登山に慣れてくるとやってみたくなるのが登山料理。山仲間が山ごはんを作り、美味しそうに食べてる姿をみると「私もやりたい」となりませんか?
今回は登山料理をこれらから始めたい方向けに、揃えておきたい調理道具や料理するときの注意点、簡単にできるレシピをご紹介します。
行く山やコースにもよりますが、登山では時間が限られてます。日帰りなら15時ぐらいには下山しておきたいし、泊まりでも同じく15時ごろまでには山小屋やキャンプ場に到着しておきたいところです。
もしお昼ごはんを作る場合なら時間のペース配分には十分気をつけましょう。
温めるだけのレトルト食品やお湯を注ぐだけのフリーズドライ食品など種類も豊富にありますので、それらを上手に取り入れ時間にゆとりを持たせることが登山料理を楽しむコツです。
例えば野菜を使用する場合は、あらかじめ食べやすいサイズに切ってジップロクックにまとめて入れたり、缶詰やレトルト食品と掛け合わせたレシピを取り入れたりと時短料理を心がけるようにします。
料理するのに時間がかかりすぎて、ゆっくり味わうことができなかった…となるとせっかくの山ごはんももったいないですね。
登山ではゴミを全て持ち帰るのが鉄則です。事前準備の段階でゴミを減らす工夫をするのも大事なことになります。
必要のない外箱や袋は外して、細々した材料は必要な分だけジップブロックにひとまとめにしておくとゴミが少なくなります。
荷物がかさばらないようにするには、ゴミはできるだけ空気を抜いて小さく丸めるのがポイントです。
ゴミ袋ではなく、小さくて丈夫な袋に詰め込んで、口をしっかり締めておけば汁も出ませんし、臭いも気になりません。
自然環境への配慮から山では食器や鍋を洗うことも、余った汁や残飯を捨てることもNGです。食べられる量、飲みきれる量を考えて作ることも登山料理を楽しむコツになります。
基本となる調理器具は、バーナー、ガス、コッヘル(クッカー)、ライターなどです。
山で使うバーナーはシングルバーナーと呼ばれ、ガスカートリッジをセットするだけのコンパクトに使える優れものです。火力も申し分ありません。
コッヘルは鍋の代わりになる調理器具のことです。深いタイプと浅いタイプがありますので用途に合わせて準備しておきましょう。大少セットになっているものを使っている人をよくみかけます。
鍋はフライパンとして使用し、一人ならそのまま食器として使うこともできます。アルミ、チタン、ステンレスの素材があり、大きさもさまざまです。大きいと重たくなりますので、小さくて軽いものを自分用に使っている人が多いです。
火をつけるためのライターは準備しておきましょう。あまり意識したことがないかもしれませんが、ライターには電子式とフリント式があります。標高の高い山では電子式は着火しにくいので、フリント式がおすすめです。
ライターの入らないバーナーもありますが、風が強い日は着火しにくく、故障した場合に備えてライターは常備した方がよいですよ。
温めるだけの料理からワンランクアップしたい方が次に揃えたい便利アイテムをご紹介します。
登山時の料理だけでなく非常用としても活躍する便利なアイテムです。ほとんどナイフしか使わないかもしれませんが、ピンセットやはさみが付いていると便利です。
塩こしょう、砂糖などの調味料であれば小袋やアルミホイルで問題ありませんが、しょうゆや油などの液体の調味料は小さな液体用のボトルがあると安全です。
ちょっとレトロなお弁当箱に見えますが、万能型飯盒で、最近注目が高まっているギアです。美味しいごはんだけでなく、さまざまなレシピに活用できます。
名前はかっこいいですが、小さな焼き網のことです。パンやおもち、おにぎり、ウインナー、乾物を炙るのに使います。
登山で料理する場合は場所選びには注意しましょう。誤って火のついたバーナーを倒してしまい草に燃え移ってしまう可能性や、火器厳禁のテーブルでおこなうとマナー違反になります。
バーナーを置く場所は植物が生えていないジャリや石場か調理OKなテーブルの上が安全です。そのような場所がない場合は、平らな場所で倒れにくいところが良いでしょう。
また、山の環境を守るため料理で出たごみは必ず持ち帰り、ごはんも残さず全部食べるようにすることも大事です。汁も一滴も残さないように…とまではいきませんが、残った汁は山に捨てずにティッシュで吸ってごみ袋に入れて持ち帰るようにしましょう。
山で料理したごはんは格別に美味しいのですが、マナーを守ることを忘れないよう気をつけましょう。
山ごはんで使用したクッカー(コッヘル)はすぐに洗いたいところですが、洗剤は山で使用禁止のため家に帰ってからしっかり洗うようにしましょう。
