山の上からの絶景や自然の素敵な景色を見たとき、この感動を写真に切り取ってみたいと思ったことはありませんか?
それなら本格的なカメラを一つ持っておくことをおすすめします。とはいえ、初心者がカメラを始めるのはハードルが高いと思うかもしれません。
そこで、この記事では実際に一眼レフカメラを持って登山をしている私が、登山におすすめのカメラの選び方やおすすめモデルを紹介します。カメラに興味のある方はぜひ参考にしてください。
デジタルカメラの種類は
の3つに大きく分かれます。それぞれの特徴と、登山に携行する上でのメリット・デメリットを以下にまとめました。
レンズ交換式のオーソドックスなデジタルカメラです。「一眼レフ」とはカメラに使われているレンズが1つ(一眼)であり、カメラの内部のミラーで光を反射(レフレックス)させて、ファインダーから結んだ像を確認できる仕組みのことをいいます。
カメラの内部から光を反射させるミラーをなくした、レンズ交換式のカメラ。ファインダーに結んだ像を映す一眼レフと違い、センサーで光景を映像データに変換し、電子ビューファインダーに映す仕組みです。
レンズが一体型のいわゆるデジカメ、コンデジと呼ばれるカメラです。小型軽量で気軽に持ち運べ、価格も安価ですが画質は一眼レフ・ミラーレスには劣ります。
上記で説明したように、デジタルカメラは種類ごとに一長一短です。
もし本格的に山で写真を撮りたいのであれば、画質のいい「一眼レフ」か「ミラーレス」の2択になるでしょう。ここからは実際に登山に向いたカメラを選ぶポイントを説明します。
デジタルカメラのバッテリーの持ちは機種によって異なります。一眼レフとミラーレスで比較すると、バッテリーの持ちがいいのは一眼レフです。
一眼レフは光学式ファインダーを使うため電力の消費が抑えられます。それに比べ、ミラーレスは電子ビューファインダーを使うため、撮影中の電力消費は避けられません。
また、バッテリーの持ちは気温でも変わります。気温が20℃のときより0℃のときの方がバッテリーは消耗しやすいのです。
バッテリーの持ちに関しては、それぞれのメーカーのWebサイトに「撮影可能枚数の目安」が記載されているので参考にしてください。
日帰り登山であればフル充電したバッテリー1個で十分でしょう。山に宿泊し何日も歩くような場合はフル充電した予備バッテリーを2~3個持てば安心です。さらに5日、6日と長期の縦走をするのであれば、バッテリーを再充電するためのモバイルバッテリーも必要になります。
山では急な天候の悪化でカメラが濡れてしまったり、突風で砂ぼこりがカメラに入り込んだりする危険があります。カメラは精密機械なので、山では非常にデリケートです。そのため、登山で使うカメラは「防水機能・防塵性能」を備えた機種が適しています。
とはいえ、デジタルカメラには「防塵・防滴」に関しては明確な公的基準が明記されていません。そのため、あくまで「メーカーが防塵・防滴を謳っている」かどうかの確認に留まります。新しい機種であれば、防塵・防滴機能にそれほど違いはないと考えていいでしょう。
せっかく山に登って美しい風景を写真に収めるのであれば、画質はいいに越したことはありません。大きな差はありませんが、画質の良さを求めるのであれば、一眼レフかミラーレスの二択になります。
カメラの画質は、撮像素子(イメージセンサー)の大きさで決まります。イメージセンサーは、カメラ内部にあるレンズから入ってきた光を電気信号に変換する部品のことで、センサーサイズが大きいほど高画質な写真が撮れます。
現在販売されている一眼・ミラーレスカメラは上図のようなフルサイズ機とAPS-C機が主流です。プロ・ハイアマチュア向けなのはフルサイズ機ですが、APS-C機に比べ重量があり価格もかなり高価です。登山においては携行性も重要なため、入門機として使用するならAPS-C機をおすすめします。
登山はそもそも荷物が多いため、カメラを持つのはかなり負担になります。できれば持ち歩きやすい軽量・コンパクトな機種を選びたいところです。
Canonの機種で重さを比較したのが以下の表です。
種類 | センサーサイズ | 重量 |
---|---|---|
コンパクトデジタルカメラ | ーーー | 126~399g(レンズ込み) |
一眼レフカメラ | APS-C | 449~701g |
