コロナ禍で普段の生活様式が変化しましたが、登山においても以前と変わったことが多いのではないでしょうか。
登山などの野外活動は人が密になりにくいとはいえ、山頂や山小屋などの場所は人が集まりやすいので対策をしなければいけません。
この記事では、私が実際に登山中に気をつけているマナーと、コロナ禍の登山に持っていくべきアイテムをまとめました。
コロナ禍の登山の持ち物やマナーに不安がある人はぜひ参考にしてくださいね。
私たちの日常生活では、徐々にコロナの感染対策方法が確立されてきています。例えば「密閉、密集、密接」の三密を避ける、人と会話するときはマスクを付ける、手洗いと消毒をするなどです。
登山は野外活動で密を避けられるからコロナ対策は必要ないのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし、登山の一連の流れを考えると、自宅から登山口までの移動に公共交通機関を使うこともありますし、山のトイレや山小屋を利用することもありますよね。
人が集まりやすい人気のある山は、野外とはいえ人が密集することもあり得ます。そう考えると登山にもコロナのリスクは潜んでいて、日常生活と同じようにコロナ対策が必要になりますよね。
コロナ前と同様に登山を楽しむためには、登山の持ち物とマナーのアップデートが必要です。
登山を計画するときは、出発地・経由地・目的地それぞれの情報収集を必ずおこないましょう。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ている地域や、コロナの病床数がひっ迫している地域では、行政が登山の自粛を求めていることがあります。
また、自身が居住する地域と目的地のコロナの状況に差がある場合、感染を広げたりコロナウイルスを持ち帰る危険性があることも考えましょう。
登山道が整備されているか、山小屋が営業しているか、水場やトイレは利用できるか、山小屋の宿泊やテント場の予約は必要かなど、目的の山の状況の確認が必要です。
自治体ごとに対応方法が違うので、綿密な情報収集をおこないましょう。
ここからは、Withコロナの登山に持っていきたいアイテムを紹介します。
自宅から登山口までの移動中に公共交通機関を使ったり、買い物をしたりするときにはマスク着用が必須になります。
ただし、基本的に登山中のマスク着用は推奨されていません。
飛沫の飛ぶ距離は2mといわれているため、登山中に2m以上距離をあけていれば問題なく、むしろ行動中にマスクをすると息が苦しくなるのでデメリットになるからです。
とはいえ、2m以内の距離で人とすれ違うこともありますし、トイレや山小屋で他の登山者と近い距離になることもあるため、マスクをするか、手ぬぐいやネックゲイターで口を覆うようにして飛沫が飛ばないよう注意が必要です。
宿泊を伴う登山の場合はマスクを多めに持っていきましょう。
ウイルスは手の指などに付着し、その手で目鼻口の粘膜に触れることで感染します。
誰かが触ったであろうドアノブや手すりなどに触れる場合は手の消毒をおこないましょう。
市販の消毒液の場合、厚生労働省の指針ではエタノール濃度60%以上が推奨されています。
体温は体の不調のバロメーターです。もし登山中に自分や同行者の体調が悪くなった場合、熱があるかがわかれば、すぐに下山する判断ができます。
もし体温が37.5度以上か、平熱より1度以上の発熱があれば登山は中止すべきです。
コロナ禍でなくとも登山中に出たゴミは持ち帰るのがマナーですが、感染対策をするなら密閉できる袋が適しています。
山小屋や公共交通機関のゴミ箱に自分の体液が付いたゴミは捨てないようにしましょう。
山小屋が休業していると、あてにしていた食料や水が手に入らない可能性があります。
地図上に水場が示されていても、山小屋が休業中は水を引いていないことも。
そのため、水や食料は多めに持っていくほうが安全です。
水場と同じく、山小屋の休業中はトイレも稼働していない可能性があります。
コロナの感染予防の観点から、清潔に保たれていないように見える共同トイレは使いたくないと思う人もいるでしょう。
そんな場合を想定して、必要に応じて携帯トイレを準備しておくと安心です。
