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【飯能アルプス】ヤマノススメ巡礼ルートを歩く!レベルアップに最適な縦走登山

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【飯能アルプス】ヤマノススメ巡礼ルートを歩く!レベルアップに最適な縦走登山

標高1000mに満たない低山が集中する奥武蔵エリア。その中でも、低山なのに本格的な縦走登山が楽しめる飯能アルプスは人気のコースです。アニメ「ヤマノススメ」で主人公が歩いた人気ルートをはじめ、レベルに合わせたルート設定ができるのも魅力。

この記事では、飯能アルプスのルートや難易度、アクセス、実際に歩いてみた感想を紹介します。飯能アルプスは決して派手ではないものの、登山のレベルアップが目指せるおすすめの山々ですよ。



飯能アルプスとは

埼玉県南西部の奥武蔵エリアにある天覧山~伊豆ヶ岳までの山々のことを総称して飯能アルプスと呼ぶのが一般的です。天覧山や多峰主山などは奥武蔵の入門コースとしてハイキングで訪れる人が多いですが、その先の天覚山、大高山、子ノ権現、伊豆ヶ岳と連なるルートは標高こそ低いものの、アップダウンの激しい縦走コースとなっています。

飯能アルプスの場所

飯能アルプスは、埼玉県飯能市、横瀬町、秩父市の西側に位置します。西武池袋線・西武秩父線の飯能駅~正丸駅までの各駅からアクセス可能で、エスケープルートもあるため体力に応じたコース設定が可能です。

飯能アルプスの難易度

飯能アルプスの難易度を「技術度」と「体力度」で説明します。体力度は入門~中級レベルで、コース取りと距離によって変化します。すべての山が1000m以下の低山ですが、伊豆ヶ岳方面へ進むほどアップダウンが険しく長距離になります。

地図ではわからないほど小さいピークがいくつもあるため、累積標高差(上りおよび下りの標高差の合計値)が大きくなり、思ったよりも体力を消耗するかもしれません。

次に技術度ですが、全体を通して危険な箇所はありません。ただし、天覚山以降は眺望のない杉林を歩くことが多く、標識があまり整備されていないので地図を読みながらルードファンディングする技術は少なからず必要です。

飯能アルプスの難易度をまとめると、天覧山~多峰主山までが初級レベル、天覚山~伊豆ヶ岳が中級レベルといえます。

飯能アルプスの主要ルート

飯能アルプスで人気のルートを3種類紹介します。

天覧山~多峰主山(初心者向け)

西武鉄道「飯能駅」もしくは西武秩父線・八高線「東飯能駅」をスタートし、能仁寺の境内を通って、天覧山~多峰主山をめぐり飯能駅・東飯能駅へ戻る初心者向けコース。

手軽なハイキングコースですが、多峰主山の山頂からは秩父盆地や奥武蔵の山々が望める気持ちのいい展望スポットです。

【標高差】
166m
【歩行時間】
3時間20分
【登山レベル】
初心者
【コース】
飯能駅・東飯能駅 → 能仁寺 → 天覧山 → 高麗駅分岐 → 多峰主山 → 雨乞池 → 飯能駅・東飯能駅

ヤマノススメ巡礼ルート(天覚山~大高山~子の権現)

アニメ「ヤマノススメ サードシーズン」の第3話「飯能にアルプス!?」で主人公あおいが歩いた聖地巡礼コースです。

主に林間の道で小さなアップダウンが多くロングコースなのでトレーニングにも最適。
分岐が多く迷いやすいので地図とコンパスをよく見て進みましょう。

【標高差】
485m
【歩行距離】
15.3km
【歩行時間】
6時間40分
【登山レベル】
中級者
【コース】
東吾野駅 → 天覚山 → 大高山 → 前坂 → 子ノ権現 → 西吾野駅

伊豆ヶ岳縦走ルート(伊豆ヶ岳~古御岳~高畑山~子ノ権現)

奥武蔵のなかでも知名度の高い人気の山、伊豆ヶ岳から子ノ権現を巡るコース。いくつものピークを超える奥武蔵屈指のロングコースですが、道はほどよく整備され休憩ベンチも多いので歩きやすい道です。山頂直下に「男坂」というクサリ場の難所がありますが、分岐で「女坂」へ進めば安全に山頂まで行けますよ。

【標高差】
851m
【歩行距離】
11.3km
【歩行時間】
5時間
【登山レベル】
中級者
【コース】
正丸駅 → 馬頭観音堂 → 伊豆ヶ岳 → 古御岳 → 高畑山 → 天目指峠 → 子ノ権現 → 西吾野駅

飯能アルプス(板屋の頭~スルギ~子ノ権現)を歩く

今回は吾野駅を出発し、板屋の頭~スルギ~子ノ権現を巡って西吾野駅へ下る「板屋の頭」コースを実際に歩いてみました。

吾野駅から板屋の頭まで

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出発地点は西武鉄道吾野駅です。駅周辺にはトイレと自動販売機がありますが、近くにコンビニやスーパーがないので食べ物は事前に用意が必要です。

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駅の向かいには休憩所がありましたが、閉まっていました。

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吾野駅を出て左の方向へ進むと、線路の下をくぐるトンネルがあります。トンネルを出たところに見える墓地の左側の車道を進み、「大高山 天覚山 登山口」の看板が見えるところが登山口です。駅から登山口までの道がややわかりにくいので地図を見ながら進みましょう。

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杉林を登っていくと「前坂」に到着。ここは「スルギ・子ノ山」方面へ進みます。途中で一旦車道に出るので採石場を右に望みながら歩くと、ふたたび登山道の標識があり、尾根を進むと「板屋の頭」に到着です。

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板屋の頭は三等三角点があるだけの質素な山頂です。

板屋の頭から子ノ権現まで

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板屋の頭を過ぎると小さなアップダウンの連続です。特に「六ツ石ノ頭」の手前の急登はかなり体力を奪われます。

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「スルギ」には朽ちかけた板が立っているだけなので、見逃してしまいそうです。

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スルギを過ぎればだんだん視界が開け、50分ほどで「子ノ権現(ねのごんげん)」に到着します。眺望も少なくずっと林のなかを歩くコースなので登山者があまり多くありません。山の空気や風の音を感じながら、静かに歩けるのが心地良いです。

子ノ権現から西吾野駅まで

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仁王像が迎える最後のピーク「子ノ権現(ねのごんげん)」に到着しました。子ノ権現の正式名称は大鱗山天龍寺といい、足腰の神様として信仰されています。子ノ権現にはトイレと自動販売機、小さな売店があり、晴れているとスカイツリーが望める見晴し処もあるので、休憩するのにぴったりです。

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境内には重さ2トンの鉄のわらじと巨大な夫婦下駄が奉納されています。いつまでも丈夫な足腰で山に登れるよう、お参りしてみてはいかがでしょうか。

下山は車道脇の道標から山道に入り、小床(こゆか)集落を抜けて西吾野駅まで約1時間半ほどです。

飯能アルプス「板屋の頭コース」の概要

【標高差】
851m
【出発地】
西武鉄道吾野駅
【標高差】
445m
【歩行距離】
8.8km
【歩行時間】
4時間40分
【登山レベル】
中級者
【トイレ】
吾野駅、子ノ権現、西吾野駅
【備考】
子ノ権現に自動販売機、売店あり
【コース】
吾野駅 → 前坂 → 板屋の頭 → 六ツ石の頭 → スルギ → 子ノ権現 → 小床集落 → 西吾野駅

飯能アルプスまとめ

飯能アルプスは標高だけを見ると楽に歩けそうに思えますが、実際に歩いてみると思ったよりも体力が必要で、何度も続くアップダウンで足を鍛えられました。これからもっと高い山、長いトレイルに挑戦したい人のトレーニングコースとして、ルートファンディングの勘を鍛えたり地図読みの練習をしたりするのにもおすすめです。

電車の駅と並行した登山道なので、時間や体力にあわせてエスケープルートから各駅方面へ下山することも可能なので安心ですよ。奥武蔵の魅力を味わえるロングトレイルをぜひ歩いてみてはいかがでしょうか。

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