【登山マンガ】登山の種類は色々あるけど、登山って何だっけ?

登山マンガ第11回のテーマは「登山の種類」です。登山、トレッキング、ハイキングなど「山」に関連するアクティビティは多く、登山という定義は曖昧になってきています。みなさんは登山と聞くと何をイメージされますか?

【登山マンガ】登山の種類は色々あるけど、登山って何だっけ?

登山の種類は大きく3つ

無雪期の登山

登山と言えば多くの人が北アルプスや富士山など標高の高い山に登るこをイメージするのではないでしょうか。無雪期の登山はそれらに該当して、イメージどおり登山と言えばこのことを指しています。

標高の高い山ばかりではなく低山も含まれており、頂上を目指して山に登ることを目的とした登山になります。

積雪期の登山(冬山)

雪が積もった冬山を登ることが「積雪期の登山」になります。無雪期の登山に比べて冬山用の道具や知識と技術が必要な難易度の高い登山です。急な天候変化による道迷いや滑落事故もあり、毎年命が失われています。

その反面、頂上まで登ると夏山にはない景色が眺められることが冬山の魅力でしょう。初めてのころは上級者に付き添い、雪山入門コースと呼ばれる山からチャレンジすることをおすすめします。

バリエーションルート登山

一般登山道を通らずに整備されていない道を歩く上級者向けの登山です。クライミングやロープワークなど技術と経験が必要で、リスクも高いです。

自由気ままにルートを決める楽しさや登頂したときの達成感は他の登山では味わえない魅力があります。チャレンジする場合は、経験豊富な方と一緒にチームを組んで慣れていきましょう。

トレッキングやハイキング、アウトドアのアクティビティにも注目

登山は山に登ることを前提としていますが、同じ「山」に関わるアクティビティとしてトレッキングやハイキングなども人気ですね。頂上を目指ざさず、山や森の中を歩くことを目的とした山歩きは、山ハレ鳥トケでも推奨しています。

その他に沢登りやクライミング、キャンプやラフティングなどアウトドア業界が盛り上がることは、自然について考えるきっかけにもなるので種類を問わず楽しみたいものです。

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登山コーデのポイントは?山でも自分らしく着こなすコーデの基本

登山コーデのポイントは?山でも自分らしく着こなすコーデの基本

近年のアウトドア人気の影響から、ファッション誌でも登山やトレッキングのウエアが取り上げられることが多くなりました。キャンプやハイキングならそれほど気にしなくてもいいのですが、登山となるとお洒落やトレンドの前に機能面をしっかりチェックすることが大切です。そのうえで自分らしい、着こなしをできるようになりたいですね。



まずは登山コーデの基本を知ろう

登山コーデのポイントは?山でも自分らしく着こなすコーデの基本

服の素材は化学繊維を選ぼう

通気性や吸水性、保湿性もあって肌触りもよい天然繊維である綿は衣服に最適というイメージがありますが、登山には向かない素材です。保湿性があるということは乾かないということでもあります。

暑い夏はもちろん、冬であっても汗をかくことが多い山行において、汗は吸うけれど衣服が乾かない、いつまでも湿ったままというのは体を冷やしてしまいます。

登山に求められる服の機能は「速乾性」と「吸収性」です。この二つの機能を持つのが化学繊維(ナイロンやポリエステル)なんです。服が汗で濡れてもすぐに乾くので、体が冷えて低体温症になるリスクは避けられます。

レイヤニング(重ね着)を意識しよう

登山では季節に関係なく歩いていると暑くなってきます。ところが登れば登るほど山の気温は低くなり、風が吹けば体感温度はさらに下がります。

特に秋や冬では少し休憩しただけで寒くなるものです。しかし、勾配がきつい難所にさしかかれば運動量が上がり、また暑くなります。このように登山は短時間で暑くなったり、寒くなったりが繰り返されるのです。

この変化に対応するためにはウエアのレイヤニング(重ね着)が欠かせません。暑くなったら脱ぎ、寒くなったら着る。当たり前と言えば当たり前のことですが、状況に合わせることで汗をかきすぎず、体を冷やしすぎずと体温調整をすることが大事なのです。

レイヤニング(重ね着)の基本は3レイヤー。ベースレイヤー(肌着)、ミドルレイヤー(中間着)、アウターレイヤー(外着)の3つです。

ベースレイヤーで吸汗してミドルレイヤーで保温、ウターレイヤーで風雨から身を守ります。季節や気温によってミドルレイヤーを2枚にするなど調整しましょう。

基本を踏まえて登山コーデを楽しむポイント

登山コーデのポイントは?山でも自分らしく着こなすコーデの基本

同系色でまとめてスッキリ見せる

機能的に大事なポイントを押さえたら次はお洒落をしたいですね。登山コーデと言ってもどうすればわらかない…という方にはワントーンコーデにチャレンジしてみてください。

色の明るさや濃淡、テイストを揃えるもので、必ずしもワンカラーである必要はありませんが、同系色で合わせるとスッキリして見えます。ネイビーを軸にブルー、ライトブルーなどというように濃淡で変化をつけて、クリアな色味やくすんだ色合いなど、好みのトーンに統一すればどこかいい感じにまとまります。

登山ウェアと言えば、目立つ色ばかりでしたが、最近ではアースカラーも増えており、お洒落の幅が広がっているので組み合わせを楽しむことができます。

靴やサコッシュでワンポイント

色の濃淡をつけても単調になりかねないワンカラーコーデには、ポイントになる色を差してみましょう。ベージュやモカ茶などブラウン系のコーデにはハッとするようなクリアな赤を、グリーン系コーデならイエローなど、差し色を採りいれることでコーデが一気に締まります。

登山靴やザック、サコッシュなど小物から入るのがよいかもしれません。登山靴やザックはコーデに合わせて変えるのが難しいかもしれませんが、比較的安価なサコッシュなら数も揃えられそうです。

サコッシュは地図や行動食などすぐに取りだしたい物を身につけておけるので、登山には便利なアイテムです。おしゃれと実益を兼ねて活用してみてください。

季節に合わせた登山コーデの楽しみ方

登山コーデのポイントは?山でも自分らしく着こなすコーデの基本

春や秋は長袖シャツがおすすめ

ミドルウエアとして活躍してくれるのが長袖の山シャツです。天候や気温が安定しない春や秋には重宝することでしょう。山シャツと言っても特異性のあるものではなく、レギュラーカラーの付いた、前開きのごくフツーのものです。

綿100パーセントではなく、ナイロンやポリエステルなどが混紡されているもので、UVカット加工、防虫加工が施されていればなおよいですね。長袖シャツはボタンを掛けたり外したり、袖まくりをするなどして体温調整が計れますし、襟が日焼けからうなじを守ってくれます。

暑くなれば脱いで腰に巻くということもできますし、柄や色味のあるものならお洒落ののアクセントにもなりますね。

夏はデザイン豊富なTシャツを楽しむ

夏に役立つのはやはりTシャツです。ドライメッシュ加工になっているものなら速乾性もありますし、肌触りもさらりとして心地よいものが多いでしょう。

登山では肌を守る長袖を着ることが推奨されているので、長袖Tシャツもよいですね。半袖のTシャツを上に重ねて着れば、気温が下がっても対応できますし、暑くなれば半袖Tシャツをインナーにして長袖シャツを羽織ることもできます。

Tシャツはミドルウェアやアウターウェアに比べて比較的安価でデザインも豊富です。好きなメーカーも色々なTシャツを出していますし、山小屋ではその山域や山小屋ならではのTシャツを販売しているので、登山用にも記念のコレクションとしても楽しむことができます。

まとめ

一昔前は「登山にお洒落は必要ない」と言わんばかりの種類しか販売していませんでしたが、山ガールブームに始まり、ウルトラライトスタイルや街でも着られるをコンセプトにしたガレージメーカーも増えて、本当にお洒落なものが揃ってきています。

今回ご紹介したレイヤニング(重ね着)をベースに登山コーデを考えることは楽しみの一つになりますね。街のファッションと同じように、お気に入りの服を着て登山に出かけてみてはいかがでしょうか。

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知っておきたい登山マナーの基礎知識。安全登山と自然保護への観点

