【シダンゴ山】宮地山を経由する日帰り登山。仙人も弥勒菩薩も寄る地。

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

丹沢山地にあるシダンゴ山は低山ハイキングコースとして知られる山。春先には「ロウバイ」や「アセビ」が咲き誇り、お花目当てのハイカーたちが訪れます。シダンゴ山という名前はかつて棲んでいた仙人が由来とのこと。どんな仙人だったのだろうと想いをはせますね。春先の歩くのに調度よい宮地山を経由するシダンゴ山の日帰り登山レポートをご紹介します。

シダンゴ山の基本情報と山行計画

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

シダンゴ山ってどんな山?

シダンゴ山は神奈川県の丹沢山地にある標高758mの山です。何よりも最初に気になったのがシダンゴ山という名前。アイヌ語かな?と勝手な推理をしましたが、全然関係ないことにすぐに気づく。

漢字で震旦郷山(しだんごやま)と書き、今から1,300~1500年ほど前の飛鳥時代に仏教を寄(やどりき)の地に伝える仙人が棲んでいたそうです。その仙人の名前こそが「シダゴン」で、いつの頃か「シダンゴ」と転じたことが由来とされています。

さらに気になったのが「震旦郷」という当て字のような漢字。震旦はしんたんと読み、中国の古い呼び名です。古代インド人が中国を秦の土地(チーナスターナ)と呼んだことに基づいています。聞き慣れない言葉ですが、1952年頃まで震旦大学という名前の大学が実際に中国にありました。

漢字の意味を照らし合わせると、かつで棲んでいた仙人は中国からやってきたことが想像できますね。同じ丹沢にある塔ノ岳(昔は尊仏山と呼ばれていた)にも同様の仙人が往来していたと言われています。

仙人たちが丹沢の山々を駆け巡る物語が一つできそうで、妄想が膨らみます。

[山行計画]田代向バス停からシダンゴ山までのコース

[山行計画]田代向バス停からシダンゴ山までのコース

今回選んだコースは松田町のホームページにも紹介されている宮地山を経由してシダンゴ山を目指す一般的なコースです。行きも帰りもバスを利用するため時間には注意しましょう。

登山口への最寄り駅となるは田代向バス停。そこから宮地山登山口まで歩きます。車で行く場合は新松田駅で駐車するか寄にある寄自然休養村駐車場を利用するのが良さそうです。

【山行日程】
2016年5月5日(晴れ)
【山名】
シダンゴ山(しだんごやま)
【標高】
758m
【出発地】
田代向バス停
【標高差】
520m
【歩行距離】
約6.4km
【歩行時間】
約3時間5分(休憩含まない)
【備考】
売店はないので事前に準備
【コース】
登り:田代向バス停 → 宮地山登山口 → 宮地山 → シダンゴ山山頂
下り: シダンゴ山山頂 → 寄バス停

※コースの画像は「ヤマレコ」より引用しています。

シダンゴ山へのアクセス

田代向バス停までのアクセスは、小田急電鉄で「新松田駅」まで行き、そこからバスを利用します。新松田駅に自動販売機やコンビニがありますが、バタバタしないよう出発前に準備するのがおすすめです。

【電車・バスなどの交通機関を利用される方】

スタート地点となる田代向バス停に電車・バスなどの交通機関を利用して行く場合は、小田急電鉄で「新松田駅」まで行き、そこからバスに乗車します。

▼新宿駅からお越しの方
①小田急電鉄で「新松田駅」にて下車
②「新松田駅」から富士急湘南バスで「田代向バス停」にて下車(約20分)

「新松田駅」からのバスの時間が限られているので計画はしっかり立てましょう。

【お車でアクセスされる方】

車で行く場合は、スタートとゴール地点が違うこともあるので新松田駅で駐車して、バスに乗った方が無難かもしれません。別のコースで行く場合は、寄自然休養村管理センターにある「寄登山口駐車場」を利用するのが一般的です。こちらからは、今回とは逆のコースになるので詳細は割愛します。

※登山計画はとても重要です。必ずご自身でも確認してから登山を楽しみましょう。

登山開始!田代向バス停からスタート

寄(やどりき)の里山風景を味わう

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

田代向バス停から宮地山登山口を目指します。この辺りは「寄」と書いて「やどりき」と読む人口2,300人ほどの里山地域。宮地山登山口までは田や畑、野花を見ながら風景を楽しめます。

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

この地域の氏神となる寄神社にはかながわの名木100選の「寄神社の大スギ」があり、その幹の空洞には安産の神として火遠理命(ほおりみこと)とその妻になる豊玉姫(とよたまひめ)の双体神が祀られています。

毎年3月に行われる「寄神社例大祭」では1年の豊作と安全を祈願して花笠で飾られた4台の山車が出そろい、男衆が神輿を担いで寄地区を練り歩く歴史ある祭りが開催されます。山車は見物だけのようです。

宮地山登山口に到着

どこの山に行くときもそうですが、登山口までの里山歩きは、地域の人が山と神さまと共に暮らしている空間に少しだけお邪魔させてもらうという感覚になります。よそ者の勝手な解釈と本の読み過ぎなのかもしれませんが、そんなことを考えながら歩いているので、どの土地に訪れても何故かありがたい気持ちになる。

宮地山の登山口は田代向バス停から約10〜15分ぐらいで到着します。道しるべになる標識が所々に立ててあるので迷うことはありません。心配な場合は地図を確認しながら進みましょう。

風が気持ちいい、山の中を歩く

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

整備された登山を歩きながら、まずは宮地山を目指します。このシダンゴ山へのコースだけではなく、塔ノ岳、大山、大野山など丹沢の山々の登山道はよく整備されてますね。もちろん他の山域の山も整備されているのですが、丹沢はさらに丁寧に木道が整っている印象を受けます。

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

春の中頃を迎えたこの時期は、日差しを受けると少し暑い。山の気温と木の葉の影に隠れながら歩くのがとても気持ちよく、ゆったりとした風を感じながら緑の道を進みます。

おすすめは春と秋。6月になるとヤマビルに注意

丹沢の山々はヤマビルが多いことで有名ですが、ここシダンゴ山もヒル被害が出やすい山です。しかし、丹沢の山々にはなぜヤマビルが多いことで知られているのでしょうか。ヤマビル自体は条件が整っていれば、どこの山にも生息しているはず。なのに、丹沢はヤマビルに注意しよう!と耳によく入ってきます。

調べてみると、日本の山の課題である「シカの増加」が関係しているようです。ヤマビルはシカを含む野生動物に付いて移動するといわれており、シカの増加により行動範囲が広がっていることが要因の一つと考えられています。丹沢山地に生殖しているシカは推計3,000~5,500頭。近年も増え続けています。

僕はまだ被害にあったことがないので聞いた話でしかありませんが、ヤマビルに血を吸われていることには気づかないようです。気づいたときには既に吸われてしまい、靴の中や、膝下、脇腹などが真っ赤に染まっていた…というテンションが下がることになります。

対策としては「ヤマビルファイターを使う」「整備されている道から外れない」などが挙げられますが、ヤマビルが特に活発になる6月から9月や湿気の多い雨上がりの日は避けた方がいいかもですね。

このときは5月初旬で天気にも恵まれていたのでヤマビルには遭遇せずにハイキングを楽しめました。活動時期から外れた、3月〜5月中旬、10月、11月ごろがおすすめです。

宮地山頂上からシダンゴ山を目指す

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

途中の草花や雑木林の中をびのび歩きながら約40分ぐらいで宮地山頂上に到着。頂上といっても眺望はなく、山の中という感じです。宮地山付近にはこれでもかというほど、シカ避けのフェンスが施されていました。

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

水分補給と軽い行動食を取り入れ、シダンゴ山を目指します。ここから先は緩やかなアップダウンが繰り返される道を進みます。

シダンゴ山頂上へ!寄の集落と丹沢の山々を眺める

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

頂上はほどよい広さと眺めが心地よい

頂上前には必ずといってよいほど、最後に長い階段が待っています。そんな山登りの楽しみでもある、きつい階段を登るとシダンゴ山の頂上に到着です。見晴らしは低山ながらも素晴らしく、寄の集落や丹沢の山々をはじめ、空気が澄んでいれば、富士山や相模湾を見渡すことができます。

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

シダンゴ山の頂上はほどよい広さが心地よく、親子や夫婦がお昼ご飯を楽しんでいました。山頂には寄神社の元宮となる石祠が鎮座されています。(写真を撮っていない!)

山頂で山ご飯!気分はイタリアン

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

シダンゴ山に来た目的の一つでもある山ごはんを今回は準備してきました。一緒に来た妻の提案で「ピザ」と「ミネストローネ」を作ることに。晴れやかな青空に感謝し、イタリアンな気分でお腹を満たします。

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

こちらはミネストローネを温めている様子。風もなかったので安心して料理できました。山ごはんの様子はこちらをどうぞ

寄バス停に向けて下山開始

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

頂上からの景色の写真を撮ったあと、ゴールとなる寄バス停に向かいます。下山は約60分、雑木林の中を緩やかに下っていきます。

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

全く中身のない会話をしながら歩いていると、どこからか催しをやっているような放送が聞こえてきました。ほどよい山歩きは体も心も軽くなるのか、終止テンションが高く、「お祭り」というワイワイしている期待感がさらに心を踊らせます。

寄にある中津川で鯉のぼりが空を泳ぐ

【シダンゴ山】仙人も弥勒菩薩も寄る地。宮地山を経由する日帰り登山

寄地区の中心を流れる中津川に近づくと催しの正体がわかる。5月5日は子どもの日、川をまたいで鯉のぼりが空を泳いでいました。川沿いや広場では屋台が出店し、子ども連れの家族で賑わっていました。バスの時間を先にチェックして、かき氷やフランクフルトを頬張る。無事に下山できた喜びもあり、子どものように楽しみました。

シダンゴ山日帰り登山の様子は動画に収めています。春の陽気さを感じるさわやかな?ムービーです。登山道のイメージを掴みたい方は動画を視聴ください。何かの参考になれば幸いです。(チャンネル登録もよろしくです♪)

シダンゴ山の日帰り温泉は「さざんかの湯」

バスの中で一眠りをして新松田駅に到着。帰りの温泉は小田急「東海大学前駅」にある「さざんかの湯」にお立ち寄り。個人的にものすごく好きな温泉で丹沢山地の帰りは大体さざんかの湯を選びます。アクセスが良く、綺麗な温泉施設です。

【料金】
大人 [平日]650円 [土日・祝日]750円
【営業時間】
10:00~23:00(最終入場 22:30)
【定休日】
第3火曜日(祝日の場合は、第4火曜日)
【TEL】
0463-78-0026
【設備】
露天風呂、内風呂、食事処、休憩室、シャンプー・リンス
【HP】
http://onsen-sazanka.com

※料金や営業時間などの情報が古い場合がございます。直接ご確認くださいませ。

シダンゴ山登山レポートのまとめ

「白いお馬にめされた弥勒、弥勒やしろの春祭り」

寄民謡にうたわれている弥勒菩薩の伝説です。なんでも、弥勒菩薩が頂上から中津川に飛び降りたときの馬のひずめの跡が河原の大石に残ったとされています。麓にある寄神社はもともと弥勒堂と呼ばれていたことから、古から寄の地に受け継がれている話なのかもしれません。

仙人も弥勒菩薩も寄る山シダンゴ山の登山は、麓で暮らす人々に語り継がれる物語を知るとても良い山行となりました。

登山装備はもちろん必要ですが、寄の里山風景とほどよい山歩きは、経験が浅い山仲間を誘うのにうってつけの山ではないでしょうか。

▼山の地図は登山・トレッキングに必ず持参しよう!

