登山でサコッシュが重宝される理由。便利な持ち物とおすすめブランド

登山でサコッシュが重宝される理由。便利な持ち物とおすすめブランド

サコッシュとは小型のショルダーバッグのことです。元々は自転車のロードレースなどで使用されていましたが、最近では登山で使う人も増えてきています。よく使うものをサコッシュに入れることでいつでも取り出すことができるのがその理由の一つです。

今回は登山でサコッシュを使い際のメリットやお洒落で人気のブランドをご紹介いたします。



サコッシュは登山で持ち運びやすく便利な道具

登山でサコッシュが重宝される理由。便利な持ち物とおすすめブランド

ザックを下ろさなくても必要な物が取り出せる

サコッシュは行動中に頻繁に使う物を入れておくのに最適のアイテムです。一度ザックにしまうと何回も取り出すのは非常に面倒ですよね。ウェアのポケットを利用するのも限界があります。

特に夏場は薄着になるためウェアのポケットが減ってしまい、必要な物が入れられないということもあるでしょう。その点サコッシュは胸元にぶら下げておけるので、すぐに必要な物を取り出すことができます。

サコッシュが活躍するのは行動中だけではありません。たとえば山小屋に泊まる際は貴重品入れとしても役立ちます。高速バスに乗るときもザックを預けてサコッシュだけ身に着けておくというような使い方もできます。登山だけでなく、普段のちょっとしたお出かけにも便利です。

登山の邪魔にならない収納力

サコッシュは肩からかける仕様になっており、軽量で登山のときも邪魔になりにくいのが大きな魅力です。平たい形状をしているので、体にフィットしやすいといったメリットがあります。

これによりある程度の荷物を入れても足元の視認性が確保可能です。肩に掛けるストラップの部分を自分の体形に合わせて調節すれば、体のラインに沿って密着させられます。歩いているときにバッグがブラブラ揺れるのはちょっと邪魔ですよね。

またサコッシュは引っ掛けが起こらない素材でできており、摩耗に強いという利点もあります。過って木の枝などに引っ掛けてしまい、ケガに繋がるような危険性もありません。サコッシュがあると荷物の持ち歩きがかなり快適になります。

サコッシュに入れておくと便利な物

登山でサコッシュが重宝される理由。便利な持ち物とおすすめブランド

登山中によく使う物を入れておく

サコッシュはすぐ手の届く位置に下げることが出来るため、紙の地図を出し入れするのにも便利です。ポケットや仕切りが付いている物も多いので、コンパスなど小物を入れるのにも使いやすいでしょう。

また行動食もサコッシュに入れておくと、歩いている途中でもスムーズに栄養補給ができます。カロリーを摂取した方が良いと分かっていても、その度にいちいちザックを下ろして行動食を取り出すのは面倒ですよね。

大き目の物ならペットボトルを収納することもできます。喉が渇いたときにサッと飲み物を取り出せるのは非常に便利です。登山中の熱中症予防にも繋がりますね。

サコッシュをセカンドバッグとして活用し、登山中によく使う物を中心に入れておけば使い勝手も良くなります。

貴重品や雨にぬれやすい物も入れられる

サコッシュは貴重品入れとしても活用できます。またサイズによってはスマホや長財布、タブレットも収納可能です。カメラを入れておけば、撮りたい時にサッと取り出すことができます。そうすればうっかりシャッターチャンスを逃してしまうようなこともありません。

サコッシュはの素材はナイロンなど化学繊維で作られている物も多く、収納と防水を両立させることもできます。登山中いきなり雨が降り出すことや、川を渡らなければならない場面もあるかもしれません。

しかし防水と言っても完全ではありませんので、モバイルバッテリーやスマホなどの電子機器は専用の防水ケースに、濡れると困るという物は防水のスタッフサックに入れるなどして、サコッシュにしまっておくと良いでしょう。

サコッシュのおすすめブランド3選

軽さと機能的な点が魅力「山と道」

登山でサコッシュが重宝される理由。便利な持ち物とおすすめブランド

日本の有名なアウトドアガレージブランドである山と道。元々登山用のサコッシュは日本発祥のため、国内ブランドの物が充実しています。

山と道のサコッシュは底面に計9cmのマチが付いており、荷物を詰め込まなくても自立して置いておくことができます。また幅広のストラップで肩への負担を最低限に減らしています。

メッシュ生地が使われているので通気性も悪くありません。カラーバリエーションも豊富でいくつも欲しくなってしまいますね。

収納力が抜群「ロウロウマウンテンワークス」

登山でサコッシュが重宝される理由。便利な持ち物とおすすめブランド

人気のブランドですが近年ではファッションアイテムとしても注目されています。ポイントはサコッシュとトートバッグの2WAY仕様になっていることです。

2cmのマチをワンタッチで14cmまで拡大させられます。トートバッグ型に変身させると500mlのペットボトルを5本入れることも可能です。

デザインもシンプルなので普段使いにも便利です。1000デニールナイロンやX-pacなど、素材の種類も幅広く展開しています。

ジップロックと併用できる「ソラチタニウムギア」

ソラチタニウムギアのサコッシュは完全防水という唯一無二の性能を持っています。しかし水は縫い目などから必ず浸入してしまうため、こちらのサコッシュ自体は完全防水というわけではありません。

ポイントはジップロックのスタンディングバッグに合わせてジャストサイズで設計されていることです。これを組み合わせることにより高い強度と完全防水を実現しているのです。まさにジップロックの保護カバーとして使用するためのサコッシュです。

まとめ

今では登山でも定番のアイテムとなっているサコッシュ。様々なメーカーから発売されており種類も豊富なので、サコッシュに入れておきたいものや用途に合わせて、お気に入りのサコッシュを見つけましょう。

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トレッキングポールは登山に必要?初心者こそ揃えておきたい理由と選び方

トレッキングポールは登山に必要?初心者こそ揃えておきたい理由と選び方

登山の際、トレッキングポールを使うと体への負担を分散させ、歩行時の推進力をアップさせることができるので、使用するのが良いとされています。

一方、トレッキングポールは邪魔になる、腕への負担になる、などと考える方もいます。たしかに間違った使い方をすればそうなりかねません。今回は登山にトレッキングポールは必要なのかどうか、使うとすればどのように選ぶのかなどをご説明していきます。



登山での膝痛や体力不足の課題

トレッキングポールは登山に必要?初心者こそ揃えておきたい理由と選び方

登山では足や膝に負担がかかりがち

下山する頃、足がガクガク震える経験は誰にでもあるものです。下山する時にはすでに長時間歩いて疲労も蓄積しています。下りはスピードをコントロールしづらく、足への負担が強まり、滑ったり転んだりしやすい状況がたくさんあります。また、中高年の方は筋力も衰えてきているため転倒のリスクも高まります。

登山では大腿四頭筋(膝関節の動きを司る太もも前側の筋肉)を最もよく使います。登ったり下ったりすることでこの大腿四頭筋が疲労し、筋肉の柔軟性がなくなって硬くなり膝蓋骨に痛みが起きると考えられています。

大腿四頭筋を鍛えたらいいに越したことはありませんが、登山は長時間です。定期的にトレーニングしている人でも膝が笑うことがあります。大腿四頭筋だけに依存しない歩き方が重要です。

手足だけでは急な坂の上り下りが不安な場合も

山は平地とは違って上り坂、下り坂、石段、沢道、岩場などさまざまな道があるので、手足だけでは不安定な歩き方になってしまうことがあります。そして、足元が不安定になると膝痛の原因である大腿四頭筋に負担がかかります。