知っておきたい登山マナーの基礎知識。安全登山と自然保護の観点を

登山では街歩きと違いマナーがあることを知ってましたか?守らないと人によからぬ迷惑をかけたり、希少植物の命を絶ってしまうことさえあります。

逆にマナーを守れば危険を回避するだけでなく、楽しく清々しい登山にもつながります。登山マナーはどのようなものでしょうか。今回は登山初心者が知っておきたい基本マナーをご紹介します。



安全登山はマナーを守ることから始まる

知っておきたい登山マナーの基礎知識。安全登山と自然保護の観点を

登山マナーを守ることは命を守ること

登山マナーが命を守ることに繋がることってどういうこと?と疑問に思うかもしれませんが、いくつかある登山マナーの中には緊急時や命に関わるものがあります。

*登山計画書を提出する

登山計画書はこれから登る山にはどのようなルートで何時ごろ到着するのかを記したものです。ご自身や同行するメンバーの名前や住所を記載します。もし遭難してしまった場合は、登山計画書をもとに捜索活動が行われるため届け出があるのとないのとでは、捜索時間が大幅に変わってくるのです。

登山届けは各登山口や最寄りの警察署、インターネットでも提出可能なところもありますのチェックくください。詳しくはこちらをご確認ください。

*山岳保険に加入しておく

もし遭難したり途中で動けなくなったりした場合、救助隊や場所によってはヘリコプターを出動させるケースあります。この救助費用は遭難者やそのご家族が支払わなければいけません。命が救われることが一番ですが、ヘリコプターの稼働は1時間あたり50万と言われていますので、あとでびっくりするかもしれません。

その万が一に備えておくのが山岳保険です。会社によってプランが異なりますが、1日だけのものから1か月~1年単位とさまざまですので登山する頻度に合わせて保険サービスを選にましょう。

*石を落としたら大きな声で叫ぶ「らくー!」

富士山で起きた落石事故は多くの人がショックを受けました。落石の原因は判明しておりませんが、もし自分の不注意で石を落としてしまった場合は「らくー!」と大きな声で下の人に向かって叫びましょう。当事者ではなくても周囲で起きたときは声を出して協力してあげてください。

小さな石ころだとしても落下で速度が増すと当たり所が悪ければ命を落とす可能性もあります。石が多い山道は慎重に歩くようにしましょう。

これらは登山マナーのほんの一部ですが、もっとも重要な項目としてあげてみました。もちろん他のマナーも軽視してはいけませんので、次の項目でご紹介します。

マナーを守るとみんなが楽しい登山になる

みんなが気持ちよく安全に登山するためには一人ひとりがマナーを守る意識を高め、率先することが大切です。

だからといってマナーを守らない人やマナーを知らない人に無理やり押しつけてケンカするのはよくありません。マナーはそもそも利便性や安全性を考慮して生まれたルールのようなものです。規則と考えてイライラするのではなく、みんなが気持ちよく安全に登山するためのガイドラインとして理解しましょう。

よく話題になるのが「ゴミを持ち帰る」というマナーです。登山する人は自然に触れるのが大好きな人ばかりです。山にゴミが捨てられているとがっかりしますよね。街中のよにゴミ箱があるのでもなく、業者さんが処理してくれるわけではありません。ゴミは本人も気づかないうちに風で飛ばされたり、ザックからポロっと落ちてしまったりと故意に捨てられたものだけではありません。

もしゴミをみかけたら、気持ちを抑えて拾ってあげる余裕をみせるのもいいですね。(本当は本人が気づかなければいけませんが…)

山を綺麗に保つことでみんなが心地良い登山ができるようになります。

登山初心者が知っておきたい基本マナー

知っておきたい登山マナーの基礎知識。安全登山と自然保護の観点を

基本的な登山マナーを理解しよう!

登山の基本的なマナーをご紹介します。全部覚えるのは難しいかもしれませんが、できることから始めてみましょう。

*山ですれ違うときは挨拶をする

山で人とすれ違いときは「おはようございます」「こんにちは」と挨拶をするのがマナーです。挨拶するにも意味があり、人がいない山では挨拶をきっかけに情報交換ができるし、怪しいものではないですよという意思表示でもあります。あとは単純に挨拶をすると気持ちが良いものです。

*山の植物は採取しない、踏みつけない

綺麗な花や石を見つけて記念にしたいと思っても少しだけなら…と採取するのはNGです。山の中には希少な植物もあり、人の手で汚してしまうと生態系が崩れてしまため、荒らしてはいけないのです。とっていいのは写真だけにしましょう。

また、instagramやTwitterなどのSNSに投稿するために少しでも良い角度、構図で景色やお花を撮影しようと山道を離れて植物を踏みつけてまで写真撮影に夢中になる方もいます。山道から外れないように注意しましょう。

*動物にエサを与えない

かわいい野生動物を見るとついついエサを与えたくなるものですが、自力でエサを取れなくなって死んでしまったり、食物連鎖に影響が出たりするのでやめましょう。

*「登り優先」「崖側優先」

下りの方が視界がきき、相手に気づきやすいからです。しかし、狭い道では登り下りに関わりなく、山側にいる人が道を譲りましょう。崖から落ちたら大変ですからね。

*ゴミは持ち帰る

ゴミは全て持ち帰りましょう。たとえゴミ箱でも山小屋や帰宅途中の駅やコンビニで捨てるのも厳禁です。タバコは吸い殻入れに入れて持ち帰りましょう。山火事の原因になることがあります。

*複数人のときでも1列に並んで歩く

複数人でのグループ登山は1列に並んで歩くのがマナーです。話が弾んで横並びになってしまうと狭い道では通れなくなってしまします。

また、複数人の場合、どうしても歩く速度が遅くなってしまうため後ろが詰まらないように安全なところで立ち止まって譲ることも忘れないようにしましょう。

*トイレではティシュペーパーを便器の中に入れない

山小屋や休憩所にあるトイレによっては水洗になっていないトイレがあります。山の中という特別な場所では下水処理を行うのが難しいことを理解ください。

トイレの種類によってはティッシュペーパーを分解することができないため、専用の箱や袋に捨てるよう指示が書いてありますので、状況に合わせて守るようにしましょう。トイレ利用料が必要なところもありますので、小銭を忘れずにトイレを利用してください。

山ごとのルールがあれば従う

山ごとにもルールがある場合はそれを守りましょう。例えば紀伊山地や尾瀬、上高地など人気の山域には多くの人が訪れることもあり、マナーもそれぞれあります。

*世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のマナー

文化遺産を守るためのルールが定められていますが、「道をはずれない」「ゴミを捨てない」など基本手的なマナーです。観光客の多いスポットですので一人がマナー違反をしてたから自分も少しだけなら…と魔がささないよう「人類の遺産」はみんなで守るという意思を持ちましょう。

*尾瀬のマナー

湿原を守るための取り組みがなされているのでそれに協力することができます。小瀬には木道が敷かれているのでそこを歩き、湿原には立ち入らないようにします。小瀬には学術上貴重な動植物が多数生息いて特別保護地区、特別天然記念物に指定されています。昆虫採集、山菜取り、落ち葉・落枝一本でも持ち帰りはやめましょう。

山の入り口には外来種子の侵入を防ぐマットが敷かれています。土の泥をよく落としてから入山するようにしてください。

*上高地のマナー

マイカー規制、アイドリングストップなどのルールがあります。公共の乗り物を使って協力しましょう。

山小屋やテント場でのマナー

知っておきたい登山マナーの基礎知識。安全登山と自然保護への第一歩

【山小屋】周りに迷惑をかけないように注意

山小屋には山小屋のマナーがあります。知らない場合は山小屋のスタッフに怒られてしまうこともありますので注意しましょう。

*山小屋には15時までには到着しよう

山小屋への到着は15時までには辿りつけるような計画を立てましょう。夜ごはんの準備や山小屋スタッフさんが心配してしまうので、もし遅れそうなら必ず連絡を入れてください。

宿泊料金はカードが使えないところがほとんどなので現金を用意しておいてください。夕食や朝食の時間も確認し、残さずしっかり食べ、感謝の気持ちでいただきましょう。

*山小屋のトイレは無料ではない

トイレの維持管理には膨大なコストがかかります。基本的には宿泊料金にトイレ使用料は含まれていることが多いですが、その都度山小屋のスタッフに確認をしてください。

宿泊する山小屋の近くに別の山小屋があったとしても運営会社が異なります。トイレが混んでるからと別の山小屋のトイレを勝手に利用するのは避けてください。利用する場合はきちんと使用料を払いましょう。

