガミ など
秋(9~11月)ツリフネソウ、ツコウライトモエソウ など
九重山(久住山)を目指す登山コースはいくつかありますが、ここでは2つご紹介いたします。
1つは日帰りで初級者でも登りやすい牧ノ戸峠コース。
もう一つは長者原から出発し法華院温泉山荘に泊まる1泊2日のコースです。
【コース】
登り:牧ノ戸峠→沓掛山→扇ヶ鼻分岐→久住分れ→久住山頂→
下り:久住分れ→沓掛山→牧ノ戸峠
【標高差】457m
【歩行距離】4.7km
【歩行時間】4時間20分
【登山レベル】初級者向け
久住山(標高1,786m)をゴールとし、ピストンする初級者向けのコースになります。
登山口となる牧ノ戸峠には売店や飲食店、トイレもありますのでここでゆっくり登山の準備ができます。駐車場も200台まで停めることができますが、人気登山スポットということもあるので余裕をもって到着できるようにしましょう。
コースは初級者向けということもあり、全体的になだらかな登りが続きます。所々岩場や梯子もありますので濡れている時は注意して登りましょう。
久住山頂上は展望も良く九重の山々、祖母山系の山々、遠くに阿蘇山を眺めることがでます。頂上も広いためゆっくりと九州の景色を楽しむことができます。
【1日目コース】
長者原→雨ヶ池→坊ガツル→法華院温泉山荘
※車の場合は牧ノ戸峠まで車で行き、そこから長者原までバスが通っていますのでバスを利用すれば牧ノ戸峠に帰ってくることができます。
【標高差】320m
【歩行距離】6.6km
【歩行時間】2時間50分
【登山レベル】初級者向け
【2日目コース】
法華院温泉山荘→久住わかれ→久住山→久住わかれ→沓掛山→牧ノ戸峠
【標高差】483m
【歩行距離】約10km
【歩行時間】4時間50分
【登山レベル】初級者向け
1日目は長者原から出発します。
長者原へのアクセスは交通機関を利用して行くことができますが、下山口となる牧ノ戸峠まで車で来て、そこからバスで長者原まで行くことも可能です。
長者原にはタデ原湿原を1周できるハイキングコースもあります。1周約30分、約2.5キロメートルの距離を歩くコースです。
また、長者原ビジターセンターと長者原ヘルセンターがあり、売店や食堂、温泉設備まであるため牧ノ戸峠と同じく九重山への玄関口として多くの登山者で賑わいます。
長者原から坊ガツルまでの道は危険箇所はなく、傾斜も緩やかなのでハイキング気分で歩けます。
坊ガツルは標高1,200mに位置し、山岳地域に形成された中間湿原では国内最大級の面積を持つ湿原地帯です。国際的にも重要な湿地のひとつとしてタデ原湿原とともに、2005年11月に「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」としてラムサール条約として登録されています。
毎年春季に実施される野焼きなどにより環境が保持されてるため美しい高山植物が多く生息しています。
坊ガツル湿原の中に宿泊地である「法華院温泉山荘」があります。
法華院温泉山荘は歴史も長く、山小屋開業から、なんと130年も経過しています。標高1,301mにある法華院温泉山は九州で一番高い温泉として「歩いてしか行けない秘湯」と呼ばれ、くじゅうに訪れた際は立ち寄りたい温泉です。
坊ガツルではテント泊も可能なので夏にはテント泊目当ての登山者が多く訪れます。
テント場は無料と有料(法華院温泉山荘)の場所がありますが、有料(300円)の方が法華院温泉山荘にあるトイレも自由に使用できるため何かと便利です。
オープンデッキが備えられている温泉は見晴しが素晴らしく、神経痛や疲労回復などに効きます。次の日のために温泉で疲れを癒しましょう。
【開設期間】通年営業(要問合せ)
【料金】
1泊2食付 (寝具付)一般 9,500円
素 泊 (寝具付) 一般 5,500円
入村料 (テント持参者のみ) 1人1日 300円
【WEBサイト】法華院温泉山荘のホームページへ
※山小屋の情報が古い場合がございます。直接ご確認くださいませ。
2日目は約10kmほど歩くので早朝出発するのがおすすめです。
まずは法華院温泉山荘から久住山へは約2時間ほどかかります。コースは迷うところも危険箇所もないですが、久住分かれ付近からはガレ場が続く急登になりますので足元に注意して登りましょう。
日本百名山の久住山からは九重連山の山々、由布岳、阿蘇山が一望できます。
体力に余裕がある場合は九重連山の最高峰「中岳」へ行くのも良いです。※体力と時間を考慮して判断してください。
久住山を充分満喫できたら、牧ノ戸峠へ目指し下山します。
久住分かれまでは登ってきた道を戻り牧ノ戸峠方面へ向かいます。危険箇所もなく、緩やかな道が続きます。
①登山する際は必ず地図を持っていきましょう。※コンパスもあるのがベストです。
②山歩きの基本3大装備「登山靴」「ザック」「レインウェア」を準備して登山に挑みましょう。※行程や季節により異なりますので山行計画に合った装備や道具を準備しましょう。
③登山届けの提出、山岳保険も忘れずに。
④登山に慣れていない方は、できるだけ経験者と行くようにしてください。
⑤危険を感じたら引き返すことが大事です。
⑥冬や残雪期の登山は技術や装備が必要です。無理な計画をせずにご自身に合った登山計画を立ててください。
九重山(久住山)登山を充分楽しんだ帰りは、汗を流して着替えたいですよね。日帰り入浴可能な温泉をご紹介します。
【料金】大人 500円
【営業時間】入浴のみ 12:00 ~ 20:00
【設備】内湯・露店風呂・休憩室
【料金】大人 800円
【営業時間】平日10:00 ~ 21:00(受付は20:00まで)、休前日・お盆・12月31日 10:00 ~ 19:00(受付は18:00まで)
※営業時間は事前にご確認くださいませ。
【設備】内湯・露店風呂・休憩室
※料金や営業時間などの情報が古い場合がございます。直接ご確認くださいませ。
【料金】大人350円
【営業時間】8:00~17:00
【設備】内湯・休憩室
※料金や営業時間などの情報が古い場合がございます。直接ご確認くださいませ。
登山をする上で天気はもっとも重要な情報と言えます。平地は晴れていても山は雨なんてことも多々あります。特に夏の天気は変わりやすいため事前に天気の状況を把握しておきましょう。
てんきとくらす
九重山の帰りはこれは食べておきたい!というご当地グルメをご紹介します。
名物あいのせうどん(そば)、地鶏うどん(そば)が人気。大分の特産品も販売しているためお土産購入にも便利です。
▼歩きをサポートしてくれるアイテム
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▼山ハレ鳥トケ編集長の里山トラベル
山ハレ鳥トケ編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。
小川町コース:①和紙の里→②下里分校→③中爪の棚田→④わらしべ(夜ご飯)
小川町の和紙は細川紙と呼ばれ、その製造技術は「重要無形文化財」に指定されています。とはいえどこに行こうかとネットを頼りに各地を回る。廃校を利用した活動、存続が危うい棚田、美味しいグルメ…#里山トラベル pic.twitter.com/j8Ukbak5NE
— 宮本 将弘 (@masa_yco) August 17, 2019
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