トレッキングポールがあれば体力に自信がない人も歩行を支えてくれるので重宝します。トレッキングポールを持つことで上半身を使い、登りでは推進力を増し加え、下り坂では膝への衝撃を和らげてくれます。足場が悪いところではバランスを取る助けをしてくれます。また歩くリズムを作りやすくしてくれます。

足元が不安定なところでトレッキングポールを使えば、体と荷物の重さを4点で支えることになるので重心のバランスが取りやすくなり、安全な登山をすることができます。

トレッキングポールは足の負担を軽減するサポートアイテム

トレッキングポールは登山に必要?初心者こそ揃えておきたい理由と選び方

足や腰への負担軽減により安定した登山ができる

登山は楽しいものですが、足や膝に負担のかかるスポーツです。長時間歩き続けると足が疲れ、体幹がぶれてきます。そうなると足や腰など関節にさらに負担がかかります。トレッキングポールを使えば四本足歩行とまでは言いませんが、二本足歩行よりも重心が安定し負荷を分散してくれます。

使い方としては、まず長さを調整します。基本の長さは真っすぐ立って、ストックを持った時に肘が直角くらいになる長さです。平地では踏み出した足と反対側のトレッキングポールを足の少し前に突くように使います。

登りは基本より少し短くし、次に出る足の少し前に突いて、足からトレッキングポールに重心を移動させながら後ろ足を引き上げます。下りは基本より長くし、次に出る足のすぐ横か一段下に突いてから足を着地させます。体重がトレッキングポールにかかり過ぎると折れる可能性があり危険ですので注意しましょう。

持ち運びや登山中に邪魔にならないことは重要

「トレッキングポールがあったら手がふさがって歩きづらいのではないか。無い方が歩きやすい」という方もいます。岩場や急斜面、段差の険しいところなどトレッキングポールが自由に突けない場合には確かにそういえます。このような場合は、トレッキングポールを収納し、両手が使えるようにしておく方が安全です。

「トレッキングポールが必要ない時には邪魔にならないようコンパクトに収納しましょう。トレッキングポールの収納方法には、折りたんでザックの中に入れるタイプ、ザックに引っ掛けるタイプなどさまざまあります。

「トレッキングポールは正しく使うことで快適な登山をサポートしてくれます。間違った使い方をすると、使っている意味がないばかりかかえって疲れてしまいますので、正しい使い方を身に付けましょう。

トレッキングポールを選ぶポイント

トレッキングポールは登山に必要?初心者こそ揃えておきたい理由と選び方

購入前に素材や重さ、長さの確認を

初心者におすすめのトレッキングポールの選び方をご紹介します。まずは自分に合ったシャフトの長さをチェックしましょう。

シャフトというのはトレッキングポールの棒の部分を指します。下りで使う時には基本より長め使いますので、その長さまで伸びるかどうかを確認してください。一番長くして、胸の辺りまであれば大丈夫です。

次に強度や重量を比較して素材を選びます。素材は主にアルミとカーボンの2種類です。

・アルミ

折れにくく、価格が安いのが特徴です。多少曲がっても、凹んでもその部分だけ修理できます。最初の一本におすすめです。

・カーボン

アルミよりしなやかで軽く、衝撃を緩和するのに優れています。ただ価格が高く、アルミと比べると折れやすいデメリットがあります。長く使いたい方におすすめです。

グリップの形はI字とT字があります。

・I字

軸を握るように持ちます。2本一組で使う場合が多いです。平坦な道では推進力が増し、足元が悪い山道でもバランスをとりやすいというメリットがあります。使うのに慣れていないと腕が疲れる場合があります。

・T字

グリップの上から握ります。起伏の少ない山道に適しており、体重がかけやすく腕が疲れづらいメリットがあります。特に下りを楽にしてくれます。

長さ調整や持ち運びやすさをチェック

長さの調整方法・収納方法は大きく2種類です。

・テレスコーピング式

望遠鏡のように太さの異なるシャフトが連なったもので、調整できる幅も広く、耐久性が強いのが特徴です。安価ですが、必要ない時にはザックの外側に取り付けて運ぶことになるのでややかさばります。

・折りたたみ式

軽くてコンパクトに収納できます。テレスコーピング式と比べると高価ですが、強度は落ちます。

シャフトのロック方法を確認

・スクリューロック式

昔からあるタイプでシャフトを回して長さを調整します。価格も安めで種類も豊富です。

・レバーロック式

ワンタッチでオンオフができ、グローブをはめたままでも調節できるため、頻繁に長さを調整する山での使用に向いています。

・ピンロック式

シャフトを伸ばしてピンで固定して使います。軽くてコンパクトに収納できるのが特徴です。

まとめ

登山を始めたばかりのころは、ザックや登山靴といった最初に揃えておきたい装備から準備することになるためトレッキングポールは後回しになりがち。登山へ繰り返し行くとすぐに直面する課題が膝痛です。

膝が痛いということは、それだけ負担がかかっていることでそのまま続けると悪化する可能性もあります。そんなときに役立つのがトレッキングポールです。

価格は安いものでは5,000円のものもありますが、その分壊れやすくなりますのでしっかりとした登山メーカーのものを買うのがおすすめです。約10,000円ぐらいのものを目安に収納サイズや重さ、使用用途に合わせたトレッキングポールを見つけましょう。


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登山向けクッカーの選び方。素材の特徴とおすすめクッカー

登山向けクッカーの選び方。素材の特徴とおすすめクッカー

みなさんはクッカーについて何かこだわりを持っていますでしょうか。特にこだわりなく、ただの鍋だと認識している方も多いかもしれません。

しかしクッカーの使い道が増えれば、山ごはんの幅もグッと広がります。山での食事は登山の大きな楽しみの一つですよね。

今回は山ごはんの大きな味方であるクッカーについて取り上げます。どんなクッカーを購入しようか迷っている方はぜひ参考にしてください。



クッカーは登山中の「食」を支える道具

登山向けクッカーの選び方。素材の特徴とおすすめクッカー

お湯やスープなどの料理をする道具

クッカーと聞くと、まずこの用途を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。山は地上よりも気温が低いので、温かい物を食したくなります。温かい物を口にするだけでもエネルギーが回復しますよね。

お湯を沸かすなら丸型で浅い形状のクッカーがおすすめです。この形だと熱が伝わりやすいので、山頂でも問題なく調理することができます。お湯を沸かすだけでなく、パスタを茹でたりご飯を炊いたりということも可能になります。

道具一つでこれだけのことができるようになれば非常に便利ですよね。また蓋も手に入れれば蒸し料理にも使えます。

角形のクッカーは袋麺の調理におすすめです。山でよく袋麺を食べるという方は角型の物を選ぶと良いでしょう。

クッカーに食材を収納してコンパクトに

クッカーを持参する際、内部に調理器具や食料を収納してパッキングすれば無駄がありません。特にインスタント麺などはそのままリュックに入れると潰れやすく、食べようとした時にはボロボロ…という経験をした人も多いのではないでしょうか。

クッカーの中に収納すればそのような心配もなく、美味しく山ごはんを楽しむことができます。また蓋が密閉できるタイプの物を選べば、液体を持ち運ぶことも可能です。スープジャーとして使えば温めるだけで食事ができ、手間が掛かりません。

ご飯を食べ残してしまった場合もそのまま持ち帰ることができます。もし二つ目以降のクッカーを買い足そうと考えている方は、このような変わり種の物を選んでみるのも良いでしょう。

クッカーを選ぶポイントは?