トイレも水洗式、バイオ式、汲み取り式、カートリッジ式などトイレの種類もさまざまです。使用済のトイレットペーパーを流してもいいのか、持ち帰るべきか利用する前に確認しましょう。

*石鹸や歯磨き粉は使わない

自然保護のため山小屋では石鹸や歯磨き粉の使用はできないのが基本です。メイクや日焼け止めを落とす場合はシートタイプのものを利用してください。山では水は貴重でシャワーもないことがほとんどです。ウェットティッシュがあると便利です。

山小屋はホテルや旅館と違うので便利さを求めてはいけません。泊まれることの感謝の気持ちを忘れずに楽しんでください。

*消灯時間は21時ごろ

山小屋にもよりますが消灯時間が21時が多いです。お酒を飲んで山仲間と盛り上がりすぎないよう注意しましょう。ご来光を目当てに朝早く出発される方もいますので話声も小さくして、できる限り消灯と同時に寝るようにしましょう。

【テント場】ごみや山ごはんの残りを捨てない

登山に慣れてくるとテント泊をやりたくなるものです。テント泊デビューの前に、テント場ならではのマナーもありますのでチェックしましょう。

*テントは指定された場所に幕営する

通常山小屋が管理しています。キャンプ指定地を確認し、料金を払い幕営しましょう。

*到着は早めに、14~15時を目安に!

山の天気は午後から変わりやすいのでお昼頃には到着しておきたいものです。ハイシーズンになると到着が遅いとテントを張る場所が見つからないこともありますよ。たとえ早く付いたとしてもテントを張ったり、食事の準備をしたり、することはたくさんあります。

*複数人の場合は2~3人で一つのテントを使う

夏山シーズンのときは、テント場によっては非常に混雑することがあります。敷地が限られているのでグループで来ているときは、一つのテントに2~3人で使うのが望ましいです。複数人で騒がしくならないよう、楽しい思い出を作りましょう。

*山ごはんで使った食器は洗わない

山にあるテント場はキャンプ場のように洗い物をするところはありません。洗剤を使うのも食べ残しを捨てるなんてことは絶対NGです。ウェットティッシュで拭く程度にとどめ、家に帰ってから洗うようにしてください。

山ごはんの残りも残さずに全部食べ切るようにします。汁はご飯を入れて雑炊にしたり、ティッシュに含ませてビニールに入れたりと残さないようにしましょう。

残り汁は液体だから自然に返ると考えがちですが、塩分や油分も含まれています。野生動物がその味を知ってしまうと生態系に影響がでる可能性があるのです。

まとめ

登山マナーを改めて確認すると登山をみんなが楽しくするために必要なことばかりです。自然を綺麗に保つ意識を持つことも登山者として、人間としても大事なことですね。山を汚染してしまうと綺麗な景色が見られなくなる可能性だってありうるのです。

最後に今回あげたマナーを過剰書きでまとめますので、忘れないようチェックください。

■知っておきたい登山マナー
*登山計画書を提出する
*山岳保険に加入しておく
*石を落としたら声をかける「らくー!」
*山ですれ違うときは挨拶をする
*山の植物は採取しない、踏みつけない
*動物にエサを与えない
*「登り優先」「崖側優先」
*ゴミは持ち帰る
*複数人のときでも1列に並んで歩く
*トイレではティシュペーパーを便器の中に入れない
*山ごとにもルールがある
*山小屋には15時までには到着しよう
*山小屋のトイレは無料ではない
*石鹸や歯磨き粉は使わない
*消灯時間は21時
*テントは指定された場所に幕営する
*到着は早めに、14~15時を目安に!
*複数人の場合は2~3人で一つのテントを使う
*山ごはんで使った食器は洗わない

人にも山にも優しくありたいものですね。マナーを守って楽しい登山ライフを過ごしましょう!

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登山で役立つエマージェンシーキット。必要な理由と準備すること

登山で役立つエマージェンシーキット。必要な理由と準備すること

警察庁が発表する『山岳遭難の概況』によると登山中の事故やけがなど、遭難者は年々増えているそうです。遭難というと仰々しく聞こえますが、大半を占めるのが道迷いで、滑落、転倒と続きます。

街中で道に迷っても凍えることはありませんが、山で迷って野宿することになれば寒さで身に危険が及ぶこともあります。そんな万が一にエマージェンシーキットを備えましょう。



登山でエマージェンシーキットが必要な理由

登山で役立つエマージェンシーキット。必要な理由と準備すること

山の中では救助はすぐに来ない

具合が悪くなったときに駆けつけてくれる救急隊は心強いものです。通常の生活で救急車を要請してから到着するまでの時間は全国平均で7分といわれています。

しかし、山では事情が異なります。救急車で山道を進むのは困難ですから、ほとんどの場合は山岳救助隊が出動することになります。救助隊が山道に慣れているとはいえ、自然が相手ですから何があるかわかりません。

悪いタイミングが重なり救助者がたくさんいることもあるでしょう。出動要請が重なれば対応したくてもできません。常に最悪のケースを想定して備えておくことが大切なのです。

突然の悪天候や道迷いなどの緊急時に備える

「山の天気は変わりやすい」誰もが一度は聞いたことがあるはずです。ただ、今ひとつ実感が伴わない言葉ではないでしょうか。実際に天気が急変して立ち往生したなどの実体験がないとピンとこないかもしれませんね。天気が急変して動けなくなることもありうることを知っておかなければいけません。

道迷いも同じように方向感覚に自信があったとしても絶対に迷わないとは言い切れないものです。濃霧や吹雪で視界がきかなかくなったり、誤って脇道に入ってしまい迷ったりする可能性もあります。

このように登山中に動けなくなった場合には救助を待つことになります、そのときに必要な栄養や体を冷やさないためにエマージェンシーキットが必要になってきます。

緊急時に必要なエマージェンシーキットとは

登山で役立つエマージェンシーキット。必要な理由と準備すること

ケガや病気に備えて基本の救急用品を準備

緊急時に備える…といっても何を準備すればよいのかわかりませんね。エマージェンシーキット(ファーストエイドキット)とは緊急時に準備するものの総称ですが、人によって用意するものは様々です。自分で必要なものを揃えておきましょう。

【薬で必要なもの】

風邪薬、下痢止め、胃薬、腹痛止め、消毒用アルコール、かゆみ止め、など

【救急用品で必要なもの】

テーピング、ガーゼ、救急バン、ポイズンリムーバー、ビバーク用シート、三角巾など

さらには携帯用トイレやクマスプレー、非常食なども入ってくるでしょう。タオルは何かと便利なので常に準備しておくのもよいですよ。

全てを揃える必要はありません。登山計画に合わせて必要なものを選んで持って行きましょう。

スマホの充電切れやビバークへの備えも必要

もし負傷してしまい多少歩ける場合でも、そこの場所から動いかない方がいいケースもあります。体力の消耗が激しかったり、道がわからないときは無理に下山しようとするより、ビバーク(野宿)して助けがくるのを待つ判断することも必要です。

その万が一に備えて持っておきたいのは、ツェルトという簡易型のテント。一夜を過ごすときに風よけや身を守る家になってくれます。ツェルトそのものを服のようにまとうことで体温の低下を防ぐ防寒着としての機能も備えています。

スマホの充電切れにも備えておきましょう。最近では山中でも電波が届く場所もありますので、連絡手段になるスマホは生命線ともいえます。充電された小型のモバイルバッテリーを持っておくと緊急時にも安心です。

エマージェンシーキットを準備しよう

登山で役立つエマージェンシーキット。必要な理由と準備すること

登山用品店やネット通販などでの購入が便利

最初は必要なものがひととおり入っているエマージェンシーキットがおすすめです。

登山用品店には防水性の高いポーチの中にコンパクトに収納された登山緊急セットがまとめてある商品があります。開けると一目で全てのものが確認できるフルオープンタイプであることも特徴の1つです。