ファーストエイドキットのひとつとして普段から持ち歩いていることも多い使い捨て手袋。
体調が悪い人の介抱やケガをした人の手当てをする場合に必要になるので、複数枚持っておくといいでしょう。
山小屋では直接肌に触れるものは持参するルールを設けているところもあります。
宿泊する際は持参したシュラフで寝るか、布団に直接肌が触れないようインナーシーツを利用するのがいいでしょう。
複数人でテントを使うと三密状態になります。そのため、テント泊は1人1張が基本。食事もなるべく距離をとって各自調理するほうが安全です。
コロナ禍の登山で必要な持ち物について紹介しました。Withコロナの登山は、今までよりも計画や情報収集に時間がかりますし、持ち物も増えます。
私自身もたとえ数時間の日帰り登山であっても、登山口までのアプローチ段階からしっかり計画を立てるようになりましたし、帰り道も寄り道をなるべくせずまっすぐ帰るようになりました。
今まで以上に余裕のある行動計画を立て、各自治体や山小屋が設けるマナーをしっかり守ったうえで登山を楽しみましょう。
参考
・公益社団法人日本山岳ガイド協会
新型コロナウイルス感染症対策のための業務再開ガイドライン Vol.7
―新型コロナウィルス感染症拡大防止のための行動指針―
・富士登山オフィシャルサイト「Withコロナ時代の新しい富士登山マナー」詳細版
・公益社団法人 日本山岳・スポーツクライミング協会 登山医科学委員会 登山再開に向けての 登山再開に向けての 再開に向けてのガイドライン
・新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
▼登山やハイキングにも使えるスポーツマスク
▼HIKES編集長の里山トラベル
HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローされると喜びます。
昨日は三頭山を歩きました。コースが丁寧に整備されおり運営の方々の想いが伝わる道でした。朝の8時から12時ぐらいでしたが、木で日差しが遮られ涼しく歩けます。午後以降は暑いかも🤔低山やっぱりいいな。 pic.twitter.com/H3Ev5q7Nty
— 宮本将弘 | masahiro miyamoto (@masa_yco) July 25, 2021
山に恋するフリーライター。運動嫌いだったのに、たまたまテレビで見た岩手山に一目惚れして登山を始める。ソロ登山の魅力にハマり、低山ハイキングからテント泊縦走まで自分のスタイルで楽しんでいる。
登山で訪れた土地の郷土料理や地酒、クラフトビールを楽しむのが至福の時間。地方の伝統工芸品や民芸品をアウトドアで使うのが好き。
登山に適したカメラは一眼レフ、ミラーレス?初心者におすすめのカメラと選び方
山の上からの絶景や自然の素敵な景色を見たとき、この感動を写真に切り取ってみたいと思ったことはありませ…
登山(アウトドア)で使える財布の選び方。軽くてコンパクトなおすすめ財布を紹介
皆さんは登山時いつもどのような財布を持って行きますか?普段使いの財布をそのまま使用する方もいると思い…
登山中のトイレにご用心!山のトイレ問題は下調べと準備を欠かさずに!
「登山中、トイレに行きたくなったらどうしよう…」誰もが抱える悩みですね。人気のある山は整備されている…
寒い季節の登山にはダウンパンツが便利!軽量・保温力・素材で選ぶおすすめモデルを紹介
寒い季節の登山で下半身の防寒に活躍するのがダウンパンツです。しかし、ダウンジャケットやフリースウェア…
登山ザックに装着できるボトルホルダーが便利!手軽に水分補給して軽快に歩こう
登山中の水筒やペットボトルはどこに収納していますか?ザックの脇のポケットに入れるのが一般的ですが、ザ…
登山のゴミは袋に入れて持ち帰ろう!ゴミ袋の分け方や快適にする工夫
山にゴミを捨てる人はいないと思いますが、登山で出たゴミは家まで持ち帰るのが一般的なマナーです。私たち…
登山用ガスバーナーどう選ぶ?バーナーの種類と選ぶポイント
登山に慣れてくるとやってみたくなる「山ごはん」。山でお湯を沸かしたり、調理したりするにはガスバーナー…
女性登山者の悩み、みんなどうしてる?生理やメイク、ニオイケアなど女性の困りごとを解決!