▼このときの主な登山装備

紹介しているのは30Lですが、実際は25Lです。山ごはん用の調理機器を入れていたのでわりとパンパンになっていました。

今回の山ごはんで使用したクッキングポットです。みんなで食べるように購入したものなのでちょっと大きかったです。

僕の愛機は「Nikon1 j5」。ミラーレスは軽くて持ち運びも便利なので好きです。動画もこのカメラで撮影しています。

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。

自然ガイドの資格を取りたい。何からはじめる? − 自然ガイドへの道

自然ガイド資格を取りたい。何からはじめる? − 自然ガイドへの道

「山歩きのことを体系的に学びたい」

そう考えるようになったのは、山登りを始めて2年が経とうとするときでした。山登りはあまりソロでは行かずに、誰かと行くことが多いのでこの機会にガイド資格を取って自然の案内ができたらいいなあと決心したのです。

「自然ガイドへの道」と称して、これから資格取得までに学んだこと、やったことを書いていきます。同じ価値観や目標を持った人の参考になれば幸いです。



自然ガイドになるためには

自然ガイド資格を取りたい。何からはじめる? − 自然ガイドへの道

自然ガイドになるには資格が必要?

自然ガイドをやることに実は資格は必要ありません。今から僕も「自然ガイドやってます!」といえばできるのです。

だからといって誰にでもできるものでもありません。多くの登山経験があることはもちろんのこと、登る山のコースやリスク回避、同行者の体力の調整、天候の判断、何かあったときのためのファーストエイドなど、山の中で起こる様々な事象の対応と判断を連続的にしなくてはなりません。

さらに同行者に山を楽しんでもらうために、登っている山の歴史や成り立ち、そこから見える山々のことなど、山や地域、風土や民俗の知識も必要になってきます。

資格は「日本山岳ガイド協会」が発行

自然ガイド(ネイチャーガイドとも呼ばれます)をするにはどうすれば良いでしょうか。現状をみると資格ありなしを含めて大きく3つに分けられています。

・民間でガイドを行う(資格なし)
・自治体主導でガイドを行う(定められた条件を満たす)
・日本山岳協会が発行する資格を取得する

僕が目指しているのは「日本山岳協会」が発行する自然ガイド資格をとることです。

本来の目的である「山のことを体系的に学ぶ」ためには、一番効率よくわかりやすい道だと考えています。もっときちんと学びたい方は国際自然環境アウトドア専門学校という資格取得に向けた学校もありますので、そこで学ぶのもいいかもしれません。

ガイド資格には自然ガイドだけではなく、ガイドができる対象範囲やレベルに応じた資格が発行されています。

日本山岳協会が発行する資格の種類

・自然ガイドステージⅠ
・自然ガイドステージⅡ
・登山ガイドステージⅠ
・登山ガイドステージⅡ
・登山ガイドステージⅢ
・山岳ガイドステージⅠ
・山岳ガイドステージⅡ
・国際山岳ガイド

その他にも「フリークライミングインストラクター」や「スキーガイドステージⅡ+登山ガイドステージⅡ」も用意されています。

この中で目指しているのは「自然ガイドステージⅠ」で、試験は筆記と実技があるようです。実技試験は何日か泊まって行うようなので仕事をされている方はお休みをとる必要があります。

「自然ガイドステージⅠ」の内容的には

国内において 無積雪期に、人間社会と隣接する里地・里山・山地・高原において自然、歴史、民俗等を解説する自然ガイド行為を行う事が出来る。※自然ガイド単独資格者は、ピークハントが主たる目的となる登山ガイド業務は、行ってはならない。

となっています。

僕がやりたいことは「国内において無積雪期に、人間社会と隣接する里地・里山・山地・高原において自然、歴史、民俗等を解説する自然ガイド行為」で十分なので、これより先のガイドは望んでいません。(今のところ!)

「自然ガイドステージⅡ」との違いはガイドの対象範囲の差ですね。もしかすると欲が出てステージⅡの資格を取りたくなるかもしれませんが、まだ何もできていないので、他のことは考えず目的に向かっていきます。

各資格について細かな内容は日本山岳ガイド協会のホームページにてご確認ください。

自然ガイド資格の応募条件を満たすためには

自然ガイド資格を取りたい。何からはじめる? − 自然ガイドへの道

自然ガイドの応募条件とは

「自然ガイドステージⅠ」の試験を受けるためには条件を満たさなければいけません。

受験資格の項目にはこう記されています。

「満20歳以上で健康で体力があり、通算100日以上の自然活動経験を有する者」

年齢や体力は問題ないとして「100日以上の自然活動経験」とは一体なにをもって自然活動経験というのかがわかりませんでした。それをどのように証明するのかも今の時点では不明なのでどこかで掘り下げる必要がありそうです。そもそも自然活動経験がなんなのかをみていきます。

自然活動経験とは・・

自然活動経験について調べてみると、さすがウィキペディア先生といわんばかりに出てきました。他のサイトも同じようなことが書いてあるので恐らく下記のことだろうと想定します。

自然の中で自然を利用して行う各種活動であり、具体的にはキャンプ、ハイキング、スキー、カヌーといった野外活動、動植物や星の観察といった自然・環境学習活動、自然物を使った工作や自然の中での音楽会といった文化・芸術活動、一次産業体験(農作業体験・漁業体験等)などを含んだ総合的な活動である。(Wikipediaより)

う〜ん、とにかく自然でなにかしらの経験を100日以上積んだかどうかということなのでしょうか。もちろんネットに書いてあることと、日本山岳ガイド協会が求めている「自然活動経験」の定義が違うかもしれないので証明する方法とともに確認する必要がありそうです。

登山経験と併せて過去のキャンプやハイキングを合算すると恐らく100日以上は経験してる気がしますが、一度洗い出して整理してみます。そもそも日数が足りなかったら応募することすらできないのでかなり重要なポイントです。

自然ガイドを学ぶための教本を取り寄せる

自然ガイド資格のことを学ぶためには「日本山岳ガイド協会」が販売している教本をいくつか取り寄せる必要があります。本屋に売っていないか回ってみましたがどこにも見当たらなかったことから「日本山岳ガイド協会」ホームページから購入するしかなさそうです。

ということで早速購入することに。今回自然ガイド資格ということで下記の3冊を購入しました。

・ガイドの基礎的知識教本 改訂版(3,000円)
・自然・登山ガイドの専門的知識教本 (3,000円)
・山のファーストエイド教本 (3,000円)

筆記試験の問題集も販売していますが、これを先に見てしまうと「試験対策」としてのお勉強になってしまうので最後に購入することにします。その他の本ももしかすると必要になってくるかもしれませんが、そのときはそのときに購入しようと思います。自然ガイドの資格を取りたい人はこの本を買って!というセットになっているとありがたいですね。

本の購入はFAXして料金を銀行口座に振り込む

ネットの便利さに慣れてしまった人にはハードルが高くなりますが、本の購入は指定の用紙をプリントアウトして、欲しい本にチェックと必要事項を記入してFAXします。その後、指定の銀行口座に料金を振り込みます。今回は合計9,000円を指定の口座に振り込みしました。

しばらく時間がかかるのかなと思っていましたが、なんと料金を振り込んでからわずか2日で届きました!早い対応ありがとうございます。本が届くと一層モチベーションが上がりますね!

今回僕は3冊でしたが、これが正解ではないのでご自身が必要だなと思ったものを購入するようにしてください。本の購入ページはこちらになります。

もっと知りたい自然ガイドのこと

自然ガイド資格を取りたい。何からはじめる? − 自然ガイドへの道

資格なしでのガイドはどんなもの?

ガイドを応募している会社の多くは「資格を取得している人」が必須なこともあり、ガイドをしている人のほとんどが資格を持っています。資格なしで自然ガイドもできるとありましたが、実際どんなものなのか気になりますね。

資格を必須としていない場合のガイドは、自治体や民間の団体が開催する子どもと一緒にする自然体験や短時間のハイキングといったもので、比較的小さな規模で行われてるものが多いようにみえます。

もちろん資格がないといっても経験豊富な人が案内するので、参加する場合は不安にならずに案内人やイベント情報をよく見て判断してください。

地域で認定する自然ガイドはどんなもの?

ガイド資格はなくても、そのエリアならではの条件に合格できれば自治体公認のガイドになることも可能です。有名な公認ガイトとして世界自然遺産に認定されている「屋久島公認ガイド」や「白神山地のガイド」が挙げられます。

その他にも広大な自然を誇る北海道では地域ごとに公認ガイド制度がありますし、ジオパークと呼ばれる古代の地層を案内する公認ガイド制度も各地にあります。

山好きが集まる長野県でも「信州登山案内人」というエリア限定のガイド資格もあるので、既に好きなエリアが決まっていれば、そこだけの公認ガイドを目指すのも良いですね。

まとめ

「ガイドは人の命を預かっている」という心構えも必要です。トムラウシ山遭難事故や白馬遭難事故などガイド付きの登山ツアーで起きた事故は引率したガイドに責任が問われます。それは僕の目指している自然ガイドも同じこと。

山は楽しい反面、危険なことも起こりうるものです。その場その場で的確な判断や対応が求めらることを理解しないといけません。

将来的にどれくらいの頻度でガイドの仕事をするかどうかは未定ですが、「山歩きのことを体系的に学びたい」という思いを実現すべく、自然ガイドへの道を歩いていきます。今回は第一歩として自然ガイドの資格について知り、必要な教本を取り揃えました。これから色々学んでいくのが楽しみです。

▼山歩きを始める前に読んでおきたい本

¥1,296

四角 友里 (著)


amazonで購入

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。

【山ごはん】欲張りウインナー麺 − 山ごはんレシピ

【山ごはん】欲張りウインナー麺

グツグツと煮込んだ麺の中にはちょっと高そうなウインナー。漫画「山と食欲と私」で主人公が美味しいに食べるシーンが頭から離れなかった。いつか作りたい!ずっとそう思いながらも月日が経過し、ついに作るときがきた。

そうなんです今回の山ごはんはずっと作りたかった「欲張りウインナー麺」です。レシピという程でもありませんが、作ってきましたのでご紹介します。

一度は作りたい「欲張りウインナー麺 」

【山ごはん】欲張りウインナー麺

今回の山ごはんは、山好きならご存知の山ごはん漫画「山と食欲と私」の第1巻で登場した欲張りウインナー麺です。「これが食べたかったんだ〜〜〜〜♥」というあの一コマが忘れられませんね。

西丹沢にあるミツバ岳に行ったときに作ったのですが、実は山頂ではありません。登山口近くにある駐車場にてサクッと作りました。

ミツバ岳にはこの時期しか見ることができない「ミツマタ」を目当てに訪れ、本当は頂上で作ろうと思っていましたが、あまり広くない上、休憩する場所もなかったので急遽変更し下山後に作ることにしたのです。

近くに桜も咲いていたので花見をしながら美味しくいただくことができました。

欲張りウインナー麺の材料(一人分)

・マルちゃん正麺 醤油味 1袋
・金のウインナー 4本
・水 300ml

欲張りウインナー麺の作り方

①コッフェルに水を入れて沸騰させます
②少し沸騰し始めたら麺を入れます
③麺を少しほぐしてウインナー入れます
④グツグツと煮えてきたら完成です!
所用時間:約7分