登山向けクッカーの選び方。素材の特徴とおすすめクッカー

主な素材は3種類から選べる

クッカーに使われる素材は主にアルミニウム・チタン・ステンレスの3種類です。

まずアルミは最もメジャーで流通量も多いので、価格が安く入手しやすいという特徴があります。また熱伝導率が高いので、ご飯を炊きたい場合はアルミの物がおすすめです。しかし耐久性が低く、錆びやすいのでこまめなお手入れが必要です。

最近では表面に特殊加工を施してサビ防止や耐久性の向上が行われている物もあります。アルミのクッカーを購入する際は多少値が張っても長く使える物を選ぶと良いでしょう。

チタンは軽くて非常に丈夫な素材です。また錆びにくいので、素材としてはアルミの上位互換のような性能を持っています。ですが高価で、熱伝導率が低いという欠点があります。

ステンレスは家庭用の調理器具でもよく使われている素材です。丈夫で傷が付きにくく、錆にも強いという特徴があります。しかし重量があるので、登山にはあまり向いていません。

さまざまなタイプのクッカーを組みあわせよう

クッカーは形状も様々な種類があります。コンパクトに収納できるタイプを選べば場所も取りません。代表的なのは縦型・鍋型・フライパン型の3種類です。

縦型の物はコンパクトですが収納力が優れているため、近年では人気が高まっています。インスタントの調理やコーヒーを飲む程度なら、このタイプが最適です。

もう少し大掛かりな調理がしたい場合は鍋型の物がおすすめです。鍋型のクッカーは底面が広く熱効率が良いという利点があります。食材が取りやすいので、そのまま食事をするときにも便利です。

フライパン型のクッカーを使えば炒め料理も作れます。もちろんお湯を沸かすこともできるので、調理の幅がグッと広がることでしょう。

登山に持っていきたいおすすめクッカー

ソト アルミクッカーセットM SOD-510

ソトのアルミクッカーセットは容量1000mlの大鍋と500mlの小鍋がセットになっています。この二つがあれば作れる料理もかなり増えるでしょう。

別売のガスバーナーが中に丁度すっぽり収まるサイズなので、収納にも優れています。また取っ手の部分が加工されているため、持つ時に火傷するほど熱くなりません。

そして特筆すべきはこの価格。3,000円以内で基本のクッカーを揃えることができます。初心者の方には特におすすめな一品です。

EPIgas ATS チタンクッカー TYPE-3M

EPIgasのATSチタンクッカーはチタン素材の物ではおすすめのクッカーです。底面にアルミ加工が施されており、チタンの欠点である熱伝導率の低さを克服しています。

また底が焦げ付きにくいのもアルミ加工の利点の一つです。こちらは容量900mlのクッカーと280mlのカップとのセットですが、同じシリーズで違うサイズの物も売り出されており、汎用性が高い商品です。

用途に合ったサイズのクッカーを選んで自由に組み合わせて楽しむのも良いでしょう。

プリムス イージークック ソロセット

プリムスのイージークックソロセットは細部にもこだわりが感じられる一品です。アルミ製ではありますが、ハードアドノイズド加工により耐久性が補われています。

そして底面には凸凹の滑り止め加工が施してあります。内側には目盛りが刻まれているので、ご飯を炊く時にも便利です。また注ぎ口も付いているのでお湯を注ぐ時にも役に立ちます。

サイズも3種類あるので自分に合った物を選ぶことができます。全体的に完成度が高いクッカーだといえるでしょう。

まとめ

山頂で綺麗な景色を眺めながら食べるご飯は、登山の楽しみの一つですね。コンビニやスーパーなどの市販の物を持っていくのも良いですが、自分で手間をかけて作る料理はより一層美味く感じられることでしょう。

クッカーのみで出来るレシピ本なども出ていますので、一つ持っていると料理の幅は広がります。クッカーに色々な種類がありますので、用途にあった物を探してみましょう。

▼登山で料理するための必要な調理道具

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登山のもしもに備える非常食。行動食との違いや適切な食料とは

登山のもしもに備える非常食。行動食との違いや適切な食料とは

登山やハイキングの食料は、みなさんはどのくらい持っていきますか?

「その日食べたい分を持っていく」という答えがかえってきそうですが、それだけだと少し不安かもしれません。なにかアクシデントがあった時、手持ちがその日の行動食だけだとしたら、すぐに無くなってしまいますよね。

そんなときに非常食があればどうでしょう。備えがあると心強く、安心して登山する事が出来ます。



登山には行動食のほかに非常食も必要

登山のもしもに備える非常食。行動食との違いや適切な食料とは

登山ではいつも無事に下山できるとは限らない

自然の中を歩く登山では、ちょっとしたアクシデントで予定通りの行動ができなくなってしまうことがあります。

例えば、地図の読み間違いで道に迷ってしまったり、天候の悪化で動けなくなったりするかもしれません。あまり考えたくはありませんが、登山中にけがをすることもあるでしょう。

そして、あっという間にあたりが暗くなってしまうのが山の怖いところです。たとえヘッドライトを持っていたとしても、暗がりの登山道を下山するのはとても危険です。そんな時は無駄に動かず、安全な場所でじっとしているのがベストでしょう。

このように予定通り下山できないこともあるので、計画の段階でもしもの事態を考えておくことはとても重要です。

万が一のときは非常食が貴重なエネルギー源に

万が一の時にあたりが暗くなってしまったら、仲間がいたとしても心細いですよね。

非常食を口に入れることができれば、安心できるのではないでしょうか。落ち着きを取り戻したら、自分の置かれた状況を冷静に判断することができるに違いありません。

ただの道迷いで暗くなってしまったのなら、翌朝明るくなってから正しい登山道をさがせば良いのです。また、動けない程のけがを負ってしまったとしたら、その場で救助が来るまで待ちましょう。

気力と体力は夜の寒さでどんどん奪われていきますが、非常食があれば持ちこたえられます。ザックの隅に入れていた非常食が、救助を待つ間の貴重なエネルギー源になるのです。

登山に持っていく非常食の選び方

登山のもしもに備える非常食。行動食との違いや適切な食料とは

保存性に優れた高カロリーなものを選ぶ

非常食は非常時の貴重なエネルギー源になりますので、できるだけ高カロリーなものを選びたいですね。なるべく消化器官に負担をかけないもの、糖質のようにすぐエネルギーに変わってくれるものがよさそうです。

非常食を食べなかった場合は下山するまで持ち歩くということなので、重くて賞味期限の短いものは向いていません。軽くて、長期保存できて、高カロリー、これが非常食の必須条件です。

カロリーメイトやソイジョイ、甘いクッキーのようなものは手に入れやすいのでおすすめです。そのほか高カロリーなドライフルーツやナッツ類、魚肉ソーセージなども向いていますので、組み合わせて用意できれば安心ですよね。

