登山に慣れてくるとやってみたくなる「山ごはん」。山でお湯を沸かしたり、調理したりするにはガスバーナーが必要になります。しかし、燃料の種類や形状も様々で、どんなタイプがいいのか迷いますよね。
そこで、この記事では用途に合わせたガスバーナーの選び方や燃料の種類を解説します。自分に合ったガスバーナーを選べば、登山の楽しみが一層広がること間違いなしです!
登山用のガスバーナーがあれば、山ごはんメニューの幅が広がります。ガスバーナーはお湯を沸かすだけでなく、本格的な料理を作ることも可能だからです。
例えば、お米からご飯を炊くこともできますし、温かいスープやお味噌汁も作れます。さらにはパスタを茹でたり、カレーを煮込んだり、網や鉄板を使えばお肉やパンを焼くことも。
自宅のコンロで調理するのと同じように、山の上で本格的な料理を作れるのがガスバーナーの魅力です。登山用のガスバーナーは、携行しやすいように非常に軽くコンパクトにできています。
メーカーごとに軽さや防風性能、使いやすさにこだわったモデルが出ていますので、用途に合わせて選んでみましょう。
ガスバーナーを点火するには2つの方法があります。一つはライターやマッチを使って点火するものともう一つは自動点火装置を使うものです。特に自動点火装置での点火はとても簡単にできます。
【自動点火装置がない場合】
自動着火装置が付いていないバーナーの場合は、ガスを出してからライターの火を近づけて着火します。自動着火装置を使っても火がつかないときも同じ方法で点火させます。
【自動点火装置の場合】
バーナーをガスカートリッジに装着させたら、レギュレーター(ガス圧を調整する弁)のツマミを回してガスを出します。シューッとガスが出る音がするので、あとは自動点火装置のボタンを押すだけ。
点火したら、レギュレーターで火力を調整します。消火したいときは、レギュレーターを反時計回りに回し切ると火が消えます。風が強い日や朝など冷えている場合は思うように点かないこともあるため、ライターやマッチなど着火できるものを持参しておくのがおすすめです。
燃料のCB缶やOD缶を直接バーナー本体に取り付けて使うのが一体型です。一体型のメリットは、分離型よりコンパクトで軽いことです。
携帯性が高く、ソロ向けの小さなコッヘルでも燃料とバーナーをまとめてスタッキングできるほど小さく収納できます。ただし、燃料の上にバーナーを取り付けるため分離型より重心が高くなります。大きな鍋や背の高いポットは不安定になりやすいので注意しましょう。
ホースを経由して燃料とバーナー本体が分かれているのが分離型です。分離型は重心が低く、ゴトクが大きめなので安定感があります。
大きな鍋やダッチオーブンも乗せられ、火力も一体型より強いので大人数の調理をするのに向いています。パワフルなぶん重くてかさばるので、ソロ登山や軽い調理には向いていません。グループ登山や悪天候での調理で活躍します。
「OD缶」は、コロンとした丸い形が特徴の主にアウトドアユースが目的の燃料です。メーカーごとに発売されているOD缶は基本的に互換性がないので、メーカー専用のOD缶を使用する必要があります。
CB缶に比べて高価ですが、コンパクトで丈夫なうえ、寒さにも強いのがメリットです。110g・250g・500gなど、サイズ展開も豊富です。
「CB缶」は、一般家庭のカセットコンロで使われるカセットボンベのことです。アウトドアショップでなくとも、ホームセンターやコンビニなどで安価で手に入れることができます。
ガスが使い切れなくても自宅のカセットコンロなどで利用できて便利です。ただし、OD缶よりも火力が弱めで、寒い場所ではパワーが足りず不向きです。
登山に持っていくなら、ガスバーナーの防風性を考慮する必要があります。山の上では季節を問わず強風が吹きますので、風が吹いても火が消えたり火力が不安定になったりしないガスバーナーを選びましょう。
例えば、バーナーヘッドがすり鉢状になっていて風の影響を受けにくいタイプがおすすめです。また、ゴトクがX字になっていて火元が4つに分かれ、風で一部の火が消えてもほかの火が消えないタイプもあります。
このような防風性能の高いガスバーナーを選ぶとともに、ウインドスクリーンを活用すれば、弱火でも火が消えにくいですし、燃焼効率も高められます。