欲張りウインナー麺のコツと使用した調理器具

【山ごはん】欲張りウインナー麺

作るポイントと注意点

お湯を沸かして麺とウインナーを入れるだけなのでとっても簡単です。水の量は本来なら400ml程度必要なのですが、スープを飲み干すのも苦しいので少なめの300mlぐらいがおすすめです。(250mlでも良いかもしれません)もしスープが余っても捨てずに必ず持ち帰ってくださいね。

インスタントラーメンとウインナーはお好きなものを選んでください。サッポロラーメン「塩ラーメン」やあるのかどうかは知りませんがとんこつ味のラーメンがウインナーに合いそうな気がします。ウインナーの本数も4本に限らず自分が食べられる本数を入れてください。

今回使用した調理器具

これまで調理器具はジェットボイルしか持っていなかったのですが、この機会にプリムスのウルトラバーナーに変えました。ライターいらずのバーナーは始めてだったのでちょっとした感動を味わうこともできました。



欲張りウインナー麺のまとめ

【山ごはん】欲張りウインナー麺

今回は密かに2つのお楽しみがありました。一つは欲張りウインナー麺をついに作る日がきたこと、もう一つはプリムスバーナーのデビューだったことです。山ごはんは食べることだけではなく、作る楽しみもあるところが良いですよね。

山と食欲よ私に出てくる山ごはんたちは、どれも美味しく描かれているのでついつい真似したくなってしまいます。次は何作ろうかな〜と考えるのも楽しみの一つですね。

インスタントラーメンにウインナーを加えるだけの欲張りウインナー麺。是非試してみてください。

動画にも収録していますのでよろしかったらどうぞ。

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。

雨の日の登山は中止にすべき?雨の日登山の危険性と雨対策

雨の日の登山は中止にすべき?雨の日登山の危険性と雨対策

山に行く計画を山仲間と立てたのに明日の天気が雨、もしくは曇り雨などはっきりしない場合みなさんはそれでも決行しますか、それとも中止しますか?

この場合「行くだけ行ってみよう」「晴れてないなら行きたくない」「他の山に行こう」と人によって意見が別れてしまい、リーダーの判断が難しくなるものです。今回はそんな雨の日の登山についてご紹介いたします。雨の日登山の危険性や判断基準などの参考になれば幸いです。



雨の日の登山の危険性を考える

雨の日の登山は中止にすべき?雨の日登山の危険性と雨対策

雨の日登山が危険な理由

「山の天気は変わりやすい」とよく聞きますが、これは本当のことで登山口では晴れていたのに頂上に向かうにつれて雲行きが怪しくなり雨になってしまった…なんてことはざらにあります。

雨の日登山は景色もよくないし、足元が滑りそうというイメージは誰しもが持ちますが、雨の日登山の危険性はそれだけではありません。場合によっては遭難や大ケガに繋がるリスクが潜んでいます。雨の日登山の危険性がどんなものがあるのかみていきましょう。

体を濡らすと低体温症になる恐れがある

多少の雨なら濡れてもいいやと思っていると急にザァーザァーの雨にやられたりします。そのときに雨対策がされていないと、服が濡れてしまい体温が奪われ、体力も低下してしまい、低体温症になってしまうという最悪の事態も考えられます。

実は僕も突然の雨に降られた経験があります。涸沢カールへ向かう途中でどしゃ降りの雨に降られてしまい、全身がびしょ濡れになってしまいました。ウェアはゴアテックスのものを着て、ザックカバーもつけ雨対策は万全だったのにも関わらず雨の量が多すぎて染み込んでしまい、服の中も濡れてしまったのです。

幸い頂上に近かったのですぐにテントを張り、乾いている服に着替えたのでことなきを得たのですが、体が濡れたときは雨でウェアも重たいし、寒くてとてもつらい思いをした記憶があります。ゴアテックスのウェアでも度がすぎると染みてしまうものと勉強になりました。

視界不良による遭難リスクが高くなる

雨が降ると山は霧に覆われることになります。登る山や標高によっては、辺り一面が真っ白になり道がわからなくなってしまうことも。

足元も滑りやすくなるため、なんてことない道でも滑落や転倒に繋がります。特に下山は滑らないようにと重心を後ろにかけがちなので、それが逆に転倒する可能性を高くしてしまうものです。山歩きに慣れていない方はトレッキングポールを使うなど対策が必要です。

突然の鉄砲水!雨の日の沢沿いは危険

降水量が多ければ多いほど沢の水量は増していきます。ゲリラ豪雨の多い夏では鉄砲水に流されたというニュースも飛び交いますね。雨の日の沢沿いは晴れの日とは全然違う姿をしていますので特に危険なので、近づかないようにしましょう。

隠れた脱水症状に注意!水分補給を忘れずに

レインウェアを着ると季節によっては蒸しばんで汗を大量にかきます。そのため雨の日でも水分補給を忘れないようにしましょう。長時間歩いていると脱水症状になってしまう可能性もあります。

ザックカバーを被せるとモノを取り出すのが面倒ですが、最悪の事態を避ける為には多少手間がかかっても水分や栄養補給をするようにしてください。取り出しやすいように工夫をすることも心がけましょう。

晴れの日でも雨対策の準備をする

その日が一日中晴れだとわかっていても雨対策を準備することをおすすめします。「山の天気は変わりやすい」ので突然雨にやられてしまう可能性があるからです。

雨対策なしで雨に降られると本当に嫌な思いをすることになるので、レインウェアだけはザックの中に潜ませておき、万が一に備えてください。使わなかったらそれはラッキーということで「持ってこなきゃ良かった」なんて思わないでくださいね。

雨対策をするには装備が必要です。命に関わることでもあるので保険と思って、できるだけ質のいいものを購入しましょう。メンテナンスをしっかり行えば長持ちしますので長い目でみると損はありません。雨対策で必要な装備をご紹介いたします。

レインウェア

レインウェアは登山に行くなら必ず常備しておきましょう。雨対策だけではなく、風よけや防寒着としても使えるので持ってて損はありません。

レインウェアは透湿の高いものを選びましょう。高ければ高いほど蒸発した汗が通りやすいため、蒸れにくくなります。ウェアの色も豊富にあり、雨の日だからこそ明るい色のレインウェアを買う人も多いですよ。

ザックカバー

ザックカバーはザックの中身を守るとても大事なものです。ザックの中身が濡れてしまうと、大変なことになることは安易に想像できますね。着替えの服まで濡れてしまった!なんてことにならないようザックカバーも常備してください。

ザックカバーはザック購入時に最初からついているものもありますし、サイズごとに別売りもしているので必ず購入しておきましょう。

インナーバック

ザックカバーはある程度の雨を防いでくれますが、大雨になると染み込んでしまいザックの中まで濡れてしまう可能性があります。そのためザックの中にインナーバックとして雨対策をしておきましょう。僕もインナーバックを小分けにしてザックの中に入れるようにしています。

雨よけ帽子

小雨なら雨よけ帽子で十分こと足ります。ゴアテックスのものから撥水性のものまでありますので準備しておくと便利です。レインウェアのフードを被ることもできるので必須ではありません。

明日の予報は雨…中止の判断や代替案は?

雨の日の登山は中止にすべき?雨の日登山の危険性と雨対策

降水確率40~50%以上は中止にする

登山計画をして山仲間を誘ったまでは良かったけど、明日の天気ははっきりしない微妙な予報。そんなときはどうしますか?

僕は前日か2日前の山の天気予報をみて降水確率で判断するようにします。微妙な雨予報の場合は、雨が降らなくても曇ることは間違いないので降雨確率が40〜50%以上なら中止の判断をします。

関東近辺の低山なら40%でも行けますが、標高の高い山での40%は雨が降る確率も高くなるので、行く山によって幅を持たせています。

以前運営していた山のコミュニティでは、天気が危うい場合はほぼ中止にします。これぐらいなら大丈夫と思う人もいるし、晴れじゃないと気乗りしない、雨は不安と思う人もいます。結論的には迷うならやめた方がいいという考え方です。別の予定も入れられるので決断も早目にするようにしています。

他の山にいくなら時間と距離を考慮する

行く予定の山の天気は雨だけど、東や西のほうに行けば晴れてる場合もあります。天候に応じて代替案を提示する場合は、ある程度条件を絞ると良いかもしれません。

・歩行距離が短いコース
・標高が低い山

など、いずれも急な雨になってもすぐに引き返せることを条件にしておくとリスク回避にも繋がります。他には山の頂上を目指さず里山のハイキングコースにして、その土地の温泉やご当地グルメを楽しむプランに変更するのもよいかもしれません。

ちなみに僕は「山は逃げないので無理して行くことはない」というのが個人的な考え方なので雨で中止になった場合は、代替案はなしにして気持ちを切り替えて家でのんびりしたり、山グッズを見にいったりと個人の時間を楽しむようにしています。

雨に慣れるための練習と楽しみ方

雨の日の登山は中止にすべき?雨の日登山の危険性と雨対策

雨に慣れるための練習は難易度の低い山から

雨の日は絶対に山に行かないと決めつけることはあまりよくありません。というのは急な雨に降られたときの対応や雨の日登山の感覚を知っておいた方がよいからです。

晴れの日と違い雨の日はレインウェアを着たり、道のコンディションが違ったりするもの。その感覚を知っておくことは今後の登山のためにもなります。

なんでも経験してみないとわからないということで、雨の日に慣れるためには”あえて”雨の日に山登りをしてみましょう。

レインウェアを着ると蒸し暑さや動きづらさを感じますし、フードを被ると視界も音も遮られてしまうので歩きづらさを体験できます。晴れの日の登山とどれくらいの違いがあるのか感覚をつかむことが大事です。

練習する場合は、標高の高い山を避けて先ほどの代替案の条件と同じく「歩行距離が短いコース」「標高が低い山」を選ぶようにしましょう。慣れることが大事なので無理して頂上を目指す必要もありません。

ガイド同行の雨の日登山講座も大手登山用品店などで実施していますので、それに参加するのもよいですね。

雨の日登山の魅力ってなんだろう?

雨の日だからこその山の楽しみ方もあります。それは「植物がより美しくみえる」ことです。水もしたたるいい男というわけではありませんが、緑色がより緑になり植物たちがイキイキして見えるものです。

6月は梅雨に入り雨が続きますが、自然界では気温も上がり、雨によって雪解けの時期を迎えることになります。雪解けするとその下には高山植物が待ってましたと言わんばかりに花を咲かせ始めるのです。梅雨の時期の花で有名なのは「ミズバショウ」ですね。尾瀬には日本中のハイカーがミズバショウ目当てに訪れます。

雨の日の山の楽しみ方は登ることよりも植物鑑賞に近いかもしれませんね。登るだけではなく足元にある植物にも注目してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事を書きながら自分の最初の登山は雨の日だったなあと懐かしがっていました。登山というよりハイキングコースだったのですが、それでも最初は雨+慣れていない山歩きということもあり、ドキドキしたものです。その時は装備もままならなかったので、山装備の必要性を認識したときでもありました。逆に最初に気付いて良かったのかもしれませんね。

登山は全て自己責任といってしまえば簡単ですが、できるなら事故は防ぎたいもの。究極的には「山に行かなければいい」ということになってしまうのですが、雨とわかっているなら行かない方がいいとは思います。練習やリスク回避が十分できる計画なら問題ないですが、気持ちに迷いがあるならきっぱりと中止にすることをおすすめします。

最後に天気がはっきりしない日の楽しみ方として、東京の御岳山、ロックガーデンの登山動画をご紹介します。雨に濡れた植物たちに注目しながら歩きました。

雨の日登山…余裕があれば是非楽しんでみてください!