ネットショップで調達するなら必ず、登山用やアウトドア仕様のものを選びましょう。簡易ギプスやテーピング、注射器型のポイズンリムーバーまでセットされているものもありますよ。

捻挫や骨折にも対処できるよう考えられています。ケガを負ったときの消毒グッズはもちろんですが、ばい菌が深く入ってしまったときに吸い出すためのポイズンリムーバーなどは登山ならではかもしれません。

緊急時に使い方がわからない!とならないよいうにテーピングの巻き方やポイズンリムーバーの使い方などを予習しておくことも大事なことです。

個別に揃えるときは濡れないように工夫する

セットになっているものは人によって必要ないものがあるかもしれません。バンソウコウを多めに持っていけば、靴擦れ対策にも使えるので重宝したいという人もいれば、テーピングですべて事足りるという人もいるでしょう。慣れてくると自分に何が必要なのかもわかってきます。

エマージェンシーキットを入れるポーチは完全防水で破れにくいものを選びましょう。中身をジップロックに小分けにして入れるなど、濡らさないような工夫をしておきます。

錠剤も破れないように固めの小さなケースに入れるなど対処しましょう。液体ものは長期間放置していると蒸発している場合もありますので、出掛ける前の中身チェックを欠かさずに。

まとめ

エマージェンシーキットを持っていても使ったことない方もいるかもしれません。むしろ使わない方が安全登山ができているということですね。

しかし、災害に備える非常用品と同じように万が一はいつ起こるかわかりません。また、自分だけの問題ではなく、一緒に同行した仲間や困っている人に遭遇する可能性もありますので、必要最低限の緊急用品は山に行くなら常に準備しておきたいものです。

▼登山用のエマージェンシーキット

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【登山マンガ】ナイトハイクにチャレンジ!恐怖に包まれ聞こえてくる闇の声

登山マンガ第10回のテーマは「ナイトハイク」です。頭にヘッドライトを装着して暗闇に包まれた山道を歩くナイトハイク。最初はあまりの暗さに興奮しつつも恐怖を感じるかもしれません…。

【登山マンガ】ナイトハイクにチャレンジ!恐怖に包まれ聞こえてくる闇の声

ナイトハイクをする前に知っておきたいこと

ヘッドライトは必須アイテム、電池も忘れずに!

ナイトハイクで必ず必要なアイテムは「ヘッドライト」です。夜の山は想像以上に真っ暗で目の前も足元も見えません。ヘッドライトで進む道を確認しながら歩きましょう。家を出る前に電池が切れていないかの確認も忘れずに。

また、夜の山は格段に冷えますので低い山でも風よけのウェアや防寒具を準備するようにしましょう。

初めてのナイトハイクは人が多い山を選ぶ

富士山ではご来光を目当てに頂上を目指すため、ナイトハイクをする人は多いですね。人気もあり人も多いため夜中でもそれほど怖くはありません。(※シーズン中に限る)

富士山までとはいきませんが、最初のうちはできるだけ人が多い山を選び夜の山歩きに慣れていくことが大事です。関東近辺では高尾山や筑波山など観光スポットとしても有名な山なら道も整備されているのでおすすめです。山に地域によっては星の観察会やナイトハイクのイベントを開催する所もありますので、それらに参加するのもよいですよ。

暗いと恐怖がつのり「もう帰りたい…」となってしまうかもしれませんが、頂上から眺める夜景には感動すること間違いなしです。山仲間と一緒に行けばきっと素敵な思い出になりますよ。闇の声には負けないように…。

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登山における行動食の重要性。選ぶポイントやアレンジして楽しむ方法

登山における行動食の重要性。選ぶポイントやアレンジして楽しむ方法

登山は多くのエネルギーを消費するため、食事だけでなく「行動食」が欠かせません。そのため行動食を持参する必要があります。

行動食はエネルギーを補給することを念頭に置きながら、食べやすさも重視したいものです。今回は行動食の重要性や選ぶポイント、食べるのが楽しみになる行動食のアレンジ法をご紹介したいと思います。



安全登山をするために行動食は欠かせない

登山における行動食の重要性。選ぶポイントやアレンジして楽しむ方法

登山は多くのエネルギーを消費する

登山は有酸素運動の代表格であり、たくさんのカロリーを消費します。しかも、ジョギングとは違って「重量を背負った状態で行う有酸素運動」なのでその消費量はかなりのものです。行動食が必要な理由を計算式から考えてみましょう。

2006年に厚生労働省が策定したMETS(運動強度)を利用した消費カロリーの計算法をご紹介します。

カロリー消費量(Kcal)=1.05×体重(kg)×METS係数×運動時間

登山におけるMETS係数は2種類に分けられます。
①METS係数7 ➝14.1kg以下の荷物を背負っての登山
②METS係数8 ➝14.1kg以上の荷物を背負っての登山

例えば60kgの男性が10kgのザックを背負って6時間かけて山に登るとすると…

1.05×60(kg)×METS係数7×6(時間)=2,646Kcal

吉野家の牛丼の並盛なら約4杯分、マクドナルドビッグマックなら約5つ分のエネルギーが消費される計算です。これに基礎代謝を含めるとさらに消費カロリーは増えることになります。

こまめに食べてエネルギー切れを予防

「シャリバテ」という言葉をご存じですか?登山用語としては、シャリ(飯)が足りなくてバテることを指します。医学的には血糖値が下がって力が入らなくなることを指します。山頂でのお昼ご飯を楽しみなあまりに、空腹を我慢しながら上り続けるような場合に発症しやすいです。

シャリバテになると動けなくなり、一人で下山できなくなるほど危険です。体力に自信のある人でも必ず行動食は持っていきましょう。

シャリバテにならないためにこまめな栄養補給をしましょう。できれば30分ごとに何か口に放り込んでおくのがいいですね。水分補給と同時に行動食を少し食べるのも食べ忘れ防止にいいかもしれません。行動食は火を通さずに簡単に食べられるものがいいですね。

行動食を選ぶポイントは?

登山における行動食の重要性。選ぶポイントやアレンジして楽しむ方法

カロリーの補給が最優先

登山は多くのエネルギーを消費するので、「カロリーを補給する」ことを念頭に置いて行動食を選ぶことができます。つまり、糖質、脂質、たんぱく質を含む高カロリーな食べ物です。言い換えればノンカロリーのダイエット向きの食べ物は登山には不向きです。

チョコレートやキャンディーなどの糖質は熱量を有し、脳や神経を動かすエネルギー源になります。アーモンドやカシューナッツなどの脂質は糖質よりも高い熱量を有しています。

行動食に最適なおやつ

ミックスナッツ

軽くて持ち運びやすく高エネルギーのミックスナッツは総合的に行動食にピッタリです!ピーナッツやアーモンド、ドライフルーツなど混ぜて自分好みにアレンジしましょう。

柿ピー

柿の種の糖質とピーナッツの脂質の素晴らしいマッチング。

ドーナッツ

脂質が多く高カロリーで、価格もお手頃なのが人気です。

水分の多いものも用意すると食べやすい

行動食はできるだけ水分を含むものを用意しましょう。疲れている時は水分が多いものの方が食べやすいものです。登山中に水を飲み切ってしまうと死活問題になるので無駄に水分補給をしなくてすむような水分を含む食品を選ぶのがよいですよ。

パサパサした食品、塩分の多いもの、甘すぎるものはかえって喉が渇いてしまいますのでご注意を。ゼリー状飲料やしっとりとしたソーセージ、ようかんなどが食べやすいです。

登山上級者に人気なのが以外にも「生の野菜に塩」です。つぶれないように気を付けながら持って行かなければいけませんが、暑い時に食べるきゅうりやトマトに塩を付けて食べるだけで激ウマです。お菓子に飽きた人におすすめです。

バナナは高カロリーでしかもお手軽に持って行けますが、オレンジなどの酸味も疲れた身体に染みわたる美味しさです。果物の缶詰は重量がありますが、汁まで飲み干せるのでバテた体には格別です。

夏の暑いときは生ものは傷みやすいので季節に合わせたものを選ぶのもコツです。

行動食をアレンジして登山をもっと楽しく

登山における行動食の重要性。選ぶポイントやアレンジして楽しむ方法

小分けにして多くの種類を摂り入れる

行動食の目的はエネルギー補給なのですが、美味しくて食べるのが楽しみになるものだと嬉しいですね。小分けにして色々な種類の行動食を持っていけば食べ比べができますし、飽きずに食べきることができます。

