人それぞれ好みはあるけれど、趣味の一つの選択に「登山」を入れるのはいかがでしょうか?というお話です。登山と聞くと「体力がいりそう」「装備品が高そう」「怖い」というイメージがあるかもしれません。それは険しくて高い山を登るイメージかもしれません。山道が整備されたハイキングや軽登山は自然に触れることがメインになります。今回はそんな登山の魅力や、気になる費用、そして、安全で楽しい趣味にするための注意点をご紹介します。
登山の醍醐味は、その壮大な景色と言っても過言ではありませんね。
日々お仕事されている方にとって、歩くことといえば通勤がメインになるのではないでしょうか。それとは変わって山道では土を踏み込み、新鮮な空気を吸ったり吐いたり、鳥のさえずりを聞きながら登る。そして山頂まで登った達成感や目の前に広がる壮大な景色はとても感動的で非日常的なものです。
登山はそのときだけではなく、一年を通じて同じ山でも楽しむことができます。春には新芽が育ち、夏には緑豊かな世界が溢れ、秋になると赤や黄色の紅葉が彩り、冬は一面真っ白な景色が一層美しくみえます。四季折々、色鮮やかな山の姿に魅了されること間違いなしです。
一度体験すると「達成感」「開放感」の虜になってしまうかもしれません。
登山の魅力を語るのに外せないのが、山ごはん!です。
山頂で食べるごはんは、本当に最高です。凝ったものを持っていかなくても、コンビニのおにぎりやカップラーメンを食べるもよし、山小屋の名物ごはんを食べるもよし、何を食べても美味しいのが登山の魔法です。目の前には絶景が広がり、一生懸命登ったその努力が、ごはんの美味しさを引き立ててくれる何よりの調味料になってくれるのです。
あと肝心なものがもう一つ。お水もものすごく美味しく感じるのです。汗で体の水分が出ていってしまうのでそれを補給するためのお水。体が生きるために欲しがっているので「生きている」実感を得られることができるのです。
そして、登山の最後のお楽しみはなんと言っても「下山後の温泉とグルメ」。登山をしている人の中には「下山後の一杯」のために登ってるという方がいるほど、贅沢な時間がそこにはあります。気持ちも満たされ疲れきった体を温泉で癒やす。「いい湯だな〜」とひと息つく時間は格別です。
温泉から上がると、グイっと一杯して美味しいご飯をいただく。達成したからこそ湧き出てくる満足感と心地よい疲れにやみつきになる人は多いですよ。
登山ではたくさん歩きます。平地を歩くよりも多くのカロリーを消費するうえ、有酸素運動なので健康増進にもいいとされてます。中高年に人気が集まる理由もわかりますね。
どれだけ歩くことになるのかは、コースにもよりますが、山頂まで登って降りてくるだけで、2万歩達成なんてこともざらにあります。登山は、上りも下りも全身の筋肉を使う全身運動なので、効率的に体を動かすにはもってこいなのです。
ただ、やみくもに多く歩くのは注意が必要です。体力や筋力は人それぞれですし、慣れていないうちに急な山に登るのはかえって危険なこともあります。登山中に意識を失うなんてことも事例としてありますので無理は禁物。まずはコースが整備されたハイキングから始めるのがおすすめですよ。
慣れてきたら少しずつ距離や高度、難易度をあげて、自分の体力を試してみるのも楽しみ方の一つですね。
大勢でワイワイ登っても、ひとりで挑戦しても、登山は結局自分と向き合うことになります。普段は基本的には不便なくことが進みますよね。山ではそういう常識が通じません。トイレがなかったり、天候に左右されたりなど、計画を変えなければいけないことがあります。
また、目の前の雄大な山に比べたら、自分はいかに小さな存在なんだろうと思い知らされます。コースが整えられている場合でも、そこから外れると迷ってしまったり、ケガにつながったりすることを考えると、なんて自分は無力なんだろうと謙虚な気持ちにさせられます。だからこそ、山に登る前に自然の中では何もかもが思いどおりにいくわけでないことを意識して、心の準備をすることが大切です。
そのうえで、普段の考えごとを整理したり、何かアイデアが思い浮かんだりと自分に向き合う時間が必然的に多くなるので下山後には頭の中がスッキリした!となることもしばしば。頭の中を整理するにも登山はよいかもしれません。
登山やってみようかな〜と思った方もまずは装備を整えることが必要です。登山で最低限必要なのは「登山靴」「ザック」「レインウエア」の3点。これらは登山の三種の神器とも言われています。