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山!頂上から富士を望む

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

箱根にある金時山は富士山を綺麗に眺めることができる天下の秀峰として知られています。それ以外に金太郎伝説が伝えられる歴史的にもとても面白い山です。金時山頂上へのコースは何種類かありますが、今回は金時神社から頂上を目指す「金時神社コース」を選択。金太郎伝説を巡る日帰り登山レポートをお楽しみください。

金時山の基本情報と山行計画

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

金時山はどんな山?

金時山は比較的登りやすい山として知られていますが、箱根火山郡の一つで「火山」というのはあまり知られてないかもしれません。もともと金時山は今よりももっと大きい火山でしたが、度重なる噴火によって山が崩壊(山体崩壊)し南側が崩れてしまい現在のような形になったとされています。頂上がすっぽり抜けたような形になっているのは崩壊からよるものなんだと納得です。

そして童話でお馴染みの金太郎のゆかりの地として金時山には伝説が残っています。金太郎は坂田金時(公時)の幼名のことで、坂田金時は平安時代に活躍した武士です。金時神社の御祭神として祀られ、金時山の由来にもなっています。

登りやすいといっても基本的な登山装備や技術はもちろん必要ですが、新宿からバスの直行便が出るなどアクセスも整っていることから、春から秋にかけて晴れやかな富士山を眺めに多くの登山客が訪れる人気の山です。

金時神社から金時山までのコース[山行計画]

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

金時山へのコースは数種類ありますが、今回は金時神社からスタートして同じ道をピストンするコースを選択しました。渋滞に巻き込まれてしまい最初から予定が崩れてしまいましたが、山行計画は下記のとおりです。

【山行日程】
2018年2月24日(晴れ)
【山名】
金時山(きんときやま)
【標高】
1,213m)
【出発地】
金時神社(標高:700m)
【標高差】
513m
【歩行距離】
約4.2km
【歩行時間】
約2時間30(休憩含まない)
【トイレ】
金時神社、金時山山頂
【備考】
金時山山頂には2軒の茶屋があります
【コース】
登り:金時神社(公時神社) → 金時宿り石 → 公時神社分岐 → 金時山山頂
下り: 金時山山頂 → 公時神社分岐 → 金時宿り石 → 金時神社(公時神社)

※コースの画像は「ヤマレコ」より引用しています。

▼山の地図は登山・トレッキングに必ず持参しよう!

金時山へのアクセス&駐車場情報

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

今回の金時山へのアクセスは、車で金時神社まで行き、近辺の駐車場(無料)に停めました。駐車場は約20台ぐらいのスペースなので天気のいい休日は混雑する可能性があります。少し進んだところにゴルフ場の駐車場(1日500円)があるので、そこに停めるのもいいでしょう。ゴルフ場にはお手洗い場もあります。

【お車でアクセスされる方】

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

車で金時神社へアクセスする場合は東名高速「御殿場IC」から約15分ほどで到着します。途中には道の駅や温泉施設などありますので車で行くと何かと便利です。

金時神社駐車場

【駐車台数】
約20台
【料金】
無料
【トイレ】
あり
【備考】
混雑時は近くにあるゴルフ場の駐車場(1日500円)をご利用ください

【電車・バスなどの交通機関を利用される方】

金時神社に電車・バスなどの交通機関を利用して行く場合は、「箱根湯本駅」からのバスと新宿駅からの直通バスがあります。時間が限られていますのでバスの時間にはご注意ください。

▼箱根湯本駅からお越しの方
①JR「小田原駅」より箱根登山線に乗り換え「箱根湯本駅」にて下車
②「箱根湯本駅」より箱根登山バスで「仙石バス停」もしくは「金時神社入口」にて下車(料金:920円)

「金時神社入口」の方が登山口に近いですが、「仙石バス停」で乗り換えが必要です。「仙石バス停」から歩いて登山口に向かうこともできますので状況に合わせてご利用ください。

▼新宿駅からお越しの方
各線「新宿駅」より小田急高速バスで「金時神社入口」にて下車(料金:1,900円)

時間に限りがありますのでご注意ください。往復切符を買っておくと便利です。

※情報が古い場合がございますので直接ご確認くださいませ。

登山開始!金時神社からスタートです

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

金時神社にて登山の安全を願う

金時神社駐車場に到着したのが13時ごろでしたので、かなり遅いスタートです。東名高速や箱根周辺の道路は大変混雑するため、時間には余裕をもって行動しましょう。と自分に言い聞かせ、まずは金時神社へ向かいます。

頂上までトイレはないので心配な方は駐車場に設置されている簡易トイレをご利用ください。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

金時神社にて安全な登山ができるようにと山に登れることの感謝を込めてお参りします。金時神社は公時神社とも呼ばれますが、どちらも読みは「きんとき」です。

金時神社の御祭神は由来でもある坂田金時(公時)が祀られています。坂田金時とは、平安時代後期の武士で、源頼光にその腕っぷしを認められ四天王の一人として活躍します。その坂田金時の幼名が「金太郎」で、この金時山がある足柄山で産まれ育ったため、金太郎伝説として語り継がれているのです。

歴史や逸話好きな人なら一度は耳にしたことがある「酒呑童子」をやっつけたのは、坂田金時が属してしていた頼光四天王とされています。

金太郎と酒呑童子が繋がっていたことにちょっとテンション上がっちゃいます。

金太郎の怪力伝説を物語る「金時手鞠石」

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

金時神社で登山祈願を済ませた後、登山コースに戻ります。しばらく雑木林の中を緩やかに登っていきます。木の中を歩くのは気持ちいいですね。

10分ぐらい歩くと道の左に標識と大きな岩が見えてきます。それこそが金太郎が手まりにして遊んでいたという大きな石「金時手鞠石(きんときてまりいし)」です。

金時手鞠(てまり)石

これだけ大きくて重い石を手まりにして遊んでいたなんて…金太郎の怪力伝説がよくわかるエピソードですね。

写真や動画を撮りながらのんびり歩いているうちに舗装された一般道にさしかかります。車がこないことを確認し、その先の登山コースを進んでいきます。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

金時神社奥の院へ

金時神社奥の院

金時手鞠石から10分ぐらい歩くと右手に金時神社奥の院へ行く標識が出てきます。少し道はそれてしまいますが、せっかくなので行くことに。思ったより近い場所にあったのでコースタイムへの影響はほぼないです。

金時神社奥の院は大きな岩にしめ縄が巻かれて、小さな祠が祀られています。奥の院ということもあり神秘的な空気を感じました。お参りを済ませたら、そのまま左に抜ける道があるので、そこから登山コースに戻ります。

金太郎と母親が雨宿りをした「金太郎宿り石」

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

金時神社奥の院から5分ぐらいで、真っ二つに割れている大きな岩があります。ここが金太郎と山姥である母親が雨宿りをしたとされる「金太郎宿り石」です。ここで二人で暮らしていたという説もあります。

金太郎の母親である山姥についても面白い諸説があります。そもそも山姥とは山に棲む妖怪の一種。老婆の姿をして迷い込んだ人を食べちゃう怖いイメージがありますよね。山姥の逸話はその土地によって語られ方が変わるようで、人を襲う場合もあれば、多くのものを生み出す産霊(むすひ)神的に伝えられる場合もあります。ここ足柄山の山姥は母性豊かな母親として語られています。

山姥いわく「金太郎は夢の中に出てきた赤い竜と通じて産まれてきた」とされており、金太郎が神がかっていることに結びつく話の一つです。

金太郎伝説、とても面白いですね。こうして予備知識がある中で現物を見た時の感動は2倍、3倍になります。

頂上付近は見晴らしが素晴らしい

金太郎宿り石を超えるといよいよ登りも本格的になってきます。まだ2月下旬ということもあり、念のためチェーンスパイクを持参しましたが、今回使用することはありませんでした。雪はちらほら残っていたものの、登山コースは既に溶けて泥の状態になっていただけです。

振り返り坂

途中でちょっと考えさせられる張り紙が…「振り返り坂」

—————————-
ここは振り返り坂と呼ばれる坂で
あぁ 来るんじゃなかった
山歩きはつらいし、汗で化粧が落ちるぅ…
山が好きな彼氏を選んだのは失敗だった
下りたらすぐに別れよう

次は ショッピングや食べ歩きが好きな彼氏にしようと

男の選び方を振り返る坂です
—————————-

なんという坂だ!もし彼女がつらそうにしていたら優しく気遣ってあげてくださいね。確かにしんどい坂でもありました。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

下山中の人とすれ違う時に、軽アイゼンやチェーンスパイクを履いている人も見かけたので、もしかすると他のコースでは必要だったかもしれませんね。

歩いてるとお腹が痛くなってきてトイレ行きたいなあと思っていると、視界が開ける場所に辿りつきます。低山ながらも見晴らしのよい景色にお腹の痛さも吹き飛びます。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

ここまで来るといよいよ頂上も近いなと喜びを隠せません(早くトイレに行きたいだけ…)。道はしっかり整備されているので迷うことも危険な箇所もないですが、分岐点が途中にありますので、よく見て間違えないようにすることと、泥や濡れている道は滑りやすいので足下には注意が必要です。

金時山頂上でゆっくりくつろぐ

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

富士山見られず、でも頂上からの眺めは最高

金時山頂上に到着!時間が遅かったこともあり、頂上には5〜6人ほどしかいなくほぼ独占状態です。天下の秀峰の看板の後ろには立派な富士山が…ということにはいかず、霞がかっていたのでうっすらと富士山のシルエットが見えるだけでした。

う〜ん、前回も晴れていたものの、その時も霞がかっていたので残念な気持ちに。instagramで見かける綺麗に映っている富士山にはなかなか拝めないものですね。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

それでも頂上からの眺めは最高です。右手前に丸岳、奥に芦ノ湖、さらに奥には三国山と箱根外輪山(古期外輪山)と呼ばれる山々を眺めることができます。箱根外輪山は何度も繰り返された噴火の影響で中心部が陥没してできたカルデラによってできた山々。一周約50kmのコースはトレイルランの練習場としても知られています。

ちなみに金時山は箱根外輪山の一つとされていますが、実際には独立している山のようです。豆知識として知っていると何かの役に立つ時があるかもしれません。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

頂上の風景をパシャパシャと写真を撮っていると3匹ぐらいの猫ちゃんを見かけました。こんな所に猫がいるなんて…と驚きです。人に慣れていることから元々は飼い猫だったかもしれませんが、自然の習わしに従い、エサを与えたり、むやみに触ったりはしない方が良さそうです。

頂上にある大きなまさかりと金時茶屋

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

頂上には金太郎を象徴する大きなまさかりが飾られています。作られてまだ年を重ねてないのかまだ新しいです。まさかりと言えば、天下の秀峰の看板と一緒にまさかりを持った記念写真をよくみますが、そのまさかりは時間が遅かったためかもうありませんでした。

その大きなまさかりの後ろにあるのが「金時茶屋」です。体も冷えてきたころだったので中に入りお味噌汁をいただきました。山の上で食べるお味噌汁は美味しくて温まりますね。食事を終えて会計するときに茶屋の方から金太郎飴をいただきました。なんだか懐かしい味でとても美味しかったです。ありがとうございます。

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

頂上には金時茶屋以外にもう一つ、有名な金時娘がいる「金時娘の茶屋」があります。なんでも14歳の時から茶屋で60年以上働き続けているそうです。メディアに取り上げられるほど有名なおばあちゃんですね。ただ、この日はもう閉まっていました。