登山をする女性には、どうしても女性ならではの悩みが出てきますよね。筆者もソロ登山が多いので、登山初心…
知っておきたい登山マナーの基礎知識。安全登山と自然保護への観点
登山では街歩きと違いマナーがあることを知ってましたか?守らないと人によからぬ迷惑をかけたり、希少植物…
【那須岳(茶臼岳・朝日岳)】火山のダイナミックな光景と紅葉をロープウェイを利用して楽しむ日帰り登山
那須岳(なすだけ)は栃木県北部に位置する那須連山、特に「茶臼岳(ちゃうすだけ)」「朝日岳(あさひだけ…
【岩木山】青森県の最高峰を九合目からお手軽に登頂
津軽平野の南西にそびえる岩木山は、青森県の最高峰で日本百名山に選定されています。その美しい円錐型の山…
【男体山】中禅寺湖を振り返りながら奥日光の霊山を登る日帰り登山
男体山は中禅寺湖の北側にそびえる、美しい円錐形の山です。古来、日光二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ、…
【木曽駒ヶ岳】初心者でもロープウェイで中央アルプス最高峰へ!千畳敷カールの絶景が待つ日帰り登山
中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は標高3000mに迫る標高がありながら、ロープウェイ…
【大台ヶ原】豊かな自然と見どころ満載の東大台ハイキングコースを歩く
奈良県と三重県の県境に位置する「大台ヶ原(おおだいがはら)」は、日本百名山をはじめ、日本百景、日本の…
【奥多摩・御前山】奥多摩湖から始まる急登の連続!達成感を味わえる日帰り登山
大岳山(おおだけさん、おおたけさん)、三頭山(みとうさん)とともに奥多摩三山に数えられる「御前山(ご…
【塔ノ岳・登山】首都圏近郊の好展望の山!丹沢を代表する人気コース表尾根を歩く
表丹沢の「塔ノ岳(とうのだけ)」は、展望の良さと都心からのアクセスのしやすさで人気の山です。標高は1…
【檜洞丸】西丹沢の秘境を巡る日帰り登山!アクセスと難易度、絶景ポイントを紹介
檜洞丸(ひのきぼらまる)は西丹沢の山深さが感じられる静かな山で、「西丹沢の盟主」とも呼ばれています。…
【袈裟丸山】花見登山を満喫!山肌をピンクに彩るアカヤシオの名山を歩く
栃木・群馬県境の足尾山地に属する袈裟丸山(けさまるやま)は、アカヤシオの名所として名高い山で、シーズ…
【大楠山・登山】三浦半島を横断!海と山の360°パノラマが楽しめる低山ハイキング
神奈川県三浦半島の最高峰、大楠山(おおぐすやま)。海に囲まれた半島に位置するため、東京湾、房総半島、…
【群馬・根本山】自然のアスレチック!低山ながらスリルと登りごたえのある古道歩き
栃木・群馬両県の百名山に選定されている「根本山」は、古くから信仰の山として親しまれています。根本山へ…
【丹沢・不動尻】一面黄色の世界!早春のハイキングで「ミツマタ」を見に行こう!
春が来て登山・ハイキングに最適なシーズンとなりました。春ハイキングの楽しみのひとつに、山で出合うお花…
トレイルランと登山の違いを解説!自分に合った山のスタイルを見つけよう
トレイルランと登山は、山を「走る」のか「歩く」のかという違いだけで、似たようなものだと思いがちですが…
【積雪期・谷川岳】雪山初心者におすすめ!日帰りで360度白銀の世界へ
「トマの耳」「オキの耳」の双耳峰(そうじほう)からなる「谷川岳(たにがわだけ)」は、日本百名山のひと…
【伊豆ヶ岳】奥武蔵屈指の人気コースを歩く日帰り縦走登山
気軽にハイキングが楽しめる低山の多い奥武蔵エリア。その中でも一番人気といわれるのが伊豆ヶ岳(いずがた…
【皆野アルプス】身近な里山のアルプスを縦走する日帰り登山(破風山・前原山・大前山・天狗山)
皆野アルプスは破風山をはじめとしたいくつかのピークをつなぐ低山縦走コースです。最高峰の大前山でも65…
【三国山・鉄砲木ノ頭】富士山の絶景を満喫するハイキングコース
丹沢山地の西端、山中湖の近くに位置する「三国山(みくにやま)」は、神奈川県、山梨県、静岡県の3県にま…
【丹沢・大山】都心からアクセス抜群!大山阿夫利神社と紅葉スポットを散策する日帰り登山
関東屈指の人気の山域、丹沢の東側に位置する大山は、ピラミダルな美しい山容が特徴の山です。古くから山岳…
【鳥取・大山】初心者でも安心!自然と歴史満喫の夏山登山道、行者コースを歩く
鳥取県西部に位置する「大山(だいせん)」は、西日本最大級のブナ林や国の特別天然記念物ダイセンキャラボ…
【棒ノ折山・登山】「鎌倉殿の13人」畠山重忠ゆかりの山!渓谷を沢登り気分で楽しむ日帰り登山
奥武蔵エリアにある「棒ノ折山(ぼうのおれやま)」は、渓流沿いのコースで沢歩き気分が楽しめる山です。ゴ…