登山装備を準備しよう!基本的な装備や持ち物と初期費用を抑えるコツ

登山装備を準備しよう!基本的な装備や持ち物と初期費用を抑えるコツ

一昔前なら登山装備と聞くと高価で専門的なイメージでしたが、技術が発達した近年では機能的かつ軽量、安価な登山装備が増えてきています。それでも登山初心者の方にとっては何から揃えれば良いのかわかりにくいですね。

今回は登山装備をこれから揃える人向けに登山装備が必要な理由や、計画に合わせた装備の揃え方をご紹介いたします。



登山装備が必要な理由と最初に揃えておきたいもの

登山装備を準備しよう!基本的な装備や持ち物と初期費用を抑えるコツ

登山装備は身を守るためのもの

普段利用している靴や服と登山装備の違いは、風や雨(水)など外部からの刺激に強いことがあげられます。

例えば登山靴は、デコボコした山道でもスムーズに歩けるようにソールが固くなっています。雨や水たまりなどで水に濡れてもしみ込まないようにゴアテックス (GORE-TEX)という防水透湿性素材を使用した靴もあります。

このように靴一つとっても街で履くスニーカーとは違い、山用に適した機能を持ち合わせているのが登山装備です。

登山では突然雨が降ったり、強風が吹いたりと予期せぬことに遭遇する可能性もあります。山用に適した装備を準備していることが身を守ることにも繋がってくるのです。

登山初心者、これだけは揃えておきたい

登山装備といっても、いつも同じものを使うわけではありません。登る山や季節、計画などにより持ち物を変える必要があります。

夏山ならTシャツや短パンなど薄手の服装でも構いませんが、積雪のある冬山に行くならアイゼン、ピッケル、厚手の防寒着などが必要になります。行く山にもよりますが、冬であっても低山ならトレッキングシューズで平気ということもあるでしょう。

登山装備は最初から全部を揃えるとお金も高くつきますので、登山三種の神器と呼ばれる「登山靴」「ザック」「レインウェア」をまず揃えることをおすすめします。

詳しくはこちらの記事で紹介していますのでチェックしてみてください。

日帰りと宿泊でどう変わる?登山装備リスト

登山装備を準備しよう!基本的な装備や持ち物と初期費用を抑えるコツ

日帰り登山の持ち物の考え方

日帰りで楽しむ登山は手軽に感じるかもしれませんが、山道の状態が悪かったり、山の天気が変わったりする場合もありますのでしっかり準備する必要があります。

基本的な装備(登山靴、ザック、レインウェア、アウターレイヤー、ミドルレイヤー、ベースレイヤーなど)は抑えつつ、それ以外にもヘッドランプや行動食も必要になってきます。

ヘッドランプは日暮れまでに下山する予定だとしても、足を怪我してしまった場合、下山が遅くなることもあります。秋〜冬は日没時間も早いため、山の中は真っ暗になり道を踏み外してしまう…なんてことも考えられます。

行動食は多くのエネルギーを消耗する登山において重要な役割持ち、こまめに摂ることでエネルギー切れを予防します。食料だけではなく水分も必要なので水も必ず持参するようにしましょう。

また、万が一の遭難に備えて簡易型テントのツェルトも準備しておきたいところです。

むやみに荷物を増やすのは避けたいですが、不測の事態を想定した装備は持っているだけで安心できます。登山に慣れてくるとコースによって何を持っていけば良いのか段々わかってきますので、自分の登山スタイルに合わせて必要なものを持って行くようにしましょう。

山で泊まる場合の持ち物の考え方

山で泊まる計画になると着替えや食料が増えるため持ち物は多くなります。山小屋に泊まるか、テント泊するかによって変わりますが、着替えは1泊であっても、新しい服に着替えることで気分的にもリフレッシュ出来ますので持って行きたいところです。

テント泊の場合は、テント、シュラフ、マットとその分荷物が増えますので、最低でも50L以上の大きなザックが必要になります。山小屋泊の場合なら日帰り登山と同じくらいの30Lザックでギリギリ大丈夫といったところです。

その他、細かいところでは汗拭きシート、歯磨きガム、女性ならメイク落としや化粧水なども必要ですね。テント泊の場合、ずっと登山靴で過ごすのは疲れますからサンダルがあると便利です。

食料では食材の他にお湯を沸かすためのバーナーやコッフェル、調理道具も必要になってきます。コース上に山小屋があるなら必要ないかもしれませんので、臨機応変に持ち物を検討していきましょう。

こちらの記事に日帰り、泊まり用の持ち物リストを掲載しています。

登山装備の初期費用を節約するコツ

登山装備を準備しよう!基本的な装備や持ち物と初期費用を抑えるコツ

登山装備を日用品で代用する

ここまで登山装備の重要性を紹介しておきながら言うのもなんですが、登山装備や道具は正直高いです。基本装備だけでも5〜10万円、テントや調理器具まで入れると20万円ぐらいかかってしまいます。

機能的かつ軽量化されたものほど高くなるので、良いものを一度に全部揃えようとするのは財布にあまり優しくありません。費用を抑えるコツは、本当に必要なものから揃えるようにして、普段使いのもので代用できるものは代用することです。

例えばベースレイヤー(肌着)は、化繊で吸湿、速乾性に優れたものという条件を満たしていれば日常で着用しているもので代用可能です。

ミドルウエアやアウターも普段使いのものにすれば費用は格段に抑えられます。ザックも丈夫なリュックなら問題ないですし、低山であれば登山靴ではなくスニーカーで代用することもできます。その場合でもできれば、足首保護のため、ハイカットのスニーカーがよいでしょう。

しかし、代用するのはあくまでも軽登山までとして、本格的な登山をする場合は代用品では役不足になります。

山歩きの経験を重ねていく度に知識も深まってきますので、登山計画の規模によってどんなものが必要かわかってくるようになります。

本格的に始める前にレンタルでお試し

代用品になるものが無い場合はレンタルという選択もあります。やはり登山用として開発されたものは耐久性もありますし、何より使いやすいものです。

これから登山を続けるかわからない人にとってもレンタルでお試ししてみるのもよいですね。

登山セットやキャンプセットなどがすべて揃っているものからワンアイテムでも借りられので、必要なものがまだわからないという方にとっても購入するより断然お得です。

気に入ったアイテムがあれば同じものを求めることもできますのでお試しとして利用する人も増えてきています。あまり使わないテントはレンタルと相性がいいかもしれませんね。

登山用品のレンタルショップ「そらのした」はネット上で予約をすれば前日までに全国へ無料配送してくれます(一部地域を除く)。

使用後もクリーニングせずにそのまま返却ができる上、返送時も送料はかかりません。購入に迷っている方はレンタルしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ここでは書ききれませんでしたが、さらにあると便利なものは他にも色々とあります。

歩くサポートをしてくれる「トレッキングポール」や「スポーツタイツ」、道迷い防止の「地図・コンパス」、泥や積雪から足元を守ってくれる「ゲイター」なども登山で必要なものです。

特に「トレッキングポール」は膝を痛めやすい方におすすめですよ。

登山装備は最初は高い買い物かもしれませんが、1度揃えておけば数年はもちますのでその後お金はあまりかかりません。でも新しいものが欲しくなるのは否めません…笑。

▼登山用品を「エルブレス」でチェック!

登山装備は試着してからの購入がおすすめです。特に靴はサイズが合わないと擦り傷や踏ん張りがきかなくなるので店員さんと相談しながら選びましょう。その前にネットでお気に入りをチェックしておくのもよいですね。

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【登山マンガ】雨の日登山の魅力とは。濡れることに慣れていく

登山マンガ第15回のテーマは「雨の日登山」です。わざわざ雨の日を選んで山に行く人はあまりいないと思いますが、あえて雨の日に登山をしてみるお話です。

【登山マンガ】雨の日登山の魅力とは。濡れることに慣れていく

雨の日登山の注意点

今回の4コママンガのように雨の日登山の経験を積んでおくことで、突然の雨に降られたとき、その経験が役立ちます。練習とはいえ、経験が浅い人がひとりで行くのはおすすめできません。誰かと一緒に行きリスクを軽減しましょう。

雨の日登山の注意点は3つあります。

1)レインウェアやザックカバーは必須

持ち物はできるだけいつも使うものを揃えていきます。レインウェアはもちろんのこと、ザックカバーやスマホが濡れないように防水対策が必要になります。レインウェアの着心地や動きづらさなど確認してみてください。

僕はレインウェアをあまり着たくないため、ギリギリまで粘ってしまうのですが、そんな意地は早く捨ててすぐ着ることをおすすめします。

2)足元が滑る

街でも同じことですが、道が濡れてしまうと滑りやすくなります。特に岩や木道には注意しましょう。下山時は足も疲れているため踏ん張りがきかなくなり、着地箇所が悪いとひっくり返るぐらいツルっといってしまいます。

3)汗は思った以上にかいている

レインウェアを着て歩いていると自分が思っている以上に体は汗をかいています。特に蒸し暑い梅雨の時期や夏は脱水症状が起こる可能性があるので注意しましょう。

逆に秋や冬は汗で濡れてしまった肌着が冷えてしまい、低体温症になるケースもあります。体温が下がるとその分体力も低下するため、温度調節ができる服装を準備したり、ペース配分に気をつけたりと汗をコントロールできることが望ましいです。

マンガのように雨の日だからこその楽しみ方もありますので、まだ雨登山を経験されていない方は、あえて雨の日に登山するのも選択肢の一つです。

ただ、残念ながら景色は期待できませんので、それ以外のところに注目してみてはいかがでしょうか。

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登山は下山こそ注意が必要!膝を傷めない歩き方や下山後のケア

登山は下山こそ注意が必要!膝を傷めない歩き方や下山後のケア

山を下るのは一見楽そうですが、勢いにまかせて下山するとケガや筋肉痛の原因になることがあります。下山中に膝がガクガクした経験はありませんが?ガクガクするのは足に疲れが溜まりすぎている体からの信号です。そうならないために正しい歩き方を知ることが必要です。今回は下山で疲れない上手な歩き方をはじめ、脚をいたわるアイテムや下山後のケアをご紹介します。



登山は登り以上に下山を気をつけよう

登山は下山こそ注意が必要!膝を傷めない歩き方や下山後のケア

下山は登りよりも足への負担が大きい

登山でよく使われる足の筋肉はどちらも大腿四頭筋(だいたいしとうきん)ですが、登りと下りでは微妙に筋肉の使われ方が違います。

登りは体を引き上げるため、脚の筋肉が縮みながら力を発揮します。これは日常生活の歩行や自転車に乗るなど意識せずによく使っている筋肉です。

一方、下りは着地時の衝撃を和らげるために、足の筋肉が伸張しながら力を発揮し、ブレーキをかける働きをします。この働きは日常生活ではほとんど使われないために、下りの方が地面から受ける衝撃は大きく、膝へダメージがかかるということです。

下山時のエネルギーやカロリーの消費量は登りと比べると半分程度ですが、膝にかかる衝撃は登りの2倍以上という報告もあります。加えて下山時は疲労も溜まっているので転倒・落下事故も発生しやすくなるのです。

勢いに任せて下山するとケガや筋肉痛に繋がる

下山するときに疲れやすい人の特徴は、大股で歩く、勢いよくスピーディーに下る、石がゴロゴロした不安定な場所に足を着地させている、上半身が揺れて安定していないなどです。後で膝がガクガクする人は心当たりがあるかもしれませんね。

ガンガン大手を振り、ドスンドスンと大地を踏みしめながら歩いていると元気に見えますが、漫画の世界だけで十分です。そのような歩き方は疲労が蓄積しやすいです。

斜面はスピードが出やすいですが、筋肉痛になりやすいです。また転んだり、滑ったりする危険も増します。

石がゴロゴロ散乱している斜面は、石や岩が安定しておらず、踏むと石がズレて足を踏み外して転んだり、捻挫したりすることがあります。また踏み外した石が下に落ちて他の人をケガさせることもあります。

足に負担がかからない下山時の歩き方

登山は下山こそ注意が必要!膝を傷めない歩き方や下山後のケア

膝を曲げて歩幅を縮め体のバランスを保つ

斜面を見ると怖くて腰が引ける方もいるかもしれませんが、逆にスリップしやすくなるので危険です。怖がらずに、頭から脚まで一直線になることを意識しながら重心を移動させながら下ります。

そのとき、膝のばねを利用して足裏で地面をしっかりとらえ、歩幅を小さめにすることを心がけましょう。

前の脚が着地した時には重心を後ろ足に残し、完全に着地した時に重心を前の足に移動します。そうすれば膝へのダメージが少なく済みます。また、着地点の足場が不安定だった場合、足場を変え転倒を防ぐこともできます。

急な斜面では体も足も横向きにして下ると足の負担が軽減でき、楽に下山できます。

登山道には石や段差がたくさんありますが、少し視野を広げれば段差の少ない安全な足場を見つけることができます。

道具を活用して足の負担を軽減

登山で歩くことをサポートしてくれるトレッキングポールをご存知でしょうか?

中にはトレッキングポールを使うことに抵抗ある方や必要性を感じない方もいらっしゃるそうです。しかし、トレッキングポールは下山時の膝痛をかなり軽減できる優れものなのです。

体を支える力が脚だけではなく、腕の力も追加されるので膝へのダメージが緩和されます。

ストックが邪魔になるのではと思っていた人も実際に使うと重さも気にならない、一度使うと手離せない、もっと早く使い始めればよかったという方は少なくありません。

その他にもサポートタイツも膝への負担をかなり和らげることができます。

サポートタイツはテーピングの理論で段階着圧を備えているので、腰、膝、太もも、ふくらはぎを効果的にサポートします。

下半身が安定するので足運びもスムーズにでき、筋肉疲労も軽減できます。人によっては特に効果を感じない、足が縛りつけられて動きにくい…という意見もありますが、近年のサポートタイツは改良され機能性も高くなってきています。

下山後は足のケアをして疲れをリフレッシュ

登山は下山こそ注意が必要!膝を傷めない歩き方や下山後のケア

ストレッチで筋肉通予防

下山後にストレッチすることで翌日の筋肉痛を和らげることができます。

下山後は一息ついてすぐに座って休憩したいものですが、クールダウンのための軽いストレッチを行いましょう。

急に体を休ませてしまうと血液の循環が滞り、低血圧症を起こすことがあるからです。酷使した体の各部位の血流を促して、正常に戻すように心がけましょう。

ストレッチを行って血流をよくすれば損傷した筋肉の修復を助けることができます。また筋肉の疲労物質を取り除くことができます。

身体全体をリラックスさせて、呼吸を整えながらゆっくりと筋肉や筋を伸ばしましょう。足の付け根、お尻などはもちろん、ザックをずっと背負っていますから上半身も忘れずにストレッチしましょう。

下山後の温泉ではアイシングもおすすめ

下山後の温泉やビールを楽しみにしている方も少なくないでしょう。温泉に浸かってほっとしたいですよね。

体を温めるのもいいですが、足の疲れをとるには「アイシング」がおすすめです。「アイシング」とは筋肉を冷やすことで血管を収縮させ炎症を防ぐ効果や細胞の活動を低下させる働きがあります。

下山後は筋肉の運動により温度が上がっているためエネルギーの消費もその分かかり、疲労がたまっていきます。また筋肉痛は筋肉の損傷により起きるものなので、冷やすことによって疲労の蓄積を減らし、筋肉細胞の活動を抑えて痛みを和らげることができます。

「アイシング」のやり方は、膝や太ももなどの熱が取れるまで水風呂に10分ぐらい入るのがおすすめです。一回では冷え切らないため、温泉に入り、水風呂に入り…を何度か繰り返してみてください。(心臓の弱い方は負担がかかるので無理のない範囲で行ってください。)

水風呂がない場合はシャワーで冷やす、氷を買って冷やす、冷えたペットボトルで冷やすなどをして下山後はまず「冷やす」ことを心掛けてください。翌日の足の痛みも軽減されます。

まとめ

下山に膝をやられたという声はよく聞きます。特にまだ筋肉が山歩きに慣れていない初めて間もない頃です。山を始めた友人から「膝が痛すぎるのだど、どうしてるの?」と相談を受けることがあります。

そのときは①筋肉をつける(山歩きに慣れる)②トレッキングポールを使う③サポートタイツを使うと今回の記事のように伝えています。筋肉をつけるにはスクワットやランニングなど足腰を使うトレニーングを継続するのがいいでしょう。

痛いのを無理して続けると歩くのも困難になる場合がありますので、異常を感じたら病院で診てもらうことも検討しましょう。

▼下山をサポートしてれるアイテムたち

トレッキングポールはストックとも呼ばれます。歩くサポートをしてくれる強力な相棒です。種類も色々あるので登山用品店のスタッフさんと相談しながら検討するのがおすすめです。

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日本人初の8,000m14座完全登頂を果たした登山家の竹内洋岳さんや野球選手のイチローさんも愛用しているというCW-Xは登山を楽しんでいる方であれば重宝する1枚になるはずです。

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【登山マンガ】登山の天気チェック。山の天気は変わりやすい

登山マンガ第14回のテーマは「登山の天気」です。平日仕事をする人にとって、3連休や大型連休は泊まりの登山計画を立てたいものですよね。しかし、山の天気は変わりやすくこんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

【登山マンガ】登山の天気チェック。山の天気は変わりやすい

天気が悪くなったときの心構え

登山での天気はとても重要で計画を立てた1週間前は晴れだったのに、日が近づくにつれて悪くなってくる…なんてことは何回繰り返したことでしょうか。

平日仕事の場合、土日で山に行くことになります。そのため水曜日や木曜日になると細目に天気をチェックします。主に僕が使っているのは日本気象協会「tenki.jp 登山天気」(有料)とてんきとくらすというWEBサービスです。

近年サービスの精度も高くなってきていますが、天気チェックは一つのサービスではなく、複数合わせて確認した方がおすすめです。多角的に捉えて適切な判断をするようにしましょう。

さて、マンガのように楽しみにしていた登山が中止になることもよくあることです。ソロや仲の良い少数の友人なら決めやすいですが、複数人での計画の場合、中止にする判断はどうされますか?

少しの雨なら行きたいという人もいれば、晴れてる山域に行こうなど、意見が分かれるときもあります。この場合は、事前に中止の条件を決めておくとわかりやすいです。例えば、降水確率40%以上なら中止にして代案をなしにするなどと、目安を設けることで決断しやすくなります。

ただ、山あるあるの一つにもなりますが、天気予報は雨だったので中止にしたのに、実際は晴れていた…なんて逆パターンもあるものです。SNSで行こうとした山に登ってる人が晴れた写真をアップしているのを見ると「行けば良かった…」なんてことも。

そういうときは山は逃げないと言い聞かせて、次の機会を素直に待つようにしています。それでもモヤモヤしてしまいますね。笑

天気が登山に与える影響や天気予報サービスやアプリの紹介を他の記事でしていますので、チェックしてみてください。天気が悪い場合は無理して決行せずに、気持ちを切り替えて家でゴロゴロするのもいいですよ。

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登山の楽しみ方は人の数だけある。飽きることのない山に魅了される理由

登山の楽しみ方は人の数だけある。飽きることのない山に魅了される理由

登山を始めて山の魅力の虜になった人は少なくありません。季節を楽しんだり、自然と触れ合ったり、達成感を感じたり…登山には人それぞれ楽しみ方があります。同じ山でも季節やルートを変えるだけで楽しみ方は倍増しますね。山に行けば非日常の世界が広がっていて、新しい自分に出会えることさえあります。登山の魅力、楽しみに方に迫ってみます。



多様にあふれる登山の楽しみ方

登山の楽しみ方は人の数だけある。飽きることのない山に魅了される理由

自然と触れ合うことを目的とした登山

登山をしたことのない人は重い荷物を背負って汗をかきながら山を登るのはつらい修行でしかないと思うかもしれませんが、登山の楽しみは「旅」の楽しみと同じです。最終目的地だけを目指すのではなくその「過程」を楽しむのです。

山の魅力と言えばなんといっても「自然」でしょう。森林浴をしたり、新鮮な空気を吸ったり、木々のほのかな香りを感じたりすると心が洗われる気分になります。

きれいな景色、高山植物や花を見たりするのも楽しいものです。滝を見たり、野生生物と出会ったり、鳥のさえずりを耳にしたり…と忙しい日常を忘れて気分をリフレッシュすることができます。

登山は山の旅です。ワクワクしながら準備することや下山後の温泉や食事を楽しみにするのもいいですね。

登頂を目指し壮大な景色を楽しむ

登山するなら頂上を目指したいと思う人がほとんどでしょう。山頂からの景色はまさに絶景です。登頂すれば平野を見渡したり、山々が連なった景色を見たり、登った人にしか味わえない経験ができます。

登頂すると深い満足感を得られます。登る過程も楽しいものですが、「登頂する」というピンポイントな目標を成し遂げることで明確な達成感を感じることができます。

自分の足で歩き、自分の力で登り切ったという満足感を一度味わってしまうともう登山の虜です。

日本には小説家の深田久弥が著した「日本百名山」という標高1,500m以上の山で品格・歴史・個性を備えた山が100座選ばれています。100座登頂を目指し、1座制覇する度にタイトルを獲得するような達成感に楽しみを見出している人も少なくありません。

同じ山でも登るたびに新しい発見がある

登山の楽しみ方は人の数だけある。飽きることのない山に魅了される理由

季節ごとに違う山の風景

山は四季折々に美しい表情を見せてくれます。同じ山でも季節が違うだけで新たな感動に包まれます。

春の山は生命の躍動感にあふれています。春の花や若葉が萌え、さわやかな山歩きを楽しむことができます。山桜や山つつじなどの花が山をピンクや赤に染めた壮大な景色や若葉や新緑からマイナスイオンのシャワーを浴びることができる季節です。

夏は高山植物が咲き乱れ、緑が深みを増します。汗をたっぷりかき、達成感を感じるのは夏山かもしれません。

秋はなんといっても紅葉ですね。彩り豊かな赤や黄に染まった山は圧巻です。栗や銀杏などを収穫できるのも秋山の魅力ですね。

冬は雪の白、空の青が美しく、静かな山を楽しむことができます。初心者には難易度が伴いますが、経験者に同行してもらい、きちんとした装備で、天気の良い日に低い山に望むなら楽しむことができるでしょう。

ルートを変えれば同じ山でも発見がある

同じ山でもルートを変えるだけで楽しみ方が変わります。例えば、人気の高尾山には大きく6つの登山コースがあり、距離や難易度、植生の違いなどそれぞれに特徴があります。普段着でも気軽に登れるコースからつり橋のあるコース、滝や川のあるコース、ハードなコースなどさまざまです。

行きと帰りのコースを変えてみるだけでも随分違った景色を楽しむことができます。季節とコースを変えるだけでいろんなバリエーションの登り方ができます。同じ山でもいつも新鮮な登山を楽しむことができますね。

同じ山に何度も登ることから楽しさを見出している人もいます。大阪の最高峰「金剛山」に1万回以上登った人が11人います。山頂でハンコを押してもらってカウントできるそうです。

四季や天気で景色が変わるので飽きないそうです。何回登れるかチャレンジする楽しみもありますね。

登山サービスを利用して楽しみ方を増やす

登山の楽しみ方は人の数だけある。飽きることのない山に魅了される理由

ガイドを受けて山の知識を学ぶ

個人やグループで登るのも楽しいものですが、時にはガイドを付けて登ると山の知識が増えて貴重な経験になります。ネイチャーガイドは見たい花、植物の名前や由来、絶景ポイントなどコースを熟知しています。参加者のペースに合わせてくれるので、安心して山の魅力に浸ることができます。

ガイドはコース案内だけでなく、歩き方や休憩の取り方など山歩きのコツを教えてくれます。そのような知識は登山を長く楽しむのに役立ちます。

また、ガイドが一緒にいれば普段は立ち入れないような自然保護エリアに特別に足を踏み入れられる場合もあるそうです。

景色を単に楽しむのもいいですが、ガイドを付けたり、ビジターセンターでの説明を受けたりすることで、山の知識が増えると山の魅力がますます倍増します。

一人登山が不安ならツアーに参加する

「山登りをしたいけど一緒に行ってくれる人がいない!」そんな場合はツアーに参加してみるのはどうですか?単独登山は危険ですが、一人参加可能なツアーや女性限定ツアーもあります。同じ気持ちの人ばかりですよ。

ネットで登山のコミュニティサービス、地域の登山愛好会、旅行会社の登山ツアーなどから探すことができます。

はじめは初心者ツアーを選ぶといいでしょう。靴の選び方、紐の結び方からなんでも丁寧に教えてくれます。団体なので交通費も安くおさまり、時間も短縮できます。

ツアーに参加するとガイドが歩き方、呼吸法など登山に必要な知識を教えてくれますし、その土地ならではの情報を教えてくれるので新しい知識が増え、楽しさも増えます。

まとめ

今回ご紹介した登山の楽しみ方はほんの一部でどれが一番良いということはありません。百人いれば百通りの登山の楽しみ方があるように、人それぞれなのです。

登山をしながら山の歴史を巡ったり、山に登らないと辿りつけない奥宮を目ざすというのもありますね。下山後にはその里で宿泊して温泉、観光を楽しむなど数えきれない楽しみ方があるのです。

飽きることのない山の魅力にどっぷり浸かり、あなただけの楽しみ方を見つける山旅をしてみてください。

▼山旅に誘う本たち

あなたを山旅に誘う本をご紹介します。よ読むだけで行きたくなりますよ。

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寒さに負けない登山の防寒対策。ウェアや小物選びから効果的な防寒対策

寒さに負けない登山の防寒対策。ウェアや小物選びから効果的な防寒対策

登山を楽しむにあたっては防寒対策が欠かせません。防寒対策が十分でないと、山を楽しめないどころか、時には命にかかわるような事態を招いてしまうことも。でも、心配はいりません。基本をおさえたうえで必要な用具をしっかり揃えていけば、安心して山を楽しむことができます。まずは、「山で感じる寒さ」についてしっかりと理解することから始めていきましょう。



登山は防寒対策が必要な時期が多い

寒さに負けない登山の防寒対策。ウェアや小物選びから効果的な防寒対策

高い山や冬の登山では防寒対策が必須

山の麓は暖かかったとしても、山の上は気温がぐっと冷えこみます。一般的に、標高が100m高くなると気温が0.6℃下がると言われていて、1,000m高くなると6℃mo下がることになります(富士山ともなると、夏の日中でも気温は10℃を下回ると言われています)。

最初に苦しい思いをしてしまうと、山のことが嫌いになってしまう可能性もあります。最初は難易度の低い山から登ってみて小さな成功体験を積み重ねていくのが楽しい登山に繋がります。

入門者は標高差が300〜600m、歩行時間が2〜5時間以内の山から始めるのがおすすめです。物足りないくらいかもしれませんが、まずは山歩きに慣れることが重要です。

太陽が射していればまだ良いですが、雲の状況や山の環境によってはなかなか陽射しを浴びることができないこともあります。油断は禁物、しっかりとした備えをしておくことが大切です。

夏でも用心が必要なわけですから、冬の登山に至っては言うまでもありませんね。厳冬期ともなると、氷点下10℃を下回るような時期もあります。十分な対策を行うことが必要です。

春や秋の登山は気温差が大きい

初春や秋は待ちでは気候も良く、ポカポカして気持ちいいものですが、登山となると話が変わります。山頂は気温が下がるどころか、山によっては雪が積もっていることもあります。

日が暮れると気温はさらに冷え込みますから「思っていた以上に日の入りが早かった」というようなことにならないよう注意しましょう。

春や秋は天候が不安定な日も多いので、雨にも注意が必要です。山では、にわか雨が急に振り出すことがあります。雨に濡れると体は急速に冷えていきます。「天気予報も晴れだし大丈夫」なんて油断してはいけませんよ。「雨に備える」ということは、防寒対策の基本なのです。

そして、湿度が高くジメジメした天候下では体が湿ってしまうので、山頂付近で風を浴びるようになると、体感気温が下がることもあります。雨だけでなく、霧や湿度にも意識を向けて防寒対策を行うことが重要です。

登山の防寒対策で揃えておきたいもの

寒さに負けない登山の防寒対策。ウェアや小物選びから効果的な防寒対策

ウェア選びは防寒対策の基本

山を歩いているときは、体を動かしているので暖かく感じて汗もかいてしまいます。しかし、休憩やごはんを食べるために止まると途端に冷えていきます。登山では着たり脱いだりして柔軟に体温をコントロールできるような服装にすることが防寒対策の基本になります。

防寒のメインとなるアウターについても、内側に着こむ薄手の保温着、その上に着る風防性のある防寒着、さらにその上にさらっと羽織れるような防水性のあるレインウェア的な防寒着、というように重ねていくことがコツです。

タウンユースの防寒着の使い回しでは、体を動かしにくかったり、余計な飾りなどに枝などが引っ掛かってケガをしてしまうこともありますし、風を通しやすかったり水分を吸って蒸れてしまうような素材のものもありますから、登山用品店で専門のアウターを揃えることをおすすめします。

小物を使い肌が露出する部分を守る

体の中で最も冷えや寒さを感じやすいのは「節(ふし)」や「先」。特に、露出しがちな首・顔・頭、そして手(手首)を小物で保護することが大切です。

頭は、汗をかいている時は特に、一番熱を発散してしまう場所なので、帽子をかぶってしっかり保温するようにしましょう。耳までガードしてくれる帽子であれば更に安心です。

手については、手首部分までしっかりと守ってくれるタイプの登山専用手袋を揃えましょう。専用の手袋であれば、手のひらや指まわりが滑りにくく、グリップが効くので安心です。

防寒対策は「汗」と「足元」に注意!

寒さに負けない登山の防寒対策。ウェアや小物選びから効果的な防寒対策

汗に注意!服をたくさん着すぎない

汗は体を冷やすので、インナーで汗をしっかり処理することも大切です。

汗を吸う素材のインナーを着るだけでは、そのままずっと湿った状態が続いてしまいますので、むしろ体を冷やしてしまうことになります。汗が直接肌に触れないように処理しなければなりません。

最近では、登山専用の高性能なインナー製品が登場してきています。肌に接する最初の一枚目に吸汗速乾性&撥水性がある特殊なインナーを着て、その上に二枚目として吸汗性のあるインナーを着ることで、一枚目が吸った汗を二枚目に吸わせ直し、肌に触れる一枚目のインナーを常にサラサラな状態に保つ、という製品です。

肌に触れるインナーは体温に最も影響を与えます。惜しまずに専用品を揃えましょう。

足冷えは靴下やカイロを使って工夫する

冬場や春先は、霜や残雪によって登山靴が冷えていきます。また、長時間の山行や路面がぬかるんでいるような状況での登山では、徐々に水が浸みてくることがあります。しっかりとした登山靴やソックスを揃えましょう。

汗による蒸れも足冷えを生みます。最近ではインナー同様、二枚履きすることで汗を肌から引き離してくれる高機能なアンダーソックスも販売されていますので上手に活用しましょう。

靴底やソックスに貼り付けるカイロもありますが、逆に汗が増えて冷えてしまったり低温火傷のおそれもあります。カイロは、脱いだ登山靴に入れて乾燥・脱臭・保温に使用する程度がよいでしょう(なお、カイロは、低温だと動作が鈍るスマホを保温するのにも効果的と言われています)。

まとめ

冬の山歩きは誰もが寒いと理解できるので防寒対策も自ずとできるものです。登山をしていない人じゃないとわからないのが春や秋の防寒対策。山によっては夏も含まれます。

特に春はこれから夏に向けて温かくなるという認識なので、防寒対策がゆるくなるものです。街はあんなに暖かかったのに、なんでこんなに寒いんだ!と泣き叫びたくなります。

そうなると楽しい登山も「寒かった…」と苦い思い出になってしまいますね。そうならないためにも何故、防寒対策をしなくてはいけないのかを知っておくのが楽しい登山に繋がります。

▼登山中の防寒に役立つアイテム

防寒対策のサポートしてくれるアイテムをご紹介いたします。保温ボトルは寒い山頂でお湯を沸かす時間を短縮するために、カップ麺用のお湯を入れたり、心温まるスープやミルクティーを入れたりするのもいいですね。

貼るホッカイロは首の付け根やわき下などの血管が太いところに貼っておくと効果的です。

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【登山マンガ】登山のゴミ問題。私たちにできること

登山マンガ第13回のテーマは「登山のゴミ問題」です。世界遺産の富士山をはじめとする多くの人が訪れる山では「ゴミ問題」が課題になっています。山を登る人に悪い人はいないと信じたいところですが中にはマナーを守らない方がいるのが現状です。私たちができることは何かを一緒に考えてみましょう。

【登山マンガ】登山のゴミ問題。私たちにできること

登山でのゴミの注意点

山に持ち込んだゴミは必ず持ち帰ろう

山のゴミ問題でもっとも課題になっているのが富士山です。日本人だけではなく、海外からも多くの人が訪れるため、観光地のように捉えられがちです。

ペットボトルを山道にある岩の上に置いたり、ゴミ袋ごと捨てられていたりと山でのマナーが問われています。登山ルートにある山小屋でゴミを捨ててくれると思っている人もいるとか。

山は街とは違うため、ゴミを処理するだけでも多くのコストがかかってしまいます。そのことを認識して自分のゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。捨てられてしまったゴミは地域やボランティアの方々が拾って処理していることを忘れてはいけません。

小さなゴミは落ちたことに気づかない

自分は山のマナーを知っているので大丈夫と思っていても、本人が気づかないままゴミが落ちる場合もあります。例えば飴の袋やコンビニのおにぎりのパッケージなど小さなゴミは知らない間に風で飛ばされたり、ポケットに入れていたものがポロリと落ちてしまうこともあります。

以前、八ヶ岳にある赤岳山頂でおにぎりのパッケージが風で飛ばされこちらに来たので拾った経験があります。数名の登山グループでしたが話に夢中で気づいていなかったです。

小さなゴミは注意して確実に自分のゴミ袋に入れるようにしましょう。

ゴミ袋をザックの外側にかけるのをやめる

たまにザックの外側にゴミ袋をひっかけて歩いている方をみかけますが、それも気づかない間に落としてたり、木の枝にひっかかり破れたりすることもあります。

聞いた話ですが、ザックの外側にひっかけていたゴミ袋が落ちたことに気づかずに歩いてる人がいたけど、その後ろの人が「落ちましたよー」と声をかけたことがあったようです。

気づかせてくれた人がいたので良かったものの、そのまま放置されてしまったことを考えると悲しいことですね。

まとめ

ゴミだけではなく、山ごはんで発生した残り汁をそのまま土に捨ててしまうのもNGです。自然破壊に繋がる可能性があります。残ってしまった汁は頑張って飲み干すか、ティッシュなどで吸って持ち帰るようにしましょう。

「ゴミは必ず持ち帰る」

私たちができることはたったのこれだけです。いつまでも綺麗な山を歩きたいのでクリーンハイクを一緒に心がけていけると嬉しいです。

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登山入門者が知っておきたい3つのこと。山の選び方と装備や持ち物

登山入門者が知っておきたい3つのこと。最初の山選びと装備や持ち物

「山登りっていいなぁ」SNSで山の景色や登山している人の楽しい姿をみていると登山始めようかな…と思う方もいるのではないでしょうか。しかし、ただ楽しそうと山の知識や装備もなく登るのは危険が伴います。今回はそんな登山入門者の方に山の選び方や装備、持ち物などをお伝えします。



1)無理しない自分に合った山を選ぶ

登山入門者が知っておきたい3つのこと。最初の山選びと装備や持ち物

登山者が多く道が整備されている山を選ぶ

登山を始めるなら「まず富士山だ!」といいたいところですが、いきなりはおすすめしません。易しい山から始めて慣れてきてから富士山に登っても遅くはありません。

最初に苦しい思いをしてしまうと、山のことが嫌いになってしまう可能性もあります。最初は難易度の低い山から登ってみて小さな成功体験を積み重ねていくのが楽しい登山に繋がります。

入門者は標高差が300〜600m、歩行時間が2〜5時間以内の山から始めるのがおすすめです。物足りないくらいかもしれませんが、まずは山歩きに慣れることが重要です。

登山者が多く、道が整備されているルートを選びましょう。登山者が多いと遭難防止に繋がりますし、道が整備されていると滑落する確率は低くなります。

登山がどれだけの体力を消耗するのかイメージしにくいので、体力に自信のない方はロープウェイやケーブルカーのある山から始めるのもいいですね。

気候が良くて歩きやすい季節を選ぶ

一般的には季節を感じられる春や秋が登山入門者におすすめです。

春は春を告げる花と萌える若葉など生命の躍動感に満ちています。春は高気圧に覆われ晴天が続き、歩くと汗ばむ陽気になり、気持ちの良い登山をしやすい季節です。しかし、2,000m級の山は5月でも雪が残っていて初心者には厳しい環境なので人気のある低山を選びましょう。

秋は一年で最も彩り豊かな季節で鮮やかな紅葉が目を楽しませてくれます。秋の天気は不安定なので、気象情報を得ること、防寒対策を講じることなどが必須です。

「山の日」は7月なので夏山は登山に最も適していそうですが、低い山は暑くて大変ですし、高い山は登山道が険しくて危険です。しかし、高山植物が美しく咲き、緑が深みを増す夏山の魅力にも触れてほしいところ。交通機関でアクセス可能な高原や湿原ハイキングなら夏でも涼しく歩けます。

冬山は難易度が高く、歩き方や冬用装備を揃えなくてはいけないので登山入門者にはハードルが高いです。しかし、標高が低く短いコースなら冬でも可能なので、冬だからとって諦めるのは早いかもしれません。

2)必要最低限の服装や持ち物を揃える

登山入門者が知っておきたい3つのこと。最初の山選びと装備や持ち物

速乾性と防寒性、登山に合った服装を準備する

登山における服装の基本は「重ね着」です。体温をコントロールするためです。下着(アンダー)で汗を出し、中間着(ミッド)で保温し、外着(アウター)で雨風を防ぎます。

登山では汗をたくさんかくので吸湿速乾性の高い素材の下着が大前提です。綿素材は肌触りがよく、吸収性がありますが、乾きにくく体温を奪うので登山には不向きです。

中間着は下着と外着の組み合わせを考えて選ぶことができます。何枚でもOKです。ポリエステル系のシャツがどんな衣服にも合いおすすめです。フリースやインナーダウンもミッドレイヤーに含まれます。山では寒く感じることが多いので防寒具は必須です。

夏山では雨具がアウターになります。ゴアテックスなどの素材のハードシェルジャケットやウインドブレカーが含まれます。

足腰に不安がる方はサポートタイツを活用してみてもいいかもしれません。膝や腰回りをサポートし、負担を軽減してくれる効果があります。

登山に必要な持ち物はできる限りコンパクトに

山に登るだけでもかなりの体力を消耗するので必要なものを見極め、できるだけ荷物を軽量化して歩くのが理想です。荷物が重いと楽しいはずの登山がつらいものになってしまいますからね。複数で登るならガスやコッヘルなど共用で使うものは分けて持つと軽量できます。

登山初心者であっても絶対に揃えておきたいのは、「登山靴、ザック、雨具」の3点です。持って行くべき必須荷物は防寒着、タオル、行動食、水、携帯電話、ヘッドライト、地図、コンパス、登山計画書、保健証コピー、小銭(トイレ用)、ファーストエイド、トイレットペーパーなどです。

登山中に食べる行動食はジップブロックに小分けにして持っていくといいですね。トイレットペーパーも芯を抜いて袋に入れると使いやすいです。

3)安全登山を目指して少しずつ慣れる

登山入門者が知っておきたい3つのこと。最初の山選びと装備や持ち物

最初はグループやツアー登山がおすすめ

登山初心者が一人で山に挑むのは危険です。経験のある人と登るのが安心ですが、そんな友達がいないという方もいらっしゃるでしょう。旅行会社が開催する登山ツアーや地域の同好会やサークルを探して参加するのもいいかもしれません。

山が好きという同じ気持ちの仲間と一緒に登るのは楽しいものです。新しい友ができる素敵な機会にもなります。そして、いざというときに助け合うことができます。

このようなツアーは出発地、登山やハイキング、日帰り・宿泊登山、登山入門・初心・中級・上級など自分に合わせて選ぶことができます。

女性限定のツアーもありますし、ネットにあるようなサークルでは婚活、恋活などもできるようですよ。やっぱり一人より誰かと登る方が何倍も楽しいですよね。

体調は大丈夫?無理せず引き返してもOK

最後に登山入門者に登山の心構えについてお伝えします。山は未知の扉を開く素敵な冒険ですが、入門者の中には山を舐めてかかっている人が実に多いです。

山は魅力がいっぱいですが、危険もいっぱいです。山でのトラブルは死に直結する場合もあります。自分の身は自分で守る、安心・安全の登山を心掛けてください。

心待ちにしていた登山の日に体調が悪い、天候が悪い。そんな場合は、無理せず延期しましょう。山は逃げません。強行登山したとしても楽しくありませんし、危険です。

登山は街のようにはいきません。余裕のあるスケジュールを組み、安全に帰って来られる予定を立てましょう。急いでいても走ってはいけません。電車やバスを使う場合は乗り遅れることのないように注意しましょう。

まとめ

登山を始めるきっかけは人それぞれで何歳からじゃないと駄目ということはありません。「友達に誘われたから」「自然に触れたくなったから」「運動になるから」など理由はさまざまですね。

でも、ニュースで流れるように遭難や滑落はどこの山でも起こりうる可能性があるのです。自分の技術や装備では難しそうな山を避け、身を守る安全登山を心がけるようにしましょう。

最初のころは登山経験者に相談しながら同行するのが成長も早いのでおすすめです。

▼登山入門者に役立つ本

はじめよう! 山歩きレッスンブック

柏 澄子 (著), 大武 美緒子 (著)


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登山のルートはどう選ぶ?目的とメンバーに合わせたルート計画を立てよう

登山のルートはどう選ぶ?目的とメンバーに合わせたルート計画を立てよう

これから登る山のどのルートを歩くのか…。登山計画をたてるときの最初の悩みですね。そんなの頂上にたどり着けば、どこを通っても同じだよと思ってしまいますが、実際は全くそんなことありません。

選ぶルートによって難易度が違えば景色も違う、一緒に行くメンバーによっても変わってくるものです。ルート選びのコツを掴んで、目的に合った登山を目指しましょう。



同じ山でも登山ルートは複数ある

登山のルートはどう選ぶ?目的とメンバーに合わせたルート計画を立てよう

ルートが違えば難易度も異なる

山の頂上は一つだけど、登るためのルートは複数あります。初心者に優しいものから上級者向けのルートなどどこから登るのかがとても重要になってきます。ルートを正しく選ばないと難易度が高すぎて引き返すことに…なんてことが起きないようにどのルートで登るのかを意識しましょう。

ルートを選ぶ一番のポイントは所要時間です。どれくらいの時間で下山できるかを目安にしましょう。

ここでは谷川岳を例にとって、難易度の違いを調べてみます。谷川岳の場合、天神平コースを選ぶと、所要時間の合計は往復で5時間半ほど。これはほぼ直登するルートになっています。

それに対し、谷川連峰を縦走するルートですと、所要時間は1泊2日と一気にハードルが高くなります。時間が長くなればその分体力も必要になり、難易度が上がってしまうのです。

時間のほかにも、ルートの選択によりコースそのものの難易度が変わります。きつい登りが続く、狭くて危険な道を通る、アップダウンが激しい…などなど。難易度が高ければ人は少なり、優しいルートは人が多くなるという側面もありますので自分の知識と技術に合ったルートを選ぶことが大切です。

ルートにより風景がまるで違う

ルートの選択により、目に映る景色もがらりと変わります。

例えば、経験者向けの難易度の高いコースは、登山そのものを楽しむ人のためにあるので、それほど見ごたえのある風景はなく、歩きごたえ、登りごたえのあるルートであることが多いです。逆に稜線まで登るとそこでしか見られない景色に遭遇するところもあります。

それに対し初心者向けのコースは、登山の道中を楽しんだり、大勢で一緒にいることを楽しむ人のためにあるので、写真の撮りがいがあるスポットや、きれいな水の飲めるスポット、かわいらしい高山植物を目にできるルートであることが多いのです。ただ、登山人気が拍車をかけて人が多すぎる…という難点もあります。

ルートは何を見たいかを考えて選ぶのもよいですね。

登山目的とメンバーのレベルを考慮してルートを選ぶ

登山のルートはどう選ぶ?目的とメンバーに合わせたルート計画を立てよう

登山目的に沿ったルート選び

登登山の目的は必ずしも頂上を目指すだけとは限りません。道中の景色、そこでしか見られない高山植物、仲間との思い出など、それぞれ違う目的を持って登山しているものです。ルート選びの際にも、それを考慮に入れて選択をしましょう。

例えば頂上を目指すグループの場合、できるだけ効率的に登頂を目指しますが、それに対して道中の自然を楽しみたいグループの場合は、四季折々の山の表情が見られるルートを選びたいですね。

みんなで楽しい思い出を作りたいグループの場合は、それほど難易度も高くないルートがよいかもしれません。写真を撮りつつ、おしゃべりをしながらでも登れるルート選びが優先されるのではないでしょうか。

メンバーのレベルや体力にあわせたルート選びが重要

グループ登山をする場合のルート選びのポイントは、最も体力のない人に合わせることです。家族で登山するのであれば子どもに合わせられますし、仲間内で登山するのであれば、メンバーの体格や経験なども考慮に入れられます。

まずは、一緒に行くメンバーの中で誰に基準を合わせるか考えることが重要です。次はルートの高低差や所要時間を確かめます。

最近は、インターネットでも簡単に調べられるうえに、難易度からルートを比較検討できるサイトも出てきました。また、県によっては山のレベルを公表している場合もあり、これは信頼のおける指標と言えます。

みんなが笑顔で下山できることを目標にルートを選んでみましょう。

登山ルートを選ぶときの注意点

登山のルートはどう選ぶ?目的とメンバーに合わせたルート計画を立てよう

季節により選べるルートが変わる場合もある

ルート選びで気をつけたいポイントは、山では四季が非常にはっきりしており、街で感じる四季とはずれることが挙げられます。

例えば、若葉が見られる街の5月は、2,000mを超える山ではまだまだ雪山です。アイゼンやピッケルなど必要な装備も変わってくるため、この時期の標高の高い山への登山は、初心者にはおすすめできません。

また、季節によってルートそのものだけでなく、アクセス道路自体が閉鎖されることがあります。雪が積もって物理的に歩くことができないルートがあるのです。

せっかく山に向かったのにルートが閉鎖されていてはがっかりしてしますね。命にも関わる大切な選択なので、登りたい山の情報はしっかり入手しましょう。

ルート上の山小屋やトイレなども要チェック

ルート上にどんな設備のある山小屋がいくつあるか、トイレの有無、有料無料などの情報もしっかり確認しましょう。

例えば、山小屋が全くないルートの場合は水や食料、必要であればテントなどの装備を自分で用意しなければならないことになります。山小屋があればそこを頼りに荷物を減らすことができるので歩く負担は変わってきますね。

他にも登りと下山のルートが分かれていて、登りにはいくつかの山小屋があっても、下山時にはまったく山小屋がないという場合もあるものです。トイレの有無もしっかり確認しておきましょう。

初心者におすすめなのが、高尾山のような登山と観光が楽しめる山。観光やデートスポットしても楽しめ、下山後のお食事処も豊富なので快適な登山を経験できます。

東京だけではなく、それぞれの地域に観光×山という箇所はたくさんありますので探してみてください。

山のルート探しに便利なサービス

ルート選びに迷ったり、どういうルートがあるのかわからなかったりするときは、ルートを探す登山サービスを活用すると便利です。代表的な登山サービスを3つご紹介いたします。

「YAMAP」のコースタイム付き登山ルート検索

山ハレ鳥トケ編集長も利用しているYAMAPのルート検索です。山名やキーワードを入れて活動日記からルートを探すことが可能です。MAPから探すことも可能ですので、行きたい山が決まっていれば便利です。

「ヤマケイオンライン」のルート検索

「新分県登山ガイド」を元に2,400件以上の登山ルートが掲載されています。体力や歩行時間に合わせたルート検索が可能です。

「ヤマレコ」の登山ルート検索

ヤマレコ会員みんなの山行記録からルートの検索が可能です。フリー検索が主になるので、行きたい山や地域を入力して自分の最適なルートを探してみましょう。

まとめ

同じ山でもルートが違えば天国にも地獄にもなるルート選びは計画を立てるときの肝になる部分です。ルートによって景色も変わりますが、美しい景色を見たい気持ちを一旦抑えて、自信の知識や技術を考慮したルートを選ぶようにしましょう。

登山初心者のころはガイドブックに載っているようなメジャールートを選ぶと安心ですよ。特に体力がバラバラなメンバーで行く場合は難易度が低いルートがおすすめです。

▼登山ルート選びに役立つ本

ニッポン10大トレイル

シェルパ斉藤 (著), 斉藤政喜 (著)


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登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ

登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ

登山やってみたいけど荷物が多そうでトライしにくいなぁと悩む人も多いですね。確かに、本格的な登山をするにはそれなりの持ち物が必要です。

でも、気軽に楽しむ登山に大荷物は必要ありません。大切なのは、絶対に必要な道具を抑えておくことと、パッキングのコツを知っておくことです。さっそく、何が必要でどう持っていくかをチェックしてみましょう!



登山の持ち物リストをチェック!

登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ

持ち物は登山計画や季節によって変わる

登山の際の持ち物は季節や計画によって変わってきます。例えば日帰りか、泊まりかで持ち物の量も変わりますし、行く山によっては夏でも防寒対策が必要になってくるので、その分必要な持ち物も増えてきます。

季節や計画に関わりなく常備するものは、緊急時に対応するためのアイテムです。鎮痛剤、持病の薬を含めた救急用品(ファーストエイドキット)、携帯電話、健康保険証は必ず持っておきたいですね。また、地図、コンパス、ビニール袋、ヘッドライトといった基本装備も常時準備しておきましょう。

夏と冬で一番違うのは、やはり服装です。夏は汗をしっかり吸収発散させる服装で行き、着替えがあるとよいです。対して冬は、フリースやニット帽など、防寒対策の荷物を入れていきましょう。

食糧や行動食、水も常時必要です。水は凍結の恐れがあるので、冬は保温機能のしっかりした水筒に入れていくようにしましょう。

荷物の重さの目安量はどれくらい?

登山の持ち物について一番の心配は、その重さかもしれません。いろいろ必要なのは分かっているけど、どんなに重いんだろうと、想像するだけで何となく疲れてしまうものです。

ザックの重さを含めて、日帰り登山の荷物の重さは大体8kgくらいです。こう聞くと重く感じるかもしれませんが、ザックはそもそも重いものを入れて長時間歩くことを考えて設計されているので、きちんとした位置できちんと背負えば、さほど経験がない人にも予想ほどは重く感じません。

1泊する場合には10~12kgと、少し慣れた人向けの重さになってきます。これをテント泊にすると15kgくらいになります。トレーニングをすれば、これを背負っての登山も無理ではありません。

重さはあくまでも目安ですが、UL(ウルトラライト)登山という言葉あるように、いかに荷物を軽くするかを意識することも大事なことです。

登山の持ち物リスト(PDFダウンロード)

登山に必要な持ち物をリストにまとめてみました。日帰りと1泊2日、女性ならではの持ち物など網羅していますので、よろしければ使ってみてください。

◎が必須、◯は必要が有れば持っていく、△はどちらでも良いとなっています。日帰り、泊まりとそれぞれ分けていますので参考ください。あくまでも目安ですので計画に合わせた登山装備や持ち物をチェックください。

※画像クリックでPDFダウンロードが開始します

持ち物をリスト(山ハレ鳥トケver1.0)

登山装備や持ち物の代用品と料理道具

登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ

登山靴のみ揃えてあとは代用品で

登山はお金がかからない趣味と言われますが実は逆なんです。装備や道具を揃えるのにお金がかかり、山に行く交通費も重なると馬鹿になりません。

初期装備を一度に揃えるとなると5〜10万円ぐらいはかかります。そのためこれから続けるかどうかわからないものにお金をかけたくないという人も多いです。最初のころは代用できるものは代用して判断するのも一つの方法ですよ。

日帰り登山なら、大抵の登山装備やグッズは代用できますが、何はなくとも靴だけは登山専用のものを選びましょう。普通のスニーカーでの登山はソールが柔らかすぎてとても歩きにくくおすすめできません。歩行中、足を挫いたり、転倒防止に役立ったりと山歩きに適しているのが登山靴なのです。

本来なら登山靴以外に「レインウェア」や「ザック」も揃えておきたいところですが、財布の事情もあるので代用するのもよいでしょう。

例えばザックは普通のリュックサックでも代用できますし、レインウエアも日帰り登山で往復3時間もないルートなら最悪雨合羽やポンチョ(フェスで使うようなもの)でも十分です。ただし、富士山やアルプス、歩行時間が長いルートなどの本格的な登山ではレインウェアを必ず用意しましょう。安価なものもありますので登山用品店でチェックください。

服装はインナー(肌着)やミドル(中間着)は綿を避けて速乾性がある化学繊維のものを。アウターは保温性のあるダウンジャケットでも代用できますが、これも同じく軽登山ならなんとかなりそう…という範囲です。登山を続ける場合は少しずつでも揃えるようにしましょう。

慣れてきたら料理道具で山ごはんを楽しむ

登山に慣れてきたら山ごはんを作ってみたくなるもの。基本的なアイテムさえ揃えてしまえば、あまり荷物を増やさずに山ごはんを楽しめます。

山ごはんの基本的なアイテムは、バーナーとクッカーです。バーナーは、ガスカートリッジを使うものが一般的です。

クッカーは、ご飯を炊いたり、料理をするなら熱伝導率の高いアルミ製を。お湯を沸かすくらいなら丈夫なチタン製が最適です。限られたスペースをフル活用するために、クッカーに収まるサイズのガスカートリッジ、またはガスカートリッジの収まるサイズのクッカーを選びます。

その他にも、万能ナイフや小さめのまな板など、作りたい山ごはんに応じたアイテムを持っていきましょう。

コンパクトに仕舞うパッキングのコツ

登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ

パッキングの基本を知ろう

登山の持ち物をコンパクトに仕舞う「パッキング」はとても大切です。歩行時のバランスをとるには詰め方にも工夫が必要なのです。

登山は長い距離を歩くので、なるべく重さを感じないようにパッキングするのが疲れないコツ。そのためには、軽くて一番使わないものを一番下にします。

ザックの中心よりやや上、内側には一番かさばり重いものを、外側には重いもので一番よく使うものを詰めます。そして一番上に、軽くて頻繁に使うもしくは緊急時に使うものを入れます。

横向きではなく縦向きに詰めれば、ザックを開けたときに一目でどこに何があるか分かるので意識したいですね。また、荷物をすべて詰め終わったときに、長方形になっているのが理想的です。そのために、荷物をザックの外側から中心に向かって詰めていきましょう。

登山マンガでもパッキングについて解説していますのであわせてチェックください。

スタッフバックやジップロックを有効活用

ザックの中身がごちゃごちゃになってしまっては、どこに何が入っているのかわからなくなったり、その都度整理したりと忙しくなりますね。

お手頃価格で、サイズも110cmと通常のタオルや手ぬぐいよりも長めで使いやすいです。首や頭に巻いたりするのに使えます。

機能的な化学繊維のタオルは無地でつまらないですが、登山家なら誰もが魅了する山脈プリントにテンションが上がるはずです。

そんな時に役立つのがスタッフバックです。スタッフバックとは、簡単に言えば登山用ポーチといったところで、様々なサイズや種類、色があります。防水仕様タイプを選んで、荷物を小分けにして用途別に詰めておくことで、急な雨に降られても安心ですし、ザックの中もすっきりします。

他にも、防塵、耐衝撃仕様のものもあるので、収納するものに応じたタイプを選びましょう。

行動食や化粧水、トイレットペーパーなどのなくしやすい細々したものは、まとめてジップロックに入れるのがおすすめです。防水性にも優れているのでジップロックは何かと便利です。

まとめ

登山の持ち物で優先的に揃えたいものは「登山靴」「レインウェア」「ザック」の三種の神器と呼ばれるものです。基本的には濡れることを一番避けたいので、速乾性、透湿性、防水性があるもので代用を考えることがポイントです。

代用品としてよく挙げられる服にユニクロがあります。ハイキングならことなきを終えそうですが、登山をするために作られてるわけではないので、やっぱり登山用の服を揃えるのがよいです。

代用品はあくまでも今後登山を続けるかどうかを見極めるために一時的なものとして活用して、もし登山の魅力にハマってしまったのなら、登山装備や道具を揃えていきましょう。

中古品でも型が古くてもないよりはマシなので、無理ない範囲でお気に入りの山グッズを探してみてはいかがでしょうか。

▼登山用品を「エルブレス」でチェック!

登山装備は試着してからの購入がおすすめです。特に靴はサイズが合わないと擦り傷や踏ん張りがきかなくなるので店員さんと相談しながら選びましょう。その前にネットでお気に入りをチェックしておくのもよいですね。

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【登山マンガ】登山ツアーに初参加!色々な想いを胸に楽しく歩く

登山マンガ第12回のテーマは「登山ツアー」です。「一緒に登山をしてくれる人がいない」「一人で登山するのが不安」「ガイドさんに山の話を聞きたい」などの悩みで登山ツアーに参加する人も多いのではないでしょうか。

登山ツアーをきっかけに気の合う仲間に巡り合えた!なんて話も聞きます。ただ、1人で初参加する場合はこんなこともあるようです…。

【登山マンガ】登山ツアーに初参加!色々な想いを胸に楽しく歩く?

登山ツアーってどんなもの?

旅行会社が主催の登山ツアー

登山ツアーと聞くと誰もが思い描くのが旅行会社が企画している登山ツアーではないでしょうか。大手旅行会社も登山やハイキングの企画に力を入れていますね。繁忙期になる夏には各社がこぞって富士山や立山、上高地などの人気のツアーに力を入れますね。

ツアーにはプロのガイドや基準を満たしたガイドさんが付き添い、ツアー客の安全を確保します。

個人ガイド主催の登山ツアー

日本山岳会や各自治体が発行するガイド資格を持つプロのガイドさんが個人で主催する登山ツアーもあります。個人で開催するため、10名ほどの小規模のものが多いです。

登山ツアーだけではなく、技術を学ぶ講座を開講し、初心者の育成も行ってます。

登山ツアーのメリットとデメリット

【メリット】一人の不安を解消してくれる

登山ツアーに参加するメリットは山に登りたいけど、一人では不安…という悩みを解消できることではないでしょうか。登山をする人が必ずしも身近にいるとは限らず、いたとしても予定が合わないこともあり、山に行きたいけど行けない!というジレンマが起きるものです。

「私は単独で行くから大丈夫」といっても初めての山は不安なもの。そのときに登山ツアーを利用すると安心ですね。ガイドさんからその山ならではの知識や登山技術を教えてもらえばますます楽しみが増えます。

今回の登山マンガのように「山仲間ができたらいいな」という目的で参加される方もいらっしゃします。たまたまバスの隣になった人が十年来の山仲間になったというお話も聞いたことがあります。

【デメリット】自分のペースで行動できない

登山ツアーのデメリットは計画が決まっているため自分のペースで休憩や好きな写真を撮りながら歩くことができないことです。休憩場所も休憩時間も決まっているため基本的にはそれに合わせます。もちろん緊急時や止む得ない場合は、臨機応変に対応されます。

ペースの遅い人からするとちょっと早いからしんどいなぁと感じるし、歩くのが早い人からすると遅すぎて煩わしい…なんてことも。目的も年齢も登山技術もさまざまな人が集まるため、どうしても最適化された計画になってしまうのです。

まとめ

登山ツアーのデメリットをもう一つあげるとすると、人任せにしてしまうところです。ガイドさんが時間やペース、ルートをしっかりエスコートしてれくれるため楽をすることができます。

登山は命にも関わることがあるため、自分のことは自分でできるようになることが最初の目標です。せめて基本的な登山装備や今から歩くコースをどれだけの時間で往復するのかを把握するようにしておきましょう。

登山ツアーは多いもので20〜30人ぐらいのものもあります。気の合う山仲間を探すぞ!と気合いを入れてしまうと本来の目的を見失うかもしれませんね。行ってみたい山や気になるガイドさんの企画に参加し、その流れで良い仲間に巡り会えたらいいなぁという心構えで望むのが調度良さそうです。

あなたの山の物語を募集中

山ハレ鳥トケでは山歩きで感動したことや不思議なこと、面白かったこと、ほのぼのしたことなどの体験を登山マンガや記事に掲載していきます。

私の体験を是非マンガや記事にして欲しい!という方は下記のフォームより投稿ください。必ず採用するとは限りませんがあたなの山歩き物語を少しだけ共有いただけると嬉しです。

▼アウトドアを楽しむ本

▼HIKES編集長の里山トラベル

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登山に最適なタオルとは?タオルの役割と種類、機能性の高いタオルをご紹介

登山に最適なタオルとは?タオルの役割と種類、機能性の高いタオルをご紹介

汗や汚れを拭くのはもちろん、頭や首に巻いたり、応急処置に使ったりと用途に合わせて使えるタオルは登山の必需品ですね。一言でタオルといっても綿タオルや速乾タオルではどう違うのでしょうか。登山に持って行くなら軽量でかさばらないタオルが望ましいところ。今回は、登山におけるタオルの役割と種類、登山に最適なタオルをご紹介します。



登山で使うタオルの役割

登山に最適なタオルとは?タオルの役割と種類、機能性の高いタオルをご紹介

汗を拭いて、体が冷えないようにする

登山は長時間歩き続けるスポーツなので、汗をたっぷりかきます。体は動くことによって上がり過ぎた体内の熱を逃がし、体温を下げています。つまり「汗をかくこと」によって体温調節を体が自然におこなっているのです。汗をかくのは健康的でよいことで、逆に汗をかかないと体温が上がりすぎ、熱中症になる可能性もあります。

しかし、かいた汗をそのままにしておくと体が冷えすぎてしまい、低体温症になるリスクが潜んでいます。登山では「汗冷え」という言葉があるほど低体温症は危険なものです。低体温症になると身体だけでなく、思考力や判断力にも影響がでてきます。

汗をたくさんかいてしまう登山ではなかなか着替えができません。体が冷やさないためにはタオルで汗を拭くのが手っ取り早い方法です。

帽子の代わりや応急処置にも使える

タオルは汗や汚れを拭くだけではなく、便利なアイテムとして使うことができます。

帽子の代わりにタオルを頭に巻く人もいます。帽子よりも汗を吸収してくれますし、帽子に挟んでいる人も見かけるほどです。雨の日にはタオルを首に巻いてからレインウェアを着ることにより雨の侵入を防ぐことができます。

転倒してケガをしてしまった場合、包帯の代用としてタオルを応急処置としても使えます。例えば、出血したときに傷口を押える、心臓に近い動脈をタオルで縛って止血するなど、応用が可能です。

骨折してしまった場合は、ストックや枝などを副木としてタオルを使い固定することもできます。捻挫した場合は、テーピングがなくても一時的にタオルで代用することも可能です。

タオルを濡らせば患部を冷やしたり、患部を清潔にしたりできます。

登山で使うタオルの種類や機能

登山に最適なタオルとは?タオルの役割と種類、機能性の高いタオルをご紹介

化学繊維と綿はどちらがいい?

家に綿タオルならいっぱいあるので間に合ってます…という方も多いのではないでしょうか。綿タオルは肌触りもよく、吸水性が高いというメリットがありますが、登山には化学繊維の方が適しています。

登山においてタオルに最も必要とされる機能は「速乾性」です。水分を吸収してもすぐに乾くので何度使用しても不快感がなく使えます。一方、綿タオルはなかなか乾かず、汗で臭くなり、しかも何枚も必要になり荷物がかさばってしまいます。

速乾性がある化学繊維のタオルは綿タオルよりも少し高価ですが、それだけの価値は十分にあります。すぐに乾くのでお泊り登山では洗って、繰り返し使うことができるので荷物も少なくてすみます。

トレッキングやハイキングなど数時間で終わる場合はもちろん綿でも事足りますので、計画に合わせて準備することをおすすめします。

速乾性と吸水性のあるタオルを選ぼう

何度も言ってしまいますが、登山に適したタオルは「速乾性」と「吸水性」の高いものです。速乾性はすぐ乾くこと。吸水性は水分をどれだけ吸収できるかということです。さらに「抗菌」と「防臭」加工が施されたタオルであれば、嫌な臭いも抑えることができます。長時間使っても、帰りに温泉に行っても気持ちよく使うことができます。

登山ではたくさんの汗をかきます。速乾性のタオルであれば早く乾くのでサラサラとした使い心地が続き、繰り返し使えるので便利です。どれだけ早く乾いても、汗をしっかり吸収してくれなければ意味がありません。吸水性に優れたタオルであれば瞬時に吸ってくれるのでエネルギーを最小限に抑えることができます。

化学繊維のタオルであれば汚れてしまっても、洗ってすぐに汚れが落ち、すぐに乾くのも利点ですよ。

登山で利用したい高機能タオルのご紹介

パックタオルパーソナル

パックタオルはアウトドア専門のタオルブランドの自信商品でマイクロファイバーの特性が最大限に活かされています。中でもパックタオルパーソナルは柔らかさと軽さ、そして速乾性が優れたベストセラー商品です。

自重の4倍の水を吸収するスーパー乾燥が自慢です。抗菌仕様なのもうれしいですね。サイズもカラーも豊富です。

登山におすすめなのは速乾性が高いことだけではありません。コンパクトな収納ポーチが付いています。タオルの一角にループが付いていて、しかもスナップボタン式になっています。これはザックやテントに吊るしたりするときに大変便利です。

薄いのでバンダナや手ぬぐいのように使え、さらに多機能にわたって使えるタオルです。

モンベル手ぬぐいタオルオーバーラント

やっぱり綿が好き!そんな方もいらっしゃるでしょう。そんな方にはモンベルの手ぬぐいがおすすめです。表面は手ぬぐい生地、裏面は吸水性に優れた柔らかいパイル生地なので化学繊維にはない肌触りです。綿ですが、タオルより薄めで乾きやすいです。

お手頃価格で、サイズも110cmと通常のタオルや手ぬぐいよりも長めで使いやすいです。首や頭に巻いたりするのに使えます。

機能的な化学繊維のタオルは無地でつまらないですが、登山家なら誰もが魅了する山脈プリントにテンションが上がるはずです。

日帰りや一泊登山であれば衛生面でもそれほど神経質になる必要はありませんし、バンダナや手ぬぐいのコストパフォーマンスの良さとそんなにかさばらないことを考えればデザインの気に入った手ぬぐい数枚持って行くのもいいですよね。

まとめ

タオルといっても綿と化学繊維では機能が違うことがわかりました。「速乾性」と「吸水性」のあるタオルが登山に最適といえますね。ただ、綿には綿の良いところもありますのでどういう計画の登山をするかによって持っていくものを決めるのが良さそうです。

汗を拭くだけではなく、緊急時に役立つタオルは登山の必需品として常に持っていくと安心ですね。

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