下山は登りと同じ道をピストン

金時山の頂上

日が暮れそうだったので急いで下りる

頂上で写真撮影やくつろぎ過ぎたこともあり、急いで下山します。同じ道をピストンするコースなので迷うことなく早々と下っていきます。基本的には15時、遅くても16時までには下山するのが一般的なので、今回は渋滞に巻き込まれたとはいえ、もう少し早い計画にすべきだったと反省です。日が暮れないうちにどんどん下ります。

金時神社に到着!無事に下山しました

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

頂上から約1時間ぐらいで金時神社に到着しました。行きに見逃してしまった金時神社にあるまさかりも写真におさめておきます。そういえば、最近始めたばかりの御朱印巡りをしたかったのですが、時間的にもアウトだったとはいえ、金時神社はもともと人がいないようで御朱印ができない感じでした。もしかすると特別な日はやっているのかもしれませんが。

無事に下山できたことを感謝し、金時神社を後にして車が停めてある駐車場に向かいます。合計タイムは休憩含めて3時間30分の山行になりました。登山の様子は動画にしていますので暇な時にでも観ていただければ幸いです。

金時山の帰りは「富士八景の湯」にお立ち寄り

【金時山】金太郎伝説を巡る日帰り登山 − 登山レポート

登山後の楽しみといえば温泉ですね!登る山の周辺にある温泉を探すことは計画の段階からワクワクしちゃいます。今回立ち寄った温泉は「富士八景の湯」。露天風呂から富士山を眺めることができるとても贅沢な温泉です。

ちょうど夕日が沈むころで、後ろから赤い光で照らされ、本日一番綺麗な富士山をみることができました。終わり良ければ全て良しということで、金時山登山の最高のお土産となりました。

富士八景の湯(ふじはっけいのゆ)

乙女峠の中腹に佇む、露天風呂から富士山麓が一望できる天然温泉

富士八景の湯(ふじはっけいのゆ)

【料金】
大人 [平日]1,000円(3時間) [ 土日・祝日]1,300円(3時間)
【営業時間】
10:00~22:00(受付21:00まで)
12月~2月末日 :10:00~21:00(受付20:00まで)
【定休日】
7.8.9月を除き毎月第2.4木曜日を休館日。当該日が、祝祭日の場合は営業致します
【TEL】
0550-84-1126
【設備】
露天風呂、内風呂、食事処、休憩室、シャンプー・リンス
【HP】
http://www.fujihakkei.jp/

※料金や営業時間などの情報が古い場合がございます。直接ご確認くださいませ。

金時山登山レポートのまとめ

金時山に登ったのは今回で2回目。前回は乙女峠から金時山登山口に下りるコースでした。その時は金太郎伝説のことを一切知らなかったので山頂からの景色を楽しむことを目的にしましたが、今回は金太郎伝説を巡る登山というテーマで登ってみようと金時神社からのコースを選択しました。

金太郎って童話や五月人形のモデルになっているものの、実際何をしたかということはあまり記憶になかったのでこの機会に学ぶことができて良かったです。

「金太郎伝説を巡る金時山」はゆっくり登りたい人、逸話を楽しみたい人におすすめです。

登山靴の種類と選び方。日帰り登山や富士山に最適な登山靴をご紹介!

登山靴の種類と選び方。日帰り登山や富士山に最適な登山靴をご紹介!

登山を始めるきっかけは色々ありますが、まわりの様子を見ると「富士山」や「屋久島」から入る方が多いようにみえます。登山をずっと続けるかどうか別として、何よりも揃えておきたいのは「登山靴」ですね。今回は登山靴の種類や選び方、おすすめな低山用の登山靴をご紹介します。登山靴をどうやって選んでいいのかわからないという方の参考になれば幸いです。

登山靴を買う前に知っておきたいこと

登山靴の種類と選び方。日帰り登山や富士山に最適な登山靴をご紹介!

そもそもなぜ登山靴が必要なの?

たまに普通のスニーカーで山登りをしている方をみかけますが、一般的なスニーカーでの山登りは大変危険です。靴底が外れたり、足をひねってケガをしたりする場合があります。野球やサッカーに専用シューズがあるように、登山には山登り用に作られた靴があるのです。

登山靴は「山を安全に登る」ために作られています。山道は砂利や泥などで滑りやすくなっていたり、石や岩がゴロゴロしていたりと足場がとても不安定な道です。登山靴は足首を固定し保護する役割もあるため、ねん挫や転倒予防になります。靴のインソールにはクッション性もあるため、足の負担を和らげ、疲れを軽減する効果も見込めます。

また、山は天候が変わりやすく急に雨が降ることも。そのときに一般的なスニーカーでは、靴が濡れてしまい歩きづらくなってしまいます。登山靴なら防水加工されているので、多少の雨に濡れても問題ございません。

登山靴とスニーカーの大きな違い

登山靴と一般的なスニーカーの大きな違いは「ソール」の固さにあります。ソールは固ければ固いほど岩場などの不安定な道を歩きやすく、疲れにくくなります。ただ、がっちり足が固定されてしまうので、行く山によっては逆に歩きづらくなります。(軽いハイキングにガチガチの登山靴は必要ありません)

逆に柔らかいソールは、岩場や歩く距離が少ない山に行くのに最適です。これから登山を始めるけど、続けるかどうかは不安という方や富士山や屋久島に行く場合は柔らかめのソールで支障ありません。柔らかいといっても、一般的なスニーカーと比べると充分固いです。

登山靴の形状も3種類ほどありますので、どういう山登りをしたいかによって使い分けるとよいでしょう。

【ローカット】
軽いハイキングや軽登山におすすめ。

【ミドルカット】
標高2,000以下の低山など日帰り登山におすすめ。

【ハイカット】
岩場が多く、重い荷物が必要な宿泊を伴う長距離縦走の登山におすすめ。

登山靴は種類が色々、何を選べばいい?

登山靴の種類と選び方。日帰り登山や富士山に最適な登山靴をご紹介!

ハイキング用から厳冬期用まであります

前段で登山靴の形状をお伝えしましたが、それに合わせて種類も豊富なので何を買えばよいのか悩んでしまいます。デザインや好きなメーカーから買うことに反対はしませんが、目的に合った登山靴を選ぶことを前提に考えた方が自分にピッタリな登山靴に出会えます。

登山靴の種類は大きく3つです。

【ハイキングシューズ】
ちょっとしたハイキングや軽登山に最適。東京の高尾山や長野の美ヶ原(頂上からスタートする場合)なら問題ありません。

【トレッキングシューズ】
軽登山靴とも呼ばれ、日帰りの低山や富士山、屋久島、登山初めての方にはこのシューズがおすすめ。僕も一番最初にトレッキングシューズを購入しました。ベルト式の軽アイゼンなら装着可能です。

【マウンテニアリングシューズ】
難易度の高い登山向け。アルプス系の岩場や厳冬期、テント泊や長距離登山に向いています。いきなりこの種類の登山靴を購入するのはよっぽどの事情がない限りおすすめしません。

履き心地が一番!試し履きは必ずしよう

種類を決めたらいよいよ登山靴を選びます。悩む前に試し履きするのが一番です。大手登山用品店なら試し履きのコーナーも設けてありますので、店員さんに相談しながら決めることをおすすめします。

【試し履きのチェックポイント】
・登山用の靴下をはいて試し履きする(登山用の靴下は、足を保護するために分厚くできています。靴下があるのとないのとではサイズ感が変わってきます)
・つま先を靴の先端に触れた状態でかかとに1cm(指1本分)ほど余裕があるか
・足の横幅や甲が締め付けられて圧迫感はないか、痛くないか
・靴の中で足が動かないか(隙間が多いと足が固定されません)

履き慣れなてない登山靴はどうしても違和感が残るものです。緩すぎてもきつすぎても足に負担がかかります。また、同じサイズでもメーカーによっては形が違うので何足か候補を選んでみてください。足のフィット感、デザイン(メーカー)、値段で折り合いをみつけながら、最適な登山靴をみつけましょう。

メンズ、レディース別おすすトレッキングシューズ

登山靴の種類と選び方。日帰り登山や富士山に最適な登山靴をご紹介!

【メンズ】おすすめトレッキングシューズ

ここではメンズ、レディース別でおすすめのトレッキングシューズをご紹介します。全て持っている訳ではないので、山仲間から聞いたリアルな感想をもとにしています。ネットで情報を調べた上で、お店で店員さんに相談しつつ試し履きをすると、納得感あるものを買うことができそうです。

【キャラバンGK72】

日本ブランドのキャラバンは日本人の足に合う靴作りをしていることから根強い人気を誇っています。キャラバンの靴は種類も多いですが、その中でもおすすめなのが「GK72」シリーズです。ソールも固くて性能は申し分ない上、デザインも優れており、街で歩いても違和感ありません。実を言うと僕が一番最初に買った靴です。友達もこの靴をみて「いいなぁ」って言いい、その日に買って帰ったということがありました。個人的には履き心地バッチリでしたが、素材的に汚れが目立ちやすいかもです。

¥ 15,984

GRANDKING(グランドキング)


amazonで購入

【MERRELL(メレル)モアブ MID GORE-TEX】

アウトドアにおける様々なシーンに使える靴を展開しているMERRELL(メレル)。山仲間に履いている人がいましたが、登山靴の固さがちょっと苦手のようで、柔らかめのこの靴が一番フィットしたようでした。固い登山靴が苦手な人におすすめです。

【mont-bell(モンベル)タイオガブーツ】

国内の登山メーカーといえばモンベルですね。リーズナブルな価格であらゆる登山用品を展開しています。富士山や屋久島デビューする時にこの靴を買う方は多いのではないでしょうか。

¥ 17,690 – ¥ 19,656

mont-bell(モンベル)


amazonで購入

【レディース】おすすめトレッキングシューズ

レディースのトレッキングシューズは、やはりデザインが良いものが人気ですね。重いものよりできるだけ軽い靴を選ぶ傾向にあります。

【SCARPA(スカルパ) ミトス MF GTX】

この靴を履いている女性が多いように思います。山仲間にも履いている人がいて、軽くて色が可愛いところがお気に入りのようでした。確かに軽いのはいいですよね。

¥ 22,680 – ¥ 24,840

SCARPA(スカルパ)


amazonで購入

【Caravan(キャラバン)GK64】

やっぱりキャラバンの靴は人気です。性能も申し分ない上、コストパフォーマンスも良い優れた登山靴です。

¥ 10,766 – ¥ 18,900 & 返品無料(一部対象外)

caravan(キャラバン)


amazonで購入

【mont-bell(モンベル)タイオガブーツ】

山仲間の女性でモンベルを愛用している人は多いです。もちろん好みやフィット感などの好き嫌いはありますが、タイオガブーツを試し履き候補に入れておくことは間違いないでしょう。

¥ 15,552 – ¥ 20,040

mont-bell(モンベル)


amazonで購入

まとめ

登山靴の種類には大きく3つあることがわかりました。いずれもどういう山に行くかによって用途が異なります。最初は中間になるトレッキングシューズを購入した方が柔軟に対応できます。次に購入する靴は好きな登山スタイルによって分かれます。

一つは本格的な登山ができるマウンテニアリングシューズ(ハイカット)。もう一つはより低山を楽しむために軽さを重視したハイキングシューズ(ローカット)。僕は、のんびり歩くのが好きなので、山歩きに慣れてきたころにハイキングシューズを購入しました。

登山靴は登山を安全に楽しむためには絶対に欠かせない装備品です。軽視すると事故になる可能性もありますので、納得いくまで検討してみてください。自分に一番フィットする登山靴に出会えることを願っています。