どれも、わざわざ買うほどのものではないように感じるかもしれませんが、安全で楽しい登山をするためには、ケガや疲れから守ってくれる登山靴、体への負担をできる限り軽減する作りになっているザック、変わりやすい山の天気から守ってくれるレインウエアを、きちんと買い揃えておくことが大事なのです。
気になるお値段は、メーカーによって差はあるものの、5〜10万円ほど。高く感じますが一気に揃えようとするのではなく、まずは靴から揃えて一度やってみて続けられそうなら他のものを揃えていくというやり方がおすすめです。
ネットで調べれば代替えできるアイテムや安く揃える方法が出てきますが、もし続けるなら最初にきちんとしたものを買っておくとのがよいでしょう。よいものはその後何年も使えるので、長い目で見ればそう高いお買い物ではないかもしれません。
装備を揃えたらいよいよ山へ行きたくなりますね。でもどこの山がいいの?と悩んでしまいます。最初の山選びのポイントは人が多い安全なコースを選ぶことです。
登山を長くつき合う趣味にするには、何よりも自分に合ったレベルの山選びが大切になります。例えば、初心者のうちにとても高い山に挑戦すると、苦しかったり、ケガをしたりで少しも楽しめないかもしれません。そうなるのは悲しいですね。
自分のレベルに合った山を選べば、景色や食事、ほどよい疲れを楽しんで、ずっと続けていけるはずです。
自分に合った山がわからないという方は、山に詳しい友達や、初心者向けのコミュニティなどを頼るのことが確実でしょう。気の合う山仲間に巡り会えるといいですね。
登山の目的は人それぞれですが、一番最優先にすることは、高い山に登ることでも、多くを歩くことでもなく、安全で楽しい体験にすることです。命に関わることも起こりうるのでいつも心がけていきたいですね。
趣味探しは一生の中で一回はチャレンジしたことがあるのではないでしょうか。みつけたと思っても継続できなかった…なんてことも。
もしこの記事を読んで登山やってみようかなと思えたらなら、まずは観光所で案内しているハイキングコースを歩いてみてはいかがでしょうか。危険なことにならないように山道が整備されているので安心ですよ。
東京にある高尾山を例にあげますと、今まではケーブルカーを利用していたけど次は歩いて登ってみようなどと少しずつ歩く距離や高さを増やしていくだけでも立派な登山です。
登山を始める前に少しマナーの予備知識が必要ですが、それはどのジャンルでも同じことなのでしっかり山のマナーは守りましょう。
自然の中を歩き、ごはんを食べて、景色を眺め、温泉に入る。この楽しい体験を是非味わってみてください。
▼山歩きに役立つ本
▼山歩きの必需本!歩きをサポートしてくれるアイテム
▼HIKES編集長の里山トラベル
HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。
東京青梅駅から歩いていける長渕丘陵は気軽なハイキングコース。なんだけど、あかぼっこからは奥多摩の山々が見渡せる素敵な場所です。年末年始でくっちゃりねっちゃりして、鈍った体を整えるきっかけになるのでおすすめです。多分1月に行く。 #里山トラベル pic.twitter.com/NyVksMhOA6
— 宮本 将弘 (@masa_yco) December 28, 2019
HIKES編集部です。「歩くを文化に暮らしを楽しむ」をコンセプトに自然の中を歩くことが暮らしの一部になるようなコンテンツを発信していきます。登山やハイキング、ロングトレイルを始め、地元の人しか知らない里山噺など、歩くことを軸にしたWEBメディアです。
登山で役立つエマージェンシーキット。必要な理由と準備すること
警察庁が発表する『山岳遭難の概況』によると登山中の事故やけがなど、遭難者は年々増えているそうです。遭…
【御岳山】ロックガーデン山歩き。ゆっくり歩くと見えてくる「小さな世界」
東京都・奥多摩にある御岳山。ロックガーデンと呼ばれる沢沿いを歩くコースは東京屈指の癒しスポットです。…
登山計画は安全登山の第一歩。計画の立て方と遭難防止に役立つサービス
「登山は計画で全てが決まる」と言っても過言ではないほど、登山計画を立てることは重要なことです。 何時…
登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ
登山やってみたいけど荷物が多そうでトライしにくいなぁと悩む人も多いですね。確かに、本格的な登山をする…
登山やトレッキングに欠かせない「行動食」のおすすめは?
登山やトレッキングに欠かせないのが「行動食」。登山は重たい荷物を背負い登ったり、下ったりとカロリーを…
自然ガイドの資格を取りたい。何からはじめる? − 自然ガイドへの道
「山歩きのことを体系的に学びたい」 そう考えるようになったのは、山登りを始めて2年が経とうとするとき…
登山に最適なタオルとは?タオルの役割と種類、機能性の高いタオルをご紹介
汗や汚れを拭くのはもちろん、頭や首に巻いたり、応急処置に使ったりと用途に合わせて使えるタオルは登山の…
春から登山を始めてみたい!春山の魅力と都内にある初心者におすすめの山
長い冬が終わり春の暖かい気候に恵まれると、途端に登山心がうずくものですね!春から登山を初めてみたいと…
登山で使う手袋の選び方。代用品や人気のユニセックス手袋10選
登山の装備において靴やウェアは慎重に選びますが、意外に軽視されがちなのが、手袋ではないでしょうか。街…
ひとりでハイキングに行くのが不安。安全にハイキングを楽しむための基礎知識
豊かな森のなかを気軽に楽しむことができるハイキング。たまにはふらっとリフレッシュに行きたいものですが…
【那須岳(茶臼岳・朝日岳)】火山のダイナミックな光景と紅葉をロープウェイを利用して楽しむ日帰り登山
那須岳(なすだけ)は栃木県北部に位置する那須連山、特に「茶臼岳(ちゃうすだけ)」「朝日岳(あさひだけ…
【岩木山】青森県の最高峰を九合目からお手軽に登頂
津軽平野の南西にそびえる岩木山は、青森県の最高峰で日本百名山に選定されています。その美しい円錐型の山…
【男体山】中禅寺湖を振り返りながら奥日光の霊山を登る日帰り登山
男体山は中禅寺湖の北側にそびえる、美しい円錐形の山です。古来、日光二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ、…
【木曽駒ヶ岳】初心者でもロープウェイで中央アルプス最高峰へ!千畳敷カールの絶景が待つ日帰り登山
中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は標高3000mに迫る標高がありながら、ロープウェイ…
【大台ヶ原】豊かな自然と見どころ満載の東大台ハイキングコースを歩く
奈良県と三重県の県境に位置する「大台ヶ原(おおだいがはら)」は、日本百名山をはじめ、日本百景、日本の…
【奥多摩・御前山】奥多摩湖から始まる急登の連続!達成感を味わえる日帰り登山
大岳山(おおだけさん、おおたけさん)、三頭山(みとうさん)とともに奥多摩三山に数えられる「御前山(ご…
【塔ノ岳・登山】首都圏近郊の好展望の山!丹沢を代表する人気コース表尾根を歩く
表丹沢の「塔ノ岳(とうのだけ)」は、展望の良さと都心からのアクセスのしやすさで人気の山です。標高は1…
【檜洞丸】西丹沢の秘境を巡る日帰り登山!アクセスと難易度、絶景ポイントを紹介
檜洞丸(ひのきぼらまる)は西丹沢の山深さが感じられる静かな山で、「西丹沢の盟主」とも呼ばれています。…
【袈裟丸山】花見登山を満喫!山肌をピンクに彩るアカヤシオの名山を歩く
栃木・群馬県境の足尾山地に属する袈裟丸山(けさまるやま)は、アカヤシオの名所として名高い山で、シーズ…
【大楠山・登山】三浦半島を横断!海と山の360°パノラマが楽しめる低山ハイキング
神奈川県三浦半島の最高峰、大楠山(おおぐすやま)。海に囲まれた半島に位置するため、東京湾、房総半島、…
【群馬・根本山】自然のアスレチック!低山ながらスリルと登りごたえのある古道歩き
栃木・群馬両県の百名山に選定されている「根本山」は、古くから信仰の山として親しまれています。根本山へ…
【丹沢・不動尻】一面黄色の世界!早春のハイキングで「ミツマタ」を見に行こう!
春が来て登山・ハイキングに最適なシーズンとなりました。春ハイキングの楽しみのひとつに、山で出合うお花…
トレイルランと登山の違いを解説!自分に合った山のスタイルを見つけよう
トレイルランと登山は、山を「走る」のか「歩く」のかという違いだけで、似たようなものだと思いがちですが…
【積雪期・谷川岳】雪山初心者におすすめ!日帰りで360度白銀の世界へ
「トマの耳」「オキの耳」の双耳峰(そうじほう)からなる「谷川岳(たにがわだけ)」は、日本百名山のひと…
【伊豆ヶ岳】奥武蔵屈指の人気コースを歩く日帰り縦走登山
気軽にハイキングが楽しめる低山の多い奥武蔵エリア。その中でも一番人気といわれるのが伊豆ヶ岳(いずがた…
【皆野アルプス】身近な里山のアルプスを縦走する日帰り登山(破風山・前原山・大前山・天狗山)
皆野アルプスは破風山をはじめとしたいくつかのピークをつなぐ低山縦走コースです。最高峰の大前山でも65…
【三国山・鉄砲木ノ頭】富士山の絶景を満喫するハイキングコース
丹沢山地の西端、山中湖の近くに位置する「三国山(みくにやま)」は、神奈川県、山梨県、静岡県の3県にま…
【丹沢・大山】都心からアクセス抜群!大山阿夫利神社と紅葉スポットを散策する日帰り登山
関東屈指の人気の山域、丹沢の東側に位置する大山は、ピラミダルな美しい山容が特徴の山です。古くから山岳…
【鳥取・大山】初心者でも安心!自然と歴史満喫の夏山登山道、行者コースを歩く
鳥取県西部に位置する「大山(だいせん)」は、西日本最大級のブナ林や国の特別天然記念物ダイセンキャラボ…
【棒ノ折山・登山】「鎌倉殿の13人」畠山重忠ゆかりの山!渓谷を沢登り気分で楽しむ日帰り登山
奥武蔵エリアにある「棒ノ折山(ぼうのおれやま)」は、渓流沿いのコースで沢歩き気分が楽しめる山です。ゴ…