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泊まり登山で山小屋を利用しよう。山小屋の重要性や基本的なマナー

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泊まり登山で山小屋を利用しよう。山小屋の重要性や基本的なマナー

日帰り登山に慣れてきたら泊り登山にチャレンジしたいと考える方は少なくありません。「山小屋」を利用すればテントや食事に必要な道具を背負う負担を軽減できますし、悪天候になっても安心です。

疲れを癒し、力を得て登山を続けることができます。山小屋ではどんなサービスを受けることができるのでしょうか。またどんなマナーがあるのでしょうか。山小屋デビューしたい方必見ですよ!



泊まりの登山で山小屋はありがたい存在

泊まり登山で山小屋を利用しよう。山小屋の重要性や基本的なマナー

山小屋では疲れた体を休め、登山の活力を養える

到着してすぐは体が温まっていて血流がいいので、荷物を降ろしてストレッチしましょう。山小屋に入ってからは靴を脱いで、リラックスした状態でストレッチすることも忘れないでくださいね。疲労回復につながります。

意外と知られていませんが、疲労物質は尿に交じって排出されます。体内の水分を入れ替えることを意識してください。たくさん出した後は脱水症状にならないように、水分補給をしてください。

質のよい睡眠は大切です。山小屋では耳栓やアイマスクが役に立つかもしれません。標高が高いと眠りが浅くなることがあります。なかなか眠りにつけなくても、目を閉じるだけでも随分違います。

忘れてならないのが食事です。基本1泊2食が基本の山小屋が多いです。しっかり食べてエネルギーを回復させましょう。最近では次の日のお弁当を有料で用意してくれる山小屋も増えています。

山小屋の不便さも登山の楽しみの1つ

単山小屋はホテルや民宿とは違って、登山者が宿泊できる必要最低限の設備しかありません。それでも目的地を目指す中継地点になるのでありがたい存在です。感謝して利用するために知っておきたいルールがいくつかあります。

山小屋では基本的にお風呂はありません。環境汚染のため、歯磨き、洗顔もできない場合も少なくありません。磨き粉や石鹸が使えないことを念頭に置いて荷物を準備しましょう。

山小屋に泊まったとしてもゴミはすべて持ち帰りが鉄則です。

朝早く出発する登山者や朝焼けを見るために早起きする人がたくさんいるので、山小屋での消灯時間は早いです。他の登山者達への配慮を怠らないようにしましょう。

山小屋の売店では販売物の価格が高めです。それらは空輸や人が背負って山まで運ばれてきたものですから文句は言えませんね。必要なものであれば感謝して購入してください。

基本的な山小屋の利用方法

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山小屋には早めの到着と出発が基本

山小屋のチェックインは悪天候を除いて基本的に15時を目安に到着するようにしましょう。山の天気は変わりやすいので早めに到着できるように登山計画をきちんと立てておきましょう。

着いたら受付を済ませます。宿帳の記入、食事の要不要、翌日の行動予定などを記入します。登山者は早朝早くに出発する人も多いため料金は前払い制です。

夕食は17時頃からスタートします。チェックインした時に時間を確認しましょう。食事はエネルギー補給のために、また山の上まで食材が運ばれてきたことに感謝し残さず食べましょう。

就寝は20時頃です。電気で発電機おこす場合、一定時刻で消灯になる場合があります。消灯前に翌日の準備をしておきましょう。

起床時間は5~6時で朝食時間は山小屋によって異なります。朝食を山小屋で食べる場合、7時頃出発する人が多いですが、早朝に出発することもできます。

山小屋では宿泊者どうしの譲り合いも大切

山小屋の部屋は基本的に相部屋です。大部屋に雑魚寝、男女別相部屋、二段ベッド、寝具も布団と毛布、寝袋などさまざまです。

先客がいたら一言挨拶をするならお互いに気持ちがいいですね。疲れて休んでいる方も多いので大きな声でしゃべったり、騒いだりしないようにしましょう。

ご来光を見たい場合、深夜出発になります。まだ寝ている人もいるため大きな音を立てないように、またヘッドライトがまぶしくならないように配慮してください。

食堂の座席に限りがあるので最盛期の場合には、交代制で食べることも珍しくありません。食事を待っている人のことも配慮して食べ終わったらすぐに退出し、譲り合いの精神を示しましょう。

山小屋ではスペースが限られています。荷物の整理は前の日に自分のスペース内でしっかいり行い、コンパクトにまとめておきましょう。出発前に準備するのはマナー違反です。

山小屋のサービス内容は個々に異なる

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個室や食事、風呂などに注力する山小屋も増加中

着替え、いびきなど女性だけでなくプライバシーが気になる方は少なくありません。最近では、個室や食事、お風呂など他のサービスなどに力を入れている山小屋が増えています。

例えば「富士山・御来光山荘」は二段ベッドに壁と遮光カーテンが取り付けられた個室エリアが完備されています。その名のとおり山小屋からは壮大なご来光を見ることができます。

甲斐駒ケ岳や仙丈ケ岳の玄関口に位置する「北沢峠・こもれび山荘」はカーテンで仕切られたベッドスペースなのでプライバシーが確保され、安心です。それだけでなく、ボリュームのある食事や南信州のクラフトビールを味わえます。

八ヶ岳の赤岳鉱泉は標高2,000m以上の山小屋なのにボリュームたっぷりの鉄鍋ステーキやデザートなど食事のクオリティーが高いので有名です。

夏限定ですがお風呂にも入ることができますし、悪天候で動けない時に退屈しないように本も充実しています。また、怪我をしないための講習会、登山をいっそう楽しむための講習会なども行われています。

営業期間が限定されている山小屋も多い

富士山は標高が高く、気象条件も厳しいため、山小屋は7・8月の2か月しか営業しないところがほとんどです。

北アルプスなど多くの登山者が訪れる地域では6月中旬から10月中旬もしくは11月はじめというところが多いです。メインルートから離れている場合は夏季営業のみの場合があります。

登山者なら一度はやってみたい「山での年越し」。冬季営業している山小屋もありますが、積雪状況により変更になる可能性もあります。

冬山は素晴らしいものですが、多くの危険も伴います。山に入る前に必ず最新情報を確認してください。

登山シーズンが終わっても山小屋登山がしたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような方のために、通年営業している珍しい山小屋もあります。

まとめ

登山をする上で山小屋の存在はとてもありがたいです。「ここは山の上なの?」と疑うぐらい設備が整ってる小屋もあり、登山の楽しみを広げてくれます。

山小屋ならではのマナーはしっかり守り、自分だけのお気に入りの山小屋をみつけてみてはいかがでしょうか。

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