小分けにした行動食はジップロックなど中身が濡れない保存袋にまとめて入れるのがおすすめです。少し大きくなりますが、中身が押しつぶされたくない場合はタッパーに入れるのも良いですよ。

小さな飴やラムネならポッケに入れることで、ザックを下ろさなくても食べ歩くこともできます。

密かにブームになっているのが「ポテトチップス」です。袋がかさばったり、気圧の影響で袋がパンパンになったりしますが、軽くて、高カロリーなので日帰り登山なら最強の行動食になるかもしれません。

普段太るのを懸念してお菓子を食べることを我慢している人も、ここぞとばかりにあれもこれもとたくさん持って行かないよう、必要な量を見極め選んで持って行きましょう。

お湯を持参するとメニューの幅が広がる

お湯があればメニューの幅が広がります。ガスとコッヘルがあればお湯を沸かすことができますし、保温容器にお湯を入れて持って行けば火を使わずに温かいものを取り入れることができます。

フリーズドライのおしるこ、卵スープ、春雨スープ、みそ汁などは美味で腹持ちがいいので温かい行動食として打ってつけです。最近ではカレーやシチュー、牛丼、中華丼、親子丼まで登場しています。

粉末のインスタントコーヒー、ココア、コーンスープも体を温め、気もちもホッとさせてくれる飲み物です。

カップラーメンは高カロリーで塩分もあり、しかも山で食べると格別に美味しいです。山で残り汁を捨てることはNGなので、最後はおにぎりを投入し雑炊にすることもできてしまいます。

まとめ

日帰り登山なら気にせずに食べたいものを選んで持って行くと、食べる楽しみにも繋がります。1泊する登山なら計画的な行動食が必要です。荷物を少しでも減らしたいので、小さくて軽いものを選びコンパクトに袋に入れておきましょう。

遭難したときの非常食代わりにもなるのと、山仲間の誰かがエネルギー切れしたときに分けることもできるので、余裕があれば少し多目に持ってくのも良いですね。

疲れたときに一口食べるだけでも体が回復する行動食は、登山をする上で必要不可欠なものなのです。

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【登山マンガ】登山前夜のパッキング!振り返るとヤツがいる…

登山マンガ第9回のテーマは「登山前のパッキング」です。パッキングは旅行するときにも使われる用語で「荷造り」のことです。登山におけるパッキングは肩や足腰への負荷を軽減させたり、歩く際の時間を効率化させるたりできる、重要な行為です。しかし、時折こんなことも…。

【登山マンガ】登山前夜のパッキング!振り返るとヤツがいる…

パッキングのコツ

荷物は種類ごとに小分けにする

パッキングは隙間なく荷物を詰め込むのが基本です。またすぐに取り出しやすいように種類ごとに小分けして、スタッフサックやポーチに入れるのがよいです。

シュラフ、テント、着替え、レインウェア、バーナーやコッフェル、水、充電器や化粧水などの小物など使う頻度や用途に合わせてグループ化して袋にまとめておくと、取り出すときにも便利です。スタッフサックは色分けして、何が入っているのかわかりやすくするのも工夫の一つです。

ザックに入れる順番を決める

ただ単にザックに詰め込むだけでは、重さのバランスが悪かったり、取り出すときに苦労したりします。基本的には、その日の目的地まで使わないものは下に入れ、背中側に固いもの、外側に柔らかいもの、上にはよく使うものを入れるとバランスよくなります。

具体的には下記のようなイメージです。

・下:使わないもの(シュラフ、ダウン、マットなど)
・背中側:固いもの(山ごはんセット(バーナー、コッフェル)、水など)
・外側:柔らかいもの(テント、防寒着など)
・上:よく使うもの(中間着、ファーストエイドキット、行動食など)

パッキングをする際に防水対策を忘れないようにしておきましょう。ザックカバーだけでは完全な防水が難しいこともあるので、濡れてはいけないものは防水用のスタッフサックやジップロックに入れるなど万全に準備しましょう。

山に行くワクワクを感じながら行うパッキング。バタバタして入れ忘れのないよう、時間に余裕をもって準備しましょう。

あなたの山の物語を募集中

山ハレ鳥トケでは山歩きで感動したことや不思議なこと、面白かったこと、ほのぼのしたことなどの体験を登山マンガや記事に掲載していきます。

私の体験を是非マンガや記事にして欲しい!という方は下記のフォームより投稿ください。必ず採用するとは限りませんがあたなの山歩き物語を少しだけ共有いただけると嬉しです。

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登山の天気チェックはどうしてる?山の天気の特徴と天気予報サービス

登山の天気チェックはどうしてる?山の天気の特徴と天気予報サービス

安全で楽しい登山をするためには「天気」は重要なポイントです。一般の天気予報は街の予報であって山の天気とは異なります。山の天気は変わりやすく、悪天候になれば穏やかな山でも牙をむくことさえあります。

今回は、天気図が読めなくても山の天気をチェックする方法やWebやスマホで確認できるサービスをご紹介します。



登山する前に必ず天気のチェックをしよう!

登山の天気チェックはどうしてる?山の天気の特徴と天気予報サービス

山の天気は平地と違うことを知っておこう

天気予報では晴れとの予報だったのに、いざ山に登ると雨だったということはよくあることです。新聞やラジオ、お天気お姉さんは平地の天気予報をしているので、山の天気とは異なります。山の天気は平地よりも不安定になりやすく、天気の回復も遅いということを覚えておきましょう。

登山の天気による影響で過去に大きな遭難事故がありました。2009年7月16日北海道トムラウシ山でガイドを含む8名が低体温症で命を落とすという夏山史上最悪の遭難事故です。

「トムラウシ山遭難事故調査報告書」によると

低気圧の通過、その後の寒気流入による悪天が十分予測されていたが、登山計画に反映されなかった。 平野部向けの天気予報を高標高の山岳にも当てはめて出発の判断をした。高山では平野部より天気回復が遅れることを考慮していなかった。

プロのガイドが同行しているとはいえ、天気を読み間違えると大事故に繋がるという私たちにはショッキッングな出来事でした。二度とこのようなことが起こらないよう、一人ひとりが山のリスクについて学んでいかなければなりません。

天気が悪くなると遭難するケースも

平地からの風が山の斜面に沿って上り、空で冷えると雲を作り、雨を降らせることがあります。風の向きで天気がガラッと変わってしまうのはそのせいです。

日差しで山の斜面があたためられ、上昇気流が発生し、雷も生じやすくなります。発生しやすいのは気温の上がる午後です。

登山計画や登山願望よりも、そのときの天気状況を優先して引き返す判断も必要になってきます。

登山は天気だけではなく温度や風速もチェック

登山の天気チェックはどうしてる?山の天気の特徴と天気予報サービス

温度は標高が高くなるほど低くなる

山の気温の目安としては「標高が100m上がれば気温は0.6℃下がります。」つまり、1,000mで6℃下がります。

例えば、標高約30mの京都市が25℃の場合、標高約1,000mの金剛山は約19℃、標高2,000m級の山なら13℃、3000m級の山なら7℃ということになります。これに風や雨などの気象条件が加わるとさらに体感温度は下がる可能性があります。

夏山登山だから薄着でも大丈夫、登っていたら暑くなるし、日帰りだし…と安易に考えてしまうのは危険です。夏でも山は寒いのです。高山は真冬並みに寒いです。山によっては雪が残ってるものです。

特に富士山やアルプス系の山に行くなら夏でも防寒具は必須アイテムになります。せっかく楽しみにしていた登山なのに、寒さに耐えられなくて引き返すなんてことがないよう気をつけましょう。

強い風は体感温度を下げるので要注意

標高以外に温度に影響するのが風です。気温が0℃以上ある場所で風速が1mあたり体感温度は1℃下がり、気温がマイナスの場合風速1mあたり2℃ほど下がると言われています。

山では強い風が吹くことがよくあります。風速の目安としては、風速8~11mで葉のある低い木が揺れはじめる。風速11~14mで大枝が動く、傘はさしにくい。風速14~17mで風に向かって歩きにくい、樹木全体が揺れるといった感じです。