フルサイズ | 765~1440g | |
ミラーレスカメラ | APS-C | 299~408g |
フルサイズ | 660~1015g |
一眼レフ・ミラーレスカメラは本体重量のほかにレンズの重さもプラスされるため、、その分重くなることがわかります。初心者であれば、画質もいいAPS-Cサイズのミラーレスカメラが軽くておすすめです。
もちろん、体力に自信がある方や本格的に写真を始めたい方はフルサイズ機でもいいでしょう。自分にとって無理のない重量で検討してください。
登山道でカメラを落としてしまうと、岩や石などにぶつかり本体やレンズが破損する可能性が高いです。一般的に上位機種ほど衝撃に対してタフな作りになっていますが、そのぶん価格も跳ね上がるので可能な範囲で衝撃に強い機種を選びましょう。歩行時はカメラカバーを付けるといった工夫も必要です。
また、気温がマイナスになるような寒冷地での撮影をしたいのであれば、-10℃まで対応できるような耐寒性能のある機種を選びましょう。
一眼レフ・ミラーレスカメラはレンズを交換することで、同じ風景でも違った雰囲気の写真を撮影できます。例えば、望遠レンズ、広角レンズ、マクロレンズなど、被写体に応じてレンズを変えるとカメラの楽しみは何倍にも広がりますよ。
カメラを選ぶときは、対応するレンズの種類が多い機種を選ぶと良いでしょう。一般的にミラーレスより一眼レフカメラの方が対応するレンズは多いですが、今後ミラーレスカメラも対応レンズが増えていくことが期待されています。
ここからは、カメラ初心者におすすめしたいカメラを3つ紹介します。
以上の条件にあてはまる初心者向けのカメラを選んだので参考にしてください。
ボディはわずか449gとキヤノンの一眼レフカメラの中では最軽量。登山での持ち歩きの負担になりにくいコンパクトなボディです。バリアングル液晶モニターと直感的な操作性で、スマホカメラのように画面タッチでシャッターを切ったり設定を変えたりすることが可能です。
またWi-Fi・Bluetoothで接続でき、その場でスマホに写真を送れてシェアも簡単!高性能な映像エンジン「DIGIC 8」とAPS-CサイズCMOSセンサー搭載で、山の美しい風景を高画質で残せます。
富士フイルムならではの美しい色彩の写真が撮れるミラーレス一眼レフカメラ。上位モデルと同じくらいの高画質でありながら、コスパが優れているモデルなので初めての1台におすすめです。
富士フイルムには「フィルムシミュレーション」という独自の機能があり、難しいレタッチ技術がなくても簡単に写真のテイストをコントロールできます。上下に角度を調整できるチルト式液晶モニターでハイ・ローアングルも自在。モニターにはタッチシャッター機能もあります。
山でここぞ!という風景を切り取りたいときに、難しい設定なしでも思い通りの写真が撮れますよ。
手のひらに乗るほどの小型・軽量ボディーと高い描写力が魅力のミラーレス一眼レフカメラ。バッテリーやSDカードを含めて450gと軽量でありながら堅牢な造りです。
「Zマウント」という規格は、高度な光学性能を備えており、超広角~広角の風景写真に強いのが特徴。登山で山頂からの風景を高画質で撮るのに適しています。
また、設定の自由度が高いので、オート撮影では物足りなくなったあとも自分好みの設定を楽しめます。画面モニターはタッチパネル操作ができ、上下にチルト可能で180度展開すればモニターを見ながらの自撮りも可能です。
登山に向いているカメラの選び方とおすすめ機種を紹介しました。登山にカメラを持っていくと、どんな写真を撮りたいかを考えながら景色を見るようになるので、いつもよりもじっくりと景色を楽しめるでしょう。仲間との記念写真も美しく残せて、見返すのも楽しくなりますよ。この記事を参考に登山でカメラデビューしてみてはいかがでしょうか。
山に恋するフリーライター。運動嫌いだったのに、たまたまテレビで見た岩手山に一目惚れして登山を始める。ソロ登山の魅力にハマり、低山ハイキングからテント泊縦走まで自分のスタイルで楽しんでいる。
登山で訪れた土地の郷土料理や地酒、クラフトビールを楽しむのが至福の時間。地方の伝統工芸品や民芸品をアウトドアで使うのが好き。
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