▼HIKES編集長の里山トラベル

HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

山を歩いていると山肌が露出している光景をよく見かけます。その時はあまり気にせず山を歩きますが、そういう景色を何度か見ているうちに「地層」というものに惹かれていく自分がいました。

TwitterのTLにたまたま流れてきた「地球をはぎ取る」というキーワードに反応し、これは絶対に見に行きたいと決意したのが今回ご紹介する『地球を「はぎ取る」』展です。

今自分が立っているこの大地も長い時間をかけて作ってきた地球が紡いだ物語。その物語の中から誕生した人類もまた現在の僕たちをDNAで繋いできたことを考えると、壮大すぎて胸が高まります。

地球を母体にして全ての生命に繋がりを感じてしまう、そんな妄想をしながら会場へ向かいます。

※この展示は神奈川県立「生命の星・地球館」にて2017年7月15日から11月5日まで行われました(イベントは既に終了しています)
※撮影の許可をいただいております

【特別展】地球を「はぎ取る」~地層が伝える大地の記憶~展とは

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

『地球を「はぎ取る」』展が開催された場所は、神奈川県立「生命の星・地球館」。小田原市にある地球を学ぶための立派な博物館です。恐竜や古代の化石などの展示物に触れながら地球の歴史を知るこができ、自然や生命のことを考えるきかっけになる様々な企画が行われています。

小田原市と聞くと北条氏が統治していた「小田原城」を思い浮かべますが、博物館が建てられている小田原市入生田には隠れた名所「長興山紹太寺のしだれ桜」があります。桜の時期に博物館としだれ桜を見に来るのもよいですね。

今回行われた展示は露出された地層の一部を最新技術を駆使して、そのまま標本にしたものが展示されています。地球の記憶を巡る旅に出かけるようなワクワクした気持ちで、念願の『地球を「はぎ取る」』展に行ってきま〜す。

地層は時間によって形作られ、場所や出来事によって特徴づけられる

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

地層とは層状にかたまった粒子(岩体)のこと。その時代に起きた事象によっていくつもの層が積み重なってできています。世界的にわかりやすい地層はアメリカにあるグランドキャニオン。その壮大な景色は一度は見てみたいですね。日本では磁場逆転の記録が残る「チバニアン」が話題になってます。

場所によって地層の作られ方も変わります。陸地では雨や風によって流されてきた岩や土が川に辿り着き、川の流れによって岩は砕かれ、砂は泥になりやがで細かい粒子となり時間をかけて地層が形成されます。一つの層には岩石、石ころ、砂、泥などいくつもの粒子が混ざっているのです。

海底では噴火による火山灰やサンゴ礁、貝、生物などの死骸が積み重なった地層が作られていきます。山の中には火山灰を多く含んだ地質がありますが、それは積み重ねられた地層が地上に出てきた証です。その出てきた地層を僕たちが登っているというのは、面白い構造ですね。

「出来事」ではその時代に起こった事象が関係します。主に地震や火山による影響によって蓄積された地層が展示されていました。過去3回あったという富士山の噴火、今でも活動している箱根山の噴火の歴史も地層から読み取ることができます。

「場所」「時間」「出来事」によって作られた様々な展示を写真でいくつかご紹介します。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

約2億4000年前の深い深い海底にあった地層。黒い地層から赤い地層へと変わっている特徴的な地層ですね。酸素不足だった時期から徐々に回復していった様子がわかる環境の大変動を記録しています。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート
大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

展示には所々イラスト付きのコメントが書かれていました。わかりやすくポイントが書かれている嬉しい配慮。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

100万年前ぐらいの海底斜面の地層。地層の中に含まれていた水が一気に上へ抜けたときの記録が残っています。一つ一つの層も一緒に上へ流れた様子がわかりますね。自然に勝るアートはないとよく聞きますが、まさにその通りでとても綺麗な地層です。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

約3万年前に起きた地震により、大地が動いた形跡が見られる地層。左と右で全く違う地層が隣り合わせになっているのが見た目でわかりますね。1,000年あたり1m動いたという…地震による影響は計り知れない。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

江戸時代の時に噴火した富士山や箱根火山の痕跡が見られる地層。箱根山は2015年にも噴火している今でも活動している火山。箱根山に限らず、火山として認定されている山に行く時は活動状況を確認していますが、いつ起きるのか明確ではないので判断が難しいですね。

今でも各地で火山活動が行われていますが、その歴史が現在進行形で大地に刻み込まれていると思うと、自分たちも歴史の中の一部なんだなと想像が膨らむ。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

なんと!約2万9千年前に南九州の姶良カルデラで起きた噴火から飛んできた火山灰も地層の一部として残っています。この地層は神奈川県厚木市でとれたもの。南九州から神奈川までの距離を考えると、とてつもない巨大噴火が起きたことがわかります。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

展示の中でも一番大きかった地層。地震によって地盤が液状化し、液体のように流れている痕跡がくっきりと記録されています。

このように地層は「時間」と「場所」と「出来事」によって形作られていくのがわかりました。

一つ一つはただの岩石や火山灰でしかありませんが、地層全体で見てみると、しっかりとその時代の記録を残しているのです。なんだか僕たち人間の人生も似たようなものだと考えられますね。場所による違いは生まれた国や都道府県、どういう家庭環境かに当てはめられ、その場所でどのように過ごしたかによって生き方は変わってきます。

その他にも言語の違い、男女の違い、肌の違い、思想や文化の違い、お金持ちか、貧困か、何人家族か…。など色々要素は出てきますね。生まれた場所によってすでに培われた層ができているとすると、そこからどういう体験をして自分の層を積み重ねていくかが「出来事」になります。

少し大げさかもしれませんが、例え不遇な人生経験をすることがあったとしても、それよりも大きな層を積み重ねることで、逆に色鮮やかな地層(人生)を作れるのではないでしょうか。その色が人生の個性、深みなのかなと展示を見ながら考えていました。

地球をはぎ取り記録を読むことは、人生の記録を読むことにも似ている

かつて地層を記録するには写真やスケッチなどの方法しかありませんでした。技術が発達した現在では保存科学や造形学を組み合わせた様々な方法で地層を記録することができるようになったのです。

今回の地層の展示では下の3つの方法をもちいて標本を作っているようです。

・地層の表面の粒子をはぎ取る
・表面の形状の型を取る
・地層の固まりを切る取る

地層の形や固さ、質によって使う技法は変わりますが、今回のように地層の標本を見るのは始めてなのでその技術には驚かされます。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

展示では地層の表面の粒子をはぎ取る様子の動画が上映されていました。地層の表面に接着剤を塗り、バリバリとはいでいく様子は、まさに「地球をはぎ取る」行為そのもの。

技術の発達のおかげでハンマーで地層の一部を砕いて一つ一つを研究していたころに比べると、より広い範囲で地層を保存することが可能になったとされています。これまで何千万年という時間をかけて形成された地層を標本として保存することはとても貴重なことで後世に残す重要な遺産ですね。

もし、自分の人生を標本にするとどうなるのか少し考えてしまいました。生まれてから現在に至るまで何をしてきたのか…と。

それほど劇的な人生を歩んできたわけではないので恥ずかしいのですが、変わったなあと思える時期は今のところ大きく6つ。

(1)中学一年生の時の転校
(2)高校デビューを果たす
(3)就職してデザイナーになる
(4)紙媒体からWEB業界に切り替える(デザイナー卒業)
(5)クライアントワークから自社サービス運営へ切り替える
(6)山との出会い

地層のように違いをつけるとすると上記の時期が、違いや色を変えるきっかけとなっていると自分で思っています。

(1)はそのままですが、中学一年生の時に転校しました。思春期の時の転校はなかなか心に響きます。この後、中学二年、三年と学年ごとに転校したので、どうしても内にこもってしまいおとなしい中学時代を送ります。

(2)は、中学のころの反動なのか、急に世界が開けたように恥ずかしながら高校デビューを果たします。笑。

細かいことに悩むことをやめて色々吹っ切れた時期でもあります。

(3)~(5)は仕事のことですね。デザインから入り、転職をしつつ、サービス作りの道を進んでいきます。やることや視点が変わった時期を指していますが、大きな目線でみると同じようなものなので一つに絞っても良いかもです。

そして(6)は山との出会い。なんとなく始めた登山をここまで好きになれたのは人生に大きなインパクトを与えた出来事です。それまでは趣味もなく、仕事に時間を費やしていただけでしたが、山は今後の暮らしを考えるきっかけになったとても重要なファクターになりました。

この山コミュができたのも今までの経験があってこそ。今まで歩んできたこと全てが何処かにつながっていると思うと、感慨深いものになりますね。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

最後に僕たちの祖先でもある縄文時代の暮らしの証がわかる地層をご紹介します。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

貝殻以外にも埋葬された人や犬の骨まで発見されたことから、貝殻を捨てる場所ではなく、埋葬するための特別な場所だったのではと予測できます。縄文時代の人々はどのような人生を送ってきたのか…。そんなことまで考えさせられる展示でした。

僕たちが生きている現在進行形の今も、いずれ記録として残り、未来の人へと繋がっていく。地球の物語の一つとして語り継がれていくと思うと、なんだか不思議な気持ちになります。

まとめ

「大地の記憶と自分の記憶を巡る旅」として地層の作られ方が、人の人生の作られ方にも似ているなあと思い、このようなテーマにしました。地質の知識がもっと自分にあったら、また別の視点があっただろうと思います。簡単に習得できるものでもなさそうですが、地質学は山の成り立ちを知る上で、とても大切な知識ということがわかりました。

例えば関東にある丹沢系と秩父系の山では同じ低山でもどことなく歩く感触が違います。その違いを知るためには山がどうやって作られたかを紐解いていくことでわかるのかもしれません。より山を楽しむためにも地質学を少しずつ蓄えていきたいものです。

自分や誰かの人生と向き合うように、山の人生「山生」と向き合うことは、自分が目指している登山の一つの姿かもしれないことに気付かされました。本当に山は奥深く、どことなく知的なものと改めて実感できる展示会でした。

今回体験レポートしたところ

神奈川県立「生命の星・地球館」

「生命の星・地球館」までのアクセスは新宿から小田急線で「小田原駅」まで約1時間30分かけて行きます。一度降りて箱根登山電車に乗り替え、「小田原駅」から約10分の「入生田駅」で降ります。「入生田駅」からは徒歩10分ぐらいで「生命の星・地球館」到着します。看板があるので迷うことはありません。

小田原城の観光をしつつ、「箱根湯本駅」も近いため温泉に立ち寄ることもできますよ。

大地の記憶と自分の記憶を巡る旅。地球を「はぎ取る」展 体験レポート

【住所】
〒250-0031 神奈川県小田原市入生田499
【開館時間】
9:00~16:30(最終入館 16:00)
【休館日】
・月曜日(祝日・振替休日にあたる場合は翌平日)
・館内整備日(8月を除く、原則として毎月第2火曜日、12月・1月・2月の火曜日)
・年末年始
・燻蒸期間
・国民の祝日等の翌日(土曜日、日曜日または国民の祝日等にあたるときを除く)
※このほかに臨時開館日、休館日があります。詳しくは直接ご確認ください。
【TEL】
0465-21-1515
【設備】
特別展示、常設展示、SEISAミュージアムシアター、ミュージアムライブラリ、レストラン・喫茶、ミュージアムショップなど