使用後できることは、ティッシュやウェットティッシュなどで汚れを拭き取るぐらいです。軽く火であぶると油が浮き出るのでそれをふくようにすることもポイントです。
クッカーはチタン製、アルミ製、ステンレス製のものがありますが、チタンかアルミのどちらかが多いです。テフロン加工のものなら焦げにくいですが、加工が施されてないものは焦げつきやすくなります。
焦げつかないようにするためには、強火で調理しないことなのですが、どうしても焦げがへばりついてしまいます。
焦げがついてしまった場合でも、簡単にはとれないため山ではあきらめて家で洗うようにしましょう。そのときの注意点は、ステンレスタワシなどの固いタワシでガリガリ削らないことです。
固いタワシでこすってしまうと焦げだけではなく、コーディング加工や本体そのものにキズがついてしまいます。お湯で地道に柔らかいスポンジで洗いましょう。
洗い終わったあとは速やかに水を拭き取り乾燥させることは長く使うポイントです。
山ハレ鳥トケの山ごはんレシピ記事をご紹介します。どれも簡単なものばかりですので何かの参考になると嬉しいです。
少し張り切って作った山ごはんです。二つ作ると時間がかかってしまいますので、どちらか一つでもいいかもしれません。
【材料(二人分)】
◯ナンピザ
・無印良品 フライパンでつくるナン 200g
・玉ねぎ(1/4)
・パプリカ(1個)
・ピザソース
・とろけるチーズ(2枚)
・豆苗(適量)※飾りつけなのでなんでも良いです
※ナンは家で生地を作っていきます。
※野菜などの材料はあらかじめ家で切っていきます
◯ミネストローネ
・しめじ(適量)
・玉ねぎ(1/4個)
・にんじん(適量)
・ミネストローネの素
※野菜などの材料はあらかじめ家で切っていきます
【詳しくはこちら】
【山ごはん】ピザとミネストローネの簡単レシピ
人気マンガ「山と食欲と私」で登場したレシピ。インスタント麺にウインナーを入れるだけの簡単レシピです。
【材料(一人分)】
・マルちゃん正麺 醤油味 1袋
・金のウインナー 4本
・水 300ml
【詳しくはこちら】
【山ごはん】欲張りウインナー麺 − 山ごはんレシピ
寒い時期には体も心もあったまるキムチ鍋。あたためて鍋キューブをポンするだけです。
【材料(二人分)】
・白菜 適量
・豚肉(ロース) 適量
・しめじ 適量
・えのき 適量
・鍋キューブ® ピリ辛キムチ 2個
・水 500cc
※食材は食べやすい大きさにカットします。
【詳しくはこちら】
【山ごはん】キムチ鍋の簡単レシピ
メスティンで炊くごはんは最高に美味しいですね。その上にいわしとレタスをのせれば豪華な丼に早変わりです。いわしの臭いが気になる方は日帰り登山におすすめです。
【材料(二人分)】
・いわしの缶詰(缶つまプレミアム) 1缶
・レタス 適量
・白米 2合
・水 適量
・水 400cc
※いわしの缶詰とレタスはセブンイレブンで購入
【詳しくはこちら】
【山ごはん】いわしとレタスのオイルサーディン丼のレシピ
山ごはんを作って食べることは登山の楽しみの一つですね。最初はお湯を沸かすだけでも感動したものです。バーナーやクッカーを揃えるにもまたお金がかかりますが、登山の楽しみが一段と広がりますよ。
instagramでハッシュタグ#山ごはんのギャラリーを除いてみるとこんなものまで山で作るの!と豪華な料理写真が並んでいます。
登山での料理をどこまで極めるのかは人それぞれですが、綺麗な景色を眺めながら食べるごはんは、きっと素敵な思い出の一つになります。
▼登山で料理するための必要な調理道具
▼HIKES編集長の里山トラベル
HKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローされると喜びます。
歴史は好きなんだけど、歴史の価値って現代では薄れつつある気がする。今を生きる人にとっては今と未来の方が興味あるもんね。…だからこそ知っておきたくて、興味深い本を購入した。一つのエリアを深掘りしたい。秩父は山歩きに目覚めた地なので愛着あるから気持ちものって入りやすい。#里山トラベル pic.twitter.com/zmSH0wWt2O
— 宮本 将弘🏡 (@masa_yco) September 29, 2019
HIKES編集部です。「歩くを文化に暮らしを楽しむ」をコンセプトに自然の中を歩くことが暮らしの一部になるようなコンテンツを発信していきます。登山やハイキング、ロングトレイルを始め、地元の人しか知らない里山噺など、歩くことを軸にしたWEBメディアです。
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