汗や汚れを拭くのはもちろん、頭や首に巻いたり、応急処置に使ったりと用途に合わせて使えるタオルは登山の必需品ですね。一言でタオルといっても綿タオルや速乾タオルではどう違うのでしょうか。登山に持って行くなら軽量でかさばらないタオルが望ましいところ。今回は、登山におけるタオルの役割と種類、登山に最適なタオルをご紹介します。
登山は長時間歩き続けるスポーツなので、汗をたっぷりかきます。体は動くことによって上がり過ぎた体内の熱を逃がし、体温を下げています。つまり「汗をかくこと」によって体温調節を体が自然におこなっているのです。汗をかくのは健康的でよいことで、逆に汗をかかないと体温が上がりすぎ、熱中症になる可能性もあります。
しかし、かいた汗をそのままにしておくと体が冷えすぎてしまい、低体温症になるリスクが潜んでいます。登山では「汗冷え」という言葉があるほど低体温症は危険なものです。低体温症になると身体だけでなく、思考力や判断力にも影響がでてきます。
汗をたくさんかいてしまう登山ではなかなか着替えができません。体が冷やさないためにはタオルで汗を拭くのが手っ取り早い方法です。
タオルは汗や汚れを拭くだけではなく、便利なアイテムとして使うことができます。
帽子の代わりにタオルを頭に巻く人もいます。帽子よりも汗を吸収してくれますし、帽子に挟んでいる人も見かけるほどです。雨の日にはタオルを首に巻いてからレインウェアを着ることにより雨の侵入を防ぐことができます。
転倒してケガをしてしまった場合、包帯の代用としてタオルを応急処置としても使えます。例えば、出血したときに傷口を押える、心臓に近い動脈をタオルで縛って止血するなど、応用が可能です。
骨折してしまった場合は、ストックや枝などを副木としてタオルを使い固定することもできます。捻挫した場合は、テーピングがなくても一時的にタオルで代用することも可能です。
タオルを濡らせば患部を冷やしたり、患部を清潔にしたりできます。
家に綿タオルならいっぱいあるので間に合ってます…という方も多いのではないでしょうか。綿タオルは肌触りもよく、吸水性が高いというメリットがありますが、登山には化学繊維の方が適しています。
登山においてタオルに最も必要とされる機能は「速乾性」です。水分を吸収してもすぐに乾くので何度使用しても不快感がなく使えます。一方、綿タオルはなかなか乾かず、汗で臭くなり、しかも何枚も必要になり荷物がかさばってしまいます。
速乾性がある化学繊維のタオルは綿タオルよりも少し高価ですが、それだけの価値は十分にあります。すぐに乾くのでお泊り登山では洗って、繰り返し使うことができるので荷物も少なくてすみます。
トレッキングやハイキングなど数時間で終わる場合はもちろん綿でも事足りますので、計画に合わせて準備することをおすすめします。
何度も言ってしまいますが、登山に適したタオルは「速乾性」と「吸水性」の高いものです。速乾性はすぐ乾くこと。吸水性は水分をどれだけ吸収できるかということです。さらに「抗菌」と「防臭」加工が施されたタオルであれば、嫌な臭いも抑えることができます。長時間使っても、帰りに温泉に行っても気持ちよく使うことができます。
登山ではたくさんの汗をかきます。速乾性のタオルであれば早く乾くのでサラサラとした使い心地が続き、繰り返し使えるので便利です。どれだけ早く乾いても、汗をしっかり吸収してくれなければ意味がありません。吸水性に優れたタオルであれば瞬時に吸ってくれるのでエネルギーを最小限に抑えることができます。
化学繊維のタオルであれば汚れてしまっても、洗ってすぐに汚れが落ち、すぐに乾くのも利点ですよ。
パックタオルはアウトドア専門のタオルブランドの自信商品でマイクロファイバーの特性が最大限に活かされています。中でもパックタオルパーソナルは柔らかさと軽さ、そして速乾性が優れたベストセラー商品です。
自重の4倍の水を吸収するスーパー乾燥が自慢です。抗菌仕様なのもうれしいですね。サイズもカラーも豊富です。
登山におすすめなのは速乾性が高いことだけではありません。コンパクトな収納ポーチが付いています。タオルの一角にループが付いていて、しかもスナップボタン式になっています。これはザックやテントに吊るしたりするときに大変便利です。
薄いのでバンダナや手ぬぐいのように使え、さらに多機能にわたって使えるタオルです。
やっぱり綿が好き!そんな方もいらっしゃるでしょう。そんな方にはモンベルの手ぬぐいがおすすめです。表面は手ぬぐい生地、裏面は吸水性に優れた柔らかいパイル生地なので化学繊維にはない肌触りです。綿ですが、タオルより薄めで乾きやすいです。
お手頃価格で、サイズも110cmと通常のタオルや手ぬぐいよりも長めで使いやすいです。首や頭に巻いたりするのに使えます。
機能的な化学繊維のタオルは無地でつまらないですが、登山家なら誰もが魅了する山脈プリントにテンションが上がるはずです。
日帰りや一泊登山であれば衛生面でもそれほど神経質になる必要はありませんし、バンダナや手ぬぐいのコストパフォーマンスの良さとそんなにかさばらないことを考えればデザインの気に入った手ぬぐい数枚持って行くのもいいですよね。
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monbell 手ぬぐいタオル オーバーラント
タオルといっても綿と化学繊維では機能が違うことがわかりました。「速乾性」と「吸水性」のあるタオルが登山に最適といえますね。ただ、綿には綿の良いところもありますのでどういう計画の登山をするかによって持っていくものを決めるのが良さそうです。
汗を拭くだけではなく、緊急時に役立つタオルは登山の必需品として常に持っていくと安心ですね。
▼その他の登山に適したタオルたち
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東京青梅駅から歩いていける長渕丘陵は気軽なハイキングコース。なんだけど、あかぼっこからは奥多摩の山々が見渡せる素敵な場所です。年末年始でくっちゃりねっちゃりして、鈍った体を整えるきっかけになるのでおすすめです。多分1月に行く。 #里山トラベル pic.twitter.com/NyVksMhOA6
— 宮本 将弘 (@masa_yco) December 28, 2019
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