※地球を「はぎ取る」展は期間限定の特別展示です。年間を通じて様々な展示を開催しています。詳しくは直接ご確認ください。

【御岳山】ロックガーデン山歩き。ゆっくり歩くと見えてくる「小さな世界」

【御岳山】ロックガーデン山歩き。ゆっくり歩くと見えてくる「小さな世界」

東京都・奥多摩にある御岳山。ロックガーデンと呼ばれる沢沿いを歩くコースは東京屈指の癒しスポットです。夏には涼を、秋には見事な紅葉が僕たちを迎えてくれます。

御岳山には何度か訪れたことがありますが、今回は「山の自然学(小泉武栄 著)」に影響され、いつもよりゆっくり歩いて「山」を見たいという想いで出発しました。



山歩きコース(日帰り)

コースはJR「奥多摩駅」よりバスで「ケーブルカー下」まで行き、そこからケーブルカーを利用して「御岳山駅」へ行きます。御岳山駅からは下記のようなコースを歩きました。

【日付】
2017年7月29日(土)
【天気】
曇り
【コース】
御岳山駅 → 産安社 → 御岳ビジターセンター → ロックガーデン周遊 → 日の出山 → つるつる温泉

御岳山の概要については下記を参照ください。

御岳山の登山MAPについてはこちらのサイトが参考になります。

日本一の群生を誇る御岳山のレンゲショウマ

御岳平

今回の山歩きのメインは何といっても日本一の群生を誇る「レンゲショウマ」を見ることです。御岳山ビジターセンターからの事前情報では、咲いているのが1割ほどということでしたが、そのことを踏まえつつも山歩きをスタートします。

御岳山にある富士峰園地ではレンゲショウマ祭りが開催されています。祭りといっても何か催しがあるわけではなさそうでしたが、この日はケーブルカー乗り場付近にある御岳平で東京都レンジャーの方々による登山届の提出を呼びかける活動が行われていました。山では何がおきるかわからないのでとても良い活動だなあと感心し、僕も登山届を提出。

富士峰軒というおみやげ屋さんの右からレンゲショウマの群生がある場所へ向かいます。レンゲショウマ目当てに大きなカメラを持った方をちらほらみかけましたが、思ったより人は少ない様子。まぁ、天気も良くないし御岳山ビジターセンターからの情報でもまだまだ咲いていないということがわかっていたので納得です。

どこか咲いているところないかなぁと、まわりをうろうろしていると、通りすがりの老夫婦に声をかけられました。

「こんにちは、全然咲いてないよ」
「あっちの方にちらほらあるだけ」

山では都会と違って気軽に声を掛け合う風習があります。今でこそ気軽に話すことができるようになりましたが、登山始めて間もない頃はすれ違う度に「こんにちは」と挨拶するのが少し恥ずかしい思いがあったものです。後でわかったことですが、山で挨拶することは立派な意味がありとても大事なことなんです。登山のマナーやルールのことはこちらに記載していますのでご参考ください。

老夫婦に「ありがとうございます」とお礼を述べ、少し咲いているだろうレンゲショウマへと向かいます。

ただ、足を止めてよ〜く見ると「咲いていないレンゲショウマって美しいなあ」と、ふと感じました。日本一と呼ばれる群生が後押ししてることもありますが、レンゲショウマの蕾(つぼみ)の集合体が、ものすごく小さな世界を作り上げていることに気づきました。

今まさに花開こうとするその可憐な姿から「もうちょっと待っててね」と語りかけられてるようで、小さいながらもたくましく、神秘的な美しさがそこに確かにありました。

この気づきはレンゲショウマ=「花」という認識では気づかなかったと思います。咲いてなくてもレンゲショウマはレンゲショウマなんです。この小さな世界を上手く写真で表現したいと思い、僕の愛機「NIKON J5」でバシャバシャ撮ります。良い構図にしようと角度を変えたり、近づいたりと試みる。客観的にみると変な体勢だったのでどんな撮り方してるんだと思われてたかもしれません。

そうやっていくつか撮影した中で花が咲いていないレンゲショウマの小さな世界観が一番表現できたのがこの写真。

よーく見ると無数の小さな蕾が一つの星のように見え、小宇宙を作っているように見えませんか?

全然伝わっていなかったらごめんなさい。笑

そして数少ない咲いていたレンゲショウマをはこちらです。

淡い紫色の花を下向きに咲かせるレンゲショウマの花言葉は「伝統美」。伝統美とは伝統によって培われた美しさという意味ですが、レンゲショウマをじっくり見るとその意味も納得です。可憐さの中に「凛」とした雰囲気を漂わせ、細かく作り込まれた伝統工芸品を見ているかのように見えてきます。

何枚か撮影した後、レンゲショウマの世界に若干名残り惜しい気持ちを抱えつつ次の目的地へと向かいます。

安産祈願・子宝・縁結び・長寿の神として信仰のある「産安社(うぶやすしゃ)」

産安社を訪れるのは初めてで「こんなところにあったのか」と今までの自分の無知さが恥ずかしいです。

産安社の歴史を調べるととても面白く、御祭神は木花開耶毘売命(このはなさくやひめ) で日本の木の花の代表である「桜」の美しさを象徴している女神と言われています。山の神、火の神、酒造の神としても崇められているようです。また、同じく御祭神として石長比売命(いわながひめ)、息長帯比売命(おきながたらしひめ)が祀られています。

木花開耶毘売命(このはなさくやひめ)は、富士山の神さまとして富士山本宮浅間神社(静岡県)ほか1000以上の浅間神社に祀られています。そして何故ここに祀られているかと言うと、この辺りの山は江戸時代に「浅間山」と呼ばれており、冨士浅間神社とされていたことが由来だそうです。

なるほど、御岳平にあったおみやげ屋さんやレンゲショウマの群生がある一帯の名前に「富士」がついている理由に納得です。この土地から富士山と繋がりがあるなんて、山の脈絡は面白いですね。

木花開耶毘売命(このはなさくやひめ)の神話を巡ると妄想の世界に入ってしまうのでここでは割愛いたします。こちらのサイトが参考になりました。

産安社にはご利益のある3つの大きな神木があります。

子授け檜

二股に開かれた根本と、そこへ突き刺さる幹は、男女和合のしるしとされています。また、右上の勾玉型のコブは子宝を表しているといわれています。子宝を祈念しながら幹のコブを、男女の末永い和合を祈念しながら根元や幹を軽くさすると、御利益があるとされています。(武蔵御嶽神社より引用)

夫婦杉

夫婦杉

ふくよかなコブが多くある方が「女杉」、もう一方が「男杉」といわれ、2本が繋がりあって仲睦まじく立っている姿から夫婦杉と呼ばれています。二人手をつなぎながら木の間を通るといっそう円満になり、男性は女杉を、女性は男杉を触りながら木の間を通ると良縁に恵まれるといわれています。(武蔵御嶽神社より引用)

安産杉

安産杉

どっしりと力強く根を張る姿は長寿を表し、丸く包み込むように開かれた幹は安産をその幹より分かれて延びる数々の枝は子孫繁栄を表しているといわれています。長寿・安産・お子様の健やかな成長を祈念しながら幹や根を軽くさすると、御利益があるとされています。(武蔵御嶽神社より引用)

安産祈願や子宝とあるよに、この時もお子さまを身籠っていた若い夫婦が祈願に来ており、お参りのあと各神木を巡っていました。僕はまだ子供がいませんが、これからのことを考えお参りし、産安社を後にします。

産安社近辺にはこの時期ならではの「タマアジサイ」や「ヤマユリ」が咲いていました。ヤマユリはユリの中で最も大きく、ユリの王様と呼ばれています。間近でみるとその大きさに圧巻です。


ロックガーデンを周遊。緑の世界を歩く

さて、いよいよロックガーデンへと向かいます。ロックガーデンはこれで3回目。1回目は登山始めて間もないころ、二回目は秋に訪れています。以前は、ただなんとなく気持ちいいなあと歩いていただけでしたが、今回は山を見るという意思があったので、今ままでと違った見え方がしました。そんな視点で歩いていると、ロックガーデンへ向かう途中でも様々な出会いがあります。

産安社からロックガーデンに向かう途中に、とある広場を目にします。いつもなら恐らく見逃したであろう何もないただの広場。光の入り方がとても美しく、地面が白く輝いているように見えたので思わず写真をパチリ。

そのほかにも普段見逃してしまう植物たちに目がいき、写真を撮りまくっていました。

御岳山ビジターセンター

ロックガーデンに行く前にもう一つ寄りたい所がありました。御岳山ビジターセンターです。ビジターセンターとはその山の自然のことを知るにはうってつけの施設、国立公園や国定公園など各地に建てられています。

御岳山ビジターセンターには、御岳山に関わる歴史資料や現在の情報を知ることができます。ちょうど子どもたちに「蜂」について説明しているところで、僕もなるほど〜と横耳をたてて聞いていました。面白かったのが、蜂とアブの特性の話で蜂は止まっていると刺してこなく、アブは止まっていると刺してくるという(アブは刺すというより噛むらしいです)。じゃあ、「どうすればいいの」となる訳ですが、蜂とアブを見分けることが大事だそうです。「うーん、難しそう」笑。

という感じでビジターセンターの方から色々お話を聞くことができます。

御岳山に関する膨大な資料がファイルに閉じられており、ずっと見てたかったのですが、時間も限られているのでざっと見てビジターセンターを離れます。一つ気になったのが、ニホンジカが増えているようでそれが山の生態系に影響が出てくるかもしれないと書いてあったことです。まだ調査段階のようでなんともいえませんが、シカが増えるということはその分食料が必要になってきます。草木が減りすぎてまた別の影響が出る可能性を含んでいるのかなと。うーん、今後どうなっていくか気になりますね。

御岳山ビジターセンターを出た時、ふと思ったのが本や記事などで得る知識も良いですが、やはり「生の声」の深みには勝てないということ。ビジターセンターのサイトをみると「ガイド」というものがあり、一緒に御岳山周辺をまわってくれるみたいです。これはとても学びが深まりそうなので一度申し込みしたいと思います。欲を言うと、ガイドさんをメインにした取材記事を書きたいです。「山コミュ」を山の情報だけではなく、山に関わる人と仕事に焦点をあてた山メディアに育てていくのが良いかなと思い始めました。

ということで今度お願いしてみます。

いざ、ロックガーデンへ

御岳山のロックガーデンは沢沿いを歩くので、夏には「涼」と「癒し」を求めて多くの人が訪れます。登山道もしっかり整備されているので安心して歩くことができます。コースの見所も満載で、「七代の滝」「天狗岩」「綾広の滝」などお楽しみスポットがあるのも魅力です。

夏のロックガーデンはとても美しく、下は苔(コケ)の緑、上は木の緑に包まれ、まるで「緑の世界」を歩いているような錯覚に陥ります。雨に濡れた植物がこれまた情緒的に映り、御岳山ロックガーデンの中に深く、深く入って行く感覚が心地よく感じる。

この時間が僕はすごく好きで思考が研ぎすまされるというか、頭も体も日常と非日常の境目を行ったり来たりすることで余計な雑音がどんどん聞こえなくなり、一番重要なことだけが残ります。山に行くと頭の中が整理され、くだらないことはすぐ消えてなくなり「必要なことだけに集中しなさい」って山から教えられている気がします。

このロックガーデンが今のように歩きやすく、自然豊かな場所になってるのは実は人の手で管理されているからなんです。というのもロックガーデンは東京緑地計画協会が認定する37の景園地の一つとして選定されています(名称:奥御岳景園地)。

景園地とは、風景地を全体として公園化することなく、最小限の利用施設を設置するだけで保全を図ろうとした内務省の計画です。(東京都教育庁地域教育支部より引用)

「最小限の利用施設」というのが綾広の滝から七代の滝までの遊歩道を含んでおり、過度な整備をせずに景観を保持しながら楽しむことができように設計されています。山は人のものではないので「山に入らせてもらってる」という感謝の気持ちがここに現れている気がします。そもそも山に行かなければいいじゃないかと言われたらそれまでですが。。

ロックガーデンを楽しんだ後は日の出山に向かいます。この日は午後3時から雨が降る予報でしたので、お昼ご飯を食べた後、少し早歩きで日の出山を目指しました。

日の出山を経由したあと、最後の楽しみは温泉ですね。今回はお肌もつるつるになるという「生涯青春の湯 つるつる温泉」へ向かいます。日の出山からつるつる温泉までの道は、最近登山道が整備されたのか、以前よりも時間を短縮して行けるようになっています。安全を考慮してとのことだと思いますので整備された方に感謝ですね。

つるつる温泉には過去1回しか行ったことがなく、めちゃめちゃ気持ちよかったという記憶しかありません。なので絶対また行きたいと思っていたので念願が叶い嬉しい限りです。日の出山から約1時間30分かけてつるつる温泉に到着しました。

体を洗うにも順番待ちが発生するほどつるつる温泉は多くの人で賑わっていました。ようやく温泉に浸かることができ「あーいい湯だなあ」と思わず声が出ちゃいます。登山後の温泉ほど至福な一時はないぐらい気持ち良いです。うん、記憶のとおりつるつる温泉は最高でした!