例えば標高0mの平地が30℃の場合、標高3,000mの場所で風速5mの風が吹くと、体感温度は7℃になります。これはあくまで単純計算です。冷え込む夕方や朝方はもっと寒く感じるかもしれませんし、防寒具をきちんと身に着けていればそんなに寒く感じないかもしれません。

汗でウエアが濡れて風に当たると、体温を奪い冷えて体感温度が下がります。汗冷えは下着で上手に対処しましょう。

天気情報を入手できるサービスをご紹介

登山の天気チェックはどうしてる?山の天気の特徴と天気予報サービス

山の天気予報サービスをいくつかご紹介いたします。平地の予報と同じくあくまでも予報ですので必ず当たるとは限りませんが、登山前のチェックは欠かさずしましょう。

事前に山の天気を確認できるサイト

「てんきとくらす」 日本気象株式会社

「てんくら」の愛称で多くの登山家から親しまれている「てんきとくらす」は全国2,000以上の山が登録(2019年7月現在)されていて、高度ごとの風の強さと気温が表示されています。特に風の予報はかなりの確率で当たることで定評があります。

初心者にとってうれしいのが「登山指数」が分かりやすく記されている点です。天気予報は変わりやすいですが、日々更新されているも安心ですね。

「山の天気予報」 株式会社ヤマテン

「ヤマテン」は「山の気象遭難をゼロにする」という信念のもとに立ち上げられた山の天気予報サイトです。一般登山者向けに毎日発信される全国18山域・59の山の天気を安心・安全・快適な登山のために受診できるサービスがあります。

山岳気象エキスパートによる解説や山岳気象予報士による気象リスクのコメントなどが人気で実績も折り紙付きです。

移動中の天気チェックはアプリがおすすめ

「tenki.jp 登山天気」 日本気象協会

「tenki.jp 登山天気」は日本気象協会公式の登山天気アプリです。山の状態が一目で分かります。日本気象協会独自ロジックで算出された山指数や服装指数をチェックすれば登山準備に役立てることができます。

山の麓・登山口・山頂の天気が詳細に表記されるのでルートの選定に便利です。雨雲の動きや雷危険度が分かるから雨や雷を回避することができます。

「ウェザーニュースタッチ」 ウェザーニューズ

山の天気専用ではありませんが、情報量業界ナンバーワンの総合天気アプリです。

雨雲レーダーをリアルタイムでチェックでき、10分ごとの天気予報を知ることができます。レーダーの見方が分からなくても、「解説」ボタンをタップすれば、気象のプロによる詳しい解説コメントを見ることができます。

ユーザーが感じた天気を共有できるので、リアルな天気や気温のコメントはとても役に立ちます。

まとめ

山の天気による遭難事故はできる限りなくしたいですね。どういう判断軸を自分に持つかが大事なところで、例えば平地が雨や曇りなら山も高確率で雨、もしくは曇りなので行かない、山の天気サービスで降水確率40〜50%なら行かない…など、少し大袈裟かもしれませんが不安な気持ちで登山をするよりも思いきって計画を変更することも大事なのではないでしょうか。

晴れてる場合でも夏山はとくに急激に雨雲が発達するので、15時までには目的の山小屋に到着するか日帰りなら下山できる登山計画をたてておきましょう。

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登山に適した飲み物とは。水分補給の重要性と飲み物の種類

登山に適した飲み物とは。水分補給の重要性と飲み物の種類

登山では水分補給がとても大切だとわかっていても、どんな飲み物をどれくらい持っていけばいいのかは悩むものです。水は重いので荷物を増やしたくありませんが、水がないために脱水症状を起こしてしまうのも怖いですよね。

今回は飲み物の役割と必要な量、おすすめの飲み物や飲み方をご紹介します!



登山に飲み物は欠かせない

登山に適した飲み物とは。水分補給の重要性と飲み物の種類

飲み物は水分やミネラルの補給に重要

人の体の60~70%は水分で、そのうち2%を失えば喉が渇き、3%に達すると体調に支障が生じると言われています。脱水症状が激しいと動けなくなり、一人では下山できないような状況になると命の危機にも直結します。

登山では想像以上に水分が失われます。汗だけでなく、呼気からも水分は出ていくからです。脱水症状は高山病や血液の粘性増、運動能力の低下やむくみ、頭痛、吐き気、痙攣などにもつながります。

汗の成分は水だけでなくナトリウム(塩分)やカリウムが含まれているので、水分と共にこれらの成分も補わなければいけません。水はもちろん大切なのですが、水ばかり摂取していると尿の量が増えて脱水症状になったり、水中毒(低ナトリウム血症)になったりすることもあります。また、カリウム不足は筋肉の不調を招きます。

行動する時間により必要な水の量は変わる

ではどれくらいの水が必要なのでしょうか。汗かきの人、体型、気温、体調、登山時間などさまざまな要素を考えなくてはいけませんが、目安のようなものがあったらいいなと思いませんか。あくまでも目安ですが参考にしてください。

*自分の体重×行動時間×5ml=必要な水分量

例えば、体重80kgの人が往復6時間の登山に出掛けるとします。

80kg×6H×5ml=2,400ml つまり2.4Lの水分が必要ということです。

汗かきの人や暑い時の登山であれば1~3割増しの水があると安心ですね。

水分補給のポイントとしては「喉が渇く前にこまめに少しずつ飲む!」です。喉が渇くまで我慢して水を一気飲みしたとしても消化器官でうまく吸収されず無駄になってしまうことがあるからです。まだ喉が渇いていないと感じても30分に1回100~200mlを目安に補給したいものですね。

登山前、登山後の水分補給もお忘れなく!

登山に最適な飲み物は水とスポーツドリンク

登山に適した飲み物とは。水分補給の重要性と飲み物の種類

水は水分補給だけではなく色々な用途に使える

登山にはぜひ「水」を持っていってください。水分補給をすべてスポーツ飲料にしてしまうと、逆に喉が渇いたり、水が飲みたくなったりすることがあるからです。

水があれば水分補給だけでなく、さまざまな用途にも使えます。例えば、登山の楽しみの一つに山ごはんがあります。クッカーと水があればお湯を沸かしてお料理ができます。山で食べるカップラーメンやスープは格別です。ご飯を炊くこともできますね。コーヒーやココアなど温かい飲み物にも使えます。

怪我をしてしまった時の洗浄にも水は役立ちます。「擦り傷、切り傷は水で洗い流す」ことが基本です。このような場合、スポーツ飲料しか持っていないと困りますよね。

スポーツドリンクや経口補水液などもおすすめ

登山に持っていく飲み物は基本的には水で十分です。一緒に塩の効いたおにぎりや梅干しなどで失った塩分も補うことができます。

スポーツ飲料がおすすめなのはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類やビタミン類が含まれており、発汗により失われた成分を補い、すばやく吸収することができるからです。

おにぎりにお茶(日本茶)、食後のコーヒーは定番ですが、利尿作用があるためたくさん飲むことはおすすめできません。しかしカフェインには体を活性化させ、集中力を高める働きがあるので適量であればメリットもあります。

ちなみに麦茶にはカフェインが含まれていないのでお茶好きには安心です。ジュースなどの甘い飲み物は飲み口がいいですが、飲んだ後、喉が渇くのでおすすめできません。

飲み物の調達場所と寒い季節のひと工夫

登山に適した飲み物とは。水分補給の重要性と飲み物の種類

コース上にお店があるなら現地調達も選択肢

水分が必要とはいえ重い荷物を背負って登るのはつらいものです。途中の沢やロッジで水が販売されているなら、そこで購入するのも手です。麓で買うよりも値段は高めですが、体力の消耗を抑えることができ楽に楽しく登れます。

登る予定のコースを調べるときには水を調達できる店があるかもチェックしておきたいものですね。

沢の水は見た目も清く、飲めば健康になりそうな気すらしますが実は危険です。有名な「名水」とされている水は定期的に水質管理されているので安全ですが、生水には菌や不純物が含まれている可能性があります。

山小屋やキャンプ場からの汚水、上流からの動物の死骸や糞などにより汚染されているからです。それらの菌によって体調不良をもたらす可能性もありますので気をつけましょう。