せっかく調理道具をそろえて山に登ったのに、ガスバーナーが点火しなければ台無しです。強風や悪天候も想定してガスバーナーを選んでみましょう。
パッキングするときの収納性を考慮するなら、コッヘルの中にガスバーナーと燃料を収納できることが望ましいです。できれば、ガスバーナーを選ぶ際に、コッヘルと燃料の缶のサイズもあわせてチェックして、シンデレラフィットする組み合わせを選ぶといいでしょう。
また使いやすさの点でいえば、スムーズに設置できるか、コッヘルを乗せたときに安定するか、火力の細かい調節ができるかなども確認しておきましょう。
一体型はパーツが1つしかなく設置は簡単ですが、安定性や火力の調節が容易なのは分離型です。メーカーによってゴトクの形状や着火装置の仕様も異なりますので、できればアウトドアショップで組み立て方や点火の仕方を確認して、使いやすいものを購入するのがいいでしょう。
初めてガスバーナーを購入するときは本当に色々あるので悩むものです。値段も1万円ぐらいが相場なので失敗したくないですよね。また、山ごはんはあまりやらない方にはお湯を沸かすことに特化したバーナーもあるので用途によって使い分けてるのもおすすめです。
山でご飯を炊いたり、パスタを茹でたりと夢が広がるガスバーナ。登山を楽しむには一つ持っていても損はありません。
▼登山で料理するための必要な調理道具
▼HIKES編集長の里山トラベル
HKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローされると喜びます。
歴史は好きなんだけど、歴史の価値って現代では薄れつつある気がする。今を生きる人にとっては今と未来の方が興味あるもんね。…だからこそ知っておきたくて、興味深い本を購入した。一つのエリアを深掘りしたい。秩父は山歩きに目覚めた地なので愛着あるから気持ちものって入りやすい。#里山トラベル pic.twitter.com/zmSH0wWt2O
— 宮本 将弘🏡 (@masa_yco) September 29, 2019
HIKES編集部です。「歩くを文化に暮らしを楽しむ」をコンセプトに自然の中を歩くことが暮らしの一部になるようなコンテンツを発信していきます。登山やハイキング、ロングトレイルを始め、地元の人しか知らない里山噺など、歩くことを軸にしたWEBメディアです。
登山装備を準備しよう!基本的な装備や持ち物と初期費用を抑えるコツ
一昔前なら登山装備と聞くと高価で専門的なイメージでしたが、技術が発達した近年では機能的かつ軽量、安価…
登山靴の種類と選び方。日帰り登山や富士山に最適な登山靴をご紹介!
登山を始めるきっかけは色々ありますが、まわりの様子を見ると「富士山」や「屋久島」から入る方が多いよう…
登山で料理をしてみよう!必要な調理道具や場所選びのポイント
登山に慣れてくるとやってみたくなるのが登山料理。山仲間が山ごはんを作り、美味しそうに食べてる姿をみる…
登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ
登山やってみたいけど荷物が多そうでトライしにくいなぁと悩む人も多いですね。確かに、本格的な登山をする…
山仲間はどうやって探すの?山岳会やネットから山仲間を探す方法
登山を始めるきっかけは友人に誘われたり、まわりにやっている人がいるからというケースが多いかと思います…
【山ごはん】欲張りウインナー麺 − 山ごはんレシピ
グツグツと煮込んだ麺の中にはちょっと高そうなウインナー。漫画「山と食欲と私」で主人公が美味しいに食べ…
登山における行動食の重要性。選ぶポイントやアレンジして楽しむ方法
登山は多くのエネルギーを消費するため、食事だけでなく「行動食」が欠かせません。そのため行動食を持参す…
【山ごはん】アボカドのディップとウインナーサラダの簡単レシピ
日本百名山「筑波山」にて山ごはんを作りにいきました!メニューは「アボカドのディップ」と「ウインナーサ…
冬の登山にはアイゼンが必要不可欠。アイゼンの種類と選び方
どこまでも澄み渡る青い空と白銀の世界。冬山の景色は息を飲むほど美しいものです。夏山と違って虫もいなけ…
雨の日の登山は中止にすべき?雨の日登山の危険性と雨対策
山に行く計画を山仲間と立てたのに明日の天気が雨、もしくは曇り雨などはっきりしない場合みなさんはそれで…