非常食は1週間分用意するとベスト

非常食をどのくらい用意したらよいのでしょうか。過去の救助例から考えると、非常食が1週間分あれば理想的でしょう。

ただ、1週間分の非常食を毎回持ち歩くのは思ったより大変です。例えばカロリーメイト1袋を1日分とすると7日で7袋。1週間分の非常食はかなりの重さになります。

重い荷物は体力を消耗してしまうので注意が必要です。たくさんの非常食を持っていれば確かに安心ですが、自分の体力を考えた上で非常食の量を決める必要があります。

とはいえ非常食の量が命の分かれ目になるかもしれないので、できるだけ長期間命を繋ぐことのできる非常食を工夫して用意したいものです。

登山で使わなくても日常の非常食としても有効

登山のもしもに備える非常食。行動食との違いや適切な食料とは

非常食は災害時の備蓄用食料としても使える

最近は異常気象などで災害を身近に感じることが増えたので、日頃から非常用の食料を用意している方も多いと思います。非常用食料のなかには、登山の非常食に使えるものも多いです。

例えばアルファ米は、軽量で長期保存でき、食べるときは水を入れるだけですからとても便利です。そもそも登山用の非常食と災害時の非常食、大きな違いはないかもしれません。どちらもガスや水道、電気が使えない状況を考えて作られているのですから当然でしょう。

登山用品店で売っている携帯用の食料は、災害用非常食として一般的に売られているものばかりです。登山用に買っておいた食料を災害時にも使えるということなので、一石二鳥ですよね。

非常食は登山の「保険」と考える

非常食は万が一の保険として持っていくもので、非常時でなければ手を付けないのが当たり前です。行動食の予備ではないと意識しましょう。

もし行動食と非常食の区別が曖昧でつい食べてしまったとしたら、いざというときに食料が何もない!なんてことになり兼ねません。通常の登山で手を付けてしまうようであれば、それは行動食などの食料が足りなかったのでしょう。持っていく食料の量を見直したほうが良さそうです。

このように非常時を意識して食料を用意できるようになれば、途中で行動食が足りなくなることも、多すぎて荷物が重くなることもなくなります。

非常食を持って帰る登山を続けることができれば、「保険」をいつも用意しているのと同じことになるでしょう。

まとめ

非常食を使わないで下山できる事が一番ですが、登山では万が一の事が起こり得る事があります。そんな時に命を救ってくれる重要なものという事を頭に入れて、忘れずに準備しましょう。

今はご飯ものだけでも、カレーやピラフなど味の種類もたくさんありますので、選ぶのも楽しみの一つですね。

登山の緊急時に必要なものをまとめた記事もチェックください。

▼登山に役立つ非常食

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登山しながら御朱印巡り。苦労してまで欲しい霊山の御朱印

登山しながら御朱印巡り。苦労してまで欲しい霊山の御朱印

みなさんは趣味の一つとして、御朱印集めが密かに流行っているのをご存じでしょうか?御朱印集めにハマる女性のことを御朱印ガールとも呼ばれるほどです。

そして登山をしながら御朱印を集めるのも山歩きの楽しみ方の一つです。今回は御朱印を集めるのにおすすめな山をご紹介します。



霊山を参拝して集める御朱印登山

登山しながら御朱印巡り。苦労してまで欲しい霊山の御朱印

そもそも御朱印とは何?

御朱印とは、神社やお寺にお参りした際に証として授けられる印のことです。神社やお寺の名前・ご本尊のお名前・お参りした日付などを、社務所や授与所といった係の方に墨で書いてもらいます。

もともと御朱印はお経を写した物を納めた証として授けられるものでした。しかし最近ではお経を納めなくても、神社やお寺にお参りした証として授ける所も増えてきました。その場合は御朱印のお代として300~1,000円程度の初穂料を支払います。

また御朱印は神社やお寺によって、それぞれデザインが異なります。さらに書く人によっても違いが出ることもあります。なのでデザインの違いを楽しみに、御朱印集めをしながらの参拝が最近流行っているのです。

山で御朱印がもらえる理由

日本では古くから山に対して畏敬の念を持ち、神様として崇拝する山岳信仰の文化があります。昔の人々にとって山は自然の恵みを与えてくれる偉大な存在だったのです。

なので山の近くや、もしくは山自体に神社仏閣が建立されることも多々ありました。そのため山に行くとかなり高い確率で神社やお寺を目にすることがあります。

山の中でも神聖視され、崇拝の対象となった山は霊山とも呼ばれます。最近ではパワースポットとして取り上げられることも。山頂まで登って御朱印をもらえるのは足と体力に自信がある方に限られますし、そんな霊山でもらった御朱印は貴重なものとなります。

今回はまず、日本屈指の霊山として知られる三大霊山の御朱印をご紹介します。

御朱印を集めておきたい日本三大霊山

登山しながら御朱印巡り。苦労してまで欲しい霊山の御朱印

日本一高い霊山「富士山」

清らかで気高く美しい、まさに日本一の山とも謳われる富士山。日本人なら誰もが知っている霊峰です。この富士山自体を御神体とする富士信仰はなんと奈良時代からあったそう。

そんな富士山には山頂にもいくつか神社があります。吉田口・須走口の登山道の頂上にある久須志神社。それから富士宮口・御殿場口の登山道から上り詰めた先には浅間大社があります。日本一の山の御朱印はかなりご利益がありそうですよね。富士山へ登った際にはぜひ神社にも参拝してみてください。

見開きの御朱印が素敵な山形の聖地「月山」

日本三大霊山、二つ目は山形県の出羽三山です。特に出羽三山の月山神社は亡くなった人に会えるパワースポットとして昔から知られています。

出羽三山には珍しい見開きページでの御朱印をもらえる神社がいくつかあります。なので御朱印を貰いに行くのなら、見開き型の御朱印帳を準備しましょう。また月山への登山は片道3~4時間ほど掛かります。険しい道程となりますので、本格的な登山装備を揃えるなど準備を怠らないようにしましょう。

山好きが憧れる霊峰「立山」

最後にご紹介する霊山は立山連山です。山好きなら一度は挑みたくなる憧れの山ですよね。初心者向けのルートもありますが、落石の危険もあるので注意が必要です。急な岩場もあるので特に下りでは両手を使って慎重に降りるようにしましょう。

そんな立山ですが、峰本社の御朱印は麓の遥拝所でももらうことができます。遥拝印は雄山神社の前立社壇と中宮祈願殿で頂けます。立山まで登拝するのは自信がないという方は、遥拝所へのお参りも考えてみてはいかがでしょうか。

身近な山から御朱印登山を始めよう!

登山しながら御朱印巡り。苦労してまで欲しい霊山の御朱印

東京にあるアクセス便利な「高尾山」

東京にお住まいの方にとって馴染みの深い高尾山。初心者向けの山としても知られていますよね。都心から近く海外からの観光客にも人気があり、その登山者数は世界一なんだとか。

実は高尾山でも貰える御朱印が多数あります。高尾山は江戸時代から霊山として信仰されており、薬王院というお寺も開山されています。薬王院は札所にもなっているので、それぞれの御朱印を貰えます。スタンプラリーや健康登山手帳などもあり、楽しく御朱印集めができるでしょう。

飯能アルプスを歩く「宝登山」

埼玉県の飯能アルプス。アニメの舞台となったことでも有名です。ここでおすすめの神社が長瀞町にある宝登山神社です。宝の山を登ると書くことから金運アップのご利益がある神社として知られています。

長瀞は桜の名所で、春になると参道から桜並木の下を歩くことができます。そして宝登山神社では桜と長瀞の川をイメージしたオリジナルの御朱印帳も取り扱っています。上品でとても可愛らしいデザインなので、女性の方には特におすすめです。