冬は温かい飲み物でほっと一息

冬は汗をかかないイメージですが、水分補給はもちろん必要です。冷たい飲み物ばかりでは体を冷やし、体力も落ちてしまうので、水以外に温かい飲み物を準備するのがおすすめです。

小休憩のときに温かくて美味しい飲み物があるとほっとするものです。例えば、血行を促進し、濃厚な甘みのあるココア、スパイスの入ったインド式ミルクティーのチャイ、体を温める生姜湯などは人気がありますね。お湯を注ぐだけでできるフリーズタイプのおしるこや甘酒などは体も温まり、エネルギーにもなるのでよいですよ。

温めるためのバーナーやクッカーがない方は、山専用の高性能のボトルがおすすめです。二重栓になっているので標高の高い山でも開けにくくなることがありません。そのうえ、6時間経っても77℃を保つ保温力。大き目のボトルであれば飲み物だけでなく、カップ麺にも使える優れものです。

まとめ

登山に一番最適な飲みものは「水」ですね。山に登る前にコンビニでペットボトルの水を買うのもいいですが、ゴミになったり、その都度購入しなければいけないデメリットもあります。

持ち運びに便利な登山用の水筒にあらかじめ水を入れて持って行くのがおすすめです。水筒はプラスチックでできた軽いものや丈夫なビニールででき、折りたたみ可能なものまでありますので、用途に合わせて好きなデザインの水筒を選んでみてください。

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登山後の温泉は至福のひととき。疲れを癒す温泉効果と下山後に行きたい温泉

登山後の温泉は至福のひととき。疲れを癒す温泉効果と下山後に行きたい温泉

登山は頂上まで登って綺麗な景色をみて終わり…ではありません。山行後の楽しみといえば温泉ですね。無事に下山できた安堵感に加え、疲れきってから入る温泉は至福のひとときと言えます。

温泉に入ると疲れが癒える気がしますが、本当のところはどうなのでしょう。今回は登山後の温泉が心身にもたらす効果と一度は訪れたい関東の温泉をご紹介します。



登山後の温泉ってどんな効果があるの?

登山後の温泉は至福のひととき。疲れを癒す温泉効果と下山後に行きたい温泉

心と体を解きほぐす「浮力・水圧・温度」

温泉に入るために登山をする人がいるほど、下山後の温泉は楽しみですね。では、温泉に入ることでどのような影響があるのでしょうか。その答えに「浮力・水圧・温度」があります。

まず、お湯に入ると浮力が発生します。普段の生活では体重分の重力が掛かっていますが、温泉に入ることで身体への負担は9分の1ほどに減少すると言われています。筋肉への負荷も少なくなるのでリラックスできるのです。

体には水圧がかかり、お湯によって押された身体は若干小さくなります。ウエストは3センチから6センチほど細くなるとか…。それほどの力ですから胸腔と腹腔の間にある横隔膜を押し上げられることで、肺の容量が縮小し、空気量が制限されてしまいます。

これを補おうとして呼吸回数が増え、心臓の働きが活性化されていきます。その結果、血液やリンパの流れがよくなるのです。

また、38℃前後のお湯に入ると、副交感神経が作用することで癒し効果が、42℃前後では交感神経が働くので緊張感が得られ、活動的になれるのです。

「転地効果」によるストレスからの解放

温泉の癒し効果は成分だけではありません。心理的な面では、日常から離れることで気分転換ができる「転地効果」も期待できます。自然に恵まれた環境に身を置くことで自律神経が刺激されストレス解消や精神疲労が回復されると言われています。

「転地効果」は必ずしも温泉である必要はありません。旅行することも日常とは違う環境になるので、同じ効果が期待できると言えます。

そういう意味では登山することも非日常と言えるので「転地効果」になりますね。山でも温泉でも2重に得られると思うと登山と温泉がやみつきになるのもわかります。

登山後の温泉へ入るための持ち物

登山後の温泉は至福のひととき。疲れを癒す温泉効果と下山後に行きたい温泉

着替えはスタッフバックにコンパクトに収納

登山で汗をかいて濡れた服を温泉後に着るのはちょっと気が引けますね。せっかく入浴するなら、清潔で心地のよい服に着替えたいものです。

温泉後の着替えは車で来ている場合なら、そのまま車の中に置いていけるのですが、交通機関の場合は持ち歩かなくてはいけません。もし同じ駅に戻ってくることがわかっていれば、コインロッカーに預けておく選択もできます。

着替えを入れる袋はスタッフバッグがおすすめです。コンパクトにしまうことができるばかりではなく、登山中の雨で濡れないように防水仕様になっているものもあります。

スタッフバッグはカラフルなものが多いので、着替えだけではなく他の荷物を色分けすることも可能です。例えば温泉セットはブルー、万が一の着替えはオレンジなどと、どのスタッフバックに何が入っているのか自分なりに決めることができるのでとても便利です。

女性用のお風呂セットは小分けにして軽量化

シャンプーやボディーソープなどのアメニティもスタッフバッグに入れるのがおすすめです。濡れるのが気になるというより、液漏れ防止になります。

キャップをきつく締めたはずなのに、登山用ザックの中で揺られるうちにいつの間にか緩み気がついたらザック内部がドロドロに…なんてことは避けたいですね。

化粧品も同じです。パフやあぶら取り紙など、濡れると厄介なものはジップロックなどの小さな袋に入れて仕分けするとよいでしょう。ポーチ型のスタッフバッグは完全防水ジッパーになっているものもあります。開口部が大きく、すぐに何がどこにあるか把握できるものが便利です。

一つひとつは小さくて軽いのに、集まると意外と重さがあるお風呂セットは小分けにして分散収納すれば重さ軽減ができますよ。

関東にある下山後に立ち寄りたい温泉

登山後の温泉は至福のひととき。疲れを癒す温泉効果と下山後に行きたい温泉

富士山が見える絶景「ほったらかし温泉」

富士山が見える絶景「ほったらかし温泉」

山梨県は棚山の登山口にある「ほったらかし温泉」は宿泊施設などもなく、いたってシンプルな温泉。ただ、眼前にそびえる富士山、そして甲府盆地を見下ろすことができる、お宝絶景スポットなのです。

朝は日の出1時間前から入浴できるので、ご来光を拝むことができ、夜は満天の星空と市街地のイルミネーションを眺めることができます。気持ちの良い温泉に浸かりながら絶景鑑賞をする…なんとも言えない至福のひとときですね。

紅葉で有名な景勝地、西沢渓谷の帰りに立ち寄ってみるのも良いですね。

那須岳の帰りはここで決まり!「鹿の湯」

那須岳の帰りはここで決まり!「鹿の湯」

日本百名山にも選ばれている那須岳に行ったならぜひ、「鹿の湯」にも足を運んでみたいものです。7世紀初めに手負いの鹿によって発見されたという逸話の残る温泉です。

鹿が傷を癒すために浸かったというだけあって、その効能は本物です。古くから湯治場として栄え、戦で疲れた武将が好んで通いました。江戸時代になって平和が続くようになると農作業後の農民が足繁く訪れたとか。

山行で疲弊した身体に効きそうです。明治時代の建物が趣ある雰囲気を醸し出しています。

御岳山〜日の出山コースなら「つるつる温泉」

御岳山〜日の出山コースなら「つるつる温泉」

都心から近い、奥多摩の御岳山は人気のパワースポットです。初級者ハイカーに人気の縦走コースが御岳山から日の出山まで登って、「つるつる温泉」へと下って行くものです。

日帰り温泉で、正式には「生涯青春の湯 つるつる温泉」です。インパクトのある名称ですが、この温泉に入れば「いつまでも青春。だってつるつるだもん!」というわけでしょうか。

「つるつる温泉」は「美肌の湯」として知られるアルカリ性単純温泉です。ぬめりのあるお湯がつるつる、すべすべの肌へと導きます。

まとめ

登山によって疲れた体を温泉の成分や「浮力・水圧・温度」による効果で回復され、「転地効果」によって心もリフレッシュする。色々な作用が働くことで温泉=癒しというイメージができるのではないでしょうか。

登山と温泉はとても相性がいいですね。山の付近には必ずと言っていいほど温泉施設がありますので、自分だけのお気に入り温泉をみつけてみてはいかがでしょうか。

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鈴木渉 (監修, 写真), 静岡新聞社出版部 (編集)


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登山でバテないためのトレーニング。今すぐできるメニューと注意点

登山でバテないためのトレーニング。今すぐできるメニューと注意点

下山するまで、登山を安全に楽しもうと思ったら、やっぱりトレーニングをするのが一番です。でもトレーニングと言っても、何をしたらいいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

登山中にバテない頼れる体になることを目指して、どんなトレーニングをどのくらいしたらよいのか、注意点もふまえてご紹介いたします。



トレーニングはどんな効果があるの?

登山でバテないためのトレーニング。今すぐできるメニューと注意点

筋肉量が上がると疲れづらくなる

トレーニングと聞いてすぐに思い浮かぶのが、筋肉がつくということではないでしょうか。適切なトレーニングをすると体全体の筋肉量が上がります。

実は、筋肉量と疲れには大きな関係があります。筋肉量が少ないと言われている現代人は、全体として数時間ウインドウショッピングをしただけで疲れてしまう傾向にあります。しかし筋肉量を上げることで、登山のようなハードな運動をしてもそれほど疲れないようになるのです。

「でも、ハードなトレーニングなんてできないよ」という心配は無用です。というのも、ハードなトレーニングをして筋肉隆々になると、当然それを支える燃料が必要になります。そこで必要なのは、バテない程度に体を支えてくれる筋肉量と筋力というわけです。

関節痛みの予防に繋がる

筋力がないと、膝や関節が痛むという話を聞いたことはないでしょうか。多くは年齢と共に出てくる症状ですが、運動量が少なく、体を使うことの少ない現代人の中には、登山した時に関節の痛みを感じてしまう人も少なくありません。

特に登山は、、街のように道が整備されていないため、デコボコした道を歩き、急な登りや下りを繰り返しながら進まなければいけません。泊まりなら荷物も重たくなり、膝に負担もかかってきます。

普段の運動量から比べると関節を多く使うため、痛みが出る可能性が高くなるものです。登山のためにトレーニングすることで、靱帯や筋肉のサポート力を上げ、体重の負荷のかかりやすい膝関節を痛みにくくしたり、予防したりできるようになります。

今すぐできる登山に適したトレーニング

登山でバテないためのトレーニング。今すぐできるメニューと注意点

下半身はスクワットで筋力アップ

まずは登山の基本となる、下半身のトレーニングをしましょう。と言ってもハードに行う必要はありません。1度にたくさんよりも、毎日少しずつでも継続することの方が大事です。

下半身のトレーニングで効果的なもののひとつにスクワットがあげられます。スクワットは下半身全体を使うため、足腰を鍛えるのにうってつけなのです。

最初は週2回を目安に10回を1セット、慣れきたら2日に1回に増やしてみてはいかがでしょうか。

その他にも寝ころんで行う足上げ運動をしてみましょう。仰向けに寝ころび、片方の膝を立てたら、反対側の足は真っ直ぐに伸ばし、かかとを床から10cm程度持ち上げます。その状態で5秒間静止し、ゆっくり元に戻します。これを両足とも、20回行います。筋肉がついてきたら、足首に0.5Kg~1.0Kgのおもりをつけて行うとより効果的ですよ。

体力をつけるにはジョギングが最適

次に、体力をつけるためにジョギングをしてみましょう。とはいえ、普段運動量の少ない人が急に走ると、かえって体を痛めることにもなりかねないので、習慣や自分の体力に合わせて徐々に走る距離を増やしていくようにしましょう。

ジョギング前には必ずストレッチをしてください。これにより筋肉を柔軟にし、ケガを防ぐことができます。最初のうちはランニングフォームでウォーキングを行い、体を慣らさせます。

一定期間、定期的にジョギングをすることで体力や持久力もあがってきますよ。

トレーニングをするときの注意点

登山でバテないためのトレーニング。今すぐできるメニューと注意点

疲れが毎日残るほどやらない

トレーニングで陥りやすい失敗のひとつに、オーバートレーニングがあります。過度なトレーニングには注意ください。どのくらいが適度なのかは、人によって変わるため目安が難しいのですが、初心者の場合、週に2~3回が望ましいとされています。翌日に疲れが残るほどしないようにしましょう。

また、トレーニングによって少し破壊された部分が修復・回復することによって、筋肉は以前よりも太く強くなります。一般的には筋肉が回復する期間は2~3日とされています。その観点から2~3日あけて筋肉が修復した時点でまたトレーニングすると、より効果的になります。

自分の体と相談をしながらやりましょう

早く筋力や体力をつけようとトレーニングをがむしゃらにやのではなく、自分の体と相談しながらトレーニング計画を立てましょう。

以前から運動をしていたのか、全くしていなかったのか、普段の運動量はどのくらいか、どのくらいの効果が出ることを目指しているのか、など、人それぞれに目的や見合った量が違います。

どのくらいの登山に挑戦したいのか、誰と行くのか、装備はどのくらいにするのかといった、登山時の要素から考えて、トレーニングの量や種類を選ぶのもひとつの手です。

まずは自分が安全で楽しい登山をすることを目指し、できれば困っている誰かを見かけたら、助けられるくらいの強い体を作りあげられると良いですね。

まとめ

登山初めたてのころは膝痛で悩む人は多いです。とくに下山時は痛みで足を曲げることもままならいこともあります。そのことで登山が苦手になってしまった…という人もいらっしゃいます。

痛めないようにするためには、トレーニングして筋肉をつける必要があります。でも、筋肉は継続することでついてくるのものなのですぐに改善されるわけではありません。

トレッキング用のストックやスポーツタイツなどの歩くことをサポートしてくれる装備に頼ることも検討してみましょう。忙しい毎日の中でジョギングをするのはハードルが高いかもしれないので、まずは家で簡単にできるスクワットから初めてみてはいかがでしょうか。

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【登山マンガ】テント泊登山の光と闇。重い荷物にご用心!

登山マンガ第8回のテーマは「テント泊登山」です。登山に慣れてくるとやってみたくなるテント泊。最初は気分も舞い上がり、あれもこれもと持っていきたくなるものです。衣食住を背負う山登りはなかなかしんどいものです…。

【登山マンガ】テント泊登山の光と闇。重たい荷物にご用心!

初めてのテント泊登山で知っておきたいこと

テント泊セットの費用と重たい荷物

テント泊登山の最初の難関はズバリ「お金」です。テント、シュラフ、マットは必要なのでまとめて揃えると8~10万ぐらいは初期費用としてかかります。もちろん安いものもありますが、身を守る意味でも質のよいものを揃えることをおすすめします。

次の難関は「荷物」です。宿泊する日数にもよりますが、1泊分としても、テント、シュラフ、マット、着替え、(必要なら)山ごはんセット、レインウェア、ストック、水などの必要なのを全てザックに詰め込んで山登りをしなくてはなりません。

テント場をどこにするかにより変わりますが、重い荷物を背負いながら長時間歩くと、肩が痛くなり足にもかなりの負荷がかかります。体力に自信のない方には修行のような山行になるかもしれません。

テント泊デビューは歩行距離が短いルートを選ぶ

最初はテント泊がどのようなものかもわからないので、慣らすためにも歩行距離が短いルートを選ぶのがおすすめです。

例えば登山口にテント場があるところや、登山口からテント場までの距離が短いところです。どちらもテント場に荷物を置いて行けるので、山頂まで重たい荷物を背負う必要がありません。

僕のテント泊デビューは八ヶ岳にある行者小屋のテント場を利用しました。歩行距離はそれほど長くなく、沢沿いを歩くので急な登りがないコースです。他にも美濃戸口〜赤岳鉱泉のコースもあり、八ヶ岳はテント泊デビューにも良い場所です。

4コママンガのように、荷物の重さにやられて「こんなに辛いなら2度とテント泊はやらない!」と闇に落ちてしまうこともあるかもしれませんが、テント泊ならではの楽しみ方があるので後悔よりも満足度の方が高くなると思っています。

重さに慣れてくると山の選択肢も増えるので、より登山を楽しむことができるようになります。複数人でテント泊登山をするなら荷物の分担できるので、最初は気の合う仲間でゆるくやってみるのもいいですね。

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