【那須岳(茶臼岳・朝日岳)】火山のダイナミックな光景と紅葉をロープウェイを利用して楽しむ日帰り登山
那須岳(なすだけ)は栃木県北部に位置する那須連山、特に「茶臼岳(ちゃうすだけ)」「朝日岳(あさひだけ…
【岩木山】青森県の最高峰を九合目からお手軽に登頂
津軽平野の南西にそびえる岩木山は、青森県の最高峰で日本百名山に選定されています。その美しい円錐型の山…
【男体山】中禅寺湖を振り返りながら奥日光の霊山を登る日帰り登山
男体山は中禅寺湖の北側にそびえる、美しい円錐形の山です。古来、日光二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ、…
【木曽駒ヶ岳】初心者でもロープウェイで中央アルプス最高峰へ!千畳敷カールの絶景が待つ日帰り登山
中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は標高3000mに迫る標高がありながら、ロープウェイ…
【大台ヶ原】豊かな自然と見どころ満載の東大台ハイキングコースを歩く
奈良県と三重県の県境に位置する「大台ヶ原(おおだいがはら)」は、日本百名山をはじめ、日本百景、日本の…
【奥多摩・御前山】奥多摩湖から始まる急登の連続!達成感を味わえる日帰り登山
大岳山(おおだけさん、おおたけさん)、三頭山(みとうさん)とともに奥多摩三山に数えられる「御前山(ご…
【塔ノ岳・登山】首都圏近郊の好展望の山!丹沢を代表する人気コース表尾根を歩く
表丹沢の「塔ノ岳(とうのだけ)」は、展望の良さと都心からのアクセスのしやすさで人気の山です。標高は1…
【檜洞丸】西丹沢の秘境を巡る日帰り登山!アクセスと難易度、絶景ポイントを紹介
檜洞丸(ひのきぼらまる)は西丹沢の山深さが感じられる静かな山で、「西丹沢の盟主」とも呼ばれています。…
【袈裟丸山】花見登山を満喫!山肌をピンクに彩るアカヤシオの名山を歩く
栃木・群馬県境の足尾山地に属する袈裟丸山(けさまるやま)は、アカヤシオの名所として名高い山で、シーズ…
【大楠山・登山】三浦半島を横断!海と山の360°パノラマが楽しめる低山ハイキング
神奈川県三浦半島の最高峰、大楠山(おおぐすやま)。海に囲まれた半島に位置するため、東京湾、房総半島、…
【群馬・根本山】自然のアスレチック!低山ながらスリルと登りごたえのある古道歩き
栃木・群馬両県の百名山に選定されている「根本山」は、古くから信仰の山として親しまれています。根本山へ…
【丹沢・不動尻】一面黄色の世界!早春のハイキングで「ミツマタ」を見に行こう!
春が来て登山・ハイキングに最適なシーズンとなりました。春ハイキングの楽しみのひとつに、山で出合うお花…
トレイルランと登山の違いを解説!自分に合った山のスタイルを見つけよう
トレイルランと登山は、山を「走る」のか「歩く」のかという違いだけで、似たようなものだと思いがちですが…
【積雪期・谷川岳】雪山初心者におすすめ!日帰りで360度白銀の世界へ
「トマの耳」「オキの耳」の双耳峰(そうじほう)からなる「谷川岳(たにがわだけ)」は、日本百名山のひと…
【伊豆ヶ岳】奥武蔵屈指の人気コースを歩く日帰り縦走登山
気軽にハイキングが楽しめる低山の多い奥武蔵エリア。その中でも一番人気といわれるのが伊豆ヶ岳(いずがた…
【皆野アルプス】身近な里山のアルプスを縦走する日帰り登山(破風山・前原山・大前山・天狗山)
皆野アルプスは破風山をはじめとしたいくつかのピークをつなぐ低山縦走コースです。最高峰の大前山でも65…
【三国山・鉄砲木ノ頭】富士山の絶景を満喫するハイキングコース
丹沢山地の西端、山中湖の近くに位置する「三国山(みくにやま)」は、神奈川県、山梨県、静岡県の3県にま…
【丹沢・大山】都心からアクセス抜群!大山阿夫利神社と紅葉スポットを散策する日帰り登山
関東屈指の人気の山域、丹沢の東側に位置する大山は、ピラミダルな美しい山容が特徴の山です。古くから山岳…
【鳥取・大山】初心者でも安心!自然と歴史満喫の夏山登山道、行者コースを歩く
鳥取県西部に位置する「大山(だいせん)」は、西日本最大級のブナ林や国の特別天然記念物ダイセンキャラボ…
【棒ノ折山・登山】「鎌倉殿の13人」畠山重忠ゆかりの山!渓谷を沢登り気分で楽しむ日帰り登山
奥武蔵エリアにある「棒ノ折山(ぼうのおれやま)」は、渓流沿いのコースで沢歩き気分が楽しめる山です。ゴ…