日本三御嶽の一つ月の御嶽の「御岳山」

日本三御嶽の一つである青梅市の武蔵御嶽神社。木曽の御嶽神社を「雪の御嶽」、山梨の金櫻神社を「花の御嶽」と呼ぶのと並び、「月の御嶽」と呼ばれています。創建は紀元前91年という由緒正しい神社です。またニホンオオカミの神様も祀られており、愛犬祈願の神社としても知られています。

武蔵御嶽神社では二つの御朱印を頂くことができますが、他にも期間限定のものなどもありますので気になる方は何度か足を運んでみてください。

まとめ

今回ご紹介した日本三大霊山の御朱印は是非集めてみたいですね。ただ、御朱印集めと言っても登山を前提にしているため、軽装備では行かずに山やコース、天候に合わせた準備をして登山に望みましょう。

全国各地にある山の麓の神社でお気に入りのデザインの御朱印を集めてみてはいかがでしょうか。

▼奥深い御朱印の世界

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ひとり登山の魅力とは。リスクを知りつつ、安全登山を心掛けよう

ひとり登山の魅力とは。リスクを知りつつ、安全登山を心掛ける

山雑誌では、毎年必ず単独行の特集が組まれるほど、ひとり登山の人気は高まっています。ひとり登山は、グループ登山とは違った山の楽しみを味わえますが、一方で遭難などのリスクも高まるため、安全に登山をするための知識と装備が必要です。

この記事では、ひとり登山の魅力と、リスクを知って安全に登山するためのコツを紹介します。



ひとりで味わう登山の魅力

ひとり登山の魅力とは。リスクを知りつつ、安全登山を心掛ける

登る山やスケジュールを自由きままに決められる

誰かと登山をする場合、同行者と日程を合わせ、それぞれの体力レベルを考慮して登る山やルートを決めていくことになります。

そうすると、どうしても自分が登りたい山を選べなかったり、同行者の急な都合で登れなくなったりするおそれがありますよね。その点、ひとり登山では、登る山を決めるのも、どんな行程にするかも自由です。

前日に思い立って登山に出掛けるのも、そのときの気分でルート変更するのも、疲れたからと少し長めに休憩を取るのも、すべてが思いのままです。

ひとり登山をはじめると、自由度が格段に上がります。少しレベルの高い山、あまり知られていないマニアックなルートにも好きなだけ挑戦できるのは、ひとり登山ならではの魅力です。

登る山やスケジュールを自由きままに決められる

ひとり登山では、歩くペースも自由です。人とペースを合わせようとすると、思ったよりも体力を消耗してしまうもの。グループ登山で、自分のタイミングで休憩を取りたくても、同行者に気を遣って無理してしまったことはありませんか?

そういった気を遣わなくていいのも、ひとり登山の魅力です。例えば、きれいな花を見つけたときは、好きなだけ立ち止まって写真を撮れます。風の音や鳥の鳴き声にじっくり耳を傾けたってかまいません。

登山のスタイルが違う人同士だと、どちらかが遠慮する結果になり、山の魅力を存分に楽しめないこともあります。その点、ひとりであれば、好きなだけ自分の登山スタイルを貫けるのが魅力です。

ひとり登山で気をつけること

ひとり登山の魅力とは。リスクを知りつつ、安全登山を心掛ける

装備や交通手段などの準備はすべて自分で行う

ひとり登山は自由度が増す反面、遭難事故などの最悪の事態を想定して、計画を立て準備する必要があります。

まずやっておきべきことは、家族や知人に行程を知らせておくこと。それから、登山届を提出することです。登山届は、登山口に設置してあるポストに提出します。また、オンラインで登山届を提出できるサービスもあるので、活用してみましょう。

ひとりだと登る山を自由に決められますが、いきなり上級者向けのコースや、他の登山者があまり選ばないコースは避けます。コースタイムも余裕を持たせた計画にしましょう。

地図とコンパスは必ず持参し、不測の事態に備えてあらかじめ山小屋や緊急避難場所の位置を地図で確認しておくことも大切です。

トラブル対処も自分で行う必要がある

グループで登山する場合は、トラブルに遭遇したときに知識を共有できますが、ひとり登山では自分の持ち物と知識だけが頼りです。そのため、様々なトラブルに対処できるように準備をしておきましょう。

必ず持っておきたいのは、雨具、防寒具、非常食、ヘッドライトです。飲み物は最低でも2Lは用意しましょう。また、連絡やGPS機能の利用に必要な携帯電話の予備バッテリーを用意しておくと安心です。

山にいる動物や虫にも注意が必要です。ハチやヘビに噛まれたとき、患部から毒を吸い出すポイズンリムーバーをはじめ、ケガをしたときのために応急処置セット(ファーストエイドキット)を持ちましょう。クマやイノシシに遭わないようにするには、クマ鈴やラジオが効果的です。

初心者がひとりでも安心して登る方法

ひとり登山の魅力とは。リスクを知りつつ、安全登山を心掛ける

登山者の多い山を選ぶ

登山者が多い山は、登山道が整備されていて道迷いしにくく、危険な箇所が少ない傾向があるので、ひとり登山でも安心です。

また、周りに人が多いほど、何かあったときに助けてもらえる可能性が高くなります。
登山者が多い山を探すには、ガイドブックを買ってみるのがおすすめ。

ガイドブックには、人気のあるモデルコースが載っていますし、登山道までのアクセスや、標準コースタイムも載っています。それだけでなく、登るのに最適な時期や、初級・中級などのレベル分けなど、山を選ぶのに必要な情報が揃っていますので、一冊持っておくと便利です。

ひとり登山を始めるなら、まずはガイドブックに載っているような登山者の多い山を選択してみましょう。

登山ツアーやガイドの利用もおすすめ

ひとり登山に不安があるなら、登山ツアーやガイドに依頼するのがおすすめです。

山に一緒に行く人がいないけど、ひとりは不安ということであれば、まずは初心者向けの登山ツアーに申し込んでみましょう。ツアーはあらかじめルートや日程が決まっていますので、自分で調べる必要がありません。

プロの山岳ガイドが同行してくれるので、道迷いや遭難を心配せずに登山を楽しめます。
また、山岳ガイドに依頼をすると、自分だけでは気づけない山の楽しみ方を教えてもらえます。

山の自然や植物のこと、登山の技術、山のマナーなど、豊富な経験に基づいた知識を語ってもらえば、より山の魅力を知ることができ、自身の登山のレベルも上げられます。

まとめ

ひとり登山はじっくりと山と向き合う事ができます。計画から下山まで、全て自分の力で決断、行動することによって達成感が得られ、喜びと自信を与えてくれます。

グループ登山には無い魅力がたくさんありますが、もしものことを考えるとデメリットも多いため、事前準備はしっかりと行い無理のない計画を立てましょう。

▼ひとり登山に関する本

ひとり歩きの登山技術

工藤 隆雄 (著), 松下 佳正 (イラスト)


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【登山マンガ】山の歴史を巡る登山の楽しみ方。山岳信仰、山城など

登山マンガ第16回のテーマは「山の歴史を巡る登山」です。山歩きの楽しみ方は人それぞれですが、先人たちが歩いた歴史の上を歩く山歩きなんていかがでしょうか?

【登山マンガ】山の歴史を巡る登山の楽しみ方

山岳信仰、山城巡り、そして現代へ

山の歴史といってもどの時代を追いかけるかによってその魅力は変わります。今回は「山岳信仰」と「戦国時代」の二つをご紹介しました。

山岳信仰の深い山を登る

登山が始まったのは縄文時代からという説もあり、日本人は山と共に暮らしてきました。山岳地に住む山と関わり深い民族が山に畏怖の念を抱き、祭祀や登拝を行う自然崇拝の一つとして山岳信仰は始まります。山に霊的な力が宿ると信じられ、田畑の恵みや天候・災害を鎮めるために各地の山で信仰が行われました。

一説では奈良時代に神の宿る山で修業をすることで悟りを開いて仏果を得るとい修験道が生まれたとされています。山岳信仰は江戸時代まで続き、近代登山が始まった明治時代になると現代のスポーツ・娯楽としての登山に変わってきました。

神仏などが祀られてる神聖な山を霊山と呼ばれており、その中でも頂点とされるのが「日本三大霊山」の富士山、白山、立山です。一度は聞いたことのある山ではないでしょうか。一度は登ってみたいですね。

戦国時代を巡る山城歩き

山城(やまじろ)とは山の地形を活かし守りを強固にした城です。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」でもお馴染みの戦国時代のときに全国的に建設されたとされています。

日本三大山城として岐阜県「美濃岩村城」、奈良県「大和高取城」、岡山県「備中松山城」が挙げられます。

戦国時代で有名な武将といえば織田信長ですね。マンガでもご紹介した近畿地方は最も幾多の戦いが繰り返された戦国の色が濃い地域ですので、戦いの後を追うように山城を巡るのもいいのではないでしょうか。

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登山者の年齢層はどれくらい?遭難事故の傾向や若い世代の特徴

登山者の年齢層はどれくらい?遭難事故の傾向や若い世代の特徴

登山と言えばかつては大学や社会人の山岳部や山岳会をイメージされていましたが、1990年代には中高年の登山ブーム、2009年には山ガールという言葉が生まれるほど女性登山者が増加したこともありました。

その後の登山者の年齢層はどうなっているのでしょうか。今回は登山の年齢層をテーマに事故の傾向や世代ごとの特徴をご紹介します



登山は中高年を中心に幅広い世代で行われている

登山者の年齢層はどれくらい?遭難事故の傾向や若い世代の特徴

登山は団塊世代を含む50代以上が多い

登山する年齢層で最も多いのは男性が65~69歳、女性が60~64歳という総務省の統計データがあります。若いころから登山を楽しんでいた方も中高年になり、時間に余裕ができたので登山を再開した方もいます。

仕事を退職しても身体はまだまだ元気だから、健康のため、自然を楽しむため…など理由はさまざまです。

最近では中高年のための登山ツアーやサークルなども数多くあるので、体力に自信のない方も登山をしたことがない人も安心して参加する機会が多いことも理由の一つです。。

さらに上の世代、70~80代の方でも元気に登山を楽しんでいる方はたくさんいます。80歳でエベレストを登頂した登山家三浦雄一郎さんは有名ですね。

健康で丈夫な体を維持し、無理のない計画で登るなら喜びの多い登山になるでしょう。

どの世代でも1割程度の方が楽しんでいる

統計データをみると全世代でも1割以上登山をされていることがわかります。ベビーキャリーやロープウェイなどを利用して親子登山を楽しんでいる方々もいますし、小学生にもなれば富士山に自分の足で登れる子もいます。

20代前半の登山者も多いです。エネルギーに満ちた若い時代に登山の楽しみに触れるのはよいことですね。登山から得られるものは多いので今後の人生にプラスになるでしょう。新しい出会いもあるかもしれません。

30代、40代の登山者も自分のペースで登山を楽しんでいます。体力もそこそこあり落ち着いた年齢ですから、自然を楽しみ、ストレスから解放され自分スタイルの登山をエンジョイされている方が多いですね。山ごはんを研究し極めてる方もいます。

近年ではマンガやアニメでも登山を題材したものも増え、注目を浴びています。

世代ごとに登山をする目的は違いますが、生涯趣味として楽しまれる方は多いです。

遭難事故も高齢者を中心に増加中

登山者の年齢層はどれくらい?遭難事故の傾向や若い世代の特徴

遭難者数は年々増加している

登山は楽しいものですが、毎年のように山岳遭難最多の記録が更新されています。1995年には年間800件ほどでしたが、2019年にはその3倍以上の2700件近くにまで増えています。

登山人口は増えていないことからすると、携帯電話の普及により通報件数が増加しただけとも考えられます。とはいえこれだけ多くの遭難があることは事実です。

死者・行方不明者は横ばいが続いており、遭難しても救助される方が増えています。だからといって安心してはいけません。山岳遭難で救助を要請すれば警察や消防など救助に当たる人の負担が増えます。ヘリコプターでの救助となると、高額な費用がかかります。

高齢者の遭難が多いとはいえ20代30代でも全体の15%ほどが遭難し、死者・行方不明者も約5%という報告があります。

遭難者が増えた原因は単純に登山人口の増加によるものと、スマホによる救助連絡が昔よりやりやすくなったこともあります。こんなに山奥なのに電波が通ってる?と思ったことはありませんか。

テクノロジーの発達により便利になった分、手軽に連絡がとれるため緊張感がなくなっているというのも課題として残っています。

遭難事故による死者も60代以上の高齢者が多い

中高年の登山ブームを背景に、山の遭難者の5割が60歳以上、死者・行方不明については7割以上と報告されています。

2018年の山岳遭難事故を年代別にしてみると、70歳代で22.3%、60歳代で22.1%を占めています。死者・行方不明者は60代で29.5%、70代で32.2%と、全体の割合を大きく占めています。

加齢に伴い持病を抱えている人は、山では悪化することもあるので要注意です。

若いころ登山をしていたからといった体力の過信は禁物です。特に日帰り登山の場合、登頂までに体力を使いきってしまうことが多いので注意しておきたいものです。

昔使用していたレインウェアを持参したものの、古くて機能を果たさず低体温になってしまう、登山靴の底が剥がれて動けない人なども見受けられます。事前に装備が劣化していないかチェックし、装備のメンテナンスや買い替えなど忘れずに行いましょう。

20〜30代の若い世代の登山の特徴

登山者の年齢層はどれくらい?遭難事故の傾向や若い世代の特徴

有名な山や手軽に登れる山に集まる傾向

登山は日頃のストレスを開放する爽快感や達成感を気軽に味わえるので、大学生や社会人など若い世代の人も楽しんでいます。

山ガールブームをきっかけに、登山だけでなくアウトドアファッションを楽しんでいる人も少なくありません。

20代、30代の若い世代はまずは知名度の高い山から挑戦してみたいという方が多いようです。体力もあるので、初めての山で富士山に挑む人もいますね。

この世代は日常とは違う環境に身を置いてストレスを発散したい方、自然を純粋に楽しみたい方、仲間とワイワイしたい方などリフレッシュが目的なので、近くの手軽に登れる山に人気が集中しています。大自然の中でおいしいものを食べたいと山ごはんに力を注いでいる方も多くいます。

登山にかける日数は週末に限られてくる

登山に行きたいと思っても学校に通っていたり、フルタイムで仕事をしたりしているので、登山ができるのは週末や休みの日に限られてしまいます。まとまった休みが取れなくて日帰り登山がメインという方がほとんどかもしれません。

それでも山の魅力に惹かれ少ない休日を山で過ごしたい、おいしい山の空気を吸ってリフレッシュしたい、SNSで共有する写真を撮りたい、おいしし山ごはんを食べたい、素敵な出会いがほしいなど山に求めるものは人それぞれです。

限られた休みを有効的に利用するために、まず自分にあったスケジュールを立てることが重要になってきます。事前準備や登山計画を十分に行い、貴重な休みの日の登山を楽しみましょう。

まとめ

これまで難しいとされていたアルプス系の山々や冬山も、登山装備技術の進歩、情報の充実さによりチャレンジする人も増えていきています。人気の槍ヶ岳では登る人たちの渋滞ができるほどです。

また、山小屋をホテルのように勘違いする人や写真が撮りたいがために立ち入り禁止エリアに入る人などマナーが良くない人もみられます。

どの年齢で登山は楽しむことができますが、山でのマナーや準備は怠らないようにしましょう。

▼日本の登山の歴史を知る本

▼登山の豆知識本

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夏山登山の服装をチェック!山にあわせた快適な服選びと基礎知識

夏山登山の服装をチェック!山にあわせた快適な服選びと基礎知識

夏は富士山を代表として、多くの高山が開放される時期です。最も登山に適した季節ともいえますが、服装選びが意外な悩みどころではないでしょうか。

夏は大量の汗をかき、脱水症状や熱中症などのリスクも潜んでいます。さらに、ハチやアブなどの虫対策、日焼け対策など夏ならではの工夫が必要ですので、今回は登山の夏服についてご紹介いたします。



夏山の基礎知識とリスクを知っておこう

夏山登山の服装をチェック!山にあわせた快適な服選びと基礎知識

標高や天候によって気温も服装も変わる

登山服の考え方の一つとして、登る山の標高は指針になります。初心者でも登りやすく、登山客が多い東京の高尾山は600m未満、日本のシンボルでもある富士山は3,000mを越えます。

100m標高が高くなるにつれて0.6℃気温が下がりますので、平地と富士山頂上の温度差は約20℃も違ってくるのです。夏と冬の気温差に匹敵することになります。

そのため高尾山と富士山では準備する装備や服装も全然違ってくるのです。

標高以外では、気候の変化も考慮に入れましょう。どんなに地上が晴れて穏やかな天気であっても、突然の雨にふられることも山では珍しくありません。

場合によっては強く冷たい風が吹いて、一気に体温が奪われることもあります。雨具は必需品ですが、その時々に応じた服装の準備も必要になります。

暑くてもTシャツ1枚はおすすめできない

近年の猛暑は災害とも言われるほど気温が上昇しています。暑い夏の日差しの中、登山をすれば体感温度はさらに上昇します。思わずTシャツ一枚だけで登りたくなりますよね。ですが、それはおすすめできません。

登山は標高が高い所で活動するため太陽により近づくことになり、紫外線を浴びやすい状況下にあります。肌を露出しすぎてしまうと肌にも悪く、日焼けしてしまいます。肌の弱い方は特に長袖を着るなどして対策をしましょう。

また、夏の山は虫が活発に活動する時期でもあります。街ではあまりみかけないブヨは、肌をむしるよう吸血してくる危険な虫なので注意が必要です。長袖を着用し、露出はできるだけ避けるようにしましょう 。

夏山に適したコーディネイト

夏山登山の服装をチェック!山にあわせた快適な服選びと基礎知識

登山するなら夏でも重ね着が基本

登山での服装の基本は3レイヤーといい、いわゆる3種類の異なる機能の服を重ね着することを表します。まず肌着、その上から中間着、そして外着を重ね着していきます。

簡単にそれぞれの機能を説明しますと、肌着は主に汗を吸収して拡散し、中間着は保温、外着は防風防寒、それと雨具としての効果を持ちます。

夏山でも3レイヤーの考えに従いますが、低山の場合、外着は雨天時に使用するレインウェアになります。普段は外着はしまっておき、肌着と中間着だけで大丈夫でしょう。

それでも、「夏にあまり重ね着するのは・・・」と気後れしてしまうかもしれませんが、夏用に作られた登山服はたくさんあり、それらをうまく重ね着していけば、非常に快適な環境で夏山に臨むことができるはずです。

タイツの着用や風よけウェア、防寒着も忘れずに

蒸し暑い夏にロングパンツを着るのは抵抗がある方もいるでしょう。ですが、夏は蜂やブヨやなど危険な虫が多く、また日差しも強いので日焼けの心配がついて回ります。肌の露出は極力避けるのが賢明です。

そこで、ハーフまたはショートパンツにサポートタイツを合わせるのがおすすめです。夏用は、腰回りからふともも、ふくらはぎまで脚全体を保護してくれるだけでなく、メッシュが入ってるため通気性が良い上、フィット感も良好で身体の動きを妨げません。

加えて無駄な筋肉の収縮を抑えてくれるので、翌日の筋肉痛軽減にも効果が見込めます。

外着としてレインウェアを使う場合、レインウェアは高価なものが多いです。ですので薄手のウィンドブレーカーを替わりに持っていくのもおすすめですね。

汗をかきやすい夏山向けの服探しのポイント

夏山登山の服装をチェック!山にあわせた快適な服選びと基礎知識

綿は避けて化学繊維の速乾性のある服を選ぶ

真夏の登山ではとにかく汗をかきます。直接肌に触れる肌着には、柔らかく手触りが快適な綿の素材が良さそうに思えますが、おすすめはできません。汗をすぐに吸い込んでしまい速乾性に乏しいので、濡れたままの不快感と共に、体温もどんどん奪われていきます。

肌着には化学繊維を用いるものがいいでしょう。吸湿速乾性に優れていますので、こまめな水分補給で滝のように出てくる汗も溜め込まず、乾きが早いです。中には消臭効果があるものや、紫外線カット等のオプションが付いてくるものもあります。

速乾性があるといっても、大量の汗が乾き切ることはありません。標高の高いところで濡れた肌に冷たい風を受けると、予想以上の寒さを感じます。上下レインウェアか、ウィンドブレーカーを防寒対策として持っておきたいですね。

大型登山用品店やスポーツ用品店でも購入できる

登山用の服を取り扱っているのは、専門店はもちろんですが、スポーツ用品店やカジュアル衣料品店、その他、総合スーパーでも置いてあります。

アルペンやスポーツデポ、ゼビオ等の大型のスポーツ用品店ではアウトドアのカテゴリーで登山グッズが見つかります。広い店内に、有名な登山用品ブランドを豊富に取り揃えていますので、専門店に見劣りはしないでしょう。

カジュアル衣料品店のユニクロでは、代表的な「エアリズム」が機能性衣料として人気です。繊維大手の東レの技術によって、吸湿性を高めているので、夏の登山でも十分に効果を発揮するでしょう。

総合スーパー最大手のイオンでも機能性衣料があり、専門店に比べると安価なのが魅力的です。ただ、これらの機能性衣料はいずれも、登山用に作られたわけではありませんのでメインとして使うのはおすすめできません。

まとめ

夏の登山での服装は速乾性のあることはもちろん、日焼け、虫よけ対策として肌を露出しないことがポイントになります。

長袖のインナーの上にTシャツを着ればお洒落を楽しみつつ機能的にも万全ですね。服以外にも帽子やサングラス、水は多目に持って行くなど暑い日差しに負けないように準備を整えて夏山登山に挑みましょう!

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登山で使う寝袋(シュラフ)の選び方。対応温度や収納性をチェック!

登山で使う寝袋(シュラフ)の選び方。対応温度や収納性をチェック!

日帰り登山に慣れてきたら宿泊登山にもチャレンジしてみたくなるものです。寝袋(シュラフ)で寝るなんて想像しただけでもワクワクしてきますね。

適した寝袋であれば体力を回復させ、安全な登山をサポートしてくれます。寝袋を背負って登るとなると大きさや重さも気になりますね。今回は素材や対応温度などを含め初心者が寝袋を選ぶポイントを特集します。



寝袋はテント泊登山なら必須

登山で使う寝袋(シュラフ)の選び方。対応温度や収納性をチェック!

テント泊の登山には寝袋は欠かせません。寝袋はでシュラフとも呼ばれており、ドイツ語の「眠り」という意味です。自分にぴったりの寝袋を選んで快適な眠りを手に入れたいものですね。

寝袋の形は体をすっぽり包み込む「マミー型」とブランケットとしても使える「レクタングラー型」の2種類あります。マミー型は、人が入るとミイラのように顔以外がすっぽり包め、防寒性が高いのが特徴です。

過剰なスペースが必要ないのでテントでも使いやすいです。レクタングラー型は縦封筒の形をしているので普段の睡眠姿勢を保ちやすく、通気性があり寝返りも打ちやすいという特徴があります。ブランケットとして使うなど、さまざまなシーンで活用できます。

混雑するシーズンには、有人の山小屋に宿泊するとしても寝袋を持参した方がいい場合もあります。人が多いと一つの布団に2~3人が一緒に寝なければいけないことがあるからです。

無人の山小屋に宿泊する場合は布団がない、あっても使えないほど汚いなどの理由で、寝袋を使って雑魚寝しなければいけないことがあります。

寝袋選びは素材と対応温度をチェックしよう

寝袋の素材の種類

①ダウン

ほとんどの寝袋がダウン素材です。軽くて保温力が高い特徴があります。柔らかくて寝心地もいいです。濡れると保温力が落ちるというデメリットがありますが、防水対策をすれば問題ないでしょう。連続使用すると湿気やすく、乾きにくいです。価格は高めです。

②化学繊維

ダウンと比べると重く、保温力は劣りますが、水に濡れても保温力が落ちにくい、連続使用しても湿気を溜め込まないのが特徴です。乾燥しやすく、価格も安いというメリットがあります。

③ハイブリット

ダウンと化学繊維の特徴を活かして組み合わされたハイブリット型寝袋も登場しています。水に強い化学繊維を外側に、体に触れる内側にダウンを詰めた寝袋や、両方の重さと保温性を調整して混合させた寝袋など、さまざまなタイプがあります。

*外側の生地

寝袋の生地はナイロンやポリエステルが使われていることが多いです。火の粉やバーナーなど火に弱く、石のような尖ったものですぐに穴があいてしまい、ダウンが飛び出してくることがあります。ハイエンドモデルは引き裂き強度、耐摩耗性に優れた特殊なナイロン繊維でできています。

体温を調整する対応温度が一番大事

寝袋(シュラフ)を選びときに注意するのは「限界使用温度」と「快適使用温度」をチェックするようにしましょう。

快適使用温度:この温度域レベルまでの使用であれば、温かく快適に眠ることができる
限界使用温度:この温度での使用はおすすめないが、工夫次第で使用可能

これらのうち、特に初心者は「快適使用温度」を基準にして寝袋を選ぶことをおすすめします。寒くて眠れないと体力が回復せず、次の日に安全な登山をすることが難しくなるからです。

ほとんどの寝袋には快適使用温度(コンフォート)、使用限界温度(リミット)と表記されています。ヨーロピアン・ノームというEU諸国による工業製品の基準となるものです。コンフォートは一般女性が寒さを感じることなく眠ることができる温度、リミットは一般男性が寝袋の中で丸くなり8時間寝られる温度とされています。

あくまでも目安ですが、夏用なら使用限界温度5~10℃前後、3シーズン用で使用限界温度-5~5℃前後が扱いやすいでしょう。初めて買うなら使用限界温度0℃前後の寝袋を選んでおけば長く使えるかもしれません。

自分が行きたい山や季節、目的などを考え、快適使用温度を参考にして寝袋を選ぶといいですね。さらに体感温度は人によって異なるので、自分の体質に合わせることも心がけましょう。

登山用寝袋選びのポイント

登山で使う寝袋(シュラフ)の選び方。対応温度や収納性をチェック!

コンパクトに収納できる寝袋を選ぼう

宿泊登山に寝袋は欠かせないとはいえ、登山中は使わないアイテムです。登山の負担を軽減するためにもコンパクトで軽量であることは重要です。

ダウンは潰して空気を抜くことができるので、コンパクトに収納することができます。化学繊維は濡れに強いですが、ダウンと比べるとやや重量もありかさばります。

夏用の寝袋はコンパクトに収納すると2Lのペットボトルくらいの大きさになります。3シーズン用、冬用は中綿が多いので収納時は夏用よりも重く、大きくなります。

素材だけでなくメーカーによってもサイズが異なるので、自分に合った寝袋を選ぶようにしましょう。実際に登山用品店に行って、試してみると良いでしょう。

ネットショップの方がサイズやカラーが充実していることがあります。サイトで購入する場合は、サイズや重量などしっかり確認してから購入しましょう。

最初は3シーズン使える寝袋がおすすめ

寝袋には夏用、3シーズン用、冬用の3種類があります。夏山であっても山の上は地上とは異なるので肌寒く感じるものです。

初心者だとどれを買ったらいいか迷いますよね。最初に買うなら3シーズン用がおすすめです。宿泊登山に慣れてきて、自分の登山スタイルが決まってきたら、適した寝袋を追加購入すると良いでしょう。

なぜ初心者に3シーズン用がいいかというと、寝袋の中の温度が調整しやすいからです。もし暑いと感じたらジッパーを開けたまま使用します。そうすれば熱がこもりません。それでも暑い場合は、掛け布団や敷布団のように中に入らないで使うことができます。

寒いと感じたら持っているウェアを全部着て、ジッパーを全部閉めます。そうすることで熱を閉じ込めて温かさを保つことができます。

迷う場合は寝袋をレンタルすることも可能

寝袋は決して安いものではありません。買ってから後悔したくありませんよね。どれにしようか悩むなら寝袋をレンタルしてみるのも有りです。

いろいろ気になる寝袋を試してみて、自分に合ったものを購入すれば、納得して気に入ったものを長く使うことができます。

そんなに登山に行かない人にとってはレンタルする方が安く済み、メンテナンスもしなくていいので楽です。家族や友人とセットでレンタルすれば割引してくれるお店もあります。

気になるレンタル料ですが、2,500~7,000円くらいです。初心者がお試しで使うレベルのものであれば5,000円前後でハイスペックの寝袋をレンタルできるでしょう。山小屋に泊まるよりもずっと安く済みます。

まとめ

寝袋(シュラフ)はテント泊登山や避難小屋で泊まる計画の登山では必要な道具です。

「限界使用温度」「快適使用温度」をチェックして、できるだけ軽くてコンパクトなものが良いでしょう。機能性が上がるとお値段も上がりますが、長く使うことや身を守るためと思えば納得いくものだと思います。

最初は3シーズン用の寝袋(シュラフ)を購入しておき、冬はハードルも高いため、温かい7~9月ごろにデビューするのがおすすめです。

寝袋と一緒に下に敷くマットの購入も忘れずに!

▼3シーズン適応した寝袋(シュラフ)

▼寝袋(シュラフ)の下に敷くマット

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