HIKES > 全国の山情報 > 北アルプスの登山情報 > 槍ヶ岳(やりがたけ)の登山情報
日本で5番目に高く、登山に興味があるれば、一度は行きたくなる名峰「槍ヶ岳」。
日本のマッターホルンとも言われ、多くの登山者の目標の一つに入る北アルプスでも人気な山です。
泊まりは必要だが、上高地から槍沢の往復コースは距離は長いものの登山中級者なら行けるので、
登山経験をしっかり積めば、槍ヶ岳の頂上に立つという目標を達成することができます。
天候が良い時期を狙って、憧れの槍ヶ岳にチャレンジしてみましょう。
槍ヶ岳の場所や特徴、山で見られる植物など基本情報をご紹介します。
槍ヶ岳は長野県松本市・大町市・岐阜県高山市にまたがる標高3,180mの山です。
北アルプス南部(飛騨山脈)にあり日本百名山、新・日本百名山、花の百名山に選定されています。
槍ヶ岳の周辺には「燕岳」「双六岳」「大天井岳」があり、北アルプスの主峰を縦走できるコースも人気です。
槍ヶ岳は通称「槍(やり)」と呼ばれ、登山愛好家の皆さんに親しまれています。
そんな日本の名峰である槍ヶ岳の頂上に初めて立ったのは江戸時代後期(1828年)の頃です。
初登頂したのは、中田又重郎と山岳修行僧の播隆上人(ばんりゅうしょうにん)と言われています。
播隆上人は槍ヶ岳に一人でも多くの登山者が安全に登れるよう、岩壁に鉄の鎖をかけようと尽力していました。
その功績を称え、JR松本駅には播隆上人のブロンズ像が設置されています。
槍ヶ岳開山以降は、1828年に日本のアルプスの命名者と言われる「ウィリアム・ゴーランド」が外国人として初登頂し、1892年には”日本近代登山の父”と呼ばれる「ウォルター・ウェストン」が登頂しています。
頂上付近には現在でも、少しでも安全に登れるよう鎖や梯子がかけられ管理されてます。
一般の方が槍ヶ岳に登れるのは、先人のおかげだと言えますね。
槍ヶ岳の背景を知った上で登ると、歴史を感じることができ、登山もさらに楽しめます。
もっと槍ヶ岳の物語を知りたい方は、山岳修行僧の播隆上人の生き様を描いた新田次郎氏の小説「槍ヶ岳開山」がおすすめです。内容はもちろんフィクションですが、史実を絡めて描いているので読み応えのある一冊になっています。
天を貫くような山容が特徴的な槍ヶ岳頂上からは、常念岳、大天井岳、穂高連峰や南アルプスまで、日本アルプスが一望できます。
念願の槍ヶ岳登頂という感動も入ることで記憶に残る景色を味わえます。
頂上付近は急な岩や梯子を登ることになるので、かなりの高度感になります。
無理だなぁと思ったら無理せずに、槍ヶ岳山荘からの景色を楽しみましょう。
槍ヶ岳は「花の百名山」に選定れており、夏には槍沢付近でお花畑が見られます。登山道にも可憐な高山植物が見られ、北アルプスの景色と一緒にお花も楽しむことができます。
春(4~6月)オオカメノキ、ムラサキヤシオツツジ など
夏(7~8月)ハクサンフウロ、シナノキンバイ、タカネシオガマ など
秋(9~11月)オオヤマノリンドウ、ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク) など
槍ヶ岳の主要コースはいくつかありますが、ここでは代表的な「上高地~槍沢コース」と「表銀座コース」の2つをご紹介いたします。
槍ヶ岳への道は距離が長く体力が重要になります。健脚で体力に自信がある方は別ですが、いずれのコースも2泊以上を想定した登山計画をたてるようにしましょう。
初めて槍ヶ岳へ行く方は「上高地~槍沢コース」がおすすめです。
槍ヶ岳を目指す初級コースとして多くの登山者が利用します。