御岳山に来て余裕があったら是非立ち寄ってほしい温泉です(登山装備は必須)。最後は温泉内にあるお食事処でビールを飲みながら食事を済ませ、今回の山歩きは終了です。
朝早く起きて、山を歩いて、温泉に入ってあとは家で寝るだけ。なんとも贅沢な一日でした。

【御岳山】ロックガーデン山歩き。ゆっくり歩くと見えてくる「小さな世界」の動画はこちらです。 ロックガーデンまでの山歩きを収録しています。


まとめ

御岳山のレンゲショウマとロックガーデンにある小さな世界を歩く。今回はまわりにある植物や御岳山の歴史を意識した山歩きになりました。意識することで、これまで見えていなかったものに目が届き、改めて山の魅力に取り憑かれた次第です。僕は高い山を目指したり、コースタイムより早く歩くなどをするタイプではないので自然観察しながら山を登るというスタンスが性に合っています。

今回の気づきは、途中で少し書いたように山に関わる人や仕事のことをもっと取り上げたメディアにしていきたいなと思いました。どのようにやっていくか、どこまで実現できるかはこれから考えますが、山が好きな自分の勝手な使命として取り組んでいきたいと思います。

【山ごはん】キムチ鍋の簡単レシピ

【山ごはん】キムチ鍋の簡単レシピ

【山ごはん】のコーナーでは簡単に作れるレシピをご紹介します。今回は体の芯から温まる「キムチ鍋」です。奥多摩にある「川苔山」にて山ごはんにチャレンジしてきました!

川苔山でポカポカ温まるキムチ鍋をいただく

今回は東京都西多摩郡奥多摩町にある川苔山へ日帰り登山&山ごはんを作りに行きました。川苔山といえば「百尋ノ滝(ひゃくひろのたき)」が有名ですね。百尋ノ滝の氷瀑を見ることを目的にして行きましたが、完全には凍っていなく少し残念でした。道が凍っている冬でしたが登山客で賑わっていました。

川苔山へは奥多摩駅よりバスに乗り、川乗橋で下車します。そこから頂上を目指します。川苔山の頂上はそれほど大きくはありませんが、ベンチが空いてれば山ごはんも比較的作りやすいところです。今回の山ごはんのキムチ鍋は材料をあらかじめ切って準備し、水とスープの素を入れて煮るだけと簡単なので冬の寒い日におすすめです。

材料(二人分)と作り方

キムチ鍋の材料

【山ごはん】キムチ鍋の簡単レシピ

・白菜 適量
・豚肉(ロース) 適量
・しめじ 適量
・えのき 適量
・鍋キューブ® ピリ辛キムチ 2個
・水 500cc

※食材は食べやすい大きさにカットします。

キムチ鍋の作り方(山ごはんレシピ)

【山ごはん】キムチ鍋の簡単レシピ

①材料は事前に食べやすい大きさにカットし、準備していきます。
②鍋(コッフェル)に全ての材料を入れ火にかけます。(約10分)
③食材が柔らかくなったら完成です!

コツ・ポイント

食材は家でカットし、すぐに作れる状態にしておきましょう。保冷バックに保冷剤を入れ持って行きました。肉は季節によっては控えるようにしましょう。

作った人のコメント

頂上は寒くなるかなと思い、簡単に作ることができるキムチ鍋にしましたが、この日は晴天で風も吹いてなかったので温かく落ち着いて食べられました。山での鍋は定番中の定番ですが、間違いなく美味しいですね。鍋キューブ®は凝縮された固形状のもので持ち運びに便利です。是非みなさんも山ごはんの定番「キムチ鍋」を味わってみてください。

作っている様子はこちらをご覧ください。3分あたりからです。


登山やトレッキングに欠かせない「行動食」のおすすめは?

登山やトレッキングに欠かせない「行動食」のおすすめは?

登山やトレッキングに欠かせないのが「行動食」。登山は重たい荷物を背負い登ったり、下ったりとカロリーを多く消費します。そのため、途中でエネルギーが切れてしまいバテてしまう(シャリバテ)なんてことも。エネルギーを切らさないためにはどんなものが行動食として良いのかをご紹介いたします。



登山やトレッキングでの行動食とは

行動食と一言でいっても用途に合わせて多くの種類があります。
登山時に食べる行動食は、

「歩きながら食べられる」
「短時間で食べられる」
「小さくて運びやすい」

というのが条件になり、基本的にはすぐ食べられて持ち運びがやすいものが好まれます。その他、「高カロリー」「栄養バランスが良い」「喉がかわかない」ものを持って行くのがおすすめです。

行動食の重要性

重たい荷物を背負いながら登ったり、下ったりするため登山は非常に多くのエネルギーを消費します。一般的には2,000kal~3000kal以上も消費すると言われています。

エネルギーが切れてしまうと体がバテてしまい、足の踏ん張りや集中力もなくなり転倒してしまう場合もありますので、行動中にエネルギーを摂ることはとても重要です。

特に大事なのが三大栄養素でもある「糖質(とうしつ)」と「脂質(ししつ)」です。どちらもダイエットをしている方なら避けたいところですが、エネルギーを摂取するにはこの2つは外せません。

糖質は脳のエネルギーとしては一番有効で、登山における判断力や集中力を増加させる役割があります。脂質はエネルギー量が多く、糖質と共に有酸素運動でエネルギーとして燃やしてくれます。

日帰り登山や低山ハイキングにおいても行動食は持っていくようにしましょう。

行動食は緊急時の非常食としても活用できる

登山における行動食は、食料切れや遭難時など緊急を要するときには非常食としても活用できます。遭難することを考えたくもないですが、道に迷ってしまい何も食料がないときは、行動食があるのとないのとで生死の分かれ目になるほど、重要になってきます。

行動食の主な種類

個人の趣向によって変わりますが、一般的な行動食の種類をご紹介いたします。

クッキー・ビスケット

クッキーやビスケットはパサパサしたり、割れて粉々になってしまったりと何かとデメリットが多いですが、「カントリーマァム(不二家)」や「オールレーズン(東ハト)」などはしっとりしているので割れにくので行動食として持ってくる方は多いです。食後のおやつとしても最適です。

ナッツ・アーモンド

ナッツやアーモンドは小さい上に栄養も高く塩分もきいているため行動食としては最も人気が高いといえます。日持ちもして、持ち運びが便利でかさばることがないため、非常食として常備しておくこともできます。レーズンやドライフルーツと一緒に入っている商品もおすすめです。

カップゼリー・ジェル状の飲料

歩行距離が長いコースを歩く時は、エネルギー補給に即効性があるゼリー状の飲料を持って行くことをおすすめします。

「ウイダーインゼリー(森永製菓)」をはじめ、スポーツ用に作られた商品はブドウ糖やミネラルなどバランスよく摂取できます。

小さいカップに入ったゼリーも栄養価が高く、おやつとしても最適です。夏には凍らせて持って行くとクールダウンもでき食べる楽しみが増えます。

チョコレート

糖分が高いチョコレートは女性から人気です。毎年新作も発売されるので商品数も多く、選ぶだけでテンションが上がります。チョコレートの中でも「キットカット(ネスレ)」やシリアルバーに近い「スニッカーズ(マース ジャパン)」などを持ってくる方は多いです。ただ、夏の暑い時期は溶けてしまうのでご注意ください。

ドライフルーツ

ナッツ・アーモンドと同じく小さくて日持ちがするドライフルーツは行動食として最適です。「ドライマンゴー(セブ)」が人気ですが、ドライフルーツの種類はたくさんあります。個人的に好みなのが「ファミリーマートのマンダリンオレンジ」です。登山の時しか食べないのでいつも楽しみにしています。

¥987~

オーバーシーズ


amazonで購入

シリアルバー・栄養補助スナック

「カロリーメイト(大塚製薬)」が代表とされるシリアルバー・栄養補助スナックは小腹が空いた時やすぐにエネルギーを補充したい時にとても最適です。パサパサになってしまうのが難点ですが、商品によって違いがありますので用途に合わせて選んでください。「SOY JOY(大塚製薬)」や「一本満足バー(アサヒフードアンドヘルスケア)」はパサパサ感もなく食べやすいです。

ドーナツ・バウムクーヘン

日持ちはしませんが、ドーナツやバウムクーヘンも行動食としておすすめです。糖質が高く腹持ちもするため行動食として持ってくる方は多いです。小分けができる小さいタイプがおすすめです。

その他、飲料水や飴など

行動食だけではなく、スポーツドリンクや飴などを持って行くことで状況に合わせたエネルギー補給ができます。

人数が多い登山になるとお菓子などを分けてくれる方もいますが、期待せずご自身で登山計画に合わせた行動食を持って行くことが大事です。

みんなに聞きました。これだけは外せない行動食は?

取材協力:ミルトーク(このアンケート結果はミルトークより引用しております)

■30代 女性
①アクエリアス②アルフォート③干し梅 2位と3位は好きなので持って行く。疲れた時に食べると癒されるので。

■60代 女性
ハイチュウ 明治のチョコレート 疲れたときの元気がでるようなものです

■40代 女性
一口タイプのチョコレート。 ビスコ。 歩きながら食べやすいためです。

■40代 男性
グリコアーモンドチョコレートです疲れた時に食べられる様に

■20代 男性
カロリーメイトやウイダーインゼリーなどの簡単に食べられるもの

■30代 男性
1位アクエリアス 2位カロリーメイト 3位かんぱん

まとめ

登山を始めて間もない時は、どんなものが良いのかわからなかったり、あれもれこれもと必要以上に買ってしまったりと行動食を選ぶのに時間がかかったりします。何度か経験を積むと登山コースに合わせた量もわかってくるので最初は登山慣れしている方からアドバイスをもらうようにしましょう。

行動食はジップロックや小さ目のスタッフサックなどに小分けして持って行くと荷物もかさばらず便利です。

安全な計画の上ですが、日帰りの低山登山ならおやつ感覚で好きなものを選んでも支障はありません。好きなものを食べることが登山の楽しみにも繋がるのであまりかしこまらないことも大事です。経験を積みながら、ご自身のベスト行動食を見つけてみてはいかがでしょうか。