尾瀬国立公園に属する「会津駒ヶ岳」は、日本百名山に数えられる南会津の名峰です。なだらかな山容が特徴的で、山頂付近に広がる大湿原やお花畑は「天上の楽園」と称されるほど。また、山頂から北にのびる「中門岳」への稜線や「中門大池」の青空リフレクションも見逃せないポイントです。
この記事では、花で埋まる夏の会津駒ヶ岳を、滝沢登山口から会津駒ヶ岳、中門岳まで歩いた行程や、その魅力について紹介します。
会津駒ヶ岳は、福島県南会津郡檜枝岐村にある標高2,133mの山です。頂上周辺は高山植物が多く、草原のようになっています。木道が整備されているため、歩きやすくなっています。
滝沢登山口からのコースは、山頂まで最短距離で登れる、最も利用されているコースです。木道が整備されていて、全体を通して危険箇所や道の不明瞭箇所はありません。距離が長いため、日帰りの場合は早朝に出発するか、宿泊して「天上の楽園」を堪能するのも良いでしょう。
滝沢登山口の階段をあがって登山スタートになります。ここから「水場」までは、樹林帯のなかをひたすら登る、本コース一番の急登です。登山道の途中には、山頂までの距離標識があり、目安になります。道迷いの心配もありません。
標高を上げていくと「水場」という、視界の開けた休憩ポイントに出ます。「水場」は、正確には登山道と水場との分岐のことで、実際の水場はそこから数分下ったところにあります。
坂が緩やかになり、森林限界に到達すると、2本の木道が現れます。
すぐに展望の良いベンチがあり、正面には目指す会津駒ヶ岳が望めます。写真左側のピークが会津駒ヶ岳で、右側が中門岳。間のなだらかな稜線を早く歩いてみたい、と心がはやりました。
ベンチからは高層湿原帯の木道歩き。木道脇には高山植物と池塘が点在し、後ろを振り返れば山並みが広がっています。やがて、木道の先に三角屋根の「駒の小屋」が現れます。この辺りは「池ノ平」と呼ばれ、なんともメルヘンな雰囲気です。
「駒の小屋」を右へ曲がり、山頂に向かいます。小屋の前には「駒ノ大池」があり、天気が良ければ池に映る「逆さ会津駒ヶ岳」が見られるので、見逃さないように。
チングルマ、イワイチョウ、ハクサンコザクラなどが咲き乱れるお花畑の木道を進みます。高さのあるコバイケイソウの群生は圧巻です。
「駒の小屋」から10分くらいで「中門岳」への巻き道との分岐になり、右に折れたらすぐに山頂です。
振り返ると、先ほどまでいた「駒の小屋」と燧ヶ岳、至仏山、日光連山などの山々が見渡せ、ダイナミックな景色が望めます。小屋近くに残る雪渓もよく見えました。
狭い山頂には、大きな山頂標識とパノラマガイド板、三角点があります。双耳峰の燧ヶ岳と山頂標識のコラボレーションをカメラに収めることができます。木々に囲まれているため、山頂直下のポイントの方が眺めが良いです。
山頂から「中門岳」へ向かいます。中門岳まで、標準タイムで片道50分のため、時間と体力に余裕があれば行ってみましょう!
中門岳までは、お花畑と池塘を巻くように木道が敷かれています。ほんのりハートを描くような木道の曲線にときめきます。写真の左から3つめのピークが中門岳です。多少アップダウンはしますが、気にならないくらい平坦な稜線歩きです。
どこまでも続く「コバイケイソウ」の群生。「駒の小屋」付近のものより規模が大きかったです。
会津駒ヶ岳を代表する花、初夏に咲く「ハクサンコザクラ」の群生です。
ひときわ大きな池塘が「中門大池」で、池畔に「中門岳(この一帯を云う)檜枝岐村」というザックリとした山頂標識とベンチがあります。
中門大池に映し出されるダイナミックな青空リフレクションは必見!自然の生み出した神秘的な風景に感動します。
実はここで終わりではありません。中門大池の先には、中門岳の最高地点に続く木道があります。
中門岳最高地点の池塘です。
終点のベンチの辺りはトンボがたくさん飛んでいて、のどかな雰囲気。ここまで来る人は少ないので、大自然を独り占めするような極上の気分を味わえます。
名残惜しい景色ですが、日帰り登山で時間に余裕がないため下山します。帰りは会津駒ヶ岳山頂をパスして巻き道を通るのも良いでしょう。下山道は、余裕もできて登りとはまた違った視点で風景を見られるのも登山の醍醐味ですよね。
ゆるかわなTシャツやオリジナルグッズが人気の山小屋。トイレは小屋の奥にあります。(協力金100円)
滝沢登山口駐車場 約20台
・東京方面からの場合、東北自動車道「西那須野塩原IC」から約2時間。
・満車の場合は、沿道に駐車するか、国道沿いの「グラウンド駐車場」を利用。
・トイレはありません。国道沿いの駒ヶ岳登山口にあります。
東武鉄道「会津高原尾瀬口」駅より会津バスで「駒ヶ岳登山口」バス停まで約1時間。
檜枝岐村は温泉地としても有名。日帰り温泉施設は3つあり、いずれも登山口に近くて便利です。
[公衆浴場] 源泉掛け流し。景色の良い露天風呂があります。
公衆浴場は駒ヶ岳登山口から徒歩10分くらいです。
[総合温泉スポーツ施設] 2022年春リニューアルオープン。別料金でプールも利用可能です。
※情報が古くなっている可能性があります。必ずホームページをチェックください。
距離は長いですが、最初の急登を抜ければ花と湿原が広がる天空の稜線歩きです。岩場の山とは違う穏やかな山の雰囲気に癒されることでしょう。会津駒ヶ岳山頂から中門岳の間がハイライトなので、せっかく会津駒ヶ岳に登るのであれば中門岳までセットで行くことをおすすめします。
会津駒ヶ岳は、一面草紅葉になる秋の季節や残雪期も人気の山なので、また違う季節にも訪れてみたいと思いました。
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今日は長野県松本市と新潟県糸魚川市を結ぶ全長120kmになる「塩の道トレイル」の一部を歩いてきました。松本市にある牛つなぎ岩から安曇野市の穂高神社まで、約30kmを7時間ぐらいです。市街地が多いコースですが、アルプス公園をまたぐ道や安曇野の道祖神巡りで楽しめました。#里山トラベル pic.twitter.com/gKAPNGXCUO
— m.miya(宮本将弘) (@masa_yco) May 7, 2022
山と旅を愛するライター。元同僚とゆる登山部を結成したのをキッカケに山にハマる。出没エリアは丹沢、夏山シーズンは長野・山梨方面の山へ。ソロ登山が多くマイペースに花を眺めたり、新たな発見を楽しみに登っている。登山口アプローチのために、そろそろペーパードライバー脱出を考えている…。
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