上高地から槍ヶ岳山荘までは、なだらかな道が続き危険箇所もありません。
上高地と槍ヶ岳の中間地点となる槍沢ロッヂは小屋自体が綺麗でお風呂付ということもあり、
1泊目はここで宿泊される方も多いです。
2日目も槍沢ロッヂに泊まると帰りが楽になりますが、槍ヶ岳の景色を満喫したい場合は、もう少し先にある殺生ヒュッテ、もしくはヒュッテ大槍で泊まるのも良いです。
ただ、帰りがちょっとしんどくなりますのでご自身の体力に合わせてください。
中房温泉・燕岳登山口から出発し、燕岳や大天井岳の稜線を歩きながら槍ヶ岳を目指す北アルプス屈指の人気コースです。
「表銀座縦走コース」や「アルプス銀座」とも呼ばれています。
東京にある銀座のように多くの人で賑わうことが由来となっています。
北アルプスの入門とされる燕岳からスタートし大天井岳、赤岩岳、西岳、槍ヶ岳と縦走します。
まるで天空を歩いているような非日常的な景色が待っています。
1泊目は大天井ヒュッテや大天荘に泊まり、2泊目はヒュッテ大槍、帰りに余裕があれば槍ヶ岳山荘に泊まるのも良いでしょう。
下山コースは、上高地まで行くのが一般的ですが、中房温泉まで戻る往復コースもあります。
登山コースは難易度こそ低いものの、鎖場・梯子・岩登り・ガレ場など多数ありますので注意して歩きましょう。
歩行距離も長いためご自身の体力に合わせた無理のない登山計画をたててください。
①登山する際は必ず地図を持っていきましょう。※コンパスもあるのがベストです。
②山歩きの基本3大装備「登山靴」「ザック」「レインウェア」を準備して登山に挑みましょう。※それ以外にも行程や季節により異なりますので山行計画に合った装備や道具を準備しましょう。
③登山届けの提出、山岳保険も忘れずに。
④登山に慣れていない方は、できるだけ経験者と行くようしましょう。
⑤危険を感じたら引き返すようにしましょう。
⑥冬や残雪期の登山は技術や装備が必要です。無理な計画をせずご自身に合った登山計画を立ててください。
⑦槍ヶ岳頂上付近は急な岩登りや梯子になります。技術に自信のない方は無理して登らないようにしましょう。
⑧稜線上は遮るものがないため天候が急な天候に変化に注視し、雷を伴う場合は引き返すようにしてください。
▼山の地図は登山・トレッキングに必ず持参しよう!
▼道に迷った時でもすぐに居場所がわかる「GPS」
槍ヶ岳を十分楽しんだ帰りは、汗を流して着替えたいですよね。
日帰り入浴可能な温泉をご紹介します。
※料金や営業時間などの情報が古い場合がございます。直接ご確認くださいませ。
登山をする上で天気はもっとも重要な情報と言えます。平地は晴れていても山は雨なんてことも多々あります。特に夏の天気は変わりやすいため事前に天気の状況を把握しておきましょう。
全国レジャースポットの詳しい天気予報を掲載している「てんきとくらす」を参考にしています。
槍ヶ岳の天気を見る
(てんきとくらす)
時間に余裕があったら下山後の上高地でグルメを楽しもう!
河童の刻印が可愛いらしい、河童橋前にある河童食堂のかっぱコロッケ!
氷壁の宿 徳澤園にみちくさしよう!
料金や営業時間などの情報が古い場合がございます。直接ご確認くださいませ。
HIKES編集部です。「歩くを文化に暮らしを楽しむ」をコンセプトに自然の中を歩くことが暮らしの一部になるようなコンテンツを発信していきます。登山やハイキング、ロングトレイルを始め、地元の人しか知らない里山噺など、歩くことを軸にしたWEBメディアです。
全国各地の登山情報をご紹介しています。お立ち寄り温泉情報も必見!