一昔前なら登山装備と聞くと高価で専門的なイメージでしたが、技術が発達した近年では機能的かつ軽量、安価な登山装備が増えてきています。それでも登山初心者の方にとっては何から揃えれば良いのかわかりにくいですね。
今回は登山装備をこれから揃える人向けに登山装備が必要な理由や、計画に合わせた装備の揃え方をご紹介いたします。
普段利用している靴や服と登山装備の違いは、風や雨(水)など外部からの刺激に強いことがあげられます。
例えば登山靴は、デコボコした山道でもスムーズに歩けるようにソールが固くなっています。雨や水たまりなどで水に濡れてもしみ込まないようにゴアテックス (GORE-TEX)という防水透湿性素材を使用した靴もあります。
このように靴一つとっても街で履くスニーカーとは違い、山用に適した機能を持ち合わせているのが登山装備です。
登山では突然雨が降ったり、強風が吹いたりと予期せぬことに遭遇する可能性もあります。山用に適した装備を準備していることが身を守ることにも繋がってくるのです。
登山装備といっても、いつも同じものを使うわけではありません。登る山や季節、計画などにより持ち物を変える必要があります。
夏山ならTシャツや短パンなど薄手の服装でも構いませんが、積雪のある冬山に行くならアイゼン、ピッケル、厚手の防寒着などが必要になります。行く山にもよりますが、冬であっても低山ならトレッキングシューズで平気ということもあるでしょう。
登山装備は最初から全部を揃えるとお金も高くつきますので、登山三種の神器と呼ばれる「登山靴」「ザック」「レインウェア」をまず揃えることをおすすめします。
詳しくはこちらの記事で紹介していますのでチェックしてみてください。
【こちらもチェック!】
登山装備は何から買えばいい?初心者が知っておきたい山の基本3大装備
日帰りで楽しむ登山は手軽に感じるかもしれませんが、山道の状態が悪かったり、山の天気が変わったりする場合もありますのでしっかり準備する必要があります。
基本的な装備(登山靴、ザック、レインウェア、アウターレイヤー、ミドルレイヤー、ベースレイヤーなど)は抑えつつ、それ以外にもヘッドランプや行動食も必要になってきます。
ヘッドランプは日暮れまでに下山する予定だとしても、足を怪我してしまった場合、下山が遅くなることもあります。秋〜冬は日没時間も早いため、山の中は真っ暗になり道を踏み外してしまう…なんてことも考えられます。
行動食は多くのエネルギーを消耗する登山において重要な役割持ち、こまめに摂ることでエネルギー切れを予防します。食料だけではなく水分も必要なので水も必ず持参するようにしましょう。
また、万が一の遭難に備えて簡易型テントのツェルトも準備しておきたいところです。
むやみに荷物を増やすのは避けたいですが、不測の事態を想定した装備は持っているだけで安心できます。登山に慣れてくるとコースによって何を持っていけば良いのか段々わかってきますので、自分の登山スタイルに合わせて必要なものを持って行くようにしましょう。
山で泊まる計画になると着替えや食料が増えるため持ち物は多くなります。山小屋に泊まるか、テント泊するかによって変わりますが、着替えは1泊であっても、新しい服に着替えることで気分的にもリフレッシュ出来ますので持って行きたいところです。
テント泊の場合は、テント、シュラフ、マットとその分荷物が増えますので、最低でも50L以上の大きなザックが必要になります。山小屋泊の場合なら日帰り登山と同じくらいの30Lザックでギリギリ大丈夫といったところです。
その他、細かいところでは汗拭きシート、歯磨きガム、女性ならメイク落としや化粧水なども必要ですね。テント泊の場合、ずっと登山靴で過ごすのは疲れますからサンダルがあると便利です。
食料では食材の他にお湯を沸かすためのバーナーやコッフェル、調理道具も必要になってきます。コース上に山小屋があるなら必要ないかもしれませんので、臨機応変に持ち物を検討していきましょう。
こちらの記事に日帰り、泊まり用の持ち物リストを掲載しています。
【こちらもチェック!】
登山の持ち物リストをチェック。基本的な装備や道具とパッキングのコツ
ここまで登山装備の重要性を紹介しておきながら言うのもなんですが、登山装備や道具は正直高いです。基本装備だけでも5〜10万円、テントや調理器具まで入れると20万円ぐらいかかってしまいます。
機能的かつ軽量化されたものほど高くなるので、良いものを一度に全部揃えようとするのは財布にあまり優しくありません。費用を抑えるコツは、本当に必要なものから揃えるようにして、普段使いのもので代用できるものは代用することです。
例えばベースレイヤー(肌着)は、化繊で吸湿、速乾性に優れたものという条件を満たしていれば日常で着用しているもので代用可能です。
ミドルウエアやアウターも普段使いのものにすれば費用は格段に抑えられます。ザックも丈夫なリュックなら問題ないですし、低山であれば登山靴ではなくスニーカーで代用することもできます。その場合でもできれば、足首保護のため、ハイカットのスニーカーがよいでしょう。
しかし、代用するのはあくまでも軽登山までとして、本格的な登山をする場合は代用品では役不足になります。
山歩きの経験を重ねていく度に知識も深まってきますので、登山計画の規模によってどんなものが必要かわかってくるようになります。
代用品になるものが無い場合はレンタルという選択もあります。やはり登山用として開発されたものは耐久性もありますし、何より使いやすいものです。
これから登山を続けるかわからない人にとってもレンタルでお試ししてみるのもよいですね。
登山セットやキャンプセットなどがすべて揃っているものからワンアイテムでも借りられので、必要なものがまだわからないという方にとっても購入するより断然お得です。
気に入ったアイテムがあれば同じものを求めることもできますのでお試しとして利用する人も増えてきています。あまり使わないテントはレンタルと相性がいいかもしれませんね。
登山用品のレンタルショップ「そらのした」はネット上で予約をすれば前日までに全国へ無料配送してくれます(一部地域を除く)。
使用後もクリーニングせずにそのまま返却ができる上、返送時も送料はかかりません。購入に迷っている方はレンタルしてみてはいかがでしょうか。
【紹介サイト】
登山レンタルなら「そらのした」
ここでは書ききれませんでしたが、さらにあると便利なものは他にも色々とあります。
歩くサポートをしてくれる「トレッキングポール」や「スポーツタイツ」、道迷い防止の「地図・コンパス」、泥や積雪から足元を守ってくれる「ゲイター」なども登山で必要なものです。
特に「トレッキングポール」は膝を痛めやすい方におすすめですよ。
登山装備は最初は高い買い物かもしれませんが、1度揃えておけば数年はもちますのでその後お金はあまりかかりません。でも新しいものが欲しくなるのは否めません…笑。
▼登山用品を「エルブレス」でチェック!
登山装備は試着してからの購入がおすすめです。特に靴はサイズが合わないと擦り傷や踏ん張りがきかなくなるので店員さんと相談しながら選びましょう。その前にネットでお気に入りをチェックしておくのもよいですね。
▼HIKES編集長の里山トラベル
HIKES編集長の山歩きをTwitterでも発信しています。山歩きをしながら地域の歴史を巡る里山トラベル活動をしています。フォローすると喜びます。
東京青梅駅から歩いていける長渕丘陵は気軽なハイキングコース。なんだけど、あかぼっこからは奥多摩の山々が見渡せる素敵な場所です。年末年始でくっちゃりねっちゃりして、鈍った体を整えるきっかけになるのでおすすめです。多分1月に行く。 #里山トラベル pic.twitter.com/NyVksMhOA6
— 宮本 将弘 (@masa_yco) December 28, 2019
HIKES編集部です。「歩くを文化に暮らしを楽しむ」をコンセプトに自然の中を歩くことが暮らしの一部になるようなコンテンツを発信していきます。登山やハイキング、ロングトレイルを始め、地元の人しか知らない里山噺など、歩くことを軸にしたWEBメディアです。
山仲間はどうやって探すの?山岳会やネットから山仲間を探す方法
登山を始めるきっかけは友人に誘われたり、まわりにやっている人がいるからというケースが多いかと思います…
登山計画は安全登山の第一歩。計画の立て方と遭難防止に役立つサービス
「登山は計画で全てが決まる」と言っても過言ではないほど、登山計画を立てることは重要なことです。 何時…
登山用サングラスの役割は?紫外線の目への影響とサングラスの選び方
普段あまりかけてない人はサングラスに対して苦手意識を持っていないでしょうか?お洒落に気を配ることはも…
登山ブランドの定番は?人気アウトドアメーカー9選
ザックやウェアを揃えるときどの登山ブランドにしようかと悩みますよね。登山を快適にする装備選びはとても…
登山で手ぬぐいが好まれるのはなぜ?隠れざる性能と山小屋の手ぬぐい
和食や和紙など、日本古来の文化が世界的にも評価されていますが、手ぬぐいも密かに人気なのはご存知でしょ…
登山の防寒着は何にしよう?防寒着の素材と用途に合わせた選び方
秋冬シーズンだけではなく、真夏であっても高い山は気温が低くなります。一年を通して登山に防寒着は欠かせ…
登山でサコッシュが重宝される理由。便利な持ち物とおすすめブランド
サコッシュとは小型のショルダーバッグのことです。元々は自転車のロードレースなどで使用されていましたが…
春から登山を始めてみたい!春山の魅力と都内にある初心者におすすめの山
長い冬が終わり春の暖かい気候に恵まれると、途端に登山心がうずくものですね!春から登山を初めてみたいと…
登山ザックに装着できるボトルホルダーが便利!手軽に水分補給して軽快に歩こう
登山中の水筒やペットボトルはどこに収納していますか?ザックの脇のポケットに入れるのが一般的ですが、ザ…
【弘法山公園】手軽さNo.1の駅チカ低山ハイキング!富士山の眺望と温泉を楽しむ日帰り登山
弘法山公園は、丹沢山塊の南側にある標高235mの弘法山とその周辺の低山の総称です。 関東圏から日帰り…
【那須岳(茶臼岳・朝日岳)】火山のダイナミックな光景と紅葉をロープウェイを利用して楽しむ日帰り登山
那須岳(なすだけ)は栃木県北部に位置する那須連山、特に「茶臼岳(ちゃうすだけ)」「朝日岳(あさひだけ…
【岩木山】青森県の最高峰を九合目からお手軽に登頂
津軽平野の南西にそびえる岩木山は、青森県の最高峰で日本百名山に選定されています。その美しい円錐型の山…
【男体山】中禅寺湖を振り返りながら奥日光の霊山を登る日帰り登山
男体山は中禅寺湖の北側にそびえる、美しい円錐形の山です。古来、日光二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ、…
【木曽駒ヶ岳】初心者でもロープウェイで中央アルプス最高峰へ!千畳敷カールの絶景が待つ日帰り登山
中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は標高3000mに迫る標高がありながら、ロープウェイ…
【大台ヶ原】豊かな自然と見どころ満載の東大台ハイキングコースを歩く
奈良県と三重県の県境に位置する「大台ヶ原(おおだいがはら)」は、日本百名山をはじめ、日本百景、日本の…
【奥多摩・御前山】奥多摩湖から始まる急登の連続!達成感を味わえる日帰り登山
大岳山(おおだけさん、おおたけさん)、三頭山(みとうさん)とともに奥多摩三山に数えられる「御前山(ご…
【塔ノ岳・登山】首都圏近郊の好展望の山!丹沢を代表する人気コース表尾根を歩く
表丹沢の「塔ノ岳(とうのだけ)」は、展望の良さと都心からのアクセスのしやすさで人気の山です。標高は1…
【檜洞丸】西丹沢の秘境を巡る日帰り登山!アクセスと難易度、絶景ポイントを紹介
檜洞丸(ひのきぼらまる)は西丹沢の山深さが感じられる静かな山で、「西丹沢の盟主」とも呼ばれています。…
【袈裟丸山】花見登山を満喫!山肌をピンクに彩るアカヤシオの名山を歩く
栃木・群馬県境の足尾山地に属する袈裟丸山(けさまるやま)は、アカヤシオの名所として名高い山で、シーズ…
【大楠山・登山】三浦半島を横断!海と山の360°パノラマが楽しめる低山ハイキング
神奈川県三浦半島の最高峰、大楠山(おおぐすやま)。海に囲まれた半島に位置するため、東京湾、房総半島、…
【群馬・根本山】自然のアスレチック!低山ながらスリルと登りごたえのある古道歩き
栃木・群馬両県の百名山に選定されている「根本山」は、古くから信仰の山として親しまれています。根本山へ…
【丹沢・不動尻】一面黄色の世界!早春のハイキングで「ミツマタ」を見に行こう!
春が来て登山・ハイキングに最適なシーズンとなりました。春ハイキングの楽しみのひとつに、山で出合うお花…
トレイルランと登山の違いを解説!自分に合った山のスタイルを見つけよう
トレイルランと登山は、山を「走る」のか「歩く」のかという違いだけで、似たようなものだと思いがちですが…
【積雪期・谷川岳】雪山初心者におすすめ!日帰りで360度白銀の世界へ
「トマの耳」「オキの耳」の双耳峰(そうじほう)からなる「谷川岳(たにがわだけ)」は、日本百名山のひと…
【伊豆ヶ岳】奥武蔵屈指の人気コースを歩く日帰り縦走登山
気軽にハイキングが楽しめる低山の多い奥武蔵エリア。その中でも一番人気といわれるのが伊豆ヶ岳(いずがた…
【皆野アルプス】身近な里山のアルプスを縦走する日帰り登山(破風山・前原山・大前山・天狗山)
皆野アルプスは破風山をはじめとしたいくつかのピークをつなぐ低山縦走コースです。最高峰の大前山でも65…
【三国山・鉄砲木ノ頭】富士山の絶景を満喫するハイキングコース
丹沢山地の西端、山中湖の近くに位置する「三国山(みくにやま)」は、神奈川県、山梨県、静岡県の3県にま…
【丹沢・大山】都心からアクセス抜群!大山阿夫利神社と紅葉スポットを散策する日帰り登山
関東屈指の人気の山域、丹沢の東側に位置する大山は、ピラミダルな美しい山容が特徴の山です。古くから山岳…
【鳥取・大山】初心者でも安心!自然と歴史満喫の夏山登山道、行者コースを歩く
鳥取県西部に位置する「大山(だいせん)」は、西日本最大級のブナ林や国の特別天然記念物ダイセンキャラボ…
【棒ノ折山・登山】「鎌倉殿の13人」畠山重忠ゆかりの山!渓谷を沢登り気分で楽しむ日帰り登山
奥武蔵エリアにある「棒ノ折山(ぼうのおれやま)」は、渓流沿いのコースで沢歩き気分が楽しめる山です。ゴ…