「高尾山からステップアップしてロングコースに挑戦したみたい!」
「高尾山の魅力をもっと知りたい!」
そんな人におすすめしたいのが「南高尾セブンサミッツ」と呼ばれる縦走コースです。なんと日帰りで7つものピークを踏める珍しいロングコース。
富士山や城山湖の展望も楽しめ、高尾山の魅力がさらに深まること間違いなしです!本記事では「南高尾セブンサミッツ(南高尾山稜コース」の魅力と山行レポートを紹介します。
南高尾セブンサミッツは、東京都と神奈川県にまたがる南高尾山稜の尾根道を歩くコースです。
高尾山の南側の山々をめぐる全長約16kmのロングコースは、ぽかぽかと日当たりのいいゆるやかな尾根道が続きます。津久井湖を眺める展望スポットは遠くに丹沢山系や富士山を見ることもでき、歩くこと自体を楽しめるようなポイントがめじろ押しです!
南高尾の7つのピークを超え、一丁平~高尾山~薬王院を通って高尾山口駅へ戻る周回コースは地図上にハートマークが現れるため、「南高尾ハートルート」とも呼ばれます。高尾山の主要コースに慣れてからのステップアップとしてもおすすめのコースです。
高尾山の南側、東京都八王子市と町田市、神奈川県相模原市にまたがる場所にあります。最寄り駅は京王線高尾山口駅なのでアクセスは抜群。高尾山口駅へ周回するコースのほか、大垂水峠や梅の木平までバスでアクセスする方法もあります。
また相模原側の城山湖・津久井湖へ抜けるコースもあり、体力に合わせたコース設定が可能です。
高尾山口駅へ周回するハートルートの標高差は400m以内でありながら、累積標高差は1200mほどになります。つまり細かなアップダウンが多く、地味に体力を奪ってくる思ったよりもタフなコースです。
コース上には危険箇所や技術的に難しいポイントはありませんが、標識があいまいな分岐や巻き道も多く、巻道に見せかけた行き止まりがあるなど迷わせる箇所があります。GPSツールを活用したりルートファンディングの勘を鍛えたりすることが必要になってくるでしょう。
ハートルートの距離は高尾山口駅~高尾山~景信山の往復とほぼ同じですが、個人の体感としてはハートルートのほうが疲労度が高かったです。
高尾山口駅から草戸山方面へ時計回りに7つのピークをめぐり、高尾山を経由して高尾山口駅へ周回する「ハートルート」を歩いてきました!
スタートは高尾山口駅。ほとんどの登山客が高尾山を目指しケーブルカー駅方面へ進んでいきますが、その流れに逆らい国道20号から脇道へと入ります。
奥高尾セブンサミッツは民家の間にある小道からスタートです。
「えっ?ここが登山口?」
と思うほど細い道におどろきましたが、すぐにさわやかな森林の登山道になります。15分ほど歩き、体が温まってきた頃に四辻に到着。そこからはアップダウンを繰り返しながらじわじわと高度を上げていきます。
大きな鳥居のある第一のピーク、草戸山に到着です。
南側には相模原市方面の景色が望め、展望台からは都心方面のビルやスカイツリーの大パノラマが広がります。
テーブルやベンチが設置されているので最初の休憩ポイントとしてぴったりでした。
草戸山から少し歩くと、右手側に城山湖が見えます。
草戸山から30分ほどで第2のピーク「榎窪山(えのくぼやま)」に到着。ベンチがひとつあるだけで眺望もなく、地味なピークです。
榎窪山から泰光寺山へ向かう途中には丸太でできたフクロウのモニュメントがあります。この広場にはボランティアの方々が作ったという木のベンチやザック掛けが並び、地元で愛されている道だとわかります。
泰光寺山のピークの直下で急な階段の道と巻き道に分かれます。ここで楽に行けそうな巻き道へ進んでしまうとピークを素通りしてしまうので、意を決して階段を登りましょう!
おそらくここがセブンサミッツ縦走で一番キツい登りだと思います。
急登を登りきれば3つ目のピーク「泰光寺山(たいこうじさん)」に到着です。ここからは比較的ゆるやかな道が続くので、呼吸を整えながら歩きます。
西山峠を過ぎると、今度は龍のベンチが出現。
座るのはなんだか申し訳なく感じてしまいますね。
第4のピーク「入沢山(いりさわやま)」は、山と高原地図に載っていないので見落としがちです。縦走路から入沢山へ向かう分岐はわかりにくく、私もあぶなく分岐を通り過ぎそうになって引き返しました。
また、縦走路に合流する西側の道は私有地なので立入禁止です。来た道を戻って合流しましょう。
ゆるやかな尾根道を進むと、見晴台に着きます。
見晴台からは丹沢山系が一望でき、遠くに富士山も見えました。
5番目のピーク「中沢山(なかざわやま)」には、観音様が鎮座しています。
6番目のピーク「金比羅山(こんぴらやま)」はベンチとおなじみのザック掛けが並ぶ休憩スポット。
北側に高尾を眺められ、ここでお昼休憩をとっている人が多くいました。
そして、セブンサミッツ最後の7座目は最高峰536mの「大洞山(おおぼらやま)」です。
展望はありませんが、休憩できるベンチがあります。
ここまででセブンサミッツ7座の縦走を達成しました!前半3座はアップダウンが多く体力面で疲れ、後半4座はルート探しで頭を使って疲れたという印象です。
大洞山から下り、大垂水峠に架かる橋を渡り右の道を進むと、一丁平へ続く登りとなります。
高尾山の山頂。オリンピックモニュメントが西日に照らされていました。
薬王院はハートルートのくぼみの部分に位置します。
たこ杉、金比羅台、1号路と下っていき、高尾山口駅に戻ってくれば地図上にハートマークが完成します。2号路やロープウェーを使ってもちゃんとハートマークになるので、好きな道で下ってくださいね。
南高尾セブンサミッツを巡るハートルートを紹介しました。標高差400mの低山縦走とはいえ、アップダウンがかなり多く足が鍛えられるのでトレーニングに最適です。
高尾山に比べ南高尾山稜は登山客が少なめですが、いたるところに休憩ベンチがあるので喧騒から離れて静かに山を歩きたい人にもおすすめ。
南高尾山稜の奥深さを感じられるセブンサミッツ縦走に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
山に恋するフリーライター。運動嫌いだったのに、たまたまテレビで見た岩手山に一目惚れして登山を始める。ソロ登山の魅力にハマり、低山ハイキングからテント泊縦走まで自分のスタイルで楽しんでいる。
登山で訪れた土地の郷土料理や地酒、クラフトビールを楽しむのが至福の時間。地方の伝統工芸品や民芸品をアウトドアで使